介護記録の書き方と例文|施設の省令は残す記録を並べ、身体拘束には書く4項目を定めています

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目次

30秒でわかるまとめ

  • 施設の介護職員の記録は、省令の「記録の整備」から読めます特養の省令第37条第2項は、施設サービス計画や提供した具体的なサービスの内容等の記録など、整備する記録を号で並べています。
  • 日々の記録に書く事項は、解釈通知が挙げるものですサービスの提供日、提供した具体的なサービスの内容、入所者の心身の状況その他必要な事項を記録する、と通知は書いています。
  • 身体拘束の記録は、書く項目が条文に書かれています態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由です。通知は3つの要件の確認の記録も求めています。
  • 老健・介護医療院・グループホームも同じ型ですどの省令にも記録の整備の条があり、身体的拘束等の記録と、提供した具体的なサービスの内容等の記録が並んでいます。

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※訪問介護の記録は訪問介護の記録の書き方、居宅の事業所が保存する記録は介護事務の仕事内容で扱っています。

老人ホーム(介護職員)

まず前提:省令に「介護記録」という言葉はありません

特別養護老人ホーム(指定介護老人福祉施設)の運営のルールは、「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第39号)が定めています。

この省令の本則に、「介護記録」という言葉は出てきません。介護老人保健施設・介護医療院・認知症グループホームの省令も同じでした。

省令が使うのは「提供した具体的なサービスの内容等の記録」のような、記録ごとの名前です。職場の「介護記録」がどれに当たるかを見ると、書く中身が条文から読めます。

打ち合わせタブレット

ここが本題:残す記録は、第37条「記録の整備」が並べています

省令第37条の見出しは「記録の整備」です。第2項が、入所者へのサービスの提供に関する記録を定めています。

「指定介護老人福祉施設は、入所者に対する指定介護福祉施設サービスの提供に関する次の各号に掲げる記録を整備し、その完結の日から二年間保存しなければならない。」

出典:指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(e-Gov法令API 法令ID 411M50000100039)第37条第2項(原文どおり。各号は下の表)

号第37条第2項が並べる記録引いている条
第1号施設サービス計画―(作成の手順は第12条)
第2号提供した具体的なサービスの内容等の記録第8条第2項
第3号身体的拘束等の態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由の記録第11条第5項
第4号市町村への通知に係る記録第20条
第5号苦情の内容等の記録第33条第2項
第6号事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録第35条第3項

出典:指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準 第37条第2項第1号〜第6号

介護職員が毎日書く記録は、主に第2号に当たります。第3号・第5号・第6号は、身体的拘束等・苦情・事故があったときの記録です。引かれた条は、どれも「記録しなければならない」と書いています。

主語はいずれも指定介護老人福祉施設です。施設の中で誰が書くかは、条文には書かれていません。

書類にサイン

日々の記録:通知が挙げるのは「提供日・具体的なサービスの内容・心身の状況」です

第2号が引く第8条第2項は、次の1文です。

「指定介護老人福祉施設は、指定介護福祉施設サービスを提供した際には、提供した具体的なサービスの内容等を記録しなければならない。」

出典:指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準 第8条第2項(原文どおり)

「等」の中身は、厚生労働省の解釈通知「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準について」(平成12年3月17日 老企第43号)が示しています。

「基準省令第八条第二項は、サービスの提供日、提供した具体的なサービスの内容、入所者の心身の状況その他必要な事項を記録しなければならないこととしたものである。」

出典:老企第43号 第4の6「サービスの提供の記録」(厚生労働省 法令等データベースの版。原文どおり。このあとに続く記録の保存についての1文は省略)

「心身の状況」は、第8条の条文には出てこない言葉です。日々の記録に心身の状況を書く、という中身は、通知の側にあります。

この通知の版について

法令等データベースの老企第43号は、平成27年度改定の前の文言です(利用料の部分が、平成27年度の新旧対照表の改正前の欄と同じです)。この「サービスの提供の記録」の部分は、平成27年度・平成30年度・令和3年度・令和6年度の新旧対照表で、いずれも「(略)」でした。

令和3年度の改正で第4の1が新設され、番号が1つ繰り下がって現在は第4の7です。令和8年度介護報酬改定のページには、この通知の改正は載っていませんでした。

出典:厚生労働省「平成27年度介護報酬改定について」「平成30年度介護報酬改定について」「令和3年度介護報酬改定について」「令和6年度介護報酬改定について」の各ページに掲載された老企第43号の新旧対照表

身体拘束の記録は、書く項目が条文に書かれています

第3号が引く第11条は、第4項で身体的拘束等を原則として禁じ、第5項で記録を定めています。

「指定介護老人福祉施設は、前項の身体的拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならない。」

出典:指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準 第11条第5項(原文どおり)

