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30秒でわかるまとめ
- 栄養教諭は「教員」、学校栄養職員は教員でない職員です教育公務員特例法が定める「教員」の列挙に、栄養教諭は入っていて、学校栄養職員は入っていません。
- 国の定数の法律は、2つを「栄養教諭等」として一緒に数えます第8条の2は、児童生徒550人以上の単独実施校に1、共同調理場には人数に応じて1〜3を数えます。
- 給与を負担するのは、どちらも都道府県と書かれています給与負担法は、指定都市を除く市町村立の小中学校などの栄養教諭と学校栄養職員の給料等を、都道府県の負担としています。
- 小学校では栄養教諭4,760人、学校栄養職員2,898人です令和7年度の本務者の数です。学校栄養職員は、負担法による者1,853人とその他の者1,045人の合計です。
※栄養教諭になるための免許は栄養教諭の免許の取り方、学校給食の栄養を担う職員の資格の条文(学校給食法 第7条)は学校給食の衛生管理基準で扱っています。

まず条文:学校教育法に職名があるのは、栄養教諭のほうです
学校教育法 第37条は、小学校に置く職員を並べた条です。栄養教諭は第2項で「置くことができる」職員の1つに挙がり、第14項で職務が「児童の栄養の指導及び管理をつかさどる」と書かれています(中学校には第49条で準用)。条文の並びと項番号は栄養教諭の免許の取り方と食に関する指導の進め方で扱っています。
一方で、学校教育法には「学校栄養職員」という言葉が出てきません。本記事がe-Govから取得した学校教育法の全文で探しても、0件でした。学校給食法にも出てこず、学校給食法が使う言葉は「学校給食栄養管理者」です。
では「学校栄養職員」は、どの法律の言葉なのか。答えは、教職員の数を決める法律と、給与の負担を決める法律です。

「学校栄養職員」は、定数の法律が定義している言葉です
公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律(以下「標準法」)の第2条第3項は、この法律でいう「教職員」を列挙しています。その中に、栄養教諭と並んで学校栄養職員が出てきます。定義は、列挙の中の括弧書きにあります。
「学校栄養職員(学校給食法(昭和二十九年法律第百六十号)第七条に規定する職員のうち栄養の指導及び管理をつかさどる主幹教諭及び主務教諭並びに栄養教諭以外の者をいう。以下同じ。)」
出典:公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律(e-Gov法令API 法令ID 333AC0000000116)第2条第3項の一部(原文どおり)
読み方は2段です。
- まず、学校給食法 第7条に規定する職員(学校給食の栄養に関する専門的事項をつかさどる職員)という大きな枠があります。
- その枠から、栄養の指導及び管理をつかさどる主幹教諭・主務教諭と、栄養教諭を除いた人が、学校栄養職員です。
つまり、学校給食の栄養を担う同じ枠の中で、教諭の職にある人を除いた残りが学校栄養職員、という定義の仕方です。同じ第2条第3項は、教職員を「それぞれ常勤の者に限る」としています。
その大きな枠に入るための資格(学校給食法 第7条の要件)は、学校給食の衛生管理基準で扱っています。

教員か職員か:教育公務員特例法の「教員」に、栄養教諭は入っています
「栄養教諭は教員、学校栄養職員は職員」という違いは、条文で確かめられます。教育公務員特例法 第2条第2項です。
「この法律において「教員」とは、公立学校の教授、准教授、助教、副校長(副園長を含む。以下同じ。)、教頭、主幹教諭(幼保連携型認定こども園の主幹養護教諭及び主幹栄養教諭を含む。以下同じ。)、指導教諭、主務教諭(幼保連携型認定こども園の主務養護教諭及び主務栄養教諭を含む。以下同じ。)、教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭、栄養教諭、主幹保育教諭、指導保育教諭、主務保育教諭、保育教諭、助保育教諭及び講師をいう。」
出典:教育公務員特例法(e-Gov法令API 法令ID 324AC0000000001)第2条第2項(原文どおり)
栄養教諭は、この「教員」の列挙に名前で入っています。学校栄養職員は入っていません。教育公務員特例法の全文にも「学校栄養職員」という言葉はありませんでした。
