PRこのページはプロモーションを含みます。広告に関する開示
30秒でわかるまとめ
- 看護部長に近い総看護師長は、月額551,806円です表に看護部長という職種はなく、部下に看護師長5人以上の総看護師長が近い区分です。1か月分の額で、年収ではありません。
- 看護師長より95,818円高い水準にあります看護師とは172,098円の差です。平均年齢は55.1歳で看護師長より6.1歳上のため、昇進だけの差とは読めません。
- 時間外手当は月20,008円で、看護師の半分以下です看護師は41,903円です。ゼロではない一方、きまって支給する給与に占める割合は3.6%にとどまります。
- 法人の規模で比べても、差はほとんど開きません500人以上は549,596円、100人以上500人未満は553,699円で、差は4,103円でした。看護師長とは違う形です。
※1つ下の役職の数字は看護師長の年収はいくらか、管理職と時間外手当の関係は看護管理者の労務管理で扱っています。この記事は看護部長に当たる役職の数字だけを扱います。

先に断ります:「看護部長」という名前の職種は、国の表にありません
看護部長の給与を名指しで出している国の統計は、本記事が確認した範囲ではありませんでした。厚生労働省の賃金構造基本統計調査の職種(小分類)には看護師や准看護師はありますが、看護部長や看護師長といった役職の区分はありません(看護師長の区分がないことは看護師長の年収はいくらかで扱っています)。
役職としての看護職を分けているのは、人事院の「職種別民間給与実態調査」です。調査の説明は、調査する職種を76職種とし、その定義は統計表の表5の備考欄に掲げるとおりとしています。
その表5に並ぶ看護の職種は、総看護師長・看護師長・看護師・准看護師の4つです。「看護部長」という職種名は、表5にも、年齢別・企業規模別の表にも出てきません。
いちばん上の総看護師長には、備考欄にこう書かれています。
「部下に看護師長5人以上」
出典:人事院「令和7年職種別民間給与実態調査」表5 総看護師長の備考欄(原文どおり)
看護師長をさらに束ねる立場の区分です。本記事では、この総看護師長を「看護部長に近い区分」として読みます。
名前の扱いについては、国家公務員の給与の規則にも手がかりがあります。人事院規則九―八の医療職俸給表(三)の標準職務表は、「総看護師長若しくは看護部長」「総看護師長又は看護部長」と、2つの名前を並べて書いています。どの級に当たり、俸給月額がいくらかは看護師長の年収はいくらかで扱っています。
ただし、肩書きが「看護部長」の人が、この調査で総看護師長として数えられているかどうかは、表からはわかりません。部下の看護師長が5人に満たない病院の看護部長は、定義の上では入らない読み方になります。

まず数字:総看護師長の平均支給額は月額551,806円です
令和7年の調査結果(表5)で、総看護師長はこうなっています。
| 項目 | 総看護師長 |
|---|---|
| 調査実人員 | 192人 |
| 調査人員(復元後) | 2,439人 |
| 平均年齢 | 55.1歳 |
| きまって支給する給与(A) | 551,806円 |
| うち時間外手当(B) | 20,008円 |
| (A-B) | 531,798円 |
| うち通勤手当 | 7,876円 |
出典:人事院「令和7年職種別民間給与実態調査」表5 職種別従業員数、平均年齢及び平均支給額(令和7年4月分)
「きまって支給する給与」は、基本給だけの額ではありません。用語の解説は、基本給のほか、役付手当、超過勤務手当、夜勤手当などを含めた、月ごとに支給される全ての給与としています(定義の全文は看護師長の年収はいくらかに載せています)。
出典:人事院「用語の解説・利用上の注意(令和7年)」
調査実人員が192人と少ないことも、読むときの前提です。母集団に復元した人数でも2,439人で、看護師長の39,549人と比べるとずっと少ない区分です。

ここが本題:看護師・看護師長・総看護師長の3段で比べます
同じ表から、看護師から総看護師長までの3段を並べます。
| 職種 | 平均年齢 | きまって支給する給与(A) | うち時間外手当(B) | (A-B) | Aに占めるBの割合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 看護師 | 39.0歳 | 379,708円 | 41,903円 | 337,805円 | 11.0% |
| 看護師長 | 49.0歳 | 455,988円 | 38,825円 | 417,163円 | 8.5% |
| 総看護師長 | 55.1歳 | 551,806円 | 20,008円 | 531,798円 | 3.6% |
出典:人事院「令和7年職種別民間給与実態調査」表5(割合は編集部が算出し、小数第2位を四捨五入)
総看護師長との差を計算すると、こうなります。
| 比較 | きまって支給する給与の差 | (A-B)の差 | 平均年齢の差 |
|---|---|---|---|
| 総看護師長 - 看護師長 | 95,818円 | 114,635円 | 6.1歳 |
| 総看護師長 - 看護師 | 172,098円 | 193,993円 | 16.1歳 |
出典:同調査 表5より編集部が算出
