30秒でわかるまとめ
- 看護師長の平均支給額は、月額455,988円です民間の企業規模100人以上の事業所の、令和7年4月分の数字です。年収ではなく、1か月分の給与です。
- 看護師より76,280円高く、平均年齢は10歳上です同じ表で看護師は379,708円・39.0歳、看護師長は49.0歳です。部下5人以上という定義が付いています。
- 時間外手当は、看護師長のほうが3,078円少なくなっています看護師長38,825円、看護師41,903円です。時間外手当を除いて比べると、差は79,358円に広がります。
- 国家公務員の俸給表では、看護師長は7段階のうち4級です人事院規則が4級の標準的な職務に看護師長を挙げています。4級の俸給月額は307,300円〜391,200円です。
※看護師全体の給与を賃金構造基本統計調査で見た話はクリニック看護師の年収、准看護師との差は准看護師の年収は427.5万円で扱っています。この記事は役職としての看護師長の数字だけを扱います。

先に断ります:「看護師長の年収」を直接出している国の統計はありません
職種別の給与を調べるとき、最初に当たるのは厚生労働省の賃金構造基本統計調査です。令和7年調査の「職種(小分類)」には、看護の区分として「看護師」と「准看護師」が置かれています。
しかし、「看護師長」という名前の区分は、この一覧にありません。役職としての師長の給与は、この表からは取り出せません。
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(職種)第1表の職種小分類一覧より編集部が確認
看護師長を名指しした国の統計として本記事が確認できたのは、人事院の「職種別民間給与実態調査」です。国家公務員と地方公務員の給与を民間と比べるための基礎資料として、毎年行われています。
ただし、この調査が出しているのは4月分の月額です。年収は出していません。この記事では、月額を月額のまま読みます。

まず数字:看護師長の平均支給額は月額455,988円です
令和7年の調査結果(表5)で、看護師長はこうなっています。
| 項目 | 看護師長 |
|---|---|
| 調査実人員 | 2,439人 |
| 調査人員(復元後) | 39,549人 |
| 平均年齢 | 49.0歳 |
| きまって支給する給与(A) | 455,988円 |
| うち時間外手当(B) | 38,825円 |
| (A-B) | 417,163円 |
| うち通勤手当 | 9,030円 |
出典:人事院「令和7年職種別民間給与実態調査」表5 職種別従業員数、平均年齢及び平均支給額(令和7年4月分)
表の備考には、この調査でいう看護師長の定義が書かれています。
「部下に看護師又は准看護師5人以上」
出典:同調査 表5 看護師長の備考欄(原文どおり)
部下が5人に満たない師長や、肩書きだけの師長は、この数字の対象に入っていない可能性があります。求人票の「師長」と、この表の「看護師長」が同じ範囲とは限りません。
「きまって支給する給与」の中身は、用語の解説でこう定義されています。
「基本給はもとより、年齢給、勤続給、地域給、寒冷地手当、能率給、家族手当、住宅手当、精勤手当、職務手当、通勤手当、役付手当、超過勤務手当、夜勤手当、休日手当等月ごとに支給される全ての給与を含めたものをいう。」
出典:人事院「用語の解説・利用上の注意(令和7年)」(原文どおり)
役付手当も夜勤手当も、ここに入っています。455,988円は「基本給」ではなく、手当を含めた4月分の支給額です。

ここが本題:看護師との差76,280円のうち、時間外手当は逆向きです
同じ表には、看護の職種が4つ並んでいます。
| 職種 | 平均年齢 | きまって支給する給与(A) | うち時間外手当(B) | (A-B) | 備考(定義) |
|---|---|---|---|---|---|
| 総看護師長 | 55.1歳 | 551,806円 | 20,008円 | 531,798円 | 部下に看護師長5人以上 |
| 看護師長 | 49.0歳 | 455,988円 | 38,825円 | 417,163円 | 部下に看護師又は准看護師5人以上 |
| 看護師 | 39.0歳 | 379,708円 | 41,903円 | 337,805円 | (記載なし) |