日々の記録と違い、書く項目が条文そのものに並んでいます。態様、時間、その際の入所者の心身の状況、緊急やむを得ない理由の4つです。

令和6年度の改正で、解釈通知のこの部分に1段落が加わりました。改正後の文言です。

「同条第4項及び第5項は、当該入所者又は他の入所者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等を行ってはならず、緊急やむを得ない場合に身体的拘束等を行う場合にあっても、その態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならないこととしたものである。
また、緊急やむを得ない理由については、切迫性、非代替性及び一時性の3つの要件を満たすことについて、組織等としてこれらの要件の確認等の手続きを極めて慎重に行うこととし、その具体的な内容について記録しておくことが必要である。」

出典:老企第43号 第4の10「指定介護福祉施設サービスの取扱方針」(2)(令和6年度改定の新旧対照表の新の欄。原文どおり。このあとに続く記録の保存についての1文は省略)

同じ新旧対照表の旧の欄に、「また、」の段落はありません。3つの要件の確認の具体的な内容を残すことは、令和6年度の改正で通知に書き加えられたものです。

同じ第4の10は、身体的拘束等の適正化のための委員会の取組みを①〜⑥で挙げています。介護職員の名前が出るのは②です。

「介護職員その他の従業者は、身体的拘束等の発生ごとにその状況、背景等を記録するとともに、①の様式に従い、身体的拘束等について報告すること。」

出典:老企第43号 第4の9(3)②(平成30年度改定の新旧対照表の新の欄。原文どおり。令和3年度は第4の10(3)の①〜⑥が、令和6年度は①・②が「(略)」)

①は「身体的拘束等について報告するための様式を整備すること」です。様式を整えるのは施設、その様式で報告するのが介護職員という分担です。

老健・介護医療院・グループホームも、同じ型です

ほかの施設の省令にも「記録の整備」の条があります。最新の改正を反映した版(e-Gov)で並べました。

施設(省令)記録の整備号の数日々の記録身体的拘束等の記録
特別養護老人ホーム(平成11年厚生省令第39号)第37条第2項6第8条第2項第11条第5項
介護老人保健施設(平成11年厚生省令第40号)第38条第2項7第9条第2項第13条第5項
介護医療院(平成30年厚生労働省令第5号)第42条第2項7第13条第2項第16条第5項
認知症グループホーム(平成18年厚生労働省令第34号)第107条第2項7第95条第2項第97条第6項

出典:各省令の記録の整備の条と、その号が引く条

4つとも、日々の記録は「提供した具体的なサービスの内容等の記録」、身体的拘束等の記録は態様及び時間・心身の状況・緊急やむを得ない理由の記録で、同じ書き方です。

号が1つ多いのは、老健と介護医療院では居宅において日常生活を営むことができるかどうかについての検討の内容等の記録、グループホームでは運営推進会議の報告、評価、要望、助言等の記録が加わるためです。ユニット型の特養は第49条で第37条を準用し、第3号の「第11条第5項」を「第42条第7項」と読み替えます。

施設サービス計画を担当する介護支援専門員の業務も、特養・老健・介護医療院の省令がほぼ同じ型で並べています。入所と退所のときの業務を含めてケアマネは居宅と施設どっち|配置は利用者44人ごとと入所者100人ごと。省令の書き方も違いますで扱っています。

記入の型:省令・通知の文言を、そのまま欄にします

記録欄(文言のとおり)書くときの考え方(編集部)
日々の記録サービスの提供日サービスを提供した日です。
提供した具体的なサービスの内容「食事介助」のような名前だけでなく、その日に行ったことを書きます。
入所者の心身の状況本人が話したことと、書く人が見たことを分けると、読む人が区別できます。
その他必要な事項中身は通知に列挙されていません。施設の様式で確認します。
身体的拘束等の記録態様行った行為を、読んだ人が同じ場面を思い浮かべられるように書きます。
時間始めた時刻と終えた時刻です。
その際の入所者の心身の状況行う前と行っている間の様子です。
緊急やむを得ない理由なぜその時に必要だったかを書きます。
3つの要件の確認の具体的な内容通知の「また、」の段落に当たります。誰が、どの手続きで確認したかです。

出典:省令第8条第2項・第11条第5項と、老企第43号の文言をもとに編集部が作成。国が示した様式ではありません。本記事が確かめた条文と通知の該当部分に、記録の様式は示されていませんでした。

なお第50条第1項により、記録の作成・保存は書面に代えて電磁的記録により行うことができるとされています。除外される規定に第8条第1項はありますが、第8条第2項は入っていません。

架空の記入イメージ(例文)

上の型に沿って編集部が作った架空の記入イメージです。実在の入所者や施設の記録ではありません。日付と時刻は「○」で伏せています。

日々の記録(架空)

