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30秒でわかるまとめ
- 生活相談員と介護職の兼務は、サービスで書き方が違います通所介護の省令は時間の数え方を、特養の基準は職員の専従と例外を書いています。一律の答えはありません。
- 通所介護は、生活相談員として勤務した時間で数える書き方です提供時間帯に生活相談員が勤務した時間数の合計を、提供時間帯の時間数で割り、1以上にする定めです。
- 会議や利用者宅の訪問の時間も、生活相談員の時間に含められます通所介護の通知に、平成27年度の改正で加わった記述です。相談・援助に支障がない範囲で認められます。
- 特養は専従が原則。通知が挙げる兼務の相手は3つです機能訓練指導員、介護支援専門員、併設する短期入所生活介護の同じ職です。介護職員はこの並びにありません。
※資格の要件は生活相談員の資格要件、「専ら従事する」の定義と常勤の考え方は介護の常勤換算とはで扱っています。

先に結論:兼務の可否は、条文の書き方から読みます
「生活相談員は介護職と兼務できるか」に、全国共通の一言の答えはありません。通所介護と特別養護老人ホーム(特養)で、条文の書き方が違うからです。
| 比べる点 | 通所介護(デイサービス) | 特別養護老人ホーム |
|---|---|---|
| 条文の書き方 | 提供時間帯に生活相談員が勤務している時間数を数える | 職員は専ら当該施設の職務に従事する。ただし処遇に支障がない場合は例外 |
| 根拠の条 | 指定居宅サービス等基準 第93条第1項第1号・第3号 | 特養基準 第6条/指定介護老人福祉施設基準 第2条第4項 |
| 時間の扱いを決めている通知 | 老企第25号 第3の六の1 | 老発第214号 第一の5 |
出典:各省令(e-Gov法令API)と各通知。比較の整理は編集部
本記事は条文と解釈通知の書き方を並べるもので、自治体が独自に示している取扱いには踏み込みません。

通所介護の省令は、職種ごとの「勤務している時間数」で数えます
通所介護の員数を定める第93条で生活相談員(第1号)と介護職員(第3号)を並べると、どちらも人数ではなく時間数で書かれています。
| 職種 | 数える単位 | 条文が数えているもの |
|---|---|---|
| 生活相談員(第1号) | 提供日ごと | 「当該指定通所介護を提供している時間帯に生活相談員(専ら当該指定通所介護の提供に当たる者に限る。)が勤務している時間数の合計数」 |
| 介護職員(第3号) | 単位ごと | 「当該指定通所介護を提供している時間帯に介護職員(専ら当該指定通所介護の提供に当たる者に限る。)が勤務している時間数の合計数」 |
出典:指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(e-Gov法令API 法令ID 411M50000100037)第93条第1項第1号・第3号
生活相談員は、この合計数を提供している時間帯の時間数で割った数が1以上確保されるために必要と認められる数、と定められています。介護職員については、第2項が別に、単位ごとに常時1人以上当該指定通所介護に従事させることを求めています。
条文の主語は「誰が」ではなく「その職種として勤務している時間数」です。第93条第1項には、生活相談員と介護職員の兼務を認める文言も、禁じる文言もありません。機能訓練指導員の兼務は同じ条の別の項に書かれており、機能訓練指導員の仕事内容で扱っています。

ここが本題:通知は、職種ごとの勤務延時間数で配置を見ています
この数え方を具体的にしているのが、解釈通知(平成11年9月17日老企第25号)の通所介護の人員の節、第3の六の1(1)の③と④です。
| 項目 | 通知の書き方 |
|---|---|
| 数えるもの | 当該職種の従業員がサービス提供時間内に勤務する時間数の合計(勤務延時間数) |
| 人数 | 必要な勤務延時間数が確保されれば当該職種の従業者の員数は問わない |
| 生活相談員の数え方 | 指定通所介護の単位の数にかかわらず、事業所の提供時間数に応じた配置 |
| 提供時間数 | サービス提供開始時刻から終了時刻まで(サービスが提供されていない時間帯を除く) |
| 計算式 | 提供日ごとに確保すべき勤務延時間数=提供時間数 |
出典:老企第25号 第3の六の1(1)③・④(平成27年度改正の新旧対照表、改正後の欄)
通知は例を2つ挙げています。
- 1単位で提供時間数が6時間の事業所:従業者の員数にかかわらず、6時間の勤務延時間数分の配置が必要。
- 午前9時から正午、午後1時から午後6時の2単位の事業所:提供時間は午前9時から午後6時(正午から午後1時までを除く)で、提供時間数は8時間。従業者の員数にかかわらず、8時間の勤務延時間数分の配置が必要。
生活相談員の配置は「人」ではなく「生活相談員として勤務した時間」の積み上げで決まります。兼務なら、勤務表のどの時間をどちらの職種として数えるかが分かれ目です(編集部の読み方)。同じ時間を両方の職種の勤務延時間数に入れてよいとする記述は、本記事が読んだ第93条と通知の該当部分にはありません。
