保育士の園見学チェックポイント|職員の数と経験年数は、府令が定める公表の項目です

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目次

30秒でわかるまとめ

  • 保育士の園見学の前に、国の仕組みで公表される情報があります子ども・子育て支援法 第58条で、施設は都道府県知事に報告し、知事は報告の内容を公表しなければなりません。
  • 職員の数と経験年数は、府令が定める公表の項目です施行規則 別表第一は、職種別の従業者の数、勤務形態、労働時間、経験年数等、免許や資格の状況を挙げています。
  • 第三者評価の受審は、国の指針で「望ましい」とされています社会福祉法 第78条は経営者に質の評価などに努めるよう求め、指針は受審をその措置の一環と位置づけています。
  • 持ち帰り仕事や行事の負担は、見学で聞くことになります府令の公表項目の文言に「持ち帰り」「行事」の語はありません。勤務の実態は、見学や面接で確かめます。

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※配置の数え方は保育士の配置基準の改正、持ち帰り仕事と労働時間の関係は保育士の持ち帰り仕事で扱っています。

絵本を読む(認可保育園保育士)

先に整理:見学の前に見られることと、見学で聞くこと

園見学の確認点は、2つに分けると整理しやすくなります。国の仕組みで公表される項目と、公表の項目に出ないことです。

分け方中身根拠
見学の前に確かめられる職種別の従業者の数、勤務形態、経験年数等、免許・資格の状況、運営に関する方針、苦情に対応する窓口等の状況など子ども・子育て支援法 第58条、同法施行規則 別表第一・別表第二
見学で聞く自分が入るシフト、持ち帰り仕事、行事の準備、新人の育て方など公表項目の文言にない。労働時間や配置の制度に結びつけて聞く

出典:子ども・子育て支援法(e-Gov法令API 法令ID 424AC0000000065)、子ども・子育て支援法施行規則(e-Gov法令API 法令ID 426M60000002044)。整理は編集部

公表の項目は、どの園も同じ物差しで並べられるのが強みです。ただし、項目の書き方だけで、その園の働きやすさを決めることはできません。見学は、公表された中身を自分の目で確かめる場として使えます。

ブロックで遊ぶ男の子

まず条文:施設は報告し、都道府県知事は公表します

根拠は子ども・子育て支援法 第58条です。第1項は、確認を受けた施設や事業者(特定教育・保育提供者)が、教育・保育の提供を開始しようとするときなどに、「教育・保育等情報」を都道府県知事に報告すると定めています。その定義は、条文の括弧書きにあります。

「教育・保育等の内容及び教育・保育等を提供する施設又は事業者の運営状況に関する情報であって、小学校就学前子どもに教育・保育等を受けさせ、又は受けさせようとする小学校就学前子どもの保護者が適切かつ円滑に教育・保育等を小学校就学前子どもに受けさせる機会を確保するために公表されることが必要なものとして内閣府令で定めるものをいう。」

出典:子ども・子育て支援法 第58条第1項の括弧書きの一部(原文どおり)

報告先は、施設や事業所の所在地の都道府県知事です。第1項は「教育・保育等を提供する施設又は事業所の所在地の都道府県知事に報告しなければならない」と結ばれています。続く第3項は、都道府県知事は報告を受けた後、当該報告の内容を公表しなければならない、としています。

出典:子ども・子育て支援法 第58条第1項・第3項

制度の目的は、保護者が施設を選ぶためです。転職する人のための制度ではありません。それでも中身に「運営状況」が入っているので、働く場所を比べる材料にもなります。

報告をしない、虚偽の報告をするといった場合について、第6項は、都道府県知事が報告や是正を命ずることができるとしています。公表される情報は、園が自由に書く紹介文とは位置づけが違います。

出典:子ども・子育て支援法 第58条第6項

保育士と女の子

報告は開始時と、知事が定めるとき。公表の場が「ここdeサーチ」です

何をいつ報告するかは、子ども・子育て支援法施行規則が決めています。

条定め
第49条第58条第1項の「内閣府令で定めるとき」は、災害その他報告を行うことができないことにつき正当な理由がある者以外について、都道府県知事が定めるとき
第50条提供を開始しようとするときは別表第一、知事が定めるときは別表第一及び別表第二に掲げる項目
第51条都道府県知事は、報告を受けた後、報告の内容を公表するものとする

