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30秒でわかるまとめ
- 居宅のケアマネジャーは、利用者44人ごとに1が基準です居宅介護支援の省令第2条第2項は、員数の基準を利用者の数が44又はその端数を増すごとに1としています。
- 施設は、入所者100人ごとに1を「標準」としています特養・老健・介護医療院の省令は、どれも介護支援専門員を1以上とし、入所者100又はその端数ごとに1を標準とします。
- 施設のケアマネは、施設サービス計画を担当します管理者が介護支援専門員に計画の作成を担当させる定めで、老健と介護医療院は医師の治療の方針にも基づきます。
- 給与の国の表は、居宅と施設を分けていません処遇状況等調査で介護支援専門員の平均給与額が載る第70表は職種別・勤務形態別で、サービスの種類別の内訳がありません。
※居宅の報酬上の担当件数はケアマネの担当件数に上限はあるか、資格そのものの位置づけは介護福祉士とケアマネの違いで扱っています。

先に整理します:居宅と施設では、ケアマネを置く省令が別です
居宅のケアマネも施設のケアマネも、同じ介護支援専門員の資格で働きます。ただ、配置や仕事の中身を決める省令は職場ごとに別々です。本記事は次の4つを、2026年10月21日時点でe-Govの現行版として読みました。
| 職場 | 省令 | 介護支援専門員の員数 | 計画の作成 |
|---|---|---|---|
| 居宅介護支援事業所 | 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号) | 第2条 | 第13条(居宅サービス計画) |
| 介護老人福祉施設(特養) | 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第39号) | 第2条第1項第6号 | 第12条(施設サービス計画) |
| 介護老人保健施設(老健) | 介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成11年厚生省令第40号) | 第2条第1項第7号 | 第14条(施設サービス計画) |
| 介護医療院 | 介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成30年厚生労働省令第5号) | 第4条第1項第7号 | 第17条(施設サービス計画) |
出典:各省令(e-Gov法令API 法令ID 411M50000100038・411M50000100039・411M50000100040・430M60000100005)
どちらが向いているかを、条文は答えていません。条文から比べられるのは、配置の書き方、勤務の書き方、計画の対象、そして業務の範囲です。本記事はこの4つを順に並べます。

居宅:利用者44又はその端数ごとに1が「員数の基準」です
居宅介護支援事業所の員数は、指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準 第2条が定めています。第1項が事業所ごとに常勤の介護支援専門員を1以上置くことを定め(条文はケアマネが独立開業するにはで扱っています)、数の基準は第2項です。
「前項に規定する員数の基準は、利用者の数(中略)が四十四又はその端数を増すごとに一とする。」
出典:指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(e-Gov法令API 法令ID 411M50000100038)第2条第2項(原文どおり。括弧書きの中を「(中略)」として省略)
省略した括弧の中は、介護予防支援もあわせて行う事業所について、介護予防支援の利用者の数を一定の割合で加えて「利用者の数」を数える定めです。
つまり、利用者の数が44又はその端数を増すごとに1が居宅の員数の基準です。文末は「員数の基準は(中略)一とする」で、利用者が増えれば置く人数もそれに合わせて決まる書き方です。
なお第3項には、情報処理システムを利用し、かつ事務職員を配置している事業所についての別の基準があります。その数字は介護福祉士とケアマネの違いで扱っています。

ここが本題:施設は入所者100又はその端数ごとに1を「標準」とします
施設の側は、介護支援専門員を他の職種と並べて、員数の一覧の1行として書いています。特養の省令 第2条第1項第6号の「介護支援専門員」の欄は、次のとおりです。
「一以上(入所者の数が百又はその端数を増すごとに一を標準とする。)」
出典:指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(e-Gov法令API 法令ID 411M50000100039)第2条第1項第6号(原文どおり)
老健と介護医療院も、同じ形です。
| 施設 | 条 | 介護支援専門員の欄 |
|---|---|---|
