30秒でわかるまとめ
- 栄養教諭の免許状は、専修・一種・二種の3種類です教育職員免許法第4条が、栄養教諭の普通免許状をこの3つに区分しています。
- 基礎資格に、管理栄養士か栄養士の免許が入っています一種は学士と管理栄養士の免許、二種は短期大学士と栄養士の免許、などと別表に書かれています。
- 大学で修得する単位は、一種22、二種14です専修免許状は修士の学位と管理栄養士の免許が基礎資格で、単位数は46と定められています。
- 学校栄養職員には、在職3年で取る道が附則にあります一種は10単位、二種は8単位を大学で修得し、教育職員検定を受ける特例が当分の間置かれています。
※学校の給食現場の衛生管理と、栄養教諭が担う役割は学校給食の衛生管理基準、栄養士・管理栄養士の免許そのものは栄養士になるにはと管理栄養士になるにはで扱っています。

まず職の位置づけ:栄養教諭は「置くことができる」職です
学校教育法 第37条は、小学校に置く職員を2つの項に分けて書いています。
| 項 | 定め |
|---|---|
| 第1項 | 小学校には、校長、教頭、教諭、養護教諭及び事務職員を置かなければならない |
| 第2項 | 前項に規定するもののほか、副校長、主幹教諭、指導教諭、主務教諭、栄養教諭その他必要な職員を置くことができる |
| 第14項 | 栄養教諭は、児童の栄養の指導及び管理をつかさどる |
出典:学校教育法(e-Gov法令API 法令ID 322AC0000000026)第37条第1項・第2項・第14項(原文どおり)
養護教諭は「置かなければならない」側、栄養教諭は「置くことができる」側です。職務は「児童の栄養の指導及び管理をつかさどる」と1文で書かれています。この第37条は中学校などにも準用されています。

学校給食の食物アレルギー対応で、栄養教諭・学校栄養職員にどんな役割が例示されているかは学校給食のアレルギー事故防止|指針は、調理指示書を普通食と対応食で1枚にするとしていますで扱っています。
免許状は3種類です
教育職員免許法 第4条第2項です。
「普通免許状は、学校……の種類ごとの教諭の免許状、養護教諭の免許状及び栄養教諭の免許状とし、それぞれ専修免許状、一種免許状及び二種免許状……に区分する。」
出典:教育職員免許法(e-Gov法令API 法令ID 324AC0000000147)第4条第2項(一部を省略)
栄養教諭の免許状は、学校の種類ごとには分かれていません。教諭の免許状が「小学校」「中学校」と分かれるのに対して、栄養教諭は1つの免許状を3段で持つ形です。