通知は勤務体制の節(第3の六の3(5)①)で、月ごとの勤務表に「専従の生活相談員、看護職員、介護職員及び機能訓練指導員の配置、管理者との兼務関係等を明確にすること」を求めています。兼務の中身は、勤務表に書かれた時間で確かめる仕組みです。
生活相談員の時間には、事業所の外での仕事も含められます
④には平成27年度の改正で段落が加わり、生活相談員の確保すべき勤務延時間数に、次の時間も含めることができるとされました。
| # | 通知が挙げる時間 |
|---|---|
| 1 | 「サービス担当者会議や地域ケア会議に出席するための時間」 |
| 2 | 「利用者宅を訪問し、在宅生活の状況を確認した上で、利用者の家族も含めた相談・援助のための時間」 |
| 3 | 「地域の町内会、自治会、ボランティア団体等と連携し、利用者に必要な生活支援を担ってもらうなどの社会資源の発掘・活用のための時間」 |
出典:老企第25号 第3の六の1(1)④(平成27年度改正の新旧対照表、改正後の欄)。番号は編集部
目的は「指定通所介護事業所を利用しない日でも利用者の地域生活を支える地域連携の拠点としての機能を展開できるように」で、条件が続きます。
「ただし、生活相談員は、利用者の生活の向上を図るため適切な相談・援助等を行う必要があり、これらに支障がない範囲で認められるものである。」
出典:老企第25号 第3の六の1(1)④(平成27年度改正の新旧対照表 改正後の欄、原文どおり)
ここで数えられるのは、相談・援助の仕事の延長にある時間です。介護に入っている時間を数える書き方にはなっていません。
特養の条文は「専従」が原則で、例外は「処遇に支障がない場合」です
特養には、老人福祉法に基づく基準と、介護保険の指定介護老人福祉施設としての基準があります。どちらにも、同じ形の定めがあります。
「特別養護老人ホームの職員は、専ら当該特別養護老人ホームの職務に従事する者でなければならない。ただし、入所者の処遇に支障がない場合は、この限りでない。」
出典:特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(e-Gov法令API 法令ID 411M50000100046)第6条(原文どおり)
「指定介護老人福祉施設の従業者は、専ら当該指定介護老人福祉施設の職務に従事する者でなければならない。ただし、入所者の処遇に支障がない場合は、この限りでない。」
出典:指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(e-Gov法令API 法令ID 411M50000100039)第2条第4項(原文どおり)
第6条の見出しは「職員の専従」です。通所介護のように時間数で数える書き方ではなく、専従を原則に置き、ただし書で例外を開ける書き方です。
通知は、生活相談員と介護職員には例外を原則として使わないとしています
ただし書をどう使うかは、解釈通知「特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準について」(平成12年3月17日老発第214号)の第一の5「職員の専従」が書いています。
「なお、ただし書の規定は、直接入所者の処遇に当たる生活相談員、介護職員及び看護職員については、機能訓練指導員及び介護保険法(平成九年法律第百二十三号)に定める介護支援専門員並びに併設される短期入所生活介護事業における同職との兼務を除き、原則として適用されず、また、その他の職員についても同一敷地内に設置されている他の社会福祉施設等に兼ねて勤務する場合等であって、兼務によっても入所者の処遇に支障をきたさない場合に限り適用される。」
出典:老発第214号 第一の5(厚生労働省 法令等データベース掲載の本文、原文どおり)
生活相談員・介護職員・看護職員について、ただし書が使える兼務として通知が挙げている相手は3つです。
| # | 通知が挙げる兼務の相手 |
|---|---|
| 1 | 機能訓練指導員 |
| 2 | 介護保険法に定める介護支援専門員 |
| 3 | 併設される短期入所生活介護事業における同職 |
出典:老発第214号 第一の5。番号は編集部
生活相談員と介護職員の組み合わせは、この並びに書かれていません。ただし「原則として」とある以上、個別の施設の扱いを通知の文面だけで断定することはできません。
法人内の他の職務は、時間帯を分ければ差し支えないとされています
同じ第一の5の前半は、専従の趣旨を説明したうえで、こう続けています。
「当該特別養護老人ホームを運営する法人内の他の職務であっても、同時並行的に行われるものではない職務であれば、各々の職務に従事すべき時間帯が明確に区分された上で勤務することは差し支えないこと。」
出典:老発第214号 第一の5(厚生労働省 法令等データベース掲載の本文、原文どおり。文の途中から引用)
条件は2つです。同時並行的に行われるものではないことと、職務ごとの時間帯が明確に区分されていること。ここでも、兼務は「時間で区切る」ことが前提になっています。