この法律が何を定めるかは、第1条に書かれています。教育公務員の任免、人事評価、給与、分限、懲戒、服務及び研修等について規定する、とあります。栄養教諭は「教員」として、この法律の対象に入る側です。
給与の特例法(給特法)の「教育職員」にも栄養教諭が名前で入っていることは、栄養教諭の給料と年収で扱っています。
統計の表も、同じ線で分かれています。後で見る学校基本調査では、栄養教諭は「職名別教員数」の表に、学校栄養職員は「職員数」の表に載っています。
ここが本題:定数の法律は、2つを「栄養教諭等」として一緒に数えます
職は分かれていても、国が公立の小中学校に置く人数の標準を決めるときは、2つを1つの区分にまとめています。標準法 第8条の2の書き出しです。
「栄養の指導及び管理をつかさどる主幹教諭及び主務教諭、栄養教諭並びに学校栄養職員(以下「栄養教諭等」という。)の数は、次に定めるところにより算定した数を合計した数とする。」
出典:標準法 第8条の2 柱書(原文どおり)
数える区分は「栄養教諭等」の1つです。この条の中に、栄養教諭を何人、学校栄養職員を何人、と分けて数える書き方はありません。
この数が何に使われるかは、第6条第1項にあります。都道府県ごと(指定都市は指定都市ごと)に、小中学校など(共同調理場を含む)に置くべき教職員の総数を、第8条の2などの数を合計した数を標準として定める、という組み立てです。同じ項の後段は、職の種類の区分ごとの総数も定めなければならないとしていますが、第8条の2が置いている区分は「栄養教諭等」です。
出典:標準法 第6条第1項
特別支援学校については、第13条の2が「栄養教諭等の数は、学校給食を実施する特別支援学校の数に一を乗じて得た数とする。」と定めています(原文どおり)。また第15条は、特別な事情があるときに、算定した栄養教諭等の数に政令で定める数を加えるとしています。
なお、第8条の2の書き出しに主務教諭が入ったのは、令和8年4月1日施行の改正です。その前の版(令和5年4月1日施行)は「栄養の指導及び管理をつかさどる主幹教諭、栄養教諭並びに学校栄養職員」でした。
第8条の2の数え方:単独実施校と共同調理場で分かれます
第8条の2は、第1号〜第3号で算定した数を合計します。学校給食は「給食内容がミルクのみである給食を除く」とされています。
| 号 | 対象 | 数え方 |
|---|---|---|
| 第1号 | 単独実施校(専らその学校の学校給食を実施するために必要な施設を置く小学校・中学校など)のうち、児童又は生徒の数が550人以上の学校 | 学校の数に1を乗じる |
| 第1号 | 単独実施校のうち、児童又は生徒の数が549人以下の学校(第2号に当たる市町村の学校を除く) | 学校の数に4分の1を乗じる |
| 第2号 | 550人以上の単独実施校も共同調理場も設置していない市町村で、549人以下の単独実施校が1以上3以下の市町村 | 市町村の数に1を乗じる |
| 第3号 | 共同調理場(学校給食法 第6条に規定する施設) | 係る児童生徒の数が1,500人以下は1、1,501人から6,000人までは2、6,001人以上は3を、共同調理場の数に乗じる |
出典:標準法 第8条の2第1号〜第3号
読みどころは3つあります。
- 549人以下の単独実施校は、1校あたり4分の1で数えます。計算の上では、4校で1にあたります。
- 小さな学校が1〜3校しかない市町村には、市町村として1を数える号があります。4分の1の計算から外して、別に数える組み立てです。
- 共同調理場は、学校の数ではなく、そこに係る児童生徒の人数で1〜3を数えます。
どれも、都道府県ごとの総数の標準を算定するための数え方です。ある学校に誰が置かれるか、その人が栄養教諭か学校栄養職員かを、この条は決めていません。
共同調理場は、令和7年5月1日現在で公立に2,354か所あります。共同調理場方式の学校の割合と、調理の外部委託の状況は学校給食の職場の選び方|公立小の53.9%が共同調理場方式、調理の委託は62.9%の学校ですで扱っています。
給与:どちらも都道府県が負担する職員に入っています
市町村立学校職員給与負担法(以下「給与負担法」)の第1条は、市(指定都市を除き、特別区を含む。)町村立の小学校・中学校・義務教育学校などの職員のうち、標準法にもとづく定数で配置される職員の給料その他の給与を、都道府県の負担としています。列挙の中に、栄養教諭と学校栄養職員の両方が入っています。
学校栄養職員の書き方は、標準法の定義に1つ書き足した形です。
