30秒でわかるまとめ
- ケアマネジャー1人あたりの件数で、報酬の区分が変わります居宅介護支援費は、取扱件数が45未満の部分を(ⅰ)、45以上60未満の部分を(ⅱ)、60以上の部分を(ⅲ)で算定します。
- 区分が変わると、1月あたりの単位数が下がる仕組みです要介護1又は要介護2の場合、(ⅰ)は1,086単位、(ⅱ)は544単位、(ⅲ)は326単位です。
- 取扱件数は、常勤換算の員数で割って数えます月末に給付管理を行っている利用者の総数に、介護予防支援の利用者の数の3分の1を加え、介護支援専門員の員数で割ります。
- データ連携と事務職員があれば、境目は50件です居宅介護支援費(Ⅱ)を届け出た事業所では、(ⅰ)と(ⅱ)の境目が50になり、(ⅲ)の境目は60のままです。
※事業所に置く介護支援専門員の員数の基準は介護福祉士とケアマネの違い、員数の割り算そのものは介護の常勤換算とはで扱っています。

先に整理します:「担当件数の上限」と呼ばれる数字は、3つの場所にあります
ケアマネの担当件数について語られる数字は、出どころが1つではありません。本記事が取得した一次資料では、次の3つの場所に件数の定めがありました。
| 場所 | 何を決めているか | 本記事での扱い |
|---|---|---|
| 省令(指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準 第2条) | 事業所に置く介護支援専門員の員数 | リンクのみ |
| 介護報酬の告示(平成12年厚生省告示第20号 別表) | 取扱件数に応じた居宅介護支援費の区分と単位数 | 本記事の中心 |
| 大臣基準告示(平成27年厚生労働省告示第95号 第84号) | 特定事業所加算を算定するための要件の1つ | 後半で扱います |
省令の員数の基準は、利用者の数に応じて介護支援専門員を何人置くかを定めるもので、その数字は介護福祉士とケアマネの違いで扱っています。
本記事は、2つめの「報酬の告示」を原文で読みます。事業所の収入にかかわるのは、こちらの数字です。

まず告示:居宅介護支援費は(Ⅰ)と(Ⅱ)、それぞれ3つの区分です
居宅介護支援費の単位数は、指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第20号)の別表「指定居宅介護支援介護給付費単位数表」に書かれています。いずれも1月につきの単位数です。
| 区分 | 要介護1又は要介護2 | 要介護3、要介護4又は要介護5 |
|---|---|---|
| 居宅介護支援費(Ⅰ)(ⅰ) | 1,086単位 | 1,411単位 |
| 居宅介護支援費(Ⅰ)(ⅱ) | 544単位 | 704単位 |
| 居宅介護支援費(Ⅰ)(ⅲ) | 326単位 | 422単位 |
| 居宅介護支援費(Ⅱ)(ⅰ) | 1,086単位 | 1,411単位 |
| 居宅介護支援費(Ⅱ)(ⅱ) | 527単位 | 683単位 |
| 居宅介護支援費(Ⅱ)(ⅲ) | 316単位 | 410単位 |
出典:指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第20号)別表 居宅介護支援費 イ(厚生労働省 法令等データベース)
(ⅰ)の単位数は、(Ⅰ)と(Ⅱ)で同じです。違いが出るのは(ⅱ)と(ⅲ)で、(Ⅱ)のほうが少し低く設定されています。
注1は、(Ⅰ)と(Ⅱ)の関係について「(2)を算定する場合には、(1)は算定しない」としています。1つの事業所がどちらかを選ぶ形です。

ここが本題:取扱件数45未満・45以上60未満・60以上で区分が分かれます
どの区分で算定するかは、同じ別表の注1((Ⅰ)の場合)と注2((Ⅱ)の場合)が定めています。
| 区分 | 居宅介護支援費(Ⅰ)(注1) | 居宅介護支援費(Ⅱ)(注2) |
|---|---|---|
| (ⅰ) | 取扱件数が45未満である場合又は45以上である場合において、45未満の部分 | 取扱件数が50未満である場合又は50以上である場合において、50未満の部分 |
| (ⅱ) | 取扱件数が45以上である場合において、45以上60未満の部分 | 取扱件数が50以上である場合において、50以上60未満の部分 |
