30秒でわかるまとめ
- 看護師の夜勤手当の相場は、国の統計にはありません民間の病院の夜勤手当は、病院が決める額です。国の資料で額まで示せるのは、国家公務員の制度です。
- 深夜を全部含む勤務は、1回7,300円と規則にあります深夜の一部なら、深夜の勤務が4時間以上で3,550円、2時間以上4時間未満で3,100円、2時間未満で2,150円です。
- 同じ給与法に、時間で決まる「夜勤手当」もあります深夜に勤務した1時間につき百分の二十五を払う定めで、夜間看護等手当とは別の条に置かれています。
- 民間の深夜割増は法律が求めるもので、手当とは別です労働基準法と施行規則、割増率の政令には「夜勤手当」という言葉がありません。手当の額は病院が決めます。
※夜勤の手当の額を民間の団体が調べた結果は看護師の夜勤手当、20年の上昇は三交代で1,000円前後で、深夜の割増など夜勤をする人のための制度は看護師の夜勤がきついときで扱っています。

先に断ります:看護師の夜勤手当の相場は、国の統計にありません
民間の病院の夜勤手当の額は、それぞれの病院が決めるものです。国の統計に「夜勤手当は1回いくら」という相場はありません。本記事は相場の数字を作らず、民間の調査の数字も使いません。
そのかわり、本記事は国の制度で、夜勤の手当の額が条文に書かれているものを取り出します。それが、国家公務員の看護師などに払われる「夜間看護等手当」です。
これは国の制度で定められた額の1例で、民間の病院の相場ではありません。求人を読む物差しとして使います。

国家公務員の看護師には、特殊勤務手当の「夜間看護等手当」があります
根拠は、一般職の職員の給与に関する法律(以下、給与法)第13条です。
「著しく危険、不快、不健康又は困難な勤務その他の著しく特殊な勤務で、給与上特別の考慮を必要とし、かつ、その特殊性を俸給で考慮することが適当でないと認められるものに従事する職員には、その勤務の特殊性に応じて特殊勤務手当を支給する。」
出典:一般職の職員の給与に関する法律(e-Gov法令API 法令ID 325AC1000000095)第13条第1項(原文どおり)
同条第2項は、特殊勤務手当の種類や支給額などを「人事院規則で定める」としています。その人事院規則九―三〇(特殊勤務手当)第24条が、夜間看護等手当の条です。
「病院、療養所、診療所等に勤務する助産師、看護師又は准看護師が、正規の勤務時間による勤務の一部又は全部が深夜において行われる看護等の業務に従事したとき。」
出典:人事院規則九―三〇(特殊勤務手当)(e-Gov法令API 法令ID 335RJNJ09030000)第24条第1項第1号(原文どおり)
規則のいう「深夜」は、「午後十時後翌日の午前五時前の間」です(同規則 第18条第1項第1号の括弧書きで定義し、「以下同じ。」としています)。対象は、給与法が定める一般職の国家公務員のうち、病院、療養所、診療所等に勤務する助産師、看護師又は准看護師です(給与法 第1条)。

ここが本題:額は勤務1回につき、深夜の時間の長さで4段階です
「前項の手当の額は、その勤務一回につき、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額とする。」
出典:人事院規則九―三〇 第24条第2項(柱書き。原文どおり)
| 区分(第24条第2項第1号) | 勤務1回につき |
|---|---|
| イ その勤務時間が深夜の全部を含む勤務である場合 | 7,300円 |
| ロ(1) 深夜の一部を含み、深夜における勤務時間が4時間以上である場合 | 3,550円 |
| ロ(2) 深夜の一部を含み、深夜における勤務時間が2時間以上4時間未満である場合 | 3,100円 |
| ロ(3) 深夜の一部を含み、深夜における勤務時間が2時間未満である場合 | 2,150円 |
出典:人事院規則九―三〇 第24条第2項第1号イ・ロ(原文の漢数字を算用数字にした)
- 「1回いくら」の定額です。俸給の額によって変わる書き方ではありません。
- 額を分けているのは、深夜(午後10時〜午前5時)をどれだけ含むかです。深夜の7時間をまるごと含む勤務がイで、一部だけなら深夜の時間の長さでロの3つに分かれます。規則は「二交代」「三交代」という言葉では区分していません。
額は、令和8年7月31日施行の改正(令和8年人事院規則九―三〇―一一五)までを反映した版によります。
当分の間の加算と、救急医療等の1,620円