| 准看護師 | 47.5歳 | 318,846円 | 36,339円 | 282,507円 | (記載なし) |
出典:人事院「令和7年職種別民間給与実態調査」表5
差を計算すると、こうなります。
| 比較 | きまって支給する給与の差 | 時間外手当を除いた(A-B)の差 |
|---|---|---|
| 看護師長 - 看護師 | 76,280円 | 79,358円 |
| 総看護師長 - 看護師長 | 95,818円 | 114,635円 |
| 看護師長 - 准看護師 | 137,142円 | 134,656円 |
出典:同調査 表5より編集部が算出
時間外手当は、看護師長(38,825円)のほうが看護師(41,903円)より3,078円少なくなっています。そのため、時間外手当を除いた(A-B)で比べると、看護師との差は76,280円から79,358円に広がります。
もう1つ読めるのは、看護師長の時間外手当がゼロではないことです。総看護師長になると20,008円まで下がりますが、看護師長の段では看護師に近い水準が残っています。
なお、平均年齢は看護師長が49.0歳、看護師が39.0歳で、10歳の開きがあります。76,280円の差には、役職の差と年齢の差の両方が含まれています。この表だけで、どちらがどれだけかを分けることはできません。
年齢別に見ると、40代後半で45万円台に入ります
同じ調査の表7は、看護師長を年齢階層別に分けています。
| 年齢階層 | きまって支給する給与 | うち時間外手当 |
|---|---|---|
| 28〜32歳 | 377,658円 | 65,627円 |
| 32〜36歳 | 385,243円 | 45,502円 |
| 36〜40歳 | 410,003円 | 45,956円 |
| 40〜44歳 | 425,634円 | 37,270円 |
| 44〜48歳 | 454,564円 | 40,455円 |
| 48〜52歳 | 466,720円 | 36,973円 |
| 52〜56歳 | 483,126円 | 39,211円 |
| 56歳〜 | 473,004円 | 32,280円 |
出典:人事院「令和7年職種別民間給与実態調査」表7 職種別、年齢階層別平均支給額(看護師長)。24〜28歳の階層は調査実人員20人以下を示す「*」が付いているため、表から外しています
表では、48〜52歳の階層に「◎」が付いています。利用上の注意は、「◎」を中位を示す記号としています。44〜48歳には第1四分位を示す「△」、52〜56歳には第3四分位を示す「▽」が付いています。
金額は52〜56歳の483,126円がいちばん高く、56歳以上では473,004円と少し下がっています。30代の階層にも看護師長はいて、32〜36歳は385,243円、36〜40歳は410,003円です。
企業規模で分けると、52,910円の差があります
表8は、同じ看護師長を企業規模別に分けています。
| 企業規模 | 平均年齢 | きまって支給する給与 | うち時間外手当 |
|---|---|---|---|
| 500人以上 | 49.1歳 | 479,408円 | 38,569円 |
| 100人以上500人未満 | 48.9歳 | 426,498円 | 39,148円 |
| 50人以上100人未満 | 52.9歳 | 435,427円 | 32,485円 |
出典:人事院「令和7年職種別民間給与実態調査」表8 職種別、企業規模別、年齢階層別平均支給額(看護師長)
500人以上と100人以上500人未満では、平均年齢がほぼ同じなのに52,910円の差があります。年齢の違いでは説明しにくい差です。
ここでいう企業規模は、病院1つの規模ではなく、企業(法人)全体の常勤の従業員数です。調査事項に「企業全体の常勤の従業員総数」とあります。複数の病院や施設を持つ法人は、1つの病院が小さくても大きい規模の側に入ります。
50人以上100人未満は平均年齢が52.9歳と高く、年齢階層別の数字の多くに「*」(調査実人員20人以下)が付いています。この規模の数字は、ほかの2つより振れやすいものとして読んでください。
この数字が「年収」ではない理由
455,988円を読むときに、外せない条件が4つあります。
| 条件 | 中身 |
|---|---|
