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30秒でわかるまとめ
- 看護助手として働いた年数は、看護師の受験資格に入りません保健師助産師看護師法 第21条の5つの号は、大学・学校・養成所の卒業などです。勤務経験を数える号はありません。
- 道は、3年以上の課程か、准看護師を経るルートです高校卒業などで入る看護師の課程は、修業年限3年以上と省令にあります。准看護師の免許を得て2年課程へ進む道もあります。
- 看護師を目標資格にする専門実践の講座は351あります令和8年10月1日時点の指定講座数です。給付は受講費用の50%から最大80%で、指定講座と雇用保険の要件が前提です。
- 特定の病院での勤務を入学の条件にしないことが、学校の基準です看護師学校養成所の指定基準に、勤務しないことを理由に不利益な取扱いをしないこと、と書かれています。
※看護助手が受け持つ仕事の範囲は看護助手の仕事内容、准看護師になるまでの学校と時間数は准看護師になるにはで扱っています。

まず条文:看護師国家試験を受けられる人は、5つの号で決まっています
看護師国家試験の受験資格は、保健師助産師看護師法 第21条が定めています。柱書は次のとおりです。
「看護師国家試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、これを受けることができない。」
出典:保健師助産師看護師法(e-Gov法令API 法令ID 323AC0000000203)第21条柱書(原文どおり)
「いずれかに該当する者でなければ」受けられない、という書き方です。5つの号のどれかに当てはまることが、受験の条件のすべてになります。
| 号 | 受験資格(要約) |
|---|---|
| 第1号 | 文部科学大臣の指定した大学(短期大学を除く)で、看護師になるのに必要な学科を修めて卒業した者 |
| 第2号 | 文部科学大臣の指定した学校で、3年以上看護師になるのに必要な学科を修めた者 |
| 第3号 | 都道府県知事の指定した看護師養成所を卒業した者 |
| 第4号 | 一定の条件を満たす准看護師で、第1号〜第3号の大学・学校・養成所で修業したもの |
| 第5号 | 外国の学校・養成所を卒業した者、又は外国で看護師免許に相当する免許を受けた者で、厚生労働大臣が認めたもの |
出典:同法 第21条第1号〜第5号。要約は編集部。第4号の条件の中身は准看護師になるにはで扱っています

ここが本題:看護助手として働いた年数を数える号はありません
5つの号を並べると、どれも「どこで学んだか」「どの免許を持っているか」で書かれています。
- 第1号〜第3号は、指定を受けた大学・学校・養成所で学ぶことが条件です。
- 働いた年数が条件に出てくるのは第4号だけで、それも准看護師の免許を得た後の業務です。
- 第5号は外国の学校・免許の話です。
看護助手(看護補助者)として病院で働いた年数を、受験資格として数える号はありません。何年勤めても、それだけで看護師国家試験を受けられるようにはなりません。
准看護師試験も同じです。第22条の受験資格は、2年の看護に関する学科を修めた者、准看護師養成所を卒業した者、看護師国家試験の受験資格がある者(第21条第1号〜第3号・第5号)、外国の学校・免許の4つの号で、勤務経験を数える号はありません。
出典:同法 第22条第1号〜第4号。要約は編集部
どちらの免許も、指定を受けた学校・養成所で学ぶことが入口です。看護助手として働いた経験は、受験資格の年数にはなりません。

道は2つ:3年以上の課程に入るか、准看護師を経るか
学校・養成所の基準は、保健師助産師看護師学校養成所指定規則が定めています。高等学校を卒業した人などが入る看護師の課程は、第4条第1項です。
| 号 | 定め |
|---|---|
| 第1号 | 学校教育法第90条第1項に該当する者(高等学校を卒業した者など)であることを入学又は入所の資格とする |
| 第2号 | 修業年限は、3年以上 |
| 第12号 | 特定の医療機関に勤務する又は勤務していることを入学又は入所の条件とするなどの不利益な取扱いをしない |