「学校栄養職員(学校給食法(昭和二十九年法律第百六十号)第七条に規定する職員のうち栄養の指導及び管理をつかさどる主幹教諭及び主務教諭並びに栄養教諭以外の者をいい、同法第六条に規定する施設の当該職員を含む。以下同じ。)」
出典:市町村立学校職員給与負担法(e-Gov法令API 法令ID 323AC0000000135)第1条の一部(原文どおり)
「同法第六条に規定する施設」は、学校給食法 第6条の共同調理場です。共同調理場に勤める学校栄養職員も、この列挙に入ることが明記されています。
給与の項目の並びにも、違いが1つ見えます。時間外勤務手当は、次のように限定されています。
「時間外勤務手当(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(昭和四十六年法律第七十七号)第三条第一項に規定する指導改善研修被認定者、学校栄養職員及び事務職員に係るものとする。)」
出典:給与負担法 第1条の一部(原文どおり)
時間外勤務手当について都道府県が負担する対象に、学校栄養職員は名前で入り、栄養教諭は入っていません。栄養教諭の教職調整額と時間外勤務手当の扱いは、栄養教諭の給料と年収で扱っています。
人数で見る:小学校は栄養教諭4,760人、学校栄養職員2,898人です
文部科学省の学校基本調査(令和7年度、確定値)で、栄養教諭と学校栄養職員の本務者の数を並べます。栄養教諭は表54・表82の「職名別教員数(本務者)」、学校栄養職員は表59・表87の「職員数(本務者)」から取りました。
| 区分 | 小学校 | 中学校 |
|---|---|---|
| 栄養教諭(計) | 4,760人 | 1,593人 |
| うち国立 | 55人 | 0人 |
| うち公立 | 4,697人 | 1,592人 |
| うち私立 | 8人 | 1人 |
| 学校栄養職員(負担法による者・公立) | 1,853人 | 706人 |
| 学校栄養職員(その他の者・計) | 1,045人 | 258人 |
| うち国立 | 6人 | 1人 |
| うち公立 | 1,012人 | 247人 |
| うち私立 | 27人 | 10人 |
出典:文部科学省「令和7年度学校基本調査」(e-Stat、2025年12月26日公開)小学校 表54・表59、中学校 表82・表87。栄養教諭は男女の数を編集部で合計
学校栄養職員の表は「負担法による者」と「その他の者」の2つの欄に分かれていて、合計の欄がありません。編集部で足すと、次のとおりです。
- 小学校:1,853人+1,045人=2,898人(うち公立は 1,853人+1,012人=2,865人)
- 中学校:706人+258人=964人(うち公立は 706人+247人=953人)
表の上では、栄養教諭のほうが学校栄養職員より多い形です。公立の小学校で4,697人と2,865人、公立の中学校で1,592人と953人です。国立と私立は、どちらの職も少数です。
なお、栄養教諭の数は学校教員統計調査(3年ごと)でも出ていますが、調査の年と数え方が違います。その数字と給料は栄養教諭の給料と年収で扱っています。本記事の数字は学校基本調査のものです。
数字の読み方:本務者、5月1日、「負担法による者」
表の数字を読むときの前提を4つ挙げます。
1つ目は「本務者」の意味です。文部科学省の学校基本調査「用語の解説」は、本務者を次のように説明しています。
「当該学校の専任の教職員。原則として辞令で判断されるが、辞令等がない場合は、待遇や勤務の実態で判断。」
出典:文部科学省「学校基本調査-用語の解説」本務者(原文どおり)
同じ解説は、学校基本調査の基準日を5月1日現在としています。職名別教員数の表には、「休職者,産休者及び育児・介護休業者並びに産休代替者及び育児・介護休業代替者を含む。」という注が付いています(表54・表82、原文どおり)。
2つ目は「負担法による者」の意味です。職員数の表の注1です。
「「負担法による者」とは,市町村立学校職員給与負担法により都道府県費から給与が支給されている者をいう。」
出典:令和7年度学校基本調査 小学校 表59 注1(原文どおり。中学校 表87の注1も同じ文)
前の章で見た給与負担法の第1条が、そのまま統計の欄の分け方になっています。公立でも「その他の者」の欄に小学校1,012人・中学校247人の学校栄養職員がいますが、どういう理由でその欄に入るのかは、表には書かれていません。本記事は推測しません。