| 月額である | 4月分の給与月額です。賞与は、この表に入っていません |
| 民間の事業所だけ | 政府機関、地方公共団体などに属する事業所は含まれていません |
| 規模の条件がある | 統計表の数値は企業規模100人以上の事業所のものです(企業規模別の表だけ50人以上100人未満も掲載) |
| 常勤の従業員 | 期間を定めず雇用されている常時勤務の従業員が対象で、臨時の者は除かれています |
出典:人事院「令和7年職種別民間給与実態調査」調査の説明/用語の解説・利用上の注意
規模の条件は、利用上の注意にこう書かれています。
「官民給与の比較方法の見直しを行ったことから、統計表の数値は、企業規模100人以上の事業所におけるものとしているが、企業規模別の統計表については、企業規模50人以上100人未満の事業所に係る調査結果も掲載している。」
出典:人事院「用語の解説・利用上の注意(令和7年)」(原文どおり)
参考までに、12か月分を足すとこうなります。
編集部試算:455,988円 × 12か月 = 5,471,856円(約547.2万円)
これは賞与を含まない金額で、看護師長の平均年収ではありません。4月分の時間外手当が毎月同じだと仮定した計算でもあります。賞与の額は職種別に出ていないため、本記事では足していません。
国家公務員の物差しでは、看護師長は「4級」です
民間の数字とは別に、国家公務員の看護師の給与表にも看護師長の位置が書かれています。一般職の職員の給与に関する法律 別表第八の医療職俸給表(三)です。
「この表は、病院、療養所、診療所等に勤務する保健師、助産師、看護師、准看護師その他の職員で人事院規則で定めるものに適用する。」
出典:一般職の職員の給与に関する法律(e-Gov法令API 法令ID 325AC1000000095)別表第八 ハ 医療職俸給表(三)備考(原文どおり)
この表には1級から7級までの職務の級があります。どの級にどの職務を当てるかは、人事院規則九―八 別表第一の標準職務表が定めています。4級の欄はこうです。
「医療機関の相当困難な業務を処理する看護師長の職務」
出典:人事院規則九―八(初任給、昇格、昇給等の基準)(e-Gov法令API 法令ID 344RJNJ09008000)別表第一 カ 医療職俸給表(三)級別標準職務表 4級(原文どおり)
前後の級と、それぞれの俸給月額の幅を並べます。
| 職務の級 | 標準的な職務(要約) | 俸給月額(1号俸〜最高号俸) |
|---|---|---|
| 2級 | 看護師の職務/保健師又は助産師の職務 | 254,700円〜351,400円(153号俸) |
| 3級 | 医療機関の副看護師長の職務/特に高度の知識経験に基づき困難な業務を処理する看護師の職務 | 293,900円〜377,300円(121号俸) |
| 4級 | 医療機関の相当困難な業務を処理する看護師長の職務 | 307,300円〜391,200円(109号俸) |
| 5級 | 医療機関の総看護師長若しくは看護部長又は困難な業務を処理する副総看護師長若しくは副看護部長の職務 | 330,800円〜408,600円(85号俸) |
出典:人事院規則九―八 別表第一 カ/一般職の職員の給与に関する法律 別表第八 ハ(定年前再任用短時間勤務職員以外の職員の欄)。令和7年法律第89号による改正までを反映した、e-Gov法令APIの条文による
看護師長は、7段階の4級に置かれています。副看護師長は3級、総看護師長・看護部長は5級以上です。
注意点が2つあります。
- 俸給月額は、民間の「きまって支給する給与」と比べられません。同法 第5条第1項は、俸給を正規の勤務時間による勤務に対する報酬とし、俸給の特別調整額、地域手当、超過勤務手当、夜勤手当などを除いた額としています。手当まで含めた民間の455,988円とは、中身が違います。
- この俸給表が、いまどの病院の職員に使われているかは、本記事では確認していません。ここで読めるのは「国の給与制度の中で、看護師長がどの段に置かれているか」という位置だけです。
同じ給与法のもとで、深夜に看護等の業務をした国家公務員の看護師には、人事院規則が夜間看護等手当の額を勤務1回ごとに定めています。看護師の夜勤手当の相場|国の統計にはなく、国家公務員は勤務1回7,300円と規則で定めていますで扱っています。
