保育園栄養士の調理員兼務|国の加算は「兼務」を別の区分にしていて、基本額は月50,000円です

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目次

30秒でわかるまとめ

  • 保育園の栄養士の兼務は、国の加算で独立した区分になっています栄養管理加算は、栄養士の関わり方を配置・兼務・嘱託の3つに分け、区分ごとに単価を決めています。
  • 調理員として雇われた栄養士も、加算の対象に入ります国の通知は、雇用形態を問わず、調理員として栄養士等を雇用している場合も対象になると書いています。
  • 兼務の基本額は月50,000円で、配置は88,400円ですどちらも園単位の額を子どもの数で割り、1人ずつの単価に足す仕組みです。嘱託は10,000円です。
  • 2026年度から、定員21〜40人の園は調理員2人の計算ですうち1人は非常勤です。国のFAQは、加算で配置していた栄養士がこの調理員の位置づけになり、兼務で申請するとしています。

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※省令が保育所に置くと定めた職員に栄養士が入っていないことは保育園栄養士の仕事内容と1日、保育所の給与の表で調理員として数えられた栄養士の扱いは保育園栄養士の年収で扱っています。

給食の時間(保育園栄養士)

まず前提:運営費の基本の職員構成に、栄養士の名前はありません

保育所の運営費(公定価格)の算定のルールは、こども家庭庁と文部科学省の通知「特定教育・保育等に要する費用の額の算定に関する基準等の実施上の留意事項について」(以下「留意事項通知」。令和8年4月8日最終改正)に書かれています。保育所の部分は別紙2です。

別紙2は、子ども1人当たりの基本の単価(基本分単価)に含まれる職員構成として、保育士、施設長、調理員等、非常勤事務職員、嘱託医・嘱託歯科医を挙げています。調理員等は入っていて、栄養士は入っていません。この列挙の読み方は主任保育士になるにはでも扱っています。

調理員等の人数は、利用定員で決まっています。

利用定員基本分単価に含まれる調理員等
20人1人
21人以上40人以下2人(うち1人は非常勤。週5日、1日当たり4時間の配置分の費用を算定)
41人以上150人以下2人
151人以上3人(うち1人は非常勤)

出典:留意事項通知 別紙2 Ⅱ 1.(2)(イ)ⅱ 調理員等

同じ項目の注記には、調理業務の全部を委託する場合や、搬入施設から食事を搬入する場合は、調理員を置かないことができると書かれています。

つまり栄養士は、基本の単価の外側にいます。その外側で栄養士の関わりを扱っているのが、次の栄養管理加算です。

食事指導する女性スタッフ

ここが本題:栄養管理加算は、栄養士の関わり方を3つに分けています

留意事項通知 別紙2の「特定加算部分」に、栄養管理加算があります。加算の要件はこう書かれています。

「食事の提供に当たり、栄養士等を活用(注)して、栄養士等から献立やアレルギー、アトピー等への助言、食育等に関する継続的な指導を受ける施設に加算する。」

出典:留意事項通知 別紙2 Ⅵ 10.栄養管理加算(1)(原文どおり)

「栄養士等」は、栄養士又は管理栄養士のことです(同じ通知の別紙1で、この言い方が定義されています)。加算額の算定では、栄養士等の関わり方を次の3つに分けています。

区分どういう場合か
配置栄養士等が雇用契約等により配置されている場合(兼務に当たる場合を除く)
兼務基本分単価や他の加算で求められる職員が、栄養士等としての業務を兼務している場合
嘱託配置にも兼務にも当たらず、栄養士等としての業務を嘱託等する場合

出典:留意事項通知 別紙2 Ⅵ 10.(3)(注1)〜(注3)。表の整理は編集部

加算の認定は、施設が所在する市町村長が行います。施設の設置者は、栄養士等の活用状況や配置等の形態の別が確認できる書類などを付けて申請します。要件に合わなくなった場合は、合わなくなった日の属する月の翌月(月の初日に合わなくなった場合はその月)から、加算はなくなります(同(2))。