| 介護老人福祉施設 | 第2条第1項第6号 | 一以上(入所者の数が百又はその端数を増すごとに一を標準とする。) |
| 介護老人保健施設 | 第2条第1項第7号 | 一以上(入所者の数が百又はその端数を増すごとに一を標準とする。) |
| 介護医療院 | 第4条第1項第7号 | 一以上(入所者の数が百又はその端数を増すごとに一を標準とする。) |
出典:省令第39号 第2条第1項、省令第40号 第2条第1項、平成30年厚生労働省令第5号 第4条第1項
3つの施設の省令は、介護支援専門員の欄を1字も違わない文言で書いています。そして、居宅との違いは数字だけではありません。
| 比べる点 | 居宅介護支援事業所 | 3つの施設 |
|---|---|---|
| 数える相手 | 利用者 | 入所者 |
| 区切り | 44又はその端数を増すごとに | 100又はその端数を増すごとに |
| 文末 | 員数の基準は(中略)一とする | 一以上(中略)一を標準とする |
出典:省令第38号 第2条第2項、省令第39号 第2条第1項第6号ほか
編集部の計算例(編集部試算):相手が100人のとき、それぞれの書き方に当てはめるとこうなります。
- 居宅(利用者100人):100 ÷ 44 = 2余り12。端数を増すごとに1なので、員数の基準は3です。
- 施設(入所者100人):100 ÷ 100 = 1。1が標準です。
同じ100人でも、居宅は3、施設は1という数字が条文から出てきます。ただし施設の側は「標準」です。標準からどこまでの幅が認められるかは解釈通知の領域で、本記事は取得していません。
小さな施設などには別の定めもあります。特養に小規模多機能型居宅介護事業所などが併設される場合に置かないことができる定め(特養の省令 第2条第13項)や、併設型の小規模な老健・介護医療院を「実情に応じた適当数」とする定め(老健の省令 第2条第7項第2号、介護医療院の省令 第4条第7項第3号)です。
施設のケアマネは「専らその職務に従事する常勤の者」です
勤務の書き方も違います。特養の省令 第2条第9項です。
「第一項第六号の介護支援専門員は、専らその職務に従事する常勤の者でなければならない。ただし、入所者の処遇に支障がない場合は、当該指定介護老人福祉施設の他の職務に従事することができる。」
出典:指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準 第2条第9項(原文どおり)
老健の省令 第2条第5項と、介護医療院の省令 第4条第5項も、介護支援専門員を専らその職務に従事する常勤の者とし、同じただし書を置いています(老健・介護医療院は、併設の施設などに従事する場合の定めも続きます)。
| 職場 | 勤務の書き方 | 出典 |
|---|---|---|
| 居宅介護支援事業所 | 介護支援専門員であって常勤であるものを1以上置く | 省令第38号 第2条第1項 |
| 3つの施設 | 専らその職務に従事する常勤の者。入所者の処遇に支障がない場合は、施設の他の職務に従事できる | 省令第39号 第2条第9項、省令第40号 第2条第5項、省令第5号 第4条第5項 |
施設のケアマネは、原則は介護支援専門員の職務に専ら従事し、例外として施設の他の職務も担える、という書き方です。どの職務をどこまで兼ねるかは、条文には書かれていません。働く施設で確認するところです。
仕事の対象:居宅は自宅で暮らす人、施設は入所者の計画です
計画の定義は、介護保険法 第8条にあります。施設サービス計画は第26項です。
「「施設サービス計画」とは、介護老人福祉施設、介護老人保健施設又は介護医療院に入所している要介護者について、これらの施設が提供するサービスの内容、これを担当する者その他厚生労働省令で定める事項を定めた計画をいう。」
出典:介護保険法(e-Gov法令API 法令ID 409AC0000000123)第8条第26項(原文どおり。項の前半の「施設サービス」の定義を省略)
居宅サービス計画は第24項で定義されています。並べると、計画が向く先が違います。
| 比べる点 | 居宅サービス計画(第8条第24項) | 施設サービス計画(第8条第26項) |
|---|---|---|
| だれの計画か | 居宅要介護者 | 介護老人福祉施設、介護老人保健施設又は介護医療院に入所している要介護者 |
| 何を定めるか | 利用する指定居宅サービス等の種類及び内容、これを担当する者など | これらの施設が提供するサービスの内容、これを担当する者など |
| 計画のほかに | 指定居宅サービス事業者等との連絡調整、施設への入所を要する場合の紹介など | ― |
出典:介護保険法 第8条第24項・第26項
居宅の省令は、基本方針でこの違いをもう一歩はっきり書いています。