「勤務の交替に伴う事情について特別の考慮を必要とすると人事院が認める場合における第一項第一号の業務に係る手当額については、当分の間、前項第一号の規定にかかわらず、同号に定める額に千百四十円の範囲内で当該事情に応じて人事院が定める額を加算した額とする。」
出典:人事院規則九―三〇 第24条第3項(原文どおり)
加算は1,140円の範囲内で、実際の額は「当該事情に応じて人事院が定める額」です。編集部の計算では、イの7,300円に範囲いっぱいの加算がついた場合で7,300円+1,140円=8,440円です。実際の加算額は、本記事は取得していません。
もう1つは第1項第2号で、医療職俸給表の適用を受ける職員のうち人事院の定める職員が、正規の勤務時間以外の時間に、人事院が定める特別な事情の下で救急医療等の業務に従事したときです。額は第2項第2号で勤務1回につき1,620円です。
出典:人事院規則九―三〇 第24条第1項第2号・第2項第2号
同じ給与法に「夜勤手当」もあります。こちらは1時間につき百分の二十五です
ここで言葉が入れ替わります。給与法で「夜勤手当」と呼ばれているのは、夜間看護等手当とは別の手当です。
「正規の勤務時間として午後十時から翌日の午前五時までの間に勤務することを命ぜられた職員には、その間に勤務した全時間に対して、勤務一時間につき、第十九条に規定する勤務一時間当りの給与額の百分の二十五を夜勤手当として支給する。」
出典:一般職の職員の給与に関する法律 第18条(原文どおり)
| 夜間看護等手当 | 給与法の夜勤手当 | |
|---|---|---|
| 根拠 | 給与法 第13条 → 人事院規則九―三〇 第24条 | 給与法 第18条 |
| 数え方 | 勤務1回につき | 勤務1時間につき |
| 額の決まり方 | 深夜をどれだけ含むかで4段階の定額 | 勤務1時間当たりの給与額の百分の二十五 |
| 対象 | 病院、療養所、診療所等の助産師、看護師又は准看護師(第1号) | 午後10時から翌日の午前5時までの勤務を命ぜられた職員 |
出典:給与法 第13条・第18条、人事院規則九―三〇 第24条
「勤務1時間当たりの給与額」は第19条が、俸給の月額と地域手当などの月額の合計に12を掛け、1週間当たりの勤務時間に52を掛けたもので割る、と定めています。また第5条は、俸給から除くものとして特殊勤務手当と夜勤手当を別々に並べています。
国の制度では、深夜に働いた時間に対する「率」の手当と、看護の夜勤1回ごとの「定額」の手当が、別の条で並んでいるということです。
民間の病院では、深夜割増は法律、夜勤手当は病院の決めごとです
ここまでは一般職の国家公務員の給与の話で(給与法 第1条)、民間の病院の手当の額を定めたものではありません。
民間の病院で働く人には、労働基準法 第37条第4項が、午後10時から午前5時までの労働について2割5分以上の率で計算した割増賃金を求めています。条文は看護師の夜勤がきついときで扱っています。
時間外と休日の割増率は、政令が定めています。
「労働基準法第三十七条第一項の政令で定める率は、同法第三十三条又は第三十六条第一項の規定により延長した労働時間の労働については二割五分とし、これらの規定により労働させた休日の労働については三割五分とする。」
出典:労働基準法第三十七条第一項の時間外及び休日の割増賃金に係る率の最低限度を定める政令(平成6年政令第5号。e-Gov法令API 法令ID 406CO0000000005)本則(原文どおり)
残業や休日の労働が深夜に重なったときの率は、施行規則 第20条です。
「法第三十三条又は法第三十六条第一項の規定によつて延長した労働時間が午後十時から午前五時(厚生労働大臣が必要であると認める場合は、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時)までの間に及ぶ場合においては、使用者はその時間の労働については、第十九条第一項各号の金額にその労働時間数を乗じた金額の五割以上(その時間の労働のうち、一箇月について六十時間を超える労働時間の延長に係るものについては、七割五分以上)の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。」
出典:労働基準法施行規則(e-Gov法令API 法令ID 322M40000100023)第20条第1項(原文どおり)
同条第2項は、休日の労働時間が午後10時から午前5時までに及ぶ場合を6割以上としています。
労働基準法、同法施行規則、この政令のどこにも「夜勤手当」という言葉はありません。法令が定めているのは、午後10時から午前5時までの労働の時間に対する割増の率です。「夜勤手当」という名前の手当を払うか、1回いくらにするかは、病院が決めることです。