| (ⅲ) | 取扱件数が40以上である場合において、60以上の部分 | 取扱件数が45以上である場合において、60以上の部分 |
出典:平成12年厚生省告示第20号 別表 居宅介護支援費 イの注1イ〜ハ・注2イ〜ハ
(Ⅰ)の(ⅱ)の文言は、次のとおりです。
「取扱件数が45以上である場合において、45以上60未満の部分について算定する。」
出典:平成12年厚生省告示第20号 別表 居宅介護支援費 イの注1ロ(原文どおり)
ポイントは「部分について算定する」という書き方です。取扱件数が45を超えたとたんに全員の単位数が下がるのではなく、45以上の部分が(ⅱ)、60以上の部分が(ⅲ)になります。
そして60以上の部分についても、告示は(ⅲ)を「算定する」と書いています。報酬の告示は、件数に応じた単位数を定めるものです。事業所に置く員数が足りているかどうかは、省令の人員基準という別の定めで判断されます。
なお注1は、別に厚生労働大臣が定める地域に所在する事業所について、「次のイからハまでにかかわらず、(1)の(一)を適用する」としています。この地域の事業所は、取扱件数にかかわらず(ⅰ)で算定する定めです。
取扱件数の数え方:利用者の総数と、介護予防支援の3分の1
「取扱件数」の数え方は、厚生労働省の留意事項通知(平成12年3月1日老企第36号)の第三の7(1)が、告示より平たい言葉で書いています。
「当該指定居宅介護支援事業所全体の利用者(月末に給付管理を行っている者をいう。)の総数に指定介護予防支援に係る利用者(厚生労働大臣が定める地域(平成24年厚生労働省告示第120号)に該当する地域に住所を有する利用者を除く。)の数に3分の1を乗じた数を加えた数を当該事業所の常勤換算方法により算定した介護支援専門員の員数で除して得た数とする。」
出典:老企第36号 第三の7(1)。令和6年度介護報酬改定の新旧対照表の「新」欄(原文どおり。冒頭の「基本単位の……取扱件数の算定方法は、」を省略)
分けて読むと、次の3つです。
- 分子の1:事業所全体の利用者の総数。数えるのは月末に給付管理を行っている者です。
- 分子の2:指定介護予防支援に係る利用者の数に3分の1を乗じた数。告示は、事業所が自ら指定を受けて行う介護予防支援と、委託を受けて行う介護予防支援の両方を挙げています。
- 分母:事業所の常勤換算方法により算定した介護支援専門員の員数。人数ではありません。
「担当件数」は、1人のケアマネが持っているケースの数そのものではなく、事業所全体の数を常勤換算の員数で割った数です。常勤換算の割り算の中身は介護の常勤換算とはで扱っています。
だれが(ⅱ)になるか:契約日の古い順に割り当てます
取扱件数が45以上になったとき、どの利用者の分が(ⅱ)になるのか。同じ通知の第三の7(4)が定めています。
「居宅介護支援費(i)、(ii)又は(iii)の利用者ごとの割り当てに当たっては、利用者の契約日が古いものから順に、1件目から44件目(常勤換算方法で1を超える数の介護支援専門員がいる場合にあっては、45にその数を乗じた数から1を減じた件数(小数点以下の端数が生じる場合にあっては、その端数を切り捨てた件数)まで)については居宅介護支援費(i)を算定し、45件目(常勤換算方法で1を超える数の介護支援専門員がいる場合にあっては、45にその数を乗じた件数)以降については、取扱件数に応じ、それぞれ居宅介護支援費(ii)又は(iii)を算定すること。」
出典:老企第36号 第三の7(4)。令和6年度介護報酬改定の新旧対照表の「新」欄(原文どおり)
続けて、居宅介護支援費(Ⅱ)を算定する場合は「44件目」を「49件目」と、「45」を「50」と読み替えるとしています。
編集部の計算例(編集部試算):常勤換算2.0人、月末に給付管理を行っている利用者が100人、介護予防支援の利用者はいない事業所で考えます。
| 手順 | 居宅介護支援費(Ⅰ)の事業所 | 居宅介護支援費(Ⅱ)の事業所 |
|---|---|---|
| 取扱件数 | 100 ÷ 2.0 = 50 | 100 ÷ 2.0 = 50 |
| (ⅰ)で算定する範囲 | 45 × 2.0 − 1 = 89 → 1件目から89件目 | 50 × 2.0 − 1 = 99 → 1件目から99件目 |
| (ⅱ)で算定する範囲 | 90件目から100件目の11件 | 100件目の1件 |