どちらの比較でも、時間外手当を除いた(A-B)のほうが差は大きくなります。総看護師長は時間外手当が少ないぶん、手当を除いた部分で看護師長・看護師を大きく上回っています。
ただし、平均年齢は看護師長より6.1歳、看護師より16.1歳上です。95,818円の差には、役職の差と年齢の差の両方が入っています。この表だけで、どちらがどれだけかを分けることはできません。
時間外手当は月20,008円。看護師の半分以下です
時間外手当(B)は、3段のうち総看護師長がいちばん少なくなっています。
- 看護師の41,903円より21,895円少ない額です。半分に届きません。
- 看護師長の38,825円より18,817円少ない額です。
- きまって支給する給与に占める割合は、看護師11.0%、看護師長8.5%、総看護師長3.6%と、役職が上がるほど小さくなります。
出典:人事院「令和7年職種別民間給与実態調査」表5より編集部が算出
用語の解説は、時間外手当を、超過勤務手当、休日手当、宿日直手当、裁量手当等の時間外手当としています。総看護師長の平均にも、この額がゼロではなく出ています。
出典:人事院「用語の解説・利用上の注意(令和7年)」
個々の看護部長に時間外手当が出るかどうかは、この平均からは決まりません。管理職が労働時間の規定の外に置かれるかは役職名ではなく実態で判断される、という話は看護管理者の労務管理で扱っています。
年齢別に見ると、40代でも50代でも55万円前後です
表7は、総看護師長を年齢階層別に分けています。
| 年齢階層 | きまって支給する給与 | うち時間外手当 | (A-B) |
|---|---|---|---|
| 40〜44歳(*) | 565,971円 | 80,649円 | 485,322円 |
| 44〜48歳(*) | 555,318円 | 33,367円 | 521,951円 |
| 48〜52歳(△) | 541,928円 | 18,861円 | 523,067円 |
| 52〜56歳(◎) | 553,838円 | 16,889円 | 536,949円 |
| 56歳〜(▽) | 555,634円 | 16,928円 | 538,706円 |
出典:人事院「令和7年職種別民間給与実態調査」表7 職種別、年齢階層別平均支給額(総看護師長)。40歳未満は「-」(該当者なし)か「x」(調査実人員1人)のため載せていません
利用上の注意は、「*」を調査実人員20人以下、「△」を第1四分位、「◎」を中位、「▽」を第3四分位を示す記号としています。総看護師長では52〜56歳の階層に「◎」が付いています。
*の付かない48歳以上の3つの階層では、きまって支給する給与は541,928円〜555,634円で、幅は13,706円です。時間外手当を除いた(A-B)も、523,067円〜538,706円の15,639円の幅に収まっています。
年齢が上がるにつれて金額が伸びる形は、この表からは読み取れません。看護師長の年齢別の数字は、年齢とともにおおむね上がっていく形でした(看護師長の年収はいくらか)。総看護師長は、どの年齢でも55万円前後に集まっています。
40〜44歳の時間外手当80,649円は目立ちますが、*の付いた階層で人数が20人以下です。この階層の数字は、振れやすいものとして読んでください。
企業規模で分けても、差は4,103円です
表8は、総看護師長を企業規模別に分けています。ここでいう企業規模は、病院1つではなく、企業全体の常勤の従業員総数です。
| 企業規模 | 平均年齢 | きまって支給する給与 | うち時間外手当 | (A-B) |
|---|---|---|---|---|
| 500人以上 | 54.7歳 | 549,596円 | 13,684円 | 535,912円 |
| 100人以上500人未満 | 55.5歳 | 553,699円 | 25,426円 | 528,273円 |
| 50人以上100人未満(*) | 57.7歳 | 466,478円 | 12,516円 | 453,962円 |
出典:人事院「令和7年職種別民間給与実態調査」表8 職種別、企業規模別、年齢階層別平均支給額(総看護師長の計の行)/調査の説明
500人以上と100人以上500人未満の差は4,103円で、100人以上500人未満のほうがわずかに高くなっています。
ただ、時間外手当は100人以上500人未満のほうが11,742円多く出ています。時間外手当を除いた(A-B)で比べると、500人以上のほうが7,639円高く、順番が入れ替わります。
看護師長では、500人以上のほうがはっきり高い結果でした(看護師長の年収はいくらか)。総看護師長では、法人の規模による差がほとんど見えません。
50人以上100人未満は、計の行そのものに*(調査実人員20人以下)が付き、年齢階層で人がいるのは56歳以上の1つだけです。この規模の466,478円は、ほかの2つと並べて比べられる数字ではありません。
この数字が「年収」ではない理由
551,806円は、令和7年4月分の1か月の給与です。利用上の注意は、各給与種目の給与額を4月分の給与月額としています。
賞与については、調査の説明で、賞与及び臨時給与の支給総額などは事業所単位に調査する事項に入っています。本記事が使った表5・表7・表8にも、賞与の欄はありません。総看護師長の賞与の平均は、この調査からは出せません。
