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30秒でわかるまとめ
- 看護師の緊急訪問の加算がついた利用者は、5.5%です医療保険の訪問看護の明細書の集計で、緊急訪問看護加算がついたのは102,020人中5,650人でした。
- ついた人でも、算定は月に平均約2.4日でした算定日数13,415日を5,650人で割った編集部試算です。月15日目以降まで算定があった人は192人でした。
- 24時間対応の体制の加算は、利用者の64.2%にあります24時間対応体制加算は122,528人で、緊急に訪問したかどうかとは別に、月1回に限りつく加算です。
- 夜中の呼び出しや電話の回数は、統計にありません数えているのは加算がついた日です。夜間だったか、電話だけの対応、加算の要件の外の訪問は分かりません。
※加算の仕組みと負担軽減の取組は訪問看護のオンコール手当、給与の統計は訪問看護師の年収で扱っています。

先に断ります:統計にあるのは「緊急訪問の回数」ではありません
「訪問看護は夜中に何度も呼ばれるのか」に、国の統計で直接答える数字は見つかりませんでした。本記事が使う統計が数えているのは、緊急訪問看護加算という報酬が算定された利用者と日数です。
そのため本記事は、「何度も呼ばれる」とも「ほとんど無い」とも書きません。分かること(加算がついた人の割合と日数)と、分からないこと(時間帯、電話だけの対応、加算がつかない緊急訪問)を分けて読みます。

まず定義:緊急訪問看護加算は、定期の訪問以外の緊急の訪問につきます
「利用者又はその家族等の求めに応じて、その主治医(診療所又は医科点数表の区分番号C000の注1に規定する在宅療養支援病院(以下「在宅療養支援病院」という。)の保険医に限る。)の指示に基づき、訪問看護ステーションの看護師等が緊急に指定訪問看護を実施した場合には、緊急訪問看護加算として、次に掲げる区分に従い、1日につき、いずれかを所定額に加算する。」
出典:訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法(令和6年厚生労働省告示第62号による改正後)別表 01 注9(「1及び2(いずれもハを除く。)については、」に続く部分。原文どおり)
区分はイ 月14日目までとロ 月15日目以降の2つです。令和6年度改定の個別改定項目は、これを「同一月の算定回数に応じた算定区分」と説明しています。
「注9に規定する緊急訪問看護加算は、訪問看護計画に基づき定期的に行う指定訪問看護以外であって、利用者又はその家族等の緊急の求めに応じて、主治医(診療所又は在宅療養支援病院の保険医に限る。7において同じ。)の指示により、連携する訪問看護ステーションの看護師等が訪問看護を行った場合に1日につき1回に限り算定する。」
出典:令和6年3月5日 保発0305第12号(留意事項)第2の7(1)(第1文。原文どおり)
同じ日に2回駆けつけても、加算は1日1回です。統計の「算定日数」は、緊急の訪問の回数そのものではなく、加算がついた日の数です。なお、令和8年6月1日から適用の告示第74号・保発0305第19号でも、この2つの文は同じです。

使う統計:5月診療分の明細書を、無作為に3分の1抽出しています
使うのは厚生労働省保険局の訪問看護療養費実態調査です。e-Statの最新は2025年度(令和7年度調査)で、2026年3月27日に公開されました。2年に1回の調査です。
「社会保険診療報酬支払基金及び都道府県国民健康保険団体連合会において調査実施年6月に審査する訪問看護療養費明細書(調査実施年5月診療分)のうち、無作為で1/3(令和7年度調査)を抽出。」
出典:厚生労働省「訪問看護療養費実態調査 調査の概要」調査事項(原文どおり)
表の人数は抽出した明細書から数えた人数で、全国の人数そのものではありません。本記事は割合と1人あたりの日数で読みます。また、医療保険の訪問看護療養費の明細書が対象なので、介護保険の訪問看護は入っていません。
ここが本題:緊急訪問看護加算がついた利用者は5.5%です
| 項目(令和7年5月診療分) | 訪問看護 | 精神科訪問看護 |
|---|---|---|
| 基本療養費を算定した利用者 | 102,020人 | 88,882人 |