取扱件数50は、(Ⅰ)では「45以上60未満」、(Ⅱ)では「50以上60未満」に当たるので、(ⅲ)の部分はありません。同じ100人・2.0人でも、(Ⅰ)か(Ⅱ)かで(ⅱ)になる件数が11件と1件に分かれます。
居宅介護支援費(Ⅱ):ケアプランデータ連携システムと事務職員
境目が50になる(Ⅱ)は、届け出た事業所だけが算定できます。告示の注2が挙げる条件は、次の2つです。
- 公益社団法人国民健康保険中央会が運用及び管理を行う居宅サービス計画の情報の共有等のための情報処理システムの利用
- 事務職員の配置
この2つを「並びに」でつなぎ、両方を行っていることを求めています。そのうえで、市町村長に対し老健局長が定める様式による届出を行った事業者が算定できる、という書き方です。
出典:平成12年厚生省告示第20号 別表 居宅介護支援費 イの注2
留意事項通知の第三の7(2)(3)は、2つの条件をこう説明しています。
| 条件 | 通知の説明 |
|---|---|
| 情報処理システム | いわゆる「ケアプランデータ連携システム」を指し、利用申請をし、クライアントソフトをインストールしている場合に要件を満たす。他の居宅サービス事業者とのデータ連携の実績は問わない |
| 事務職員 | 介護支援専門員が行う一連の業務等の負担軽減や効率化に資する職員。勤務形態は常勤の者でなくても差し支えない。事業所内の配置に限らず同一法人内の配置でも認められる。勤務時間数については特段の定めを設けていない |
出典:老企第36号 第三の7(2)・(3)。令和6年度介護報酬改定の新旧対照表の「新」欄
特定事業所加算の要件にも「1人当たり45名未満」があります
件数の数字は、加算の要件にも出てきます。厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第84号は、居宅介護支援費の特定事業所加算の基準です。その(Ⅰ)の要件の1つがこれです。
「指定居宅介護支援事業所において指定居宅介護支援の提供を受ける利用者数が当該指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員一人当たり四十五名未満であること。ただし、居宅介護支援費(II)を算定している場合は五十名未満であること。」
出典:厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第84号イ(10)(厚生労働省 法令等データベース)(原文どおり)
特定事業所加算の(Ⅱ)(Ⅲ)(A)も、それぞれの要件の中でイの「(6)から(13)まで」の基準に適合することを求めています。(10)はこの範囲に入っています。
出典:同 第84号ロ(1)・ハ(1)・ニ(1)
居宅介護支援費の区分は「45以上の部分」を(ⅱ)にする定めで、特定事業所加算は「45名未満であること」を要件にする定めです。同じ45という数字でも、働き方が違います。
版の確認:令和6年度改定で境目が上がり、令和8年度改定は区分を変えていません
現在の区分は、令和6年3月15日厚生労働省告示第86号(令和6年4月1日施行)による改正後のものです。改正前との違いを、新旧対照表から拾いました。
| 項目 | 改正前 | 令和6年度改定の後(現行) |
|---|---|---|
| (Ⅰ)の(ⅰ)と(ⅱ)の境目 | 40 | 45 |
| (Ⅱ)の(ⅰ)と(ⅱ)の境目 | 45 | 50 |
| (Ⅱ)の条件 | 情報通信機器(人工知能関連技術を活用したものを含む。)の活用又は事務職員の配置 | 情報処理システム(ケアプランデータ連携システム)の利用並びに事務職員の配置 |
| 介護予防支援の利用者の数え方 | 2分の1を乗じる(委託を受けたもの) | 3分の1を乗じる(自ら指定を受けたものと委託を受けたもの) |
| 事務職員の勤務時間 | 常勤換算で介護支援専門員1人あたり、1月24時間以上の勤務を必要とする | 特段の定めを設けていない |
| 特定事業所加算の(10) | 40名未満((Ⅱ)を算定している場合は45名未満) | 45名未満((Ⅱ)を算定している場合は50名未満) |
出典:令和6年厚生労働省告示第86号の新旧対照表(第4条・第53条関係)、老企第36号の令和6年度改定の新旧対照表 第三の7。単位数も同じ改正で改められていますが、改正前の単位数は本記事では扱いません。