ここが本題:基礎資格と単位数は、別表第二の二にあります
大学で取る場合の条件は、教育職員免許法の別表第二の二に並んでいます。
| 免許状 | 基礎資格 | 大学で修得する栄養に係る教育及び教職に関する科目の最低単位数 |
|---|---|---|
| 専修免許状 | 修士の学位を有すること及び管理栄養士の免許を受けていること | 46 |
| 一種免許状 | 学士の学位を有すること、かつ、管理栄養士の免許を受けていること又は管理栄養士養成施設の課程を修了し、栄養士の免許を受けていること | 22 |
| 二種免許状 | 短期大学士の学位を有すること、かつ、栄養士の免許を受けていること又は管理栄養士の免許を受けていること | 14 |
出典:教育職員免許法 別表第二の二(栄養士法の条番号の引用を省いたほかは原文の要件どおり)
読みどころは3つあります。
- どの免許状も、基礎資格に栄養士か管理栄養士の免許が入っています。教職の単位だけでは基礎資格を満たしません。
- 一種は「管理栄養士の免許」だけでなく「管理栄養士養成施設の課程を修了し、栄養士の免許を受けている」でもよい、と書かれています。管理栄養士国家試験の合格前でも、基礎資格の側に入る書き方です。
- 二種は短期大学士と栄養士の免許の組み合わせで、単位数は14です。
備考は、第3欄の「大学」に文部科学大臣の指定する教員養成機関を含むとしています。
二種から一種、一種から専修へ上がる道
すでに免許状を持って栄養教諭として勤務している人が上位の免許状を受ける条件は、別表第六の二にあります。
| 受けようとする免許状 | 持っている免許状 | 最低在職年数 | 大学で修得する最低単位数 |
|---|---|---|---|
| 専修免許状 | 一種免許状 | 3 | 15 |
| 一種免許状 | 二種免許状 | 3 | 40 |
出典:教育職員免許法 別表第六の二。在職年数は、免許状を取得した後、栄養の指導及び管理をつかさどる主幹教諭若しくは主務教諭又は栄養教諭として良好な勤務成績で勤務した旨の証明を要する年数
備考に特例があります。一種免許状を受けようとする者が管理栄養士の免許を受けている場合は、在職年数に満たない期間(1年未満を含む)があっても満たすものとみなし、単位数の「四〇」は「八」と読み替えるとされています。
二種を持つ栄養教諭が管理栄養士の免許を取ると、一種に必要な単位は40から8になります。
また第9条の2は、二種免許状を持つ教育職員に対して相当の一種免許状の授与を受けるように努めなければならないと定めています。
学校栄養職員として働いている人の特例
教育職員免許法 附則第17項は、学校給食の現場ですでに働いている人向けの道を「当分の間」置いています。
対象は、学校給食法第7条に規定する職員その他の学校給食の栄養に関する専門的事項をつかさどる職員(栄養教諭等を除く)と、教育委員会の事務局で学校給食の適切な実施に係る指導を担当する者です。
| 受けようとする免許状 | 基礎資格 | 最低在職年数 | 大学で修得する最低単位数 |
|---|---|---|---|
| 一種免許状 | 管理栄養士の免許、又は管理栄養士養成施設の課程を修了し栄養士の免許 | 3 | 10 |
| 二種免許状 | 栄養士の免許又は管理栄養士の免許 | 3 | 8 |
出典:教育職員免許法 附則第17項。在職年数は、基礎資格を取得した後、学校給食の栄養に関する専門的事項をつかさどる職員として良好な成績で勤務した旨の証明を要する年数。授与は教育職員検定による
大学で取る場合は一種22単位・二種14単位ですが、この特例では一種10単位・二種8単位です。そのかわりに、学校給食の現場での在職3年が求められます。
学校給食法第7条が定める学校給食栄養管理者の要件は学校給食の衛生管理基準で扱っています。
栄養教諭として働いたときの給料月額は、公立小学校の平均で318,900円(令和4年9月分・本俸)です。統計の読み方と教職調整額は栄養教諭の年収の手がかり|公立小の給料月額318,900円は、教諭より11,300円高いで扱っています。
この記事が扱っていないこと
- 採用試験の倍率と、自治体ごとの採用状況。本記事は取得していません。
- 単位の中身(どの科目を何単位)。教育職員免許法施行規則の領域で、本記事は取得していません。
- 教員免許状を取れる大学の一覧。本記事は取得していません。
- 収入。本記事は統計を取得していません。
栄養教諭の指導の中身は、学校給食法 第10条が「学校給食を活用した食に関する実践的な指導」と書いています。全体計画を作り、給食の時間・教科等・個別的な相談指導の3つの場面で進める型は食に関する指導の進め方|全体計画は校長の措置、給食の時間の指導は主として学級担任ですで扱っています。
目指すときに確認できること
- いま持っているのが栄養士の免許か、管理栄養士の免許か。一種と二種で基礎資格が違います。
- 学位が短期大学士か、学士か、修士か。二種・一種・専修の基礎資格に入っています。
- 進学先の大学・短期大学が、栄養教諭の教職課程を置いているか。必要な単位を修得できるかが前提です。
- 学校栄養職員として働いているなら、在職年数。3年以上なら附則第17項の特例で、少ない単位数での検定の道があります。
- 働きたい自治体に、栄養教諭の配置があるか。学校教育法は「置くことができる」職としています。
免許を取ったあとの採用選考では、栄養教諭の採用倍率は全国で9.9倍、採用者は163人でした。県市別の採用状況は栄養教諭の倍率は9.9倍|6つの試験区分で最も高く、採用は全国で163人ですで扱っています。
よくある質問
Q. 栄養士の免許だけで栄養教諭になれますか。
A. 別表第二の二は、どの免許状にも学位と、大学で修得する単位を求めています。二種免許状の基礎資格は、短期大学士の学位と栄養士(又は管理栄養士)の免許です。
Q. 管理栄養士でないと一種は取れませんか。
A. 一種の基礎資格は、学士の学位に加えて「管理栄養士の免許」又は「管理栄養士養成施設の課程を修了し、栄養士の免許を受けていること」です。
Q. 学校栄養職員から栄養教諭になる方法はありますか。
A. 教育職員免許法 附則第17項が、在職3年と大学での単位修得(一種10単位、二種8単位)による教育職員検定の道を、当分の間置いています。
Q. 栄養教諭はどの学校にもいますか。
A. 学校教育法 第37条第2項は、栄養教諭を「置くことができる」職員としています。必ず置く職員としては書かれていません。
Q. 二種を持っていますが、一種を取る必要はありますか。
A. 教育職員免許法 第9条の2は、二種免許状を持つ教育職員に一種免許状の授与を受けるよう努めなければならないと定めています。努力義務です。
Q. 栄養教諭の免許状は小学校用・中学校用に分かれていますか。
A. 第4条第2項は、教諭の免許状は学校の種類ごと、栄養教諭の免許状は1つとして、それぞれ専修・一種・二種に区分しています。
迷ったらここ
持っている免許と学位を、先に確かめる
栄養教諭の免許状は、学位と栄養士・管理栄養士の免許の組み合わせで基礎資格が決まります。学校給食の現場で3年働いていれば、少ない単位で取る特例もあります。
- 栄養士の免許か、管理栄養士の免許か
- 学位が短期大学士・学士・修士のどれか
- 学校給食の現場での在職年数
まとめ
栄養教諭は、学校教育法 第37条第2項で「置くことができる」職とされ、職務は児童の栄養の指導及び管理をつかさどることです(第14項)。
免許状は専修・一種・二種の3種類(教育職員免許法 第4条第2項)。基礎資格は、専修が修士+管理栄養士の免許、一種が学士+管理栄養士の免許(又は管理栄養士養成施設修了+栄養士の免許)、二種が短期大学士+栄養士(又は管理栄養士)の免許で、大学で修得する単位は46・22・14です(別表第二の二)。
学校給食の現場で働く人には、在職3年と一種10単位・二種8単位で教育職員検定を受ける特例が、附則第17項に当分の間置かれています。二種を持つ栄養教諭が管理栄養士の免許を取ると、一種に必要な単位は40から8に読み替えられます。

