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30秒でわかるまとめ
- 管理栄養士・栄養士は1施設あたり1.1〜1.5人分です常勤換算の合計を施設数で割った編集部試算で、特養1.3人分、老健1.5人分、介護医療院1.1人分です。
- 基準は「1以上」、老健と介護医療院は定員100以上が条件です特養は1以上で、定員40人以下は条件付きで置かない例外があります。常勤とは書かれていません。
- 常勤換算の96%前後は、常勤で働く人の分でした非常勤の人の分は特養で3.9%です。ただし、1人だけの施設が何割あるかは、表に出ていません。
- 定員100人未満の老健は2,152施設、51.1%を占めます基準の上では置く義務がない規模です。介護医療院では86.7%が100人未満でした。
※施設の種類で置く義務が変わる理由と加算の要件は介護施設の栄養士の仕事内容、常勤換算の割り算の仕方は介護の常勤換算とはで扱っています。

先に結論:平均は「1人分を少し超える」くらいです
介護施設の栄養士が一人職場かどうかを、施設ごとに数えた国の表はありません。厚生労働省の介護サービス施設・事業所調査が出しているのは、施設の種類ごとの施設数と、職種ごとの常勤換算の従事者数の合計です。
そこでこの記事では、常勤換算の合計を施設数で割って、1施設あたり何人分かを出しました(編集部試算)。使ったのは、2026年10月30日時点で結果が出ている最新の回、令和6年(2024年10月1日現在)の表です。令和7年の回は、厚生労働省の公表予定で2026年12月下旬とされています。
- 1施設あたりの管理栄養士・栄養士は、特養1.3人分、老健1.5人分、介護医療院1.1人分でした。
- どの施設の種類でも、2人分に届いていません。
- 平均なので、1人だけの施設が何割あるかは、この割り算からは分かりません。
「一人職場になりやすい」ことは、平均の数字と矛盾しません。ただし、平均が1人分を超えている以上、「どこでも一人」とも言えません。

まず条文:員数は「一以上」で、常勤とは書かれていません
3つの施設の人員の基準を、栄養士又は管理栄養士の欄だけ並べます。施設の種類で置く義務が変わる理由や、加算のための配置は介護施設の栄養士の仕事内容で扱っているので、ここでは員数の書き方だけを見ます。
| 施設 | 栄養士又は管理栄養士の員数 | 根拠 |
|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム | 一以上(入所定員が40人を超えない施設には、連携などを条件に置かないことができる例外があります) | 特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第46号)第12条第1項第5号・同項ただし書 |
| 介護老人保健施設 | 入所定員百以上の施設にあっては、一以上 | 介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成11年厚生省令第40号)第2条第1項第6号 |
| 介護医療院 | 入所定員百以上の施設にあっては、一以上 | 介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成30年厚生労働省令第5号)第4条第1項第6号 |
出典:各省令(e-Gov法令API。2026年10月30日時点の現行版。附則を除く本則)。表の整理は編集部
介護医療院の欄は、次のとおりです。
「入所定員百以上の介護医療院にあっては、一以上」
出典:介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(e-Gov法令API 法令ID 430M60000100005)第4条第1項第6号 栄養士又は管理栄養士の欄(原文どおり)
3つとも、書いてあるのは下限の「一以上」です。何人置くかの上の目安は、この欄にはありません。
特別養護老人ホームの基準の第12条で「常勤の者」と書かれているのは、施設長と生活相談員(第4項)、看護職員のうち1人以上(第5項)です。栄養士又は管理栄養士は、この2つの項に入っていません。

併設の事業所の分を、特養の栄養士が受け持つ形もあります
特別養護老人ホームの基準の第12条には、デイサービスやショートステイなどの事業所が併設されている場合の定めもあります。