出典:人事院「令和7年職種別民間給与実態調査」調査の説明/用語の解説・利用上の注意
このほか、地方公共団体などに属する事業所は調査に含まれておらず、統計表の数値は企業規模100人以上の事業所のものです(企業規模別の表だけ50人以上100人未満も掲載)。公立病院の看護部長は、この数字に入っていません。
参考までに、12か月分を足すとこうなります。
編集部試算:551,806円 × 12か月 = 6,621,672円(約662.2万円)
これは賞与を含まない金額で、看護部長の平均年収ではありません。4月分の時間外手当が毎月同じだと仮定した計算でもあります。賞与は職種別に出ていないため、本記事では足していません。
この記事が扱っていないこと
- 看護部長(総看護師長)の賞与・年収。この調査で賞与は事業所単位の調査事項で、職種別の賞与は取得していません。
- 令和8年の調査結果。2026年10月29日時点で、人事院のページの最新は令和7年でした。ホームページ掲載は例年11月予定とされています。
- 公立病院・国立病院の看護部長の給与。国家公務員の俸給表での位置は看護師長の年収はいくらかで扱っています。自治体の給与表は取得していません。
- 副看護部長の数字。この調査の職種に、副看護部長や副総看護師長の区分はありません。
- 夜勤手当の額。きまって支給する給与に含まれていて、別には出ていません。夜勤手当の決まり方は看護師の夜勤手当の相場で扱っています。
- 看護師全体の年収。賃金構造基本統計調査の数字は看護師の平均年収は524.7万円で扱っており、ここでは使っていません。
看護部長のポストを考えるときに確認できること
- 提示額に何が入っているか。調査の551,806円は、役付手当・時間外手当・夜勤手当などを含んだ月額です。
- 時間外手当が出る扱いか。調査の総看護師長には、平均で月20,008円の時間外手当が出ています。
- 部下の看護師長は何人か。調査の総看護師長は「部下に看護師長5人以上」です。同じ看護部長でも、看護部の大きさは病院で違います。
- 賞与の算定方法。国の調査に職種別の賞与はありません。年収で比べるなら、賞与の月数や算定の基礎を求人ごとに確かめる必要があります。
- 法人全体の規模。総看護師長では、企業規模500人以上と100人以上500人未満の差は4,103円と小さい結果でした。
よくある質問
Q. 看護部長の平均年収はいくらですか。
A. 国の統計に、看護部長の平均年収はありません。人事院の職種別民間給与実態調査で近い区分の総看護師長は、令和7年4月分の月額で551,806円です。12か月分にすると6,621,672円ですが、賞与を含まない編集部の試算です。
Q. 看護部長と総看護師長は同じですか。
A. 調査の表に看護部長という職種はなく、総看護師長の定義は「部下に看護師長5人以上」です。人事院規則九―八の標準職務表は「総看護師長若しくは看護部長」と2つの名前を並べていますが、肩書きが看護部長の人が全員この区分に入っているかは、表からはわかりません。
Q. 看護師長から看護部長になると、いくら上がりますか。
A. 同じ調査の平均で、総看護師長は看護師長より95,818円高くなっています。平均年齢も6.1歳違うため、昇進だけでこの額が上がるとは読めません。時間外手当を除くと差は114,635円です。
Q. 看護部長に残業代は出ますか。
A. 調査の平均では、総看護師長にも月20,008円の時間外手当が出ています。看護師の41,903円の半分以下です。個別の職場で出るかどうかは、就業規則と労働条件の確認が必要です。
Q. 大きい法人の看護部長のほうが給与は高いですか。
A. 総看護師長では、企業規模500人以上が549,596円、100人以上500人未満が553,699円で、差は4,103円でした。時間外手当を除くと500人以上のほうが7,639円高く、どちらにしても差は小さい結果です。
迷ったらここ
部長職の提示額は、内訳と賞与で見る
看護部長の年収を出す国の統計はありません。人事院の調査で近い区分の総看護師長は月額551,806円で、時間外手当を含んだ4月分の額です。賞与は職種別に出ていません。
- 提示額に役職手当・時間外手当・夜勤手当が入っているか(調査の551,806円は手当込みの月額)
- 時間外手当が出る扱いか(調査の総看護師長は平均で月20,008円)
- 賞与の算定方法と、部下の看護師長の人数(調査の総看護師長は部下に看護師長5人以上)
まとめ
国の統計に看護部長という区分はありません。人事院の職種別民間給与実態調査で近いのは、部下に看護師長5人以上の総看護師長で、令和7年4月分の平均支給額は月額551,806円、平均年齢は55.1歳です。年収ではなく月額です。
看護師長との差は95,818円、看護師との差は172,098円です。時間外手当は月20,008円で看護師の半分以下にとどまり、年齢別では40代でも50代でも55万円前後、企業規模別でも差は4,103円でした。
12か月分の試算は6,621,672円ですが、賞与を含みません。求人を比べるときは、提示額に何の手当が入っているか、時間外手当の扱い、賞与の算定、部下の看護師長の人数を確かめてください。