| 緊急の加算 月14日目まで(利用者/算定日数) | 5,650人/11,959日 | 509人/925日 |
| 緊急の加算 月15日目以降(利用者/算定日数) | 192人/1,456日 | 17人/34日 |
| 緊急の加算がついた利用者の割合 | 5.5% | 0.6% |
出典:訪問看護療養費実態調査(令和7年度)第7表・第15表。訪問看護は訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅱ)、精神科は精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅲ)の欄。緊急の加算は、精神科では精神科緊急訪問看護加算
割合は編集部の計算で、5,650人÷102,020人=5.5%、精神科は509人÷88,882人=0.6%です。第15表の年齢階級別の人数の和が合計と一致することを確かめています。
医療保険の訪問看護(精神科を除く)の利用者のうち、その月に緊急訪問看護加算がついた人は約18人に1人という数字です。
日数で見ると:ついた人で月平均約2.4日です
14日目までの区分に入る人は、その月に1日以上の算定がある人です。15日目以降の算定がある人は、14日目までの算定もある人と考え、編集部が次のように試算しました。
- 算定日数:11,959日+1,456日=13,415日
- ついた人1人あたり:13,415日÷5,650人=約2.4日
- 利用者全体では:13,415日÷102,020人で、利用者100人あたり約13.1日
- 月15日目以降まであった人:192人(ついた人の3.4%)
精神科では、959日÷509人=約1.9日でした。平均は約2.4日ですが、月15日目以降まで算定が続いた人も192人います。人によって幅があり、平均だけで「月2回くらい」と言い切れる数字ではありません。
比べる土台:利用者の訪問日数は、月14日以下が78.8%です
| 1か月の訪問日数 | 利用者 | 割合 |
|---|---|---|
| 1〜4日 | 29,431人 | 28.8% |
| 5〜8日 | 23,230人 | 22.8% |
| 9〜14日 | 27,700人 | 27.2% |
| 15〜28日 | 12,002人 | 11.8% |
| 29日以上 | 9,657人 | 9.5% |
出典:同 第7表 訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅱ)の総数の列を、編集部が5つにまとめて割合を計算(合計102,020人)
利用者の訪問日数には大きな幅があります。月4日以下の人が28.8%いる一方、月29日以上の人も9.5%います。
体制の加算との差:24時間対応体制加算は利用者の64.2%です
同じ第15表には、訪問看護管理療養費の24時間対応体制加算もあります。イ(負担軽減の取組を行っている場合)が80,551人、ロ(それ以外)が41,977人で、合わせて122,528人です。告示は、この加算を月1回に限り、いずれかを加算すると定めています。
第1表の利用者の総数は190,758人なので、122,528人÷190,758人=64.2%(編集部算出)です。
体制の加算は6割を超える利用者についていますが、実際に緊急訪問看護加算がついた利用者は5.5%です(分母が違うため、2つの割合は足し引きできません)。24時間の対応体制と、実際に駆けつけた日は、統計の上でも別のものです。
2年前と比べると:令和5年は5.9%、約2.6日でした
| 項目 | 令和5年 | 令和7年 |
|---|---|---|
| 緊急訪問看護加算がついた利用者の割合 | 5.9% | 5.5% |
| ついた人1人あたりの算定日数 | 約2.6日 | 約2.4日 |
出典:訪問看護療養費実態調査(令和5年度)第7表・第15表(利用者89,856人のうち5,306人、算定日数13,948日)と、令和7年度の同じ表から編集部が計算
令和5年は14日目までの区分ができる前で、加算は1つの欄でした。抽出の割合は令和7年度分しか確認していないため、人数の増減は比べていません。割合と日数は、どちらの年も同じ程度でした。
夜間・早朝と深夜の加算は、緊急とは別に数えます