出典:保健師助産師看護師学校養成所指定規則(e-Gov法令API 法令ID 326M50000180001)第4条第1項第1号・第2号・第12号。要約は編集部
看護助手から看護師を目指す道は、大きく分けて次の2つになります。
| 道 | 学ぶところ | 受ける試験 |
|---|---|---|
| ① 看護師の課程に直接入る | 大学(第21条第1号)、3年以上の学校(第2号)、看護師養成所(第3号) | 看護師国家試験 |
| ② 准看護師を経る | 准看護師の学校・養成所で学び、准看護師の免許を得たあと、看護師の課程(准看護師を教育する課程)で学ぶ | 准看護師試験のあと、看護師国家試験 |
出典:保健師助産師看護師法 第21条・第22条、指定規則 第4条第1項・第2項。整理は編集部
②の道の入学の条件と年数は、准看護師になるにはと准看護師から通信制で看護師へで扱っています。②でも、准看護師として免許を得る前の看護助手の年数は、条件に入りません。
学校の基準は、特定の病院での勤務を入学の条件にしないよう求めています
看護助手として病院に勤めながら進学を考えるとき、気になるのが「勤め先の病院と学校の関係」です。指定規則 第4条第1項第12号は、看護師学校養成所の基準として次のように定めています。
「特定の医療機関に勤務する又は勤務していることを入学又は入所の条件とするなど学生若しくは生徒又はこれになろうとする者が特定の医療機関に勤務しない又は勤務していないことを理由に不利益な取扱いをしないこと。」
出典:保健師助産師看護師学校養成所指定規則 第4条第1項第12号(原文どおり)
同じ定めは、准看護師を教育する看護師の課程(第4条第2項第12号)と、准看護師の学校・養成所(第5条第12号)の基準にも置かれています。
- 対象は学校・養成所の側です。指定を受けるための基準として書かれています。
- 「特定の医療機関に勤務していること」を入学の条件にするのは、例として挙がっています。
- 学校は、その医療機関に勤めていないことを理由に、入学で不利に扱わない、という基準です。
一方で、病院が独自に設ける奨学金などの条件(卒業後の勤務先など)は、この基準とは別の取り決めです。本記事は病院ごとの奨学金の条件を取得していません。
数字で見る:3年課程の養成所の入学者は20,868人です
厚生労働省「看護師等学校養成所入学状況及び卒業生就業状況調査」の令和7年度の表で、看護師3年課程の養成所(専修学校・各種学校など)の入学状況を見ます。大学・短期大学は別の表です。
| 項目 | 令和7年度(全国) |
|---|---|
| 学校数 | 523校(募集中止を除くと511校) |
| 1学年定員 | 26,244人 |
| 入学者数 | 20,868人 |
| 充足率 | 79.5% |
| うち定時制 | 6校/1学年定員235人/入学者153人 |
出典:厚生労働省「看護師等学校養成所入学状況及び卒業生就業状況調査」令和7年度 第7表「入学状況、設置主体別(看護師3年課程)」・第9表「入学状況、学校養成所区分別(看護師3年課程)」の全国の行、第34表「総括表、都道府県別(募集中止除く)(看護師3年課程)」(e-Stat)
同じ表は、入学者を年齢階級別にも分けています。
| 入学時の年齢 | 入学者数 |
|---|---|
| 20歳未満 | 17,311人 |
| 20〜24歳 | 1,334人 |
| 25〜29歳 | 841人 |
| 30〜34歳 | 515人 |
| 35〜39歳 | 412人 |
| 40歳以上 | 455人 |
| 計 | 20,868人 |
出典:同調査 令和7年度 第7表の全国の行(年齢階級別)。各階級の和が入学者数と一致することを編集部で確認
25歳以上で入学した人は、合わせて2,223人(10.7%)です(編集部試算:841+515+412+455=2,223、2,223÷20,868=10.7%)。一般教育の学歴別では、大学卒が878人、短大卒が250人でした。
ただし、この表に入学前の職業や「社会人経験者」の区分はありません。看護助手として働いていた人が何人入学したかは、国の表からは分かりません。看護師2年課程・准看護師課程の入学者の推移は准看護師は廃止されるのかで扱っています。
学費には、専門実践教育訓練給付が使える場合があります
