栄養教諭の倍率は9.9倍|6つの試験区分で最も高く、採用は全国で163人です

目次

30秒でわかるまとめ

  • 栄養教諭の採用倍率は9.9倍で、前年度より上がりました受験者1,612人に対して、採用者は163人でした。6つの試験区分のなかで最も高い倍率です。
  • 平成19年度からの推移では、2番目に高い倍率です最も高かったのは平成24年度の10.4倍です。採用者数は平成30年度の254人が最も多い年でした。
  • 採用がある県市の多くは、1人から3人の採用です県市別の表で採用者数が数字で載っている49県市のうち、36県市が3人以下でした。欄が空欄の県市も17あります。
  • 採用された人の74.8%は、既卒の人が占めています栄養教諭の採用者163人のうち、既卒者は122人でした。新規学卒者は41人です。

※栄養教諭の免許状の種類と取り方は栄養教諭の免許の取り方、学校給食の現場の衛生管理は学校給食の衛生管理基準で扱っています。

給食の配膳(学校栄養職員)

まず定義:倍率は「受験者数÷採用者数」です

文部科学省は、都道府県・指定都市の教育委員会などが行った公立学校教員採用選考試験について、受験者数と採用者数を毎年度まとめています。本記事が使うのは、令和7年度採用選考(令和6年度に実施)の結果で、令和7年12月25日に公表されたものです。

この資料の「倍率」は、次のように定義されています。

「競争率(採用倍率)は、受験者数÷採用者数である。」

出典:文部科学省「令和7年度(令和6年度実施)公立学校教員採用選考試験の実施状況等」参考資料1 第1表(注)5(原文どおり)

割る数は合格者数ではなく、採用者数です。その採用者数の数え方も、注に書かれています。

「採用者数は、令和7年4月1日から6月1日までに採用された数である(以下同じ)。」

出典:同 第1表(注)1(原文どおり)

さらに県市別の表の注には、「採用者数には、過年度の採用選考に合格し、令和7年度から採用された者を含む。」とあります(同 第2表(注)1、原文どおり)。倍率は「その年に何人受けて、何人が採用されたか」の比で、1人ひとりの受かりやすさをそのまま表す数字ではありません。

調理員に教える先輩

ここが本題:栄養教諭は9.9倍、6区分で最も高い倍率です

全国の合計を、試験区分ごとに並べます。

試験区分受験者数採用者数競争率(採用倍率)
小学校34,434人17,078人2.0倍
中学校36,621人10,168人3.6倍
高等学校19,705人5,152人3.8倍
特別支援学校7,252人3,650人2.0倍
養護教諭9,499人1,164人8.2倍
栄養教諭1,612人163人9.9倍
計109,123人37,375人2.9倍

出典:同 第1表

定義どおりに計算すると、1,612÷163=9.88…で、表の9.9倍になります(編集部で検算)。

栄養教諭の採用者163人は、全体37,375人のごく一部です。受験者も少ない区分ですが、採用の枠はそれ以上に小さく、倍率は6区分で最も高くなっています。2番目に高いのは養護教諭の8.2倍です。

調理師製菓衛生師パティシエ

全体は過去最低まで下がり、栄養教諭は上がりました

資料の「ポイント」は、全体と栄養教諭について、それぞれこう書いています。

区分令和7年度前年度動き
全体(6区分の合計)2.9倍3.2倍低下(過去最低)
栄養教諭9.9倍9.2倍上昇

出典:文部科学省「令和7年度(令和6年度実施)公立学校教員採用選考試験の実施状況等のポイント」1ページ・8ページ

「栄養教諭の競争率(採用倍率)は、9.9倍で、前年度の9.2倍から上昇」

出典:同「ポイント」8ページ(原文どおり)

中身は、採用者数が前年度に比較して10人減少し、受験者数が24人増加した、という組み合わせです(同8ページ)。小学校・中学校・高等学校が軒並み「過去最低」の倍率になるなかで、栄養教諭は逆の方向に動いています。

平成19年度からの推移:採用者数の最多は平成30年度の254人

栄養教諭の数字は、平成19年度から表に載っています。

年度受験者数採用者数競争率
平成19304人73人4.2倍
平成20259人44人5.9倍
平成21820人99人8.3倍
平成221,201人161人7.5倍
平成231,318人150人8.8倍
平成241,367人131人10.4倍
平成251,390人152人9.1倍
平成261,562人163人9.6倍
平成271,651人179人9.2倍
平成281,602人208人7.7倍
平成291,813人238人7.6倍
平成301,886人254人7.4倍
令和元1,864人234人8.0倍
令和21,678人207人8.1倍
令和31,616人201人8.0倍
令和41,597人177人9.0倍
令和51,654人189人8.8倍
令和61,588人173人9.2倍
令和71,612人163人9.9倍

出典:文部科学省 同 参考資料1 第7表(受験者数、採用者数、競争率(採用倍率)の長期的推移)

読みどころは2つです。

  • 令和7年度の9.9倍は、平成24年度の10.4倍に次ぐ高さです。
  • 採用者数は平成30年度の254人をピークに減り、令和7年度は163人です。受験者数は平成26年度以降、1,562人から1,886人の間で推移しており、採用者数の減り方のほうが大きいため、倍率が上がっています。

なお第7表の注に「令和6年度以降の受験者数は、社会人等向け採用猶予受験者を含む。」とあります(原文どおり)。令和5年度以前と令和6年度以降では、受験者数の数え方が少し違います。

県市別に見ると:採用がある49県市のうち、36県市が3人以下

県市別の表(第2表-1・通年)で、栄養教諭の採用者数が数字で載っている県市は49あります。採用者数ごとに数えると、こうなります。

採用者数県市の数
1人15
2人10
3人11
4〜9人10
10人以上3

出典:同 第2表-1の栄養教諭の欄を編集部が集計(49県市の採用者数の合計は163人で、全国の合計と一致)