欄記入イメージ(架空)
サービスの提供日○月○日
提供した具体的なサービスの内容昼食の介助。主食は本人が自分で食べ、副菜はスプーンで口元まで運んだ。食後、車いすを押して居室に戻った。
入所者の心身の状況本人の話「今日はおなかがすいている」。食事の途中で一度むせたが、すぐにおさまった。表情は穏やかだった。
その他必要な事項むせがあったことを看護職員に伝えた。

身体的拘束等の記録(架空)

欄記入イメージ(架空)
態様車いすに座っている間、腰の位置でベルトを留めた。
時間○月○日 ○時○分から○時○分まで
その際の入所者の心身の状況立ち上がろうとして前に倒れかけることが続いていた。声をかけると、しばらく座り直した。ベルトを留めている間、「外して」と話すことがあった。
緊急やむを得ない理由前に倒れかける動きが続き、見守りの職員が離れた間に転倒するおそれがあった。
3つの要件の確認の具体的な内容施設で決めている手続きに沿って、介護職員・看護職員・生活相談員で3つの要件を確認した。確認した内容は、手続きの記録に残した。

どちらも書き方の一例です。どの行為が身体的拘束等に当たるか、3つの要件をどう確認するかは、本記事が取得した省令・通知の該当部分には書かれていません。施設の指針と手続き、様式に従ってください。

この記事が扱っていないこと

  • どの行為が身体的拘束等に当たるかの一覧と、3つの要件それぞれの中身。取得した省令と通知の該当部分にはなく、ほかの資料は取得していません。
  • 記録の様式。省令と通知の該当部分には示されていません。
  • 保存の起算点「完結の日」の意味。通知に別の項がありますが扱っていません。居宅の事業所の保存は介護事務の仕事内容で扱っています。
  • 看護職員が書く記録。医療の法令の領域で、看護記録の法律と保存期間で扱っています。
  • 老健・介護医療院・グループホームの解釈通知。本記事は省令の条文だけを比べました。
  • 老企第43号の、改正を反映した全文。厚生労働省のサイトで見つけられず、法令等データベースの版と新旧対照表で文言を確かめました。取得していない年度の改正がないことまでは、確かめきれていません。

施設の介護職員として確認できること

  • 日々の記録の様式の欄。提供日、具体的なサービスの内容、心身の状況を書く欄があるかを見ます。
  • 身体的拘束等の記録の様式。態様、時間、心身の状況、緊急やむを得ない理由の欄があるかを確認できます。
  • 3つの要件を、誰がどの手続きで確認するか。施設の指針で確かめられます。
  • 苦情と事故を、どこに記録するか。日々の記録とは別の号の記録です。

よくある質問

Q. 介護記録の書き方は、法律で決まっていますか。
A. 特養の省令に「介護記録」という言葉も、記録の様式もありませんでした。第8条第2項は「提供した具体的なサービスの内容等」を記録するとし、書く事項は解釈通知が挙げています。

Q. 日々の記録には何を書きますか。
A. 解釈通知(老企第43号)は、サービスの提供日、提供した具体的なサービスの内容、入所者の心身の状況その他必要な事項を記録する、としています。

Q. 身体拘束をしたときの記録には、何を書きますか。
A. 第11条第5項は、態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録する、としています。令和6年度改正後の通知は、3つの要件の確認の具体的な内容を記録しておくことも必要としています。

Q. 記録はいつまで保存しますか。
A. 第37条第2項は、同項の各号の記録を整備し、その完結の日から二年間保存しなければならない、としています。

迷ったらここ

記録の様式の欄を確かめる

特養の省令第37条第2項は整備する記録を号で並べ、解釈通知は日々の記録にサービスの提供日、提供した具体的なサービスの内容、入所者の心身の状況その他必要な事項を挙げています。身体的拘束等の記録は、書く項目が第11条第5項にあります。

  • 日々の記録の様式に、提供日・具体的なサービスの内容・心身の状況の欄があるか
  • 身体的拘束等の記録の様式に、態様・時間・心身の状況・緊急やむを得ない理由の欄があるか
  • 3つの要件を誰がどの手続きで確認し、その内容をどこに記録するか
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まとめ

施設の介護記録に何を残すかは、省令の「記録の整備」の条(特養は第37条)が並べる記録から読めます。介護職員が毎日書くのは、主に提供した具体的なサービスの内容等の記録(第8条第2項)です。

その中身は、解釈通知がサービスの提供日、提供した具体的なサービスの内容、入所者の心身の状況その他必要な事項と示しています。

身体的拘束等の記録は、態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を書くと第11条第5項が定め、令和6年度改正後の通知は3つの要件の確認の具体的な内容の記録も求めています。老健・介護医療院・グループホームも同じ型です。

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この記事を書いた人

医療・福祉・保育の人材紹介の現場で求職者の相談を受けてきた編集者が担当しています。キャリアアドバイザー歴8年、転職相談・紹介の対応実績1,500人以上(自社実績/2026年8月時点)。介護・看護師・保育士・栄養士の4分野を担当。記事の数値には必ず出典と公表時点を添えています。

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