この取扱いは常勤の扱いにもつながります。通知の第三の1(3)は、常勤の要件は原則として全ての職員に適用されるとしたうえで、ただし書を置いています。
「ただし、生活相談員であって、一人(中略)を超えて配置されている者が、第一の5の取扱いにより法人内の他の職務に従事する場合にあってはこの限りではない。」
出典:老発第214号 第三の1(3)(厚生労働省 法令等データベース掲載の本文、原文どおり。括弧書きの人数の部分を省略)
1人(入所者の数によって増える人数)を超えて置かれた生活相談員が法人内の他の職務に就く場合は、常勤の要件の例外になる、という書き方です。この(3)と、第一の5の「法人内の他の職務」の文は、平成27年度の改正で加わっています。生活相談員を常勤とする条そのものは生活相談員の資格要件で扱っています。
この記事が扱っていないこと
- 介護報酬のQ&A。生活相談員の兼務を扱った疑義解釈があるかどうかは、本記事では取得していません。
- 自治体ごとの取扱い。指導の場で示されている運用は、本記事では取得していません。
- 地域密着型通所介護、短期入所生活介護、特定施設入居者生活介護、ユニット型・地域密着型の特養。それぞれ別の条と通知の節があり、本記事は読んでいません。
- 加算の要件。介護報酬の告示・通知の領域で、本記事は取得していません。
- 管理者の兼務。介護の管理者の仕事内容で扱っています。
兼務の求人を見るときに確認できること
- どのサービスの生活相談員か。通所介護か特養かで、兼務を読む条文が変わります。
- 勤務表で、生活相談員として載る時間はどこか。通所介護の通知は、勤務表に専従の生活相談員の配置や兼務関係を明確にすることを求めています。
- 提供時間数は何時間で、生活相談員の時間をどう積み上げているか。通知の計算式は、提供日ごとに確保すべき勤務延時間数=提供時間数です。
- 会議や利用者宅の訪問の時間を、生活相談員の時間として扱っているか。通知は含めることができるとしていますが、相談・援助に支障がない範囲です。
- 特養なら、介護職員と兼ねる前提の募集か。通知が挙げる兼務の相手に介護職員は入っていないため、施設がどう整理しているかを聞けます。
よくある質問
Q. デイサービスの生活相談員が、介護の仕事に入ることはできますか。
A. 第93条は、生活相談員として勤務している時間数を数える書き方で、兼務を禁じる文言はありません。同じ時間を両方の職種に数えてよいとする記述は、本記事が読んだ範囲にはありません。勤務表でどの時間をどちらとして数えるかを確認してください。
Q. 事業所の外にいる時間は、生活相談員の時間になりませんか。
A. 老企第25号は、サービス担当者会議や地域ケア会議に出席する時間、利用者宅を訪問して相談・援助を行う時間、地域の町内会などと連携する時間を、生活相談員の勤務延時間数に含めることができるとしています。相談・援助等に支障がない範囲で認められるものです。
Q. 特養の生活相談員は、介護職員と兼務できますか。
A. 特養基準 第6条は、職員の専従を原則とし、入所者の処遇に支障がない場合を例外としています。老発第214号は、生活相談員・介護職員・看護職員にはこの例外を原則として適用しないとし、例外の相手を3つ挙げています。介護職員はその並びにないため、個別の扱いは施設に確認してください。
Q. 特養の生活相談員が、同じ法人の別の仕事をすることはできますか。
A. 老発第214号は、法人内の他の職務であっても、同時並行的に行われるものではない職務であれば、職務ごとの時間帯が明確に区分された上で勤務することは差し支えないとしています。
Q. 兼務すると、常勤ではなくなりますか。
A. 特養については、老発第214号 第三の1(3)が、1人(入所者の数によって増える人数)を超えて配置されている生活相談員が法人内の他の職務に従事する場合は常勤の要件の例外としています。常勤の考え方そのものは介護の常勤換算とはで扱っています。
迷ったらここ
生活相談員の兼務は時間で読む
通所介護の省令は生活相談員として勤務している時間数で配置を数え、特養の基準は職員の専従を原則に置いています。どの時間を生活相談員として数えるかは、解釈通知が決めています。
- 通所介護か特養か(兼務を読む条文が変わる)
- 勤務表で生活相談員として載る時間と、介護職員として載る時間
- 会議や利用者宅の訪問の時間を生活相談員の時間として扱っているか
まとめ
生活相談員と介護職の兼務は、サービスによって条文の書き方が違います。一律に「できる」「できない」とは言えません。
通所介護の第93条は、生活相談員として勤務している時間数を数える書き方です。老企第25号では、生活相談員は提供時間数分の勤務延時間数を確保する計算で、会議や利用者宅の訪問、地域との連携の時間も、相談・援助に支障がない範囲で含められます。
特養は、職員の専従が原則で、入所者の処遇に支障がない場合が例外です。老発第214号は、生活相談員・介護職員・看護職員にはその例外を原則として適用しないとし、兼務の相手として3つだけを挙げています。法人内の他の職務は、時間帯を明確に分ければ差し支えないとされています。
どちらのサービスでも、どの時間を生活相談員として数えるかが兼務を読む鍵です。

