介護の夜勤のタイムスケジュール|国が定めるのは時刻表ではなく人数。入所者等26〜60人の特養は夜勤2人以上です

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目次

30秒でわかるまとめ

  • 介護職の夜勤の時刻表は、国の基準に書かれていません告示が定めているのは夜勤を行う職員の数です。何時に何をするかは、職場ごとの決め方になります。
  • 特養は入所者等の数で、夜勤の人数の下限が決まります25以下は1以上、26〜60は2以上、61〜80は3以上、81〜100は4以上です。
  • 夜勤時間帯は、午後10時から午前5時を含む16時間の枠です国の通知は、この連続する16時間を、原則として事業所又は施設ごとに設定するとしています。
  • 休憩は、8時間を超えるなら1時間以上と法律にあります労働基準法 第34条の定めです。8時間を超える場合より上の段階は、条文にありません。

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※夜勤の手当や深夜の割増は看護師の夜勤手当の相場、介護職の年収は介護職の年収の平均で扱っています。

入浴用チェア(介護職員)

先に答え:国が決めているのは「人数」と「休憩」です

「介護の夜勤のタイムスケジュール」を国の資料で探すと、見つかるのは時刻表ではありません。見つかるのは次の2つです。

  • 夜勤の人数:厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準(平成12年厚生省告示第29号。以下「告示」)
  • 休憩:労働基準法 第34条

本記事が取得した告示・通知・省令には、夜勤の「何時に巡回し、何時に休憩する」といった時刻表はありませんでした。時刻表は職場ごとに作るものです。だからこそ、自分の職場の夜勤の人数が、告示のどこに当たるかを確かめる意味があります。

打ち合わせタブレット

夜勤の人数を決めている告示は、どういうものか

告示は、介護報酬の算定の基準(平成12年厚生省告示第19号・第21号)の規定に基づいて定められたものです。短期入所、特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)、介護老人保健施設、認知症グループホームなど、サービスの種類ごとに夜勤を行う職員の数を書いています。

告示の運用を示す厚生労働省の通知(平成12年3月8日 老企第40号)は、この規定の目的を、夜間の安全の確保と利用者等のニーズへの対応、適正なサービスの提供の確保としています。最新の改正は令和6年3月15日の厚生労働省告示第86号(令和6年4月1日施行)で、令和8年3月13日の告示第87号は、この告示を改正していません。

書類にサイン

ここが本題:特養と短期入所は、入所者等の数で人数が決まります

従来型の特別養護老人ホームの夜勤の人数は、告示 第五号イ(1)が準用する第一号ロ(1)(一)で決まります。柱書はこうです。

「夜勤を行う介護職員又は看護職員の数が次のとおりであること。」

出典:厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準 第一号ロ(1)(一)(原文どおり)

入所者等の数(短期入所の利用者を合わせた数)夜勤を行う介護職員又は看護職員の数
25以下1以上
26以上60以下2以上
61以上80以下3以上
81以上100以下4以上
101以上4に、100を超えて25又はその端数を増すごとに1を加えた数以上

出典:同告示 第一号ロ(1)(一)a〜e(第五号イ(1)、第四号イ(1)で準用)

表の2段目と5段目を、原文で示します。

「指定短期入所生活介護の利用者の数及び当該特別養護老人ホームの入所者の数の合計数が二十六以上六十以下の特別養護老人ホームにあっては、二以上」

出典:同告示 第一号ロ(1)(一)b(原文どおり)

「指定短期入所生活介護の利用者の数及び当該特別養護老人ホームの入所者の数の合計数が百一以上の特別養護老人ホームにあっては、四に、指定短期入所生活介護の利用者の数及び当該特別養護老人ホームの入所者の数の合計数が百を超えて二十五又はその端数を増すごとに一を加えて得た数以上」

出典:同告示 第一号ロ(1)(一)e(原文どおり)

たとえば入所者等の数が130の場合、100を超える30は「25」が1つと端数5なので、4に2を加えて6以上になります(編集部試算。4+2=6)。

地域密着型の特別養護老人ホームも同じ表を準用し(第四号イ(1))、単独型の短期入所生活介護も、利用者の数について同じ段階を定めています(第一号イ(1))。ここでいう数は、通知により前年度の全利用者等の延数を前年度の日数で除して得た数で、夜勤の人数を数えるときは小数点以下を切り上げます(老企第40号 第二の1の(5)②・(6)③)。

ユニット型は「二のユニットごとに一以上」です

ユニット型の特別養護老人ホーム(短期入所を併設しない場合)は、第五号イ(2)(二)が第一号ロ(2)(二)を準用します。

「二のユニットごとに夜勤を行う看護職員又は介護職員の数が一以上であること。」

出典:同告示 第一号ロ(2)(二)(前段。原文どおり、ただし書は省略)