食品を分析評価する調理員

調理員として雇われた栄養士も、加算の対象です

要件の文にある「(注)」は、次のとおりです。

「栄養士等の活用に当たっては、雇用形態を問わず、嘱託する場合や、調理員として栄養士等を雇用している場合も対象となる。」

出典:留意事項通知 別紙2 Ⅵ 10.(1)(注)(原文どおり)

そして、3つの区分のうち「兼務」の定義は、次の一文です。

「基本分単価及び他の加算の認定に当たって求められる職員が本加算に係る栄養士等としての業務を兼務している場合をいう。」

出典:留意事項通知 別紙2 Ⅵ 10.(3)(注2)(原文どおり)

基本分単価の職員構成には、調理員等が入っていました。調理員として数えられている人が、栄養士等としての業務も担っている。これが「兼務」に当たる書き方です。一方で、基本分単価や他の加算で求められる職員とは別に、栄養士等を雇用契約等で置いている場合は「配置」です。

通知は兼務を区分の1つとして並べ、単価も決めています。加算の上では、調理員と栄養士の兼務は想定された形の1つです。

なお、同じ通知の認定こども園(別紙4)と幼稚園(別紙1)の栄養管理加算では、同じ「(注)」に、栄養教諭、学校栄養職員又は調理員として栄養士等を雇用している場合も対象となる、と書かれています。保育所の別紙2の「(注)」に挙がっているのは調理員だけです。

単価:配置88,400円、兼務50,000円、嘱託10,000円

金額は、こども家庭庁の告示(特定教育・保育等に要する費用の額の算定に関する基準等)の別表第2で決まっています。2026年度の版は、令和8年こども家庭庁告示第9号による改正後のものです。

区分基本額(月額)処遇改善等加算(区分1及び区分2)の部分
A 配置88,400円880 ×(加算率(a)+加算率(b)+7.5(c))
B 兼務50,000円500 ×(加算率(a)+加算率(b))
C 嘱託10,000円なし

出典:令和8年こども家庭庁告示第9号による改正後の告示 別表第2 保育所(保育認定)栄養管理加算 ㉛。表の整理は編集部

告示の表では、A・B・Cの区分の説明がそれぞれ「Bを除き栄養士等を雇用契約等により配置している施設」「基本分単価及び他の加算の認定に当たって求められる職員が栄養士等を兼務している施設」「A又はBを除き、栄養士等を嘱託等している施設」となっていて、通知の3区分と対応しています。

読み方の注意が3つあります。

  • 園単位の月額です。表の額を各月初日の利用子ども数で割り、子ども1人ずつの単価に足します。割った額の10円未満は切り捨てます(留意事項通知 別紙2 Ⅵ 10.(3))。
  • 処遇改善等加算の部分は、園ごとに違います。加算率(a)(b)(c)は園ごとに認定される割合で、本記事は個別の園の額を計算していません。配置の式には(c)の項があり、兼務の式にはありません。嘱託は基本額だけです。
  • 栄養士本人の給与の額ではありません。園に入る運営費の算定の額です。

基本額どうしを比べると、配置と兼務の差は次のとおりです。

編集部試算:88,400円 − 50,000円 = 38,400円。兼務の基本額は配置の56.6%です(50,000円 ÷ 88,400円)。

処遇改善等加算の部分を含まない、基本額だけの比較です。

配置と兼務は「人件費」、嘱託は「管理費」として示されています

こども家庭庁は、私立保育所の委託費の内訳を示す通知「令和8年度における私立保育所の運営に要する費用について」(令和8年7月31日 こ成保第536号)も出しています。その「その他加算について」で、栄養管理加算は区分によって2か所に分かれて載っています。

通知での分類栄養管理加算の区分
① 人件費関係単価A又はBの区分(配置・兼務)
② 管理費関係単価Cの区分(嘱託)