「指定居宅介護支援の事業は、利用者の心身の状況、その置かれている環境等に応じて、利用者の選択に基づき、適切な保健医療サービス及び福祉サービスが、多様な事業者から、総合的かつ効率的に提供されるよう配慮して行われるものでなければならない。」
出典:指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準 第1条の2第2項(原文どおり)
続く第3項は、利用者に提供される指定居宅サービス等が特定の種類又は特定の事業者等に不当に偏することのないよう、公正中立に行わなければならない、としています。
一方、特養の省令の基本方針(第1条の2第1項)は、施設が施設サービス計画に基づき、可能な限り居宅における生活への復帰を念頭に置いて介護などを行う、と書き出しています。
条文の上では、居宅のケアマネは多様な事業者のサービスを組み合わせて調整する立場、施設のケアマネは自分の施設が提供するサービスの計画を作る立場です。
施設サービス計画:老健と介護医療院は「医師の治療の方針」が加わります
施設で計画を作る手順は、3つの省令がほぼ同じ型で並べています。最初の項は、特養の省令 第12条第1項です。
「指定介護老人福祉施設の管理者は、介護支援専門員に施設サービス計画の作成に関する業務を担当させるものとする。」
出典:指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準 第12条第1項(原文どおり)
担当する介護支援専門員は、条文の中で「計画担当介護支援専門員」と呼ばれます。老健(第14条第1項)と介護医療院(第17条第1項)も、管理者が介護支援専門員に担当させる同じ書き方です。
違いが出るのは、計画の原案を作る第5項です。
| 施設 | 原案を作るときに「基づく」もの |
|---|---|
| 介護老人福祉施設(第12条第5項) | 入所者の希望及び入所者についてのアセスメントの結果 |
| 介護老人保健施設(第14条第5項) | 入所者の希望、入所者についてのアセスメントの結果及び医師の治療の方針 |
| 介護医療院(第17条第5項) | 入所者の希望、入所者についてのアセスメントの結果及び医師の治療の方針 |
出典:省令第39号 第12条第5項、省令第40号 第14条第5項、平成30年厚生労働省令第5号 第17条第5項
同じ施設のケアマネでも、老健と介護医療院では、医師の治療の方針が計画の土台に書き込まれています。
入所と退所のときは、施設と居宅のケアマネがつながります
施設の省令には、計画の作成のほかに「計画担当介護支援専門員の責務」という条があります。特養は第22条の2、老健は第24条の2、介護医療院は第28条です。特養の第1号はこうです。
「入所申込者の入所に際し、その者に係る居宅介護支援事業者に対する照会等により、その者の心身の状況、生活歴、病歴、指定居宅サービス等の利用状況等を把握すること。」
出典:指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準 第22条の2第1号(原文どおり)
| 業務 | 特養(第22条の2) | 老健(第24条の2) | 介護医療院(第28条) |
|---|---|---|---|
| 入所の際、居宅介護支援事業者への照会等で心身の状況・生活歴・病歴などを把握 | 第1号 | 第1号 | 第1号 |
| 居宅で日常生活を営めるかを定期的に検討 | 第2号 | 第2号(内容等を記録) | 第2号(病状も照らす・内容等を記録) |
| 居宅で生活できると認められる入所者の円滑な退所のために必要な援助 | 第3号 | ― | ― |
| 退所の際、居宅介護支援事業者に情報を提供し、保健医療・福祉サービスの提供者と密接に連携 | 第4号 | 第3号 | 第3号 |
出典:省令第39号 第22条の2、省令第40号 第24条の2、平成30年厚生労働省令第5号 第28条
施設のケアマネの業務には、居宅介護支援事業者との受け渡しが条文で書き込まれています。入所のときは居宅の側から情報を受け、退所のときは居宅の側へ情報を渡します。居宅と施設は別々の職場であると同時に、利用者の入所と退所でつながっている関係です。
同じ条には、苦情の内容や事故の状況などを記録する業務も並んでいます(特養は身体的拘束等の記録も)。記録の中身は介護記録の書き方と例文で扱っています。
給与:国の調査は、ケアマネを居宅と施設に分けていません
「居宅と施設、どちらが給料が高いか」を国の数字で比べられないか。介護支援専門員の給与を職種として出している国の調査に、厚生労働省の介護従事者処遇状況等調査があります。
令和6年度調査の調査対象には、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院と、居宅介護支援事業所の両方が入っています。ところが、介護支援専門員の平均給与額が載っている表は、次の表です。
第70表 介護従事者等の平均給与額等(月給の者),職種別,勤務形態別(介護職員等処遇改善加算を取得している事業所)