求人の「夜勤手当○円」は、4つの問いで読めます
1. 1回いくらか、1時間いくらか。国の制度は、1回ごとの定額(夜間看護等手当)と、1時間ごとの率(給与法の夜勤手当)を別の条に分けています。求人の額がどちらの形かを確かめます。
2. 深夜の時間の長さで額が変わるか。人事院規則は、深夜の全部を含む勤務、深夜の勤務が4時間以上、2時間以上4時間未満、2時間未満の4区分です。夜勤の勤務時間帯が午後10時〜午前5時をどれだけ含むかで、比べる相手が変わります。
3. 深夜の割増賃金を、どう計算しているか。第37条第4項は「夜勤手当」という言葉を使わず、時間に対する割増賃金を求めています。給与明細で深夜の割増が別の行で出るのか、どう扱っているのかを病院に聞けます。
4. 残業が深夜に及んだときの率。施行規則 第20条第1項は5割以上、休日の深夜は第2項で6割以上です。
この記事が扱っていないこと
- 民間の病院の夜勤手当の相場。国の統計に相場はなく、民間の調査は使っていません。
- 人事院が定める加算の額と、「看護等の業務」や対象施設の細かな範囲。人事院が定める部分で、本記事は取得していません。
- 地方公務員の看護師の手当。自治体の条例の領域で、本記事は取得していません。
- 夜勤手当が深夜の割増賃金を満たしているかどうかの判断。個別の判断はしていません。
看護師が求人で確認できること
- 夜勤手当の形。勤務1回ごとの定額か、時間ごとか。
- 夜勤の勤務時間帯。午後10時〜午前5時を全部含むか、一部か。
- 深夜の割増賃金の扱い。夜勤手当と別に計算されているか。
- 月の夜勤の回数。1回あたりの額と回数で、月の額が決まります。
- 深夜に及ぶ残業の扱い。率と、実際の時間の記録のしかた。
よくある質問
Q. 看護師の夜勤手当の相場はいくらですか。
A. 国の統計に夜勤手当の相場はありません。民間の病院の額は病院が決めます。国の制度で額が条文に書かれている例として、国家公務員の夜間看護等手当があり、深夜の全部を含む勤務1回につき7,300円です。
Q. 国家公務員の夜間看護等手当は、どう決まっていますか。
A. 人事院規則九―三〇 第24条が、勤務1回につき、深夜の全部を含む勤務で7,300円、深夜の一部を含む勤務で深夜の勤務時間に応じて3,550円・3,100円・2,150円と定めています。当分の間、1,140円の範囲内で人事院が定める額を加算する定めもあります。
Q. 給与法の「夜勤手当」と夜間看護等手当は同じものですか。
A. 別のものです。給与法 第18条の夜勤手当は、午後10時から翌日の午前5時までに勤務した1時間につき、勤務1時間当たりの給与額の百分の二十五です。夜間看護等手当は、第13条の特殊勤務手当として、勤務1回ごとに払われます。
Q. 残業が深夜に及んだら、割増はどうなりますか。
A. 労働基準法施行規則 第20条第1項は、延長した労働時間が午後10時から午前5時までに及ぶ場合を5割以上(1か月60時間を超える部分は7割5分以上)、同条第2項は休日の深夜を6割以上としています。
Q. 二交代の夜勤と三交代の夜勤で、国家公務員の手当は変わりますか。
A. 規則は二交代・三交代という言葉で区分していません。区分は、勤務時間が深夜の全部を含むか、一部なら深夜の勤務時間が何時間か、です。
迷ったらここ
夜勤手当は1回いくらかを聞く
看護師の夜勤手当の相場は国の統計にありません。国家公務員の夜間看護等手当は、深夜の全部を含む勤務1回につき7,300円と人事院規則が定めています。
- 夜勤手当が勤務1回ごとの定額か、深夜の時間数で額が変わるか
- 夜勤の勤務時間帯が深夜(午後10時〜午前5時)の全部を含むか、一部か
- 深夜の割増賃金が夜勤手当とは別に計算されているか、深夜に及ぶ残業の率
まとめ
看護師の夜勤手当に、国の統計の相場はありません。民間の病院の額は病院が決めます。
国の制度で額が条文に書かれている例が、国家公務員の夜間看護等手当です。人事院規則九―三〇 第24条で、勤務1回につき深夜の全部を含む勤務は7,300円、一部なら深夜の勤務時間に応じて3,550円・3,100円・2,150円です。同じ給与法には、1時間につき百分の二十五の「夜勤手当」(第18条)が別にあります。
民間の病院では、午後10時から午前5時までの労働の割増は法律が求めるもので、「夜勤手当」という名前の手当とは別です。求人の夜勤手当を見たら、1回いくらか、深夜をどれだけ含む勤務か、深夜の割増をどう計算しているかを確かめてください。