ユニット型の介護老人保健施設も、同じく二のユニットごとに一以上です(第六号ロ(1)が準用する第二号イ(2)(一))。入所者等の数ではなく、ユニットの数で人数が決まる点が従来型と違います。

老健は「二以上」。入所者等の数が四十以下なら例外があります

従来型の介護老人保健施設は、第六号イ(1)が第二号イ(1)(一)を準用します。

「夜勤を行う看護職員又は介護職員の数が二以上(次に掲げる要件のいずれにも適合する場合は、一・六以上)であること。ただし、指定短期入所療養介護の利用者の数及び当該介護老人保健施設の入所者の数の合計数(以下この号において「利用者等の数」という。)が四十以下の介護老人保健施設であって、常時、緊急時の連絡体制を整備しているものにあっては、一以上であること。」

出典:同告示 第二号イ(1)(一)(原文どおり)

括弧の中の「一・六以上」は、令和6年の改正(厚生労働省告示第86号 第十九条)で加わった定めです。見守り機器を利用者の数以上設置すること、夜勤を行う全ての職員が情報通信機器を使うこと、委員会で安全やケアの質を確認することなどが要件です。特別養護老人ホームにも、要件をすべて満たすと、算出される数に十分の八を乗じて得た数以上とする定め(第一号ロ(1)(一)f)があります。

見守り機器を入れた施設で夜間の業務時間がどう変わったかは、介護の夜勤、見守り機器で業務102.3分減で扱っています。

グループホームは「共同生活住居ごとに一以上」です

認知症グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、告示の第三号です。

「指定認知症対応型共同生活介護事業所ごとに夜勤を行う介護従業者(指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成十八年厚生労働省令第三十四号)第九十条第一項に規定する介護従業者をいう。)の数が、当該事業所を構成する共同生活住居(介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第八条第二十項に規定する共同生活を営むべき住居をいう。)ごとに一以上であること。ただし、同令第九十条第一項ただし書の規定が適用される場合においては、当該ただし書に規定する必要な数以上であること。」

出典:同告示 第三号(原文どおり)

定め内容(要約)
本文共同生活住居ごとに、夜間及び深夜の時間帯を通じて一以上の介護従業者に夜間及び深夜の勤務(宿直勤務を除く)を行わせるために必要な数以上
ただし書共同生活住居の数が三で、すべて同一の階において隣接し、安全対策が講じられているなどの場合は、事業所ごとに二以上とすることができる

出典:指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(e-Gov法令API 法令ID 418M60000100034)第90条第1項

第90条は「夜間及び深夜の時間帯」という言葉を使っていますが、それが何時から何時までかは、この基準の条文に書かれていません。グループホームでも、条文が定めているのは住居ごとの人数です。人数を数えるときの利用者の数は、前年度の平均値とされています(同条第2項)。

「夜勤時間帯」は16時間の枠。人数が足りない日が続くと減算です

特別養護老人ホームや老健などの夜勤時間帯は、老企第40号が定義しています。人数が足りないときの減算の条件の中にあります。

「夜勤時間帯(午後十時から翌日の午前五時までの時間を含めた連続する一六時間をいい、原則として事業所又は施設ごとに設定するものとする。)において夜勤を行う職員数が夜勤職員基準に定める員数に満たない事態が二日以上連続して発生した場合」

出典:老企第40号 第二の1の(6)②イ(原文どおり)

  • 枠の幅:午後10時から翌日の午前5時までを含めた、連続する16時間。何時に始めるかは、原則として事業所又は施設ごとに設定します。
  • 減算:ある月に、員数に満たない事態が2日以上連続するか、4日以上発生すると、翌月は利用者等の全員について所定単位数が減算されます(同②イ・ロ)。
  • 指導:不足が続く場合、都道府県知事は夜勤を行う職員の確保を指導し、従わない場合は指定の取消しを検討するとされています(同④)。

16時間は時間帯の枠で、1人が何時間働くかを定めたものではありません。基準より多く置く施設には、夜勤職員配置加算があります。従来型の特別養護老人ホームでは、基準の数に「一を加えた数以上」が原則の要件です(告示 第五号ロ(1)(三))。

休憩は労働基準法 第34条です

夜勤の中の休憩について、法律が定めているのは長さと与え方です。

「使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。」

出典:労働基準法(e-Gov法令API 法令ID 322AC0000000049)第34条第1項(原文どおり)