「特別養護老人ホームに指定居宅サービス等基準第九十三条第一項に規定する指定通所介護事業所、指定短期入所生活介護事業所等、(中略)が併設される場合においては、当該併設される事業所の生活相談員、栄養士若しくは管理栄養士、機能訓練指導員又は調理員その他の従業者については、当該特別養護老人ホームの生活相談員、栄養士若しくは管理栄養士、機能訓練指導員又は調理員、事務員その他の職員により当該事業所の利用者の処遇が適切に行われると認められるときは、これを置かないことができる。」
出典:特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(e-Gov法令API 法令ID 411M50000100046)第12条第9項(原文どおり。併設される事業所を並べた途中を中略)
読み方はこうです。併設のデイやショートステイに、別の栄養士を置かないことができる。そのときは、特養の栄養士又は管理栄養士が、その事業所の利用者の分も見る形になります。介護保険の指定の基準(平成11年厚生省令第39号)第2条第12項にも、同じ形の定めがあります。
施設の中で栄養の担当が1人でも、受け持つ範囲が特養の入所者だけとは限りません。求人を見るときは、併設の事業所があるかどうかも確かめる価値があります。
ここが本題:1施設あたりは、特養1.3人分・老健1.5人分・介護医療院1.1人分
| 施設 | 施設数 | 管理栄養士 | 栄養士 | 合計 | 1施設あたり |
|---|---|---|---|---|---|
| 介護老人福祉施設(特養) | 8,621施設 | 9,335人分 | 1,838人分 | 11,173人分 | 1.3人分 |
| 介護老人保健施設(老健) | 4,214施設 | 5,521人分 | 803人分 | 6,324人分 | 1.5人分 |
| 介護医療院 | 917施設 | 864人分 | 135人分 | 999人分 | 1.1人分 |
| 3施設の計 | 13,752施設 | 15,720人分 | 2,776人分 | 18,496人分 | 1.3人分 |
出典:厚生労働省「令和6年介護サービス施設・事業所調査」詳細票 総括表(施設数)、第8表・第16表・第24表(常勤換算従事者数)。合計・3施設の計・1施設あたりは編集部試算
計算式は次のとおりです(小数第2位を四捨五入)。
- 特養:11,173 ÷ 8,621 = 1.3人分
- 老健:6,324 ÷ 4,214 = 1.5人分
- 介護医療院:999 ÷ 917 = 1.1人分
- 3施設の計:18,496 ÷ 13,752 = 1.3人分
統計の介護老人福祉施設は、特別養護老人ホームのうち入所定員が30人以上で、介護保険の指定を受けた施設です(同調査 用語の定義)。
常勤換算は、働いた時間を常勤の人の時間で割って、常勤の何人分かに直した数です。人数ではありません。1.3人分は「1.3人いる」ではなく、「常勤1.3人分の時間が働かれている」という意味です。
この調査の詳細票の数字は、回収した施設の結果を、基本票の施設数に合わせて引き伸ばした推計値です(同調査 抽出方法・推計方法の概要)。施設数と常勤換算は同じ詳細票の表から取ったので、割り算の分母と分子はそろっています。
常勤換算の96%前後は、常勤で働く人の分です
常勤換算の表は、常勤で働く人の分と、非常勤で働く人の分に分かれています。管理栄養士と栄養士を合わせて見ます。
| 施設 | 常勤の人の分 | 非常勤の人の分 | 合計 | 常勤の人の分の割合 |
|---|---|---|---|---|
| 介護老人福祉施設(特養) | 10,732人分 | 441人分 | 11,173人分 | 96.1% |
| 介護老人保健施設(老健) | 6,087人分 | 238人分 | 6,324人分 | 96.3% |
| 介護医療院 | 953人分 | 46人分 | 999人分 | 95.4% |
出典:同調査 詳細票 第8表・第16表・第24表。割合は「常勤の人の分÷合計」で編集部算出。表の値は1未満を四捨五入した整数のため、老健は常勤と非常勤の和が合計と1違います
- 3つの施設とも、常勤換算の95%以上が常勤で働く人の分です。
- 特養の非常勤の人の分は441人分で、管理栄養士・栄養士の合計の3.9%です。