雇用保険の教育訓練給付金は、雇用保険法 第60条の2に定めがあります。厚生労働大臣が指定する教育訓練を受け、修了した場合(受けている場合で省令で定める場合を含む)に、支給要件期間が3年以上であるときに支給する、という組み立てです。
出典:雇用保険法(e-Gov法令API 法令ID 349AC0000000116)第60条の2第1項
給付には3つの種類があり、資格の養成課程が入るのは専門実践教育訓練です。厚生労働省の案内(専門実践教育訓練給付金のご案内)は、指定の対象になる類型の1つ目を次のように書いています。
「業務独占資格又は名称独占資格に係るいわゆる養成施設の課程」
出典:厚生労働省「専門実践教育訓練給付金のご案内」(LL070401開若04)2.給付の対象となる講座(専門実践教育訓練)の指定基準(原文どおり。この類型の例として「看護師・准看護師、介護福祉士、美容師、社会福祉士 等」が挙がっている)
実際に指定されている講座の数は、厚生労働省の公表資料で確かめられます。
| 目標資格 | 令和8年10月1日時点の指定講座数 | 同日付けの新規指定 | 指定外となった講座 | 既指定講座数 |
|---|---|---|---|---|
| 看護師 | 351 | 10 | 6 | 347 |
| 准看護師 | 45 | 0 | 2 | 47 |
出典:厚生労働省「目標資格等別・都道府県別 専門実践教育訓練指定状況(令和8年10月1日時点)」(報道発表「専門実践教育訓練の指定講座を公表しました(令和8年10月1日付け指定)」別添2)
看護師は347講座に新規の10講座を足し、指定外となった6講座を引いて351講座です(編集部で検算)。業務独占資格・名称独占資格を目標にする講座の表で、看護師は目標資格の中でいちばん多い数です。
ただし、「看護師の学校なら給付が使える」のではなく、指定を受けた講座だけが対象です。この表は講座の数で、どの課程(大学・3年課程・2年課程など)が何講座かは分かりません。自分が通う課程が指定講座かどうかは、厚生労働省の教育訓練講座検索システムで確かめられます。
給付の率は50%から、条件を満たすと最大80%です
専門実践教育訓練の率と上限は、雇用保険法施行規則が定めています。
| 支給を受ける人 | 率 | 連続した2支給単位期間(1年)ごとの限度 |
|---|---|---|
| 専門実践教育訓練を受け、修了した人(受けている人を含む) | 50% | 40万円 |
| 修了し、資格の取得等をして、修了の翌日から1年以内に雇用された人など | 70% | 56万円 |
| さらに、その後の賃金が受講前の百分の百五以上になった人 | 80% | 64万円 |
出典:雇用保険法施行規則(e-Gov法令API 法令ID 350M50002000003)第101条の2の7第4号〜第6号、第101条の2の8第1項第4号〜第6号。支給単位期間は受講期間を6か月ごとに区切った期間(第101条の2の13第4項)
厚生労働省の教育訓練給付制度のページは、80%の給付について「令和6年10月以降に開講する講座の場合」と注記しています。学費の7割・8割がそのまま戻る仕組みではありません。50%を超える分は、資格を取って雇用されることや、賃金が上がることが条件です。
給付を受けるための主な条件と手順は次のとおりです。
- 雇用保険の被保険者期間。案内は、受講開始日までの被保険者期間が3年以上(初回の場合は2年以上)としています。被保険者でなくなった人は、受講開始日までが1年以内であることも条件です。
- 受講開始の14日前までに、キャリアコンサルティングを踏まえて記載した職務経歴等記録書などを添えて、ハローワークに受給資格の確認を求めます(施行規則 第101条の2の13第1項)。
- 案内の期間の基準は「原則、1年以上3年以内であり、かつ当該資格の取得に必要な最短期間」で、最短の養成期間が3年の場合は4年の養成課程も対象としています。
出典:厚生労働省「専門実践教育訓練給付金のご案内」(LL070401開若04)、雇用保険法施行規則 第101条の2の5第1項・第101条の2の13第1項