「使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。」

出典:労働基準法 第34条第3項(原文どおり)

条文の段階は「六時間を超える」と「八時間を超える」の2つです。夜勤が長い場合に休憩を上乗せする段階は、第34条にはありません。休憩を何時に、どこで取るかも、条文には書かれていません。深夜の割増賃金(労働基準法 第37条)は看護師の夜勤手当の相場で扱っています。

この記事が扱っていないこと

  • 夜勤の時刻表やシフトの例。国の資料には無く、本記事でも作っていません。
  • 介護医療院・療養病床・特定施設・小規模多機能型居宅介護の夜間の体制。告示や基準に別の定めがありますが、本記事では取得・整理していません。
  • 夜勤職員配置加算の単位数と、減算の率。本記事では取得していません。
  • 夜勤のときの腰の負担。介護職が腰痛で続けられないときで扱っています。
  • 夜勤をする人のための制度(看護師向け)。看護師の夜勤がきついときで扱っています。
  • 夜勤の負担の感じ方。民間の調査は使っていません。

介護職として職場で確認できること

  • 施設の種類と、入所者等の数(ユニット型ならユニットの数)。告示のどの段に当たるかが、夜勤の人数の下限を決めます。
  • 夜勤時間帯を何時から何時に設定しているか。原則として事業所又は施設ごとに設定するものです。
  • 夜勤中の休憩が、何分、どこで取れるか。第34条は、休憩時間を自由に利用させることを使用者に求めています。
  • 夜勤職員配置加算を算定しているか。算定していれば、基準より多い人数を置いていることになります。
  • 見守り機器等を理由に、基準の数より少ない配置にしているか。老健の一・六以上、特養の十分の八の定めに当たるかどうかです。

よくある質問

Q. 介護の夜勤は何時から何時までと決まっていますか。
A. 老企第40号は、夜勤時間帯を午後10時から翌日の午前5時までの時間を含めた連続する16時間とし、原則として事業所又は施設ごとに設定するとしています。開始と終了の時刻、その間の時刻表は、職場ごとに決まります。

Q. 夜勤は1人で何人を見ることになっていますか。
A. 告示は「1人で何人」ではなく、施設全体の夜勤の人数を定めています。従来型の特別養護老人ホームなら、入所者等の数が25以下で1以上、26以上60以下で2以上、61以上80以下で3以上、81以上100以下で4以上です。

Q. 夜勤の休憩は何分取れますか。
A. 労働基準法 第34条第1項は、労働時間が8時間を超える場合は少くとも1時間の休憩を労働時間の途中に与えるとしています。夜勤が長い場合の上乗せの段階は、同条にはありません。

Q. 基準の人数がいない夜はどうなりますか。
A. 老企第40号では、ある月に員数に満たない事態が2日以上連続するか4日以上発生すると、翌月は利用者等の全員について所定単位数が減算されます。不足が続けば、都道府県知事が職員の確保を指導します。

Q. グループホームの夜勤は何人ですか。
A. 告示 第三号は、共同生活住居ごとに一以上としています。共同生活住居が三つで、すべて同一の階において隣接しているなどの場合は、事業所ごとに二以上とすることができます(基準 第90条第1項ただし書)。

迷ったらここ

夜勤の人数は入所者等の数で決まる

介護の夜勤の時刻表は、国の基準にはありません。告示が定めているのは夜勤を行う職員の数で、従来型の特別養護老人ホームなら入所者等の数が26以上60以下で2以上です。

  • 施設の種類と入所者等の数(ユニット型ならユニットの数)
  • 夜勤時間帯を何時から何時に設定しているか
  • 夜勤中の休憩が、何分、どこで取れるか
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まとめ

介護の夜勤について、国の告示が定めているのは時刻表ではなく人数です。従来型の特別養護老人ホームは入所者等の数で決まり、26以上60以下なら2以上、ユニット型は二のユニットごとに一以上、老健は二以上、グループホームは共同生活住居ごとに一以上です。

夜勤時間帯は午後10時から翌日の午前5時までを含む連続する16時間の枠で、原則として事業所又は施設ごとに設定します。休憩は労働基準法 第34条で、8時間を超えるなら少くとも1時間です。自分の職場の夜勤の人数が、告示のどの段に当たるかを確かめてみてください。

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この記事を書いた人

医療・福祉・保育の人材紹介の現場で求職者の相談を受けてきた編集者が担当しています。キャリアアドバイザー歴8年、転職相談・紹介の対応実績1,500人以上(自社実績/2026年8月時点)。介護・看護師・保育士・栄養士の4分野を担当。記事の数値には必ず出典と公表時点を添えています。

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