第15表には、夜間・早朝訪問看護加算(16,257人、利用者の15.9%)と深夜訪問看護加算(10,398人、10.2%)もあります。ついた人1人あたりの算定日数は、夜間・早朝が約14.6日、深夜が約18.2日です(編集部算出)。
「(2) (1)の場合については、利用者又はその家族等の求めに応じて、当該時間に指定訪問看護を行った場合にのみ算定できるものであり、訪問看護ステーションの都合により、当該時間に指定訪問看護を行った場合には算定できない。(3) 当該加算は緊急訪問看護加算と併算定が可能であること。」
出典:令和6年3月5日 保発0305第12号 第2の11(2)(3)(原文どおり)
通知が求めているのは、利用者や家族の求めに応じてその時間に訪問したことです。緊急訪問看護加算と同じ日に両方つくこともあり、表は別々の欄です。そのため、緊急の訪問のうち夜間・深夜だった日が何日かは、この表からは分かりません。介護保険で議論されている夜間の加算の扱いは訪問看護の夜間の緊急訪問のニュースで扱っています。
この記事が扱っていないこと
- 夜中に呼び出された回数・電話を受けた回数。本記事が使った表に、その項目はありません。
- 加算がつかなかった緊急の訪問。加算は主治医が診療所又は在宅療養支援病院の保険医である場合などに限られ、それ以外の緊急訪問は表に出てきません。
- 介護保険の利用者の緊急訪問。介護保険の緊急時訪問看護加算は1月につきの体制の加算で、訪問の回数の統計ではありません。算定件数は取得していません。
- 看護師1人あたり・事業所あたりの緊急訪問の日数。抽出した明細書の集計から割り出す方法がないため、計算していません。
- 中央社会保険医療協議会の資料や、民間団体の調査の数字。本記事は取得していません。
訪問看護師が確認できること
- 緊急の訪問が月に何日あったか。統計の平均は加算がついた人で約2.4日ですが、事業所ごとの数字は応募先に聞けます。
- 夜間・休日の待機の当番は月に何回か。体制の加算は利用者の64.2%についていますが、待機の回数は統計にありません。
- 受け持つ利用者の訪問日数。月29日以上の利用者が9.5%いて、担当によって訪問の日数が変わります。
- 一人で駆けつけるときの相談体制。不安の整理は訪問看護が一人で不安なときで扱っています。
よくある質問
Q. 訪問看護は、夜中に何度も呼ばれますか。
A. 国の統計では答えられません。訪問看護療養費実態調査が数えているのは加算がついた日で、時間帯や電話の回数はありません。医療保険の訪問看護(精神科を除く)で緊急訪問看護加算がついた利用者は5.5%、ついた人の算定は月平均約2.4日でした。
Q. 緊急訪問看護加算と24時間対応体制加算は何が違いますか。
A. 緊急訪問看護加算は、緊急に訪問した日に1日につき算定されます。24時間対応体制加算は体制について月1回に限り算定されます。令和7年5月診療分では、前者が5,650人、後者が122,528人でした。
Q. 「月15日目以降」とは何ですか。
A. 同じ月の算定回数に応じた区分です。月14日目までと15日目以降で額が分かれます。15日目以降の算定があった人は192人でした。
Q. この人数は全国の人数ですか。
A. いいえ。5月診療分の明細書から無作為に3分の1を抽出した集計です。本記事は割合と1人あたりの日数で読んでいます。
迷ったらここ
緊急訪問の頻度は日数で聞く
医療保険の訪問看護で緊急訪問看護加算がついた利用者は5.5%、ついた人の算定は月平均約2.4日でした。夜間の呼び出しの回数は国の統計にありません。
- 緊急に訪問した日が月に何日あったか(応募先の事業所の実績)
- 夜間・休日の待機の当番が月に何回あるか
- 受け持つ利用者の訪問日数と、一人で駆けつけるときの相談体制
まとめ
国の統計に「緊急訪問の回数」そのものはありません。訪問看護療養費実態調査(令和7年5月診療分)で読めるのは、緊急訪問看護加算がついた利用者が5.5%(102,020人中5,650人)で、ついた人の算定は月平均約2.4日ということです。
24時間対応体制加算は利用者の64.2%についていて、体制と実際の訪問は別に数えられています。夜間の呼び出しの回数や電話の回数は、応募先に数字で確かめてください。