看護助手として雇用保険に入って働いてきた期間は、受験資格には数えられませんが、この給付の被保険者期間の側には関わり得ます。自分が対象になるかは、ハローワークで確かめられます。助産師の課程の指定講座数や、都道府県の修学資金は助産師の学校の学費で扱っています。
この記事が扱っていないこと
- 学校ごとの学費と、その相場。学校が定めるもので、本記事は取得していません。
- 入学した人のうち、看護助手や社会人として働いていた人の数。国の入学状況の表に、その区分はありません。
- 看護師国家試験の合格率。本記事は取得していません。
- 病院が独自に設ける奨学金や、勤務と通学を両立させる制度。病院ごとの取り決めで、本記事は取得していません。
- 教育訓練支援給付金(失業状態にある人向けの給付)の詳しい条件。本記事は取得していません。
- 大学・短期大学の看護の課程の入学状況。同じ調査の別の表で、本記事は使っていません。
看護助手から看護師を目指すときに確認できること
- 高等学校を卒業しているか。看護師の課程の入学資格は、学校教育法第90条第1項に該当する者(高等学校を卒業した者など)です。
- 通う課程が、専門実践教育訓練の指定講座か。指定は講座ごとで、教育訓練講座検索システムで確かめられます。
- 雇用保険の被保険者期間。案内では3年以上(初回は2年以上)が条件です。
- 受講開始の14日前までの手続。ハローワークでの受給資格の確認が先に要ります。
- 勤め先の奨学金の条件。学校の基準とは別の取り決めなので、卒業後の勤務の条件を借りる前に確かめられます。
よくある質問
Q. 看護助手を何年続ければ、看護師国家試験を受けられますか。
A. 年数で受けられるようになる仕組みはありません。保健師助産師看護師法 第21条の5つの号は、指定を受けた大学・学校・養成所で学ぶことなどで、看護助手としての勤務経験を数える号はありません。
Q. 准看護師を経たほうが早いですか。
A. 一概には言えません。看護師の課程は修業年限3年以上(指定規則 第4条第1項第2号)です。准看護師を経る道は、准看護師の課程と、免許を得た後の看護師の課程の両方が要ります。入学の条件は准看護師になるにはで扱っています。
Q. 学費は給付でどのくらい戻りますか。
A. 専門実践教育訓練の指定講座で要件を満たす場合、受講費用の50%(年間上限40万円)が支給され、資格の取得と就職などの条件を満たすと70%、さらに賃金が上がると80%になります。指定講座かどうかと、雇用保険の被保険者期間を先に確かめてください。
Q. 今の勤め先の病院の附属の学校でないと、不利になりますか。
A. 指定規則 第4条第1項第12号は、特定の医療機関に勤務していることを入学の条件とするなどの不利益な取扱いをしないことを、学校の基準としています。病院の奨学金の条件は別の取り決めなので、個別に確かめてください。
Q. 働きながら通える学校はありますか。
A. 令和7年度の看護師3年課程の養成所のうち、定時制は6校、入学者は153人でした。勤務との両立の条件は学校と勤め先ごとに違うため、本記事では確認していません。
迷ったらここ
看護助手から看護師になる道
看護師国家試験の受験資格に、看護助手として働いた年数を数える号はありません。道は3年以上の看護師の課程か准看護師を経るルートで、看護師を目標資格にする専門実践教育訓練の指定講座は351講座です。
- 進学を考える学校が、専門実践教育訓練の指定講座か
- 勤め先の奨学金に、卒業後の勤務などの条件がついているか
- 雇用保険に入って働いている期間と、通学と両立できる勤務の調整
まとめ
看護師国家試験の受験資格は、保健師助産師看護師法 第21条の5つの号で決まっています。どの号も、指定を受けた学校・養成所で学ぶことなどが条件で、看護助手として働いた年数を数える号はありません。
道は、修業年限3年以上の看護師の課程に入るか、准看護師の免許を得てから看護師の課程に進むかです。学校の指定基準は、特定の医療機関での勤務を入学の条件にするなどの不利益な取扱いをしないよう求めています。
学費には、専門実践教育訓練給付が使える場合があります。看護師を目標資格とする指定講座は令和8年10月1日時点で351講座で、給付は50%から、条件を満たすと最大80%です。対象は指定講座に限られ、雇用保険の被保険者期間と、受講開始の14日前までの手続が前提になります。