- 同じ特養の調理員は、常勤の人の分が68.9%でした。厨房の職種と比べると、栄養士の側は非常勤の割合が小さい並びです。
介護施設の管理栄養士・栄養士は、時間で見ればほとんどが常勤の人の働きです。パートを何人も組み合わせて栄養の業務を回す形は、数字の上では少数です。ただし、常勤の人が何人いるかは、常勤換算からは分かりません。
ほかの職種と並べると:1施設に1人分前後の職種は、ほかにもあります
特養について、ほかの職種も同じ割り算をしました。
| 職種 | 常勤換算 | 1施設あたり |
|---|---|---|
| 施設長 | 6,736人分 | 0.8人分 |
| 機能訓練指導員 | 7,389人分 | 0.9人分 |
| 介護支援専門員 | 10,431人分 | 1.2人分 |
| 生活相談員 | 11,548人分 | 1.3人分 |
| 管理栄養士・栄養士 | 11,173人分 | 1.3人分 |
| 調理員 | 16,282人分 | 1.9人分 |
| 看護師 | 22,798人分 | 2.6人分 |
| 介護職員 | 255,003人分 | 29.6人分 |
出典:同調査 詳細票 第8表(介護老人福祉施設の常勤換算従事者数)。1施設あたりは施設数8,621で割った編集部試算
- 1施設あたり1人分前後なのは、栄養士だけではありません。生活相談員も1.3人分、介護支援専門員は1.2人分です。
- 施設長は、特別養護老人ホームの基準の第12条第1項第1号で「一」と定められていますが、常勤換算では0.8人分です。常勤換算は働いた時間で数えるため、1人分を下回っていても、その職種がいないとは限りません。0.8人分になる理由は、表には書かれていません。
- 調理員は1.9人分です。栄養士が施設で1人でも、厨房に一緒に働く人がいる形が平均の姿です。給食を委託している施設の、委託先の職員がこの数に入るかどうかは、この記事が読んだ資料には書かれていません。
定員で見る:老健の51.1%、介護医療院の86.7%は定員100人未満です
老健と介護医療院の基準は、入所定員100以上の施設に1以上です。定員の階級ごとの施設数を見ます。
| 施設 | 施設数 | 基準の分かれ目にかかわる定員 | その定員の施設数 | 割合 |
|---|---|---|---|---|
| 介護老人福祉施設(特養) | 8,621施設 | 30〜39人(40人を超えない) | 726施設 | 8.4% |
| 介護老人保健施設(老健) | 4,214施設 | 100人未満 | 2,152施設 | 51.1% |
| 介護医療院 | 917施設 | 100人未満 | 795施設 | 86.7% |
出典:同調査 基本票 閲覧表 第2表(介護保険施設数,定員階級、施設の種類別)。定員の階級の合算と割合は編集部算出。特養は表の階級が40〜49人でまとまっているため、定員40人ちょうどの施設は726施設に入っていません
- 定員100人未満の老健は2,152施設で、51.1%です。老健で最も多いのは定員100〜109人の階級で、1,598施設でした。
- 介護医療院は、定員100人未満が795施設で86.7%です。
- それでも、1施設あたりの管理栄養士・栄養士は老健1.5人分、介護医療院1.1人分でした。基準の上で置く義務がない規模の施設が多くても、平均では1人分を超えています。
定員の規模ごとに常勤換算を分けた表は、令和6年のe-Statの介護保険施設の表の一覧に見当たりませんでした。定員の小さい施設に何人分いるかは、この記事の数字からは分かりません。
平均の数字を読むときの注意
| 項目 | この記事の数字 |
|---|---|
| 時点 | 2024年10月1日現在(令和6年の調査) |
| 数え方 | 常勤換算(働いた時間を常勤の何人分かに直した数) |
| 数字の性格 | 詳細票の推計値(基本票の施設数に合わせて引き伸ばした数) |
| 分かること | 施設の種類ごとの、1施設あたりの平均の時間の量 |
| 分からないこと | 1人だけの施設の割合、施設ごとの人数、定員の規模ごとの人数 |
出典:同調査 概況 調査の概要、抽出方法・推計方法の概要。表の整理は編集部
1施設あたり1.3人分という平均は、「1人の施設」と「2人以上の施設」が混ざった結果です。どちらが多いかは、平均からは決められません。一人職場かどうかは、施設ごとに確かめる必要があります。
この記事が扱っていないこと