出典:子ども・子育て支援法施行規則 第49条・第50条・第51条

公表の場について、こども家庭庁は「子ども・子育て支援情報公表システム」、通称「ここdeサーチ」をこう紹介しています。

「ひとつのwebサイトで全国の教育・保育施設等の情報が閲覧可能となるサイトです。」

出典:こども家庭庁「子ども・子育て支援情報公表システム「ここdeサーチ」について」(原文どおり)

令和6年1月12日のこども家庭審議会の専門委員会の資料は、システムの位置づけを次のように書いています。

「施設等による報告から都道府県知事による公表までを、全国一律でインターネット上で実施するWebシステムとして、「子ども・子育て支援情報公表システム(ここdeサーチ)」を(独)福祉医療機構において運用している。」

出典:こども家庭庁 こども家庭審議会幼児期までのこどもの育ち部会 こどもの預かりサービスの在り方に関する専門委員会(第1回)資料1「子ども・子育て支援情報公表システム「ここdeサーチ」改修について」2ページ(原文どおり)

同じ資料は、令和2年9月から一般公開を開始したと書いています。第58条の報告と公表を、全国一律で行う仕組みということです。

ここが本題:職員について報告する事項は5つです

別表第一は、6つの号でできています。法人に関する事項、施設等に関する事項に続いて、第三号が施設等において教育・保育等に従事する従業者に関する事項です。中身を原文で並べます。

記号別表第一 第三号の項目(原文どおり)
イ職種別の従業者の数
ロ従業者の勤務形態、労働時間、従業者一人当たりの小学校就学前子どもの数等
ハ従業者の教育・保育等の業務に従事した経験年数等
ニ従業者の有する教育又は保育に係る免許、資格の状況
ホその他都道府県知事が必要と認める事項

出典:子ども・子育て支援法施行規則 別表第一 第三号イ〜ホ(原文どおり)

人数、勤務形態、労働時間、1人が受け持つ子どもの数、経験年数、免許や資格。見学の前に、職員の構成の手がかりがこれだけ並んでいます。自分と同じくらいの経験の人がいるか、資格をもつ人がどのくらいいるかを、先に見ておけます。

一方で、別表第一・別表第二の文言に「勤続」「退職」という語は出てきません。同じ園にどのくらい勤めているか、辞めた人がどのくらいいるかを報告させる項目があるかどうかは、府令の別表の文言からは読み取れませんでした。第三号ホの「その他都道府県知事が必要と認める事項」の中身は、本記事では取得していません。

対象の施設は、別表第一 第二号ホの書き方から見えます。「認定こども園、幼稚園、保育所、地域型保育事業又は乳児等通園支援事業の認可又は認定を受けた年月日」が報告の項目です。保育所だけでなく、認定こども園や小規模保育などの地域型保育事業も同じ枠組みです。

出典:子ども・子育て支援法施行規則 別表第一 第一号〜第六号・第二号ホ

運営の方針や苦情の窓口も、公表の項目です

別表第一の第四号は「教育・保育等の内容に関する事項」です。働く側から見て関係が深いものを抜き出します。

箇所項目
第四号イ施設等の開所時間、利用定員、学級数その他の運営に関する方針
第四号ヘ利用者等からの苦情に対応する窓口等の状況
第四号チ施設等の教育・保育等の提供内容に関する特色等

出典:子ども・子育て支援法施行規則 別表第一 第四号イ・ヘ・チ(ヘは括弧書きを除き原文どおり)

開所時間は、早番・遅番の幅を考える手がかりになります。運営に関する方針と特色は、見学で聞く質問の土台になります。

知事が定めるときに加わる別表第二には、次の項目があります。

箇所別表第二の項目(原文どおり)
第一 二相談、苦情等の対応のための取組の状況
第二 一安全管理及び衛生管理のために講じている措置
第二 二情報の管理、個人情報保護等のための取組の状況
第二 三教育・保育等の提供内容の改善の実施の状況

出典:子ども・子育て支援法施行規則 別表第二 第一 二、第二 一〜三(原文どおり)

苦情への対応や安全管理は、保育士が日々かかわる仕事です。「取組の状況」として公表される項目なので、見学では「実際にはどう動いているか」を聞く入口になります。

給与は「経営情報」として、別の項で扱われます

別表第一・別表第二の文言には「賃金」「給与」という語がありません。給与は、第58条の別の項で扱われています。

  • 第2項:施設の設置者は、毎事業年度終了後5月以内に、特定教育・保育施設設置者等経営情報を都道府県知事に報告する
  • 第3項の括弧書き:経営情報について公表するのは、職員の処遇等に関する情報のうち内閣府令で定める事項に限る