出典:こども家庭庁成育局保育政策課長通知「令和8年度における私立保育所の運営に要する費用について」7 その他加算について

兼務の区分は、配置と同じく人件費の側に置かれています。園の職員が栄養士の業務を担う形と、外に頼む形とで、分類が分けられています。

2026年度から、定員21〜40人の園では「配置」が「兼務」になる場合があります

留意事項通知の令和8年度の改正で、基本分単価の調理員等の人数が変わりました。

利用定員改正前改正後
40人以下1人20人の施設は1人、21人以上40人以下は2人(うち1人は非常勤)
41人以上150人以下2人2人
151人以上3人(うち1人は非常勤)3人(うち1人は非常勤)

出典:留意事項通知の新旧対照表(令和8年7月27日掲載)別紙2 Ⅱ 1.(2)(イ)ⅱ

この変更で、栄養管理加算の区分が変わる園があります。こども家庭庁の「公定価格に関するFAQ」(第32版)No.271は、次の場合を取り上げています。

  • 定員21〜40人の保育所・認定こども園で、栄養管理加算の「配置」により、基本分単価の常勤の調理員とは別に栄養士等を置いていた場合

回答の要旨は、基本分単価で充足する職員として優先的に扱い、加算で配置していた栄養士等は基本分単価で配置する「調理員(兼栄養士等)」という位置づけになるので、栄養管理加算は「兼務」で申請する、というものです(同 No.271 の要約)。

同じFAQのNo.270は、追加された非常勤の調理員について、人材確保の難しさを踏まえて当面の間は充足しないことも可能としています。働く人の側から見ると、定員21〜40人の園で栄養士として置かれていた人が、制度の上では「調理員(兼栄養士等)」として数えられることがある、ということです。

派遣・法人本部・外部委託は、どの区分に入るか

同じFAQのNo.163は、栄養士の関わり方が3区分のどれに当たるかを、3つの例で答えています。

例区分
栄養士を派遣契約により施設に配置する場合配置(派遣契約は「雇用契約等」に当たる。兼務に当たる場合を除く)
法人本部で雇用する栄養士が各施設へ赴き、施設に栄養士が配置されている場合と同様に、継続的な指導を行う場合配置(兼務に当たる場合を除く)
栄養管理業務を外部委託する場合嘱託

出典:こども家庭庁「公定価格に関するFAQ(よくある質問)」第32版 No.163。表の整理は編集部

派遣でも、法人本部の所属でも、施設に配置されている場合と同様に関わっていれば「配置」です。雇い主の名前より、関わり方の形で区分が決まる書き方です。外部委託は「嘱託」で、基本の職員と兼ねていれば「兼務」になります。

この記事が扱っていないこと

  • 栄養管理加算を取っている保育所の割合や、区分ごとの施設数。こども家庭庁の経営実態調査のe-Statの表(収支・給与・職員配置)に、加算の取得状況の表は見当たらず、本記事は取得していません。
  • 加算率(a)(b)(c)の決め方と、個別の園の加算額。処遇改善等加算の認定は別の通知の領域で、本記事は扱っていません。
  • 公立保育所での扱い。本記事は私立保育所の運営費の通知を読んでいます。
  • 自治体が独自に出している補助。市町村ごとの制度で、本記事は取得していません。
  • 兼務する人の労働条件や給与。通知は運営費の算定のルールで、雇用契約の中身は定めていません。保育所の栄養士の給与は保育園栄養士の年収、パートは保育園栄養士のパートで扱っています。
  • 調理師と調理員の違い。調理師と調理員の違いで扱っています。