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」統計表 第70表(表題)
- 第70表は職種別・勤務形態別の表です。介護支援専門員は「常勤の者」「非常勤の者」の2行で、サービスの種類別の内訳はありません。
- サービスの種類別に平均給与額を出している表は、どれも「介護職員の平均給与額等」の表です。e-Statに掲載された令和6年度調査の統計表117表の中に、介護支援専門員をサービスの種類別に分けた給与の表はありませんでした。
- 厚生労働省の結果の一覧では、令和6年度調査が最新です(2026年10月21日時点)。
このため本記事は、居宅と施設のケアマネの給与を比べていません。「居宅のほうが稼げる」「施設のほうが高い」という比較は、本記事が確認した国の表からは言えません。職種全体の平均給与額は生活相談員の年収で他の職種と並べて、賃金構造基本統計調査の数字はケアマネ年収の内訳で扱っています。
この記事が扱っていないこと
- 居宅と施設に分けたケアマネの給与。介護従事者処遇状況等調査(令和6年度)の第70表に内訳がなく、ほかの統計で分けた数字は取得していません。
- 「標準」と「基準」の違いの解釈、兼務できる職務の範囲。厚生労働省の解釈通知の領域で、本記事は取得していません。
- 居宅の担当件数と報酬の区分。ケアマネの担当件数に上限はあるかで扱っています。
- 居宅サービス計画を作る手順とモニタリング。居宅サービス計画書の書き方で扱っています。
- 居宅介護支援事業所の管理者の要件。主任ケアマネの要件で扱っています。
- 地域密着型介護老人福祉施設、グループホームなどの介護支援専門員や計画作成担当者。本記事は3つの介護保険施設と居宅介護支援事業所に絞っています。
ケアマネジャーとして確認できること
- 施設なら、入所者の数と介護支援専門員の人数。3つの施設の省令は、入所者100又はその端数を増すごとに1を標準としています。
- 施設で、介護支援専門員以外の職務を兼ねるかどうか。省令は専らその職務に従事する常勤の者を原則とし、入所者の処遇に支障がない場合に他の職務を認めています。
- 施設の種類。老健と介護医療院では、計画の原案が医師の治療の方針にも基づきます。
- 居宅なら、事業所の利用者の数と常勤の介護支援専門員の数。員数の基準は、利用者44又はその端数を増すごとに1です。
よくある質問
Q. ケアマネは居宅と施設、どっちが楽ですか。
A. 条文は楽さを定めていません。比べられるのは、配置の書き方(利用者44又はその端数ごとに1が基準/入所者100又はその端数ごとに1が標準)、勤務の書き方(施設は専らその職務に従事する常勤の者)、計画の対象(居宅サービス計画/施設サービス計画)です。
Q. 施設のケアマネは、何人の入所者を担当しますか。
A. 3つの施設の省令は、介護支援専門員を「一以上(入所者の数が百又はその端数を増すごとに一を標準とする。)」としています。担当件数の上限ではなく、施設に置く員数の書き方です。
Q. 施設のケアマネは、介護や相談の仕事も兼ねますか。
A. 特養の省令 第2条第9項は、介護支援専門員を専らその職務に従事する常勤の者とし、入所者の処遇に支障がない場合は施設の他の職務に従事することができる、としています。どの職務を兼ねるかは施設ごとの確認が要ります。
Q. 居宅と施設で、給料はどちらが高いですか。
A. 介護従事者処遇状況等調査(令和6年度)で介護支援専門員の平均給与額が載る第70表は職種別・勤務形態別で、サービスの種類別の内訳がありません。本記事は居宅と施設の給与を比べていません。
迷ったらここ
ケアマネは居宅と施設どっち
居宅介護支援事業所の省令は員数の基準を利用者44又はその端数ごとに1とし、特養・老健・介護医療院の省令は入所者100又はその端数ごとに1を標準としています。施設のケアマネは、専らその職務に従事する常勤の者が原則です。
- 施設なら、入所者の数と介護支援専門員の人数、ほかに兼ねる職務があるか
- 施設の種類(老健と介護医療院は、計画が医師の治療の方針にも基づく)
- 居宅なら、事業所の利用者の数と常勤の介護支援専門員の数
まとめ
- 居宅は利用者44又はその端数ごとに1が基準指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準 第2条第2項は、員数の基準をこう書いています。
- 施設は入所者100又はその端数ごとに1が標準特養・老健・介護医療院の省令は同じ文言です。施設のケアマネは、専らその職務に従事する常勤の者が原則です。
- 計画の対象が違う居宅は多様な事業者のサービスを組み合わせる居宅サービス計画、施設は施設が提供するサービスの施設サービス計画です。施設のケアマネには、入所と退所で居宅とつながる業務もあります。
- 給与は国の表で居宅と施設に分かれていない処遇状況等調査の第70表は職種別・勤務形態別で、本記事は給与を比べていません。