出典:子ども・子育て支援法 第58条第2項・第3項、同法施行規則 第51条の2

この経営情報の集計で示された給与の水準は、保育施設の経営情報の集計を伝えたニュースで扱っています。本記事では金額を繰り返しません。

もう1つ、第58条第9項は、教育・保育等の質や職員に関する情報(教育・保育等情報に該当するものを除く)の提供を希望する事業者から提供を受けた情報について、都道府県知事は公表を行うよう配慮するものとする、としています。施行規則 第53条は、その中身を都道府県知事が定めるものとしています。報告の義務がある項目とは位置づけが違います。

出典:子ども・子育て支援法 第58条第9項、同法施行規則 第53条

第三者評価:受審は「望ましい」、結果の公表は努力の定めです

第三者評価の土台は、社会福祉法です。保育所を経営する事業は、同法 第2条第3項第2号で第二種社会福祉事業に入っています。

「社会福祉事業の経営者は、自らその提供する福祉サービスの質の評価を行うことその他の措置を講ずることにより、常に福祉サービスを受ける者の立場に立つて良質かつ適切な福祉サービスを提供するよう努めなければならない。」

出典:社会福祉法(e-Gov法令API 法令ID 326AC0000000045)第78条第1項(原文どおり)

条文に「第三者評価」という語はありません。結びつけているのは、厚生労働省の局長通知「福祉サービス第三者評価事業に関する指針」です。こども家庭庁が関係通知として掲載している平成30年3月26日の一部改正後の指針は、第三者評価を受けることを経営者が行う質の向上のための措置の一環としたうえで、こう書いています。

「社会福祉事業の経営者は、これらの意義を踏まえ、福祉サービス第三者評価を積極的に受審することが望ましいものであること。」

出典:厚生労働省 子ども家庭局長・社会・援護局長・老健局長通知(平成30年3月26日 子発0326第10号ほか)別紙1 改正後の指針 1(1)(原文どおり)

保育所の側の基準にも、評価の定めがあります。保育所の外部評価の受審と結果の公表は、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第36条の2で努力義務とされています(中身は保育園の監査で見られることで扱っています)。子ども・子育て支援法の確認を受けた施設には、運営基準にも次の定めがあります。

「特定教育・保育施設は、定期的に当該特定教育・保育施設を利用する教育・保育給付認定保護者その他の特定教育・保育施設の関係者(当該特定教育・保育施設の職員を除く。)による評価又は外部の者による評価を受けて、それらの結果を公表し、常にその改善を図るよう努めなければならない。」

出典:特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業並びに特定子ども・子育て支援施設等の運営に関する基準(e-Gov法令API 法令ID 426M60000002039)第16条第2項(原文どおり)

この条は、保護者などの関係者による評価と外部の者による評価を「又は」で並べています。外部の評価を受けていない園があっても、条文の上ではおかしくありません。一方、社会的養護の施設について、こども家庭庁は「第三者評価及び自己評価の実施とそれらの結果の公表が義務づけられています」と書いています。保育所とは扱いが違います。

出典:こども家庭庁「社会的養護の第三者評価について」

受審の数について、同じ指針は、都道府県推進組織が受審促進に向けた数値目標の設定及び公表に努めなければならないとしています。保育所の受審率の全国の数字は、本記事では一次資料から取得できていません。

出典:同通知 別紙1 改正後の指針 8(2)①

見学で聞くこと:公表項目に出ない点を、制度に結びつけます

公表の項目を見たうえで、見学で聞くと役に立つ点を並べます。「この答えなら良い園、悪い園」と決めるための表ではありません。自分の働き方と合うかを確かめるための表です。

見学で聞くこと公表項目との関係結びつく制度
自分が入るシフトの組み方、休憩の取り方勤務形態・労働時間は別表第一 第三号ロの項目。個人のシフトは出ない配置の基準(保育士の配置基準の改正)
持ち帰り仕事があるか、あるときの扱い別表の文言に「持ち帰り」の語はない労働時間(保育士の持ち帰り仕事)
行事の準備を、いつ・誰がするか別表の文言に「行事」の語はない労働時間(同上)
新人を誰がどう教えるか別表第一・別表第二の文言に「研修」の語はない研修の機会(保育士1年目がつらいとき)
保護者から苦情を受けたとき、職員はどう動くか窓口等の状況は別表第一 第四号ヘの項目。現場の動きは出ない苦情の窓口(保育士の保護者対応とクレーム)
自己評価や外部の評価の結果を、職員にどう返しているか受審の状況は別表の文言にない評価の定め(本記事の前の節)