そのあとの令和8年3月13日厚生労働省告示第87号(令和8年6月1日施行)は、居宅介護支援費のイからリまでを「(略)」とし、ヌとして介護職員等処遇改善加算を新設しました。取扱件数の区分と単位数は変わっていません。令和8年度改定の老企第36号の新旧対照表も、第三の1から20までを「(略)」とし、21を新設しています。
この記事が扱っていないこと
- 省令の人員基準の員数の数字。介護福祉士とケアマネの違いで扱っています。
- 1単位の単価(地域ごとの単価)。告示は「別に厚生労働大臣が定める一単位の単価」としており、本記事は取得していません。単位数を円に直した金額は書いていません。
- 「別に厚生労働大臣が定める地域」の一覧。取扱件数から除く利用者の地域(平成24年厚生労働省告示第120号)も含め、本記事は取得していません。
- 居宅サービス計画を作る手順(省令第13条)。居宅サービス計画書の書き方で扱っています。
- 介護職員等処遇改善加算の中身、特定事業所加算の単位数とその他の要件、各種の減算。本記事の範囲外です。
- 厚生労働省のQ&A(介護保険最新情報)での個別の解釈。取得していません。
ケアマネジャーとして確認できること
- 事業所が居宅介護支援費の(Ⅰ)と(Ⅱ)のどちらを届け出ているか。(ⅰ)と(ⅱ)の境目が45か50かが変わります。
- 事業所全体の利用者の総数、介護予防支援の件数、常勤換算の員数。取扱件数は、この3つで決まります。介護予防支援は3分の1を乗じて足されます。
- ケアプランデータ連携システムを使っているか、事務職員がいるか。(Ⅱ)の条件です。事務職員は同一法人内の配置でも認められます。
- 特定事業所加算を算定しているか。算定していれば、1人当たり45名未満((Ⅱ)なら50名未満)の要件がかかっています。
よくある質問
Q. 担当件数が45件を超えると、違反になりますか。
A. 報酬の告示は、取扱件数が45以上の部分を(ⅱ)、60以上の部分を(ⅲ)で「算定する」と書いています。件数に応じた単位数の定めです。事業所に置く介護支援専門員の員数は、省令の人員基準(第2条)が別に定めています。
Q. 要支援の人(介護予防支援)は何件と数えますか。
A. 老企第36号 第三の7(1)は、指定介護予防支援に係る利用者の数に3分の1を乗じた数を加えるとしています。令和6年度改定の前は2分の1でした。
Q. (ⅱ)になるのは、どの利用者の分ですか。
A. 老企第36号 第三の7(4)は、利用者の契約日が古いものから順に割り当てるとしています。常勤換算1人なら、1件目から44件目が(ⅰ)、45件目以降が取扱件数に応じて(ⅱ)又は(ⅲ)です((Ⅱ)では49件目・50に読み替え)。
Q. 令和8年度の改定で、区分や単位数は変わりましたか。
A. 令和8年厚生労働省告示第87号は、居宅介護支援費のイからリまでを「(略)」とし、ヌ(介護職員等処遇改善加算)を新設しました。取扱件数の区分と単位数は、令和6年度改定の後のままです。
迷ったらここ
担当件数の区分と数え方を確かめる
居宅介護支援費は、取扱件数が45未満の部分を(ⅰ)、45以上60未満の部分を(ⅱ)、60以上の部分を(ⅲ)で算定します。取扱件数は、利用者の総数に介護予防支援の利用者の数の3分の1を加え、常勤換算の員数で割った数です。
- 事業所が居宅介護支援費の(Ⅰ)と(Ⅱ)のどちらを届け出ているか
- 事業所全体の利用者の総数と、介護支援専門員の常勤換算の員数
- 特定事業所加算を算定しているか(1人当たり45名未満の要件)
まとめ
ケアマネの「担当件数の上限」として語られる数字の中心は、介護報酬の告示にある取扱件数の区分です。居宅介護支援費(Ⅰ)は、取扱件数の45未満の部分を(ⅰ)、45以上60未満の部分を(ⅱ)、60以上の部分を(ⅲ)で算定し、要介護1又は要介護2では1,086単位・544単位・326単位です。
取扱件数は、月末に給付管理を行っている利用者の総数に介護予防支援の利用者の数の3分の1を加え、常勤換算の員数で割って出します。(ⅱ)になるのは、契約日の新しい側の利用者の分です。
ケアプランデータ連携システムの利用と事務職員の配置を届け出た居宅介護支援費(Ⅱ)では、境目が50になります。令和8年度改定は、この区分と単位数を変えていません。