この記事が扱っていないこと
- 看護師長の賞与・年収。職種別民間給与実態調査の表5〜表11は4月分の月額で、職種別の賞与は取得していません。
- 公立病院・国立病院の看護師長の給与。この調査は地方公共団体などの事業所を含みません。自治体や独立行政法人の給与表は取得していません。
- 国家公務員の看護師長に支給される手当の額。俸給表の俸給月額だけを扱い、手当の規定は取得していません。
- 病院の病床数別、地域別の看護師長の数字。本記事が取得した表は企業規模別と年齢階層別です。
- 賃金構造基本統計調査の看護師の数字。看護師全体の年収は別の記事で扱っているため、ここでは使っていません。
看護師長のポストを考えるときに確認できること
- 提示額が「基本給」か「手当込み」か。調査の455,988円は、役付手当・夜勤手当・時間外手当などを含んだ月額です。
- 役職手当は月いくらか。看護師との差76,280円には年齢の差も入っています。役職そのものに付く金額は、求人ごとに確かめるしかありません。
- 時間外手当が出る扱いか。調査では看護師長にも月38,825円の時間外手当が出ています。管理職として時間外手当の対象外になるのかは、職場ごとに確認が要ります。
- 部下は何人か。調査の看護師長は「部下に看護師又は准看護師5人以上」です。同じ「師長」でも、受け持つ人数は職場で違います。
- 法人全体の規模。企業規模500人以上と100人以上500人未満では52,910円の差がありました。病院単体ではなく、法人の規模を見てください。
よくある質問
Q. 看護師長の平均年収はいくらですか。
A. 国の統計に、看護師長の平均年収はありません。人事院の職種別民間給与実態調査にあるのは、令和7年4月分の月額の平均支給額455,988円です。12か月分にすると5,471,856円ですが、賞与を含まない編集部の試算です。
Q. 看護師長になると、看護師よりいくら上がりますか。
A. 同じ調査の平均で、看護師長は看護師より76,280円高くなっています。ただし平均年齢も10歳違うため、昇進だけでこの額が上がるとは読めません。時間外手当を除くと差は79,358円です。
Q. 看護師長は残業代が出ないのですか。
A. 調査の平均では、看護師長にも月38,825円の時間外手当が出ています。看護師の41,903円より3,078円少ない額です。個別の職場で出るかどうかは、就業規則と労働条件の確認が必要です。
Q. 大きい病院のほうが給与は高いですか。
A. 企業規模500人以上では479,408円、100人以上500人未満では426,498円でした。ここでいう規模は病院単体ではなく企業(法人)全体の常勤の従業員数です。
Q. 公務員の看護師長はどうなっていますか。
A. 国家公務員の医療職俸給表(三)では、人事院規則九―八が4級の標準的な職務を「医療機関の相当困難な業務を処理する看護師長の職務」としています。4級の俸給月額は307,300円〜391,200円で、手当は別です。
迷ったらここ
求人の師長手当は、月額の内訳で確かめる
人事院の調査で、看護師長の平均支給額は月額455,988円です。役付手当や時間外手当を含んだ額で、看護師との差76,280円には平均年齢10歳の差も入っています。
- 提示額は基本給か、役職手当・夜勤手当込みか(調査の455,988円は手当込みの月額)
- 管理職として時間外手当の対象外になるか(調査の看護師長は月38,825円)
- 部下は何人か、法人全体の常勤職員は何人か(調査の看護師長は部下5人以上)
まとめ
国の賃金構造基本統計調査には、看護師長という区分がありません。看護師長を名指ししているのは人事院の職種別民間給与実態調査で、令和7年4月分の平均支給額は月額455,988円、平均年齢は49.0歳です。年収ではなく月額です。
看護師(379,708円)との差は76,280円で、時間外手当は看護師長のほうが3,078円少ないため、時間外手当を除くと差は79,358円になります。企業規模では500人以上と100人以上500人未満で52,910円の差がありました。
国家公務員の医療職俸給表(三)では、看護師長は7段階のうち4級に置かれています。求人を比べるときは、提示額に何の手当が入っているか、部下が何人か、法人の規模はどれくらいかを確かめてください。