- 管理栄養士・栄養士が1人だけの施設の数と割合。国の表に見当たらず、取得していません。
- 地域密着型介護老人福祉施設(入所定員29人以下)や、デイサービス・ショートステイの栄養士の数。本記事は扱っていません。
- 栄養マネジメント強化加算など、介護報酬の加算のための配置。介護施設の栄養士の仕事内容で扱っています。
- 介護施設の栄養士の給与。本記事は取得していません。
- 都道府県ごとの1施設あたりの数。表はありますが、本記事は扱っていません。
- 「一人職場はつらい」かどうか。国の統計で測れる事柄ではないため、書いていません。
介護施設の栄養士の求人を見るときに確認できること
- 栄養の担当が何人いるか。管理栄養士・栄養士の人数と、それぞれ常勤か非常勤かを聞けます。平均は特養で1.3人分です。
- 施設の種類と入所定員。老健と介護医療院の基準は、入所定員100以上の施設に1以上です。
- 併設の事業所があるか。特養の基準 第12条第9項では、併設の事業所の栄養士を置かず、特養の栄養士が受け持つ形がありえます。
- 給食は直営か委託か、調理員は何人か。特養の調理員は平均1.9人分でした。
- 休みの日に、献立や発注を誰が見るか。1人の職場なら、不在の日の代わりの決め方が働き方に直結します。
よくある質問
Q. 介護施設の栄養士は一人職場ですか。
A. 平均では1人分を少し超えるくらいです。令和6年の調査を編集部が割り算すると、1施設あたりの管理栄養士・栄養士は常勤換算で特養1.3人分、老健1.5人分、介護医療院1.1人分でした。1人だけの施設が何割あるかは、国の表にありません。
Q. 介護施設の栄養士は常勤でないといけませんか。
A. 特別養護老人ホームの基準の第12条が常勤の者と定めているのは、施設長と生活相談員(第4項)、看護職員のうち1人以上(第5項)で、栄養士又は管理栄養士は入っていません。実際には、常勤換算の96%前後が常勤で働く人の分でした。加算の要件は別で、介護施設の栄養士の仕事内容で扱っています。
Q. 小さい施設には栄養士がいないこともありますか。
A. 老健と介護医療院の基準は、入所定員100以上の施設に1以上です。定員100人未満の施設は、老健で2,152施設(51.1%)、介護医療院で795施設(86.7%)ありました。ただし、その規模の施設に何人分いるかは、この記事の数字からは分かりません。
Q. 併設のデイサービスの栄養も担当することがありますか。
A. 特別養護老人ホームの基準 第12条第9項は、併設の事業所の栄養士若しくは管理栄養士を、特養の栄養士若しくは管理栄養士により利用者の処遇が適切に行われると認められるときは置かないことができる、としています。その場合は特養の栄養士が受け持つ形になります。
Q. パートの栄養士は多いですか。
A. 常勤換算で見ると、非常勤で働く人の分は特養で3.9%でした。時間で見ると、ほとんどが常勤の人の働きです。非常勤の人数そのものは、常勤換算からは分かりません。
迷ったらここ
介護施設の栄養士は一人職場か
介護施設の管理栄養士・栄養士は、常勤換算の合計を施設数で割ると1施設あたり1.1〜1.5人分です。人員の基準は「一以上」で、1人だけの施設が何割あるかは国の表に出ていません。
- 栄養の担当(管理栄養士・栄養士)が何人いて、それぞれ常勤か非常勤か
- 施設の種類と入所定員(老健と介護医療院の基準は、入所定員100以上の施設に1以上)
- 併設のデイサービスやショートステイの栄養も受け持つかどうか
まとめ
- 1施設あたりの管理栄養士・栄養士は特養1.3人分、老健1.5人分、介護医療院1.1人分(常勤換算÷施設数の編集部試算)
- 人員の基準は「一以上」。老健と介護医療院は入所定員100以上の施設が対象で、特養の第12条は栄養士に常勤を求めていない
- 常勤換算の96%前後は常勤で働く人の分。非常勤の人の分は特養で3.9%
- 定員100人未満は老健の51.1%、介護医療院の86.7%。それでも平均は1人分を超えている
- 特養の第12条第9項により、併設の事業所の分を特養の栄養士が受け持つ形がありうる
平均が2人分に届かないので、栄養の担当が少人数の施設が多いことは、数字と矛盾しません。ただし、1人だけの施設が何割かは国の表にありません。求人を見るときは、栄養の担当の人数と常勤かどうか、入所定員、併設の事業所の有無を、施設ごとに確かめてください。