出典:子ども・子育て支援法施行規則 別表第一・別表第二(語の有無は編集部が原文で確認)

「勤務形態」や「労働時間」は公表の項目でも、自分が来月どの時間帯に入るかまでは出ません。数字で見た職員構成と、見学で見た保育室の様子を、同じ紙に並べておくと比べやすくなります。

この記事が扱っていないこと

  • 個別の園の公表データ。本記事は条文と国の資料だけを扱い、ここdeサーチの画面や実際の数字は取得していません。
  • 報告の様式や記入要領など、項目の細目。別表第一 第三号ホ「その他都道府県知事が必要と認める事項」の中身を含め、取得していません。
  • 保育所の第三者評価の受審率。最新年の全国の数字を、省庁の一次資料から取得していません。
  • 第三者評価の評価基準の項目と、結果の公表の方法の細目。指針の別添の中身は取得していません。
  • 認可外保育施設の公表。専門委員会の資料は、第58条とは別の規定で公表するものとしています。本記事は扱っていません。

保育士が園見学の前に確認できること

  • 職種別の従業者の数と勤務形態、労働時間。別表第一 第三号イ・ロの項目です。
  • 従業者の経験年数等。同ハです。自分と近い経験の人がいるかの手がかりになります。
  • 免許や資格の状況。同ニです。
  • 開所時間と運営に関する方針、特色。別表第一 第四号イ・チです。見学で聞く質問の土台になります。
  • 苦情に対応する窓口等の状況。別表第一 第四号ヘです。
  • 外部の評価を受けているか。公表の項目ではないため、園のサイトや見学で確かめます。

よくある質問

Q. 保育園の職員の人数は、見学の前に調べられますか。
A. 職種別の従業者の数は、子ども・子育て支援法施行規則 別表第一 第三号イの項目です。第58条第3項で、都道府県知事は報告の内容を公表しなければならないとされています。

Q. 職員の平均の勤続年数や、辞めた人の数は公表されますか。
A. 別表に並ぶのは「経験年数等」です。別表第一・別表第二の文言に「勤続」「退職」という語はなく、細目は本記事では取得していないため、公表の有無は判断していません。

Q. 第三者評価を受けていない園は、問題がありますか。
A. 運営基準 第16条第2項は、保護者などの関係者による評価又は外部の者による評価を受けて結果を公表するよう努めなければならない、としています。受けていないことだけで、良し悪しは決められません。

Q. 給料は公表されますか。
A. 給与は、第58条第2項の経営情報として報告され、公表は府令で定める事項に限られます。個別の求人の条件は、面接で確かめてください。

Q. 見学では何を聞けばよいですか。
A. 公表の項目に出ないことです。シフトの組み方、持ち帰り仕事、行事の準備、新人の教え方などは、府令の別表の文言にありません。労働時間や配置の制度と結びつけて聞くと、答えを比べやすくなります。

迷ったらここ

見学の前に公表項目を見る

職種別の従業者の数、勤務形態、経験年数等、免許・資格の状況は、施設が都道府県知事に報告し、知事が公表する項目です。持ち帰り仕事や行事の負担は公表項目の文言にないので、見学で確かめてください。

  • 職種別の従業者の数と勤務形態・労働時間(別表第一 第三号イ・ロ)
  • 従業者の経験年数等と免許・資格の状況(同ハ・ニ)
  • 持ち帰り仕事・行事の準備・新人の教え方(公表項目にないので見学で聞く)
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まとめ

保育所や認定こども園などは、子ども・子育て支援法 第58条で、教育・保育等情報を都道府県知事に報告し、知事はその内容を公表しなければなりません。公表の場として、こども家庭庁はここdeサーチを案内しています。

報告の項目には、職種別の従業者の数、勤務形態、労働時間、経験年数等、免許や資格の状況が並んでいます(施行規則 別表第一 第三号)。第三者評価は、社会福祉法 第78条を土台に、国の指針が受審を「望ましい」としている仕組みです。

持ち帰り仕事や行事の準備、新人の教え方は、公表の項目の文言にありません。公表の項目で職員の構成を先に見て、出ないことを見学で聞くという順番が使えます。

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この記事を書いた人

医療・福祉・保育の人材紹介の現場で求職者の相談を受けてきた編集者が担当しています。キャリアアドバイザー歴8年、転職相談・紹介の対応実績1,500人以上(自社実績/2026年8月時点)。介護・看護師・保育士・栄養士の4分野を担当。記事の数値には必ず出典と公表時点を添えています。

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