保育園の栄養士の求人を見るときに確認できること

  • 雇用契約の職種名。「栄養士」か「調理員」か「調理員兼栄養士」か。通知は、調理員として雇用している栄養士等も加算の対象としています。
  • 調理の業務と、献立・アレルギー・食育の業務の分け方。加算の要件は、献立やアレルギー、アトピー等への助言、食育等に関する継続的な指導です。
  • 園の利用定員。21人以上40人以下の園は、2026年度から基本分単価の調理員等が2人(うち1人は非常勤)の計算です。
  • 雇い主はどこか。園か、法人本部か、派遣会社か、給食の受託会社か。
  • 園にほかの栄養士がいるか。1人だけの職場かどうかは、応募前に聞いて確かめられます。

よくある質問

Q. 保育園の栄養士が調理員を兼ねるのは、認められていないのですか。
A. 国の通知は、栄養管理加算の区分の1つとして「兼務」を定め、単価も決めています。調理員として栄養士等を雇用している場合も加算の対象になると書かれています。加算の上では、兼務は想定された形の1つです。

Q. 兼務だと、園に入る加算は配置より少ないのですか。
A. 基本額(月額)は、配置88,400円、兼務50,000円で、差は38,400円です(編集部試算)。これに処遇改善等加算の部分が足されますが、その額は園ごとの加算率で変わり、配置の式には兼務にない(c)の項があります。

Q. 「配置」と「兼務」は何で分かれますか。
A. 兼務は、基本分単価や他の加算の認定で求められる職員が、栄養士等としての業務を兼ねている場合です。基本分単価には調理員等が含まれるため、調理員として数えられた人が栄養士の業務も担うと兼務に当たります。それ以外で雇用契約等により置いている場合が配置です。

Q. 法人本部に雇われて複数の園を回る場合は、どの区分ですか。
A. 公定価格のFAQ No.163は、法人本部で雇用する栄養士が各施設へ赴き、施設に配置されている場合と同様に継続的な指導を行う場合は「配置」としています(兼務に当たる場合を除く)。栄養管理業務を外部委託する場合は「嘱託」です。

Q. 管理栄養士でないと、この加算の対象になりませんか。
A. 留意事項通知は「栄養士等」を栄養士又は管理栄養士としています。どちらでも対象になる書き方です。

迷ったらここ

調理員との兼務は加算の区分で見る

保育所の栄養管理加算は、栄養士等の関わり方を配置・兼務・嘱託の3つに分けています。基本分単価の職員(調理員等)が栄養士等の業務を兼ねると「兼務」で、基本額は月50,000円です。

  • 雇用契約の職種名が「栄養士」「調理員」「調理員兼栄養士」のどれか
  • 調理の業務と、献立・アレルギー・食育の業務をどう分けているか
  • 園の利用定員(21〜40人の園は2026年度から調理員等が2人の計算)
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まとめ

  • 保育所の基本分単価の職員構成に調理員等は入っていて、栄養士は入っていない
  • 栄養管理加算は、栄養士等の関わり方を配置・兼務・嘱託の3つに分けている。調理員として雇われた栄養士等も対象
  • 兼務は基本分単価や他の加算で求められる職員が栄養士等の業務を兼ねる場合。基本額は月50,000円で、配置の88,400円より38,400円少ない
  • 配置と兼務は人件費関係、嘱託は管理費関係として通知に載っている
  • 2026年度から定員21〜40人の園は調理員等が2人の計算になり、加算で配置していた栄養士等は「兼務」で申請するとFAQは答えている

保育園で栄養士が調理員を兼ねる形は、国の運営費のルールの中に「兼務」という区分として書き込まれています。求人を見るときは、職種名だけでなく、調理と栄養の業務の分け方と、園の定員を合わせて確かめてください。

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この記事を書いた人

医療・福祉・保育の人材紹介の現場で求職者の相談を受けてきた編集者が担当しています。キャリアアドバイザー歴8年、転職相談・紹介の対応実績1,500人以上(自社実績/2026年8月時点)。介護・看護師・保育士・栄養士の4分野を担当。記事の数値には必ず出典と公表時点を添えています。

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