3つ目は主務教諭です。令和7年度の表には、主務教諭の欄がありません。標準法 第8条の2に主務教諭が入ったのは、令和7年度の調査の基準日(5月1日)より後の、令和8年4月1日施行の改正です。
4つ目は、より新しい数字です。令和8年度の学校基本調査は、2026年8月26日に速報がe-Statに載っています。ただし速報の小学校の表(表4)は教員数・職員数の合計だけで、職名別の数字がありません。そのため本記事は、職名別の数字がある令和7年度の確定値を使いました。
この記事が扱っていないこと
- 栄養教諭の給料・手当、免許、採用の状況、食に関する指導。栄養教諭の給料と年収、栄養教諭の免許の取り方、栄養教諭の倍率、食に関する指導の進め方で扱っています。
- 学校栄養職員の給与の額や、採用の方法。都道府県・市町村ごとの条例や規則の領域で、本記事は取得していません。
- 第15条の加算の中身。政令で定める数で、本記事は施行令を取得していません。
- 共同調理場に勤める人の数と、義務教育学校・中等教育学校・特別支援学校の数字。本記事は小学校と中学校の表だけを使いました。都道府県別の数字も表にありますが、使っていません。
- どちらの職が上か、という比較。条文が書いているのは職の種類と数え方で、上下ではありません。
栄養教諭・学校栄養職員の求人を見るときに確認できること
- 募集の職名は栄養教諭か、学校栄養職員か。教育公務員特例法の「教員」に入るのは栄養教諭です。
- 勤務先は単独実施校か、共同調理場か。標準法は、2つを別の号で数えています。
- 給与はどこが負担するのか。給与負担法は、指定都市を除く市町村立の学校の職員を都道府県の負担としています。統計も「負担法による者」と「その他の者」に分かれています。
- 常勤か、そうでないか。標準法の「教職員」は、常勤の者に限られています。
よくある質問
Q. 栄養教諭と学校栄養職員は、何が違いますか。
A. 栄養教諭は学校教育法 第37条に職名があり、教育公務員特例法 第2条第2項の「教員」に入っています。学校栄養職員はどちらの法律にも出てこず、標準法 第2条第3項が、学校給食法 第7条に規定する職員のうち栄養の指導及び管理をつかさどる主幹教諭・主務教諭と栄養教諭以外の者として定義している職員です。
Q. 国の定数では、栄養教諭と学校栄養職員は別に数えられますか。
A. 標準法 第8条の2は、栄養の指導及び管理をつかさどる主幹教諭・主務教諭、栄養教諭、学校栄養職員をまとめて「栄養教諭等」とし、その数を算定しています。条文の中で2つを分けて数える書き方はありません。
Q. 学校栄養職員の給与は、誰が負担していますか。
A. 給与負担法 第1条は、指定都市を除く市町村立の小中学校などの学校栄養職員(共同調理場の職員を含む)の給料その他の給与を、都道府県の負担としています。
Q. 栄養教諭と学校栄養職員は、それぞれ何人いますか。
A. 令和7年度学校基本調査の本務者で、小学校は栄養教諭4,760人、学校栄養職員2,898人(1,853人+1,045人、編集部で合計)、中学校は栄養教諭1,593人、学校栄養職員964人(706人+258人、同)です。
Q. 学校栄養職員から栄養教諭になる道はありますか。
A. 学校給食の現場で働く人向けの特例が、教育職員免許法に置かれています。条件は栄養教諭の免許の取り方で扱っています。
迷ったらここ
募集の職名と給与の負担者を見る
栄養教諭は教育公務員特例法の「教員」に入り、学校栄養職員は入っていません。一方で国の定数の法律は、2つを「栄養教諭等」として一緒に数えています。
- 募集の職名が栄養教諭か、学校栄養職員か
- 勤務先が単独実施校か、共同調理場か
- 給与を都道府県と市町村のどちらが負担するか
まとめ
栄養教諭は学校教育法 第37条に職名があり、教育公務員特例法 第2条第2項の「教員」に名前で入っています。学校栄養職員は、標準法 第2条第3項が学校給食法 第7条に規定する職員のうち、栄養教諭などを除いた者として定義する職員です。
一方で、国が教職員の数の標準を決める標準法 第8条の2は、2つを「栄養教諭等」として一緒に数えています。単独実施校は児童生徒550人以上なら1、549人以下なら4分の1、共同調理場は人数に応じて1〜3です。給与負担法は、どちらの給与も都道府県の負担としています。
令和7年度の学校基本調査では、小学校に栄養教諭4,760人・学校栄養職員2,898人、中学校に栄養教諭1,593人・学校栄養職員964人(学校栄養職員は編集部で合計)の本務者がいます。