採用が1人だけの県市が15あります。10人以上は、大阪市(15人)、北海道(10人)、愛知県(10人)の3つだけです。

1人の採用に受験者が集まると、倍率は一気に高くなります。倍率が高い県市と低い県市を並べます。

県市受験者数採用者数競争率
静岡県32人1人32.0倍
岡山市31人1人31.0倍
福岡県61人2人30.5倍
山口県29人1人29.0倍
岐阜県28人1人28.0倍
……
大阪市61人15人4.1倍
熊本市23人6人3.8倍
堺市10人3人3.3倍
新潟市12人6人2.0倍
宮城県2人2人1.0倍

出典:同 第2表-1。県と指定都市が合同で選考し、競争率が( )付きで載っている県市(北海道・広島県など)は、この並びから外しています

まとめてみると、都道府県計は11.9倍(1,210人÷102人)、指定都市計は6.6倍(402人÷61人)です(同 第2表-1)。全国平均の9.9倍は、30倍を超える県市と、数倍の県市をならした数字です。

栄養教諭の欄が空欄の県市が17あります

第2表-1の注は、空欄の意味をこう書いています。

「募集がなく採用選考を実施していない試験種については、空欄としている。」

出典:同 第2表(注)2(原文どおり)

令和7年度採用選考で、栄養教諭の欄が空欄になっている県市は次の17です。

区分県市
都道府県(11)岩手県、秋田県、福島県、栃木県、群馬県、東京都、神奈川県、新潟県、愛媛県、佐賀県、沖縄県
指定都市等(6)千葉市、横浜市、川崎市、相模原市、浜松市、豊能地区

出典:同 第2表-1。豊能地区は大阪府豊能地区教職員人事協議会

このほか北九州市は、栄養教諭の欄が空欄ではなく「-」で載っています。

空欄が示しているのは、その年度に栄養教諭の募集・選考がなかったことです。その県市の学校に栄養教諭がいるかどうか、翌年度に募集するかどうかは、この表からはわかりません。

採用された人の顔ぶれ:既卒74.8%、教職経験者は81人

同じ資料は、受験者と採用者の内訳も試験区分ごとに出しています。栄養教諭の数字だけを抜き出します。

項目受験者採用者採用率
新規学卒者611人(37.9%)41人(25.2%)6.7%
既卒者1,001人(62.1%)122人(74.8%)12.2%
計1,612人163人10.1%

出典:同 第5表。採用率は「採用者数÷受験者数」(同表の注)

受験者では新規学卒者が37.9%いますが、採用者では25.2%に下がります。採用率で見ても、既卒者の12.2%に対して新規学卒者は6.7%です。

採用者163人の内訳人数割合
教職経験者81人49.7%
うち臨時的任用教員等のみ60人-
民間企業等勤務経験者18人11.0%

出典:同 第6表。「教職経験者」は公立学校教員採用前の職として国公私立学校の教員であった者、「民間企業等勤務経験者」は教職以外の継続的な雇用に係る勤務経験のあった者(アルバイトを除く)

出身校で見ると、栄養教諭の採用者は一般大学・学部が140人(85.9%)、短期大学等が18人(11.0%)でした(同 第4表)。短期大学等は、受験者では264人(16.4%)います。

この記事が扱っていないこと

  • 栄養教諭の免許状の種類と取り方。栄養教諭の免許の取り方で扱っています。
  • 栄養教諭の給与。本記事では扱っていません。
  • 合格者数と、試験の内容・日程。本記事は受験者数と採用者数だけを扱い、合格者数や試験科目は取得していません。
  • 学校栄養職員など、栄養教諭以外の職での採用状況。本記事が使った資料の区分は栄養教諭で、ほかの職の採用は取得していません。
  • 令和8年度採用選考(令和7年度実施)の結果。本記事は取得していません。
  • 私立学校の採用。この資料は公立学校の採用選考が対象です。

栄養教諭を目指すときに確認できること

  • 受けたい県市で、栄養教諭の選考があるか。令和7年度採用選考では、17県市で栄養教諭の欄が空欄でした。
  • 前年度の採用者数は何人か。採用1人の県市が15あり、1人か2人かで倍率が大きく変わります。
  • 県と指定都市が合同で選考しているか。合同の場合、競争率は県市を合わせた数字で載っています。
  • 既卒で受けるか、新卒で受けるか。採用者の74.8%は既卒者で、教職経験者は81人でした。
  • 倍率の数字の年度。栄養教諭の倍率は、平成19年度からの推移で4.2倍から10.4倍まで動いています。

よくある質問

Q. 栄養教諭の採用試験の倍率は何倍ですか。
A. 令和7年度採用選考(令和6年度実施)の全国の数字は9.9倍です。受験者1,612人に対して採用者163人でした。

Q. この倍率は「合格の難しさ」と同じですか。
A. 資料の定義は「受験者数÷採用者数」で、合格者数ではなく採用者数で割っています。採用者数には、過年度の採用選考に合格し、令和7年度から採用された人も含まれます。

Q. 養護教諭と比べて倍率は高いですか。
A. 同じ年度の養護教諭は8.2倍(受験者9,499人、採用者1,164人)で、栄養教諭の9.9倍のほうが高くなっています。6つの試験区分のなかで、栄養教諭が最も高い倍率です。

Q. どの都道府県でも栄養教諭を募集していますか。
A. 令和7年度採用選考では、県市別の表で栄養教諭の欄が空欄の県市が17ありました。空欄は、募集がなく採用選考を実施していない試験種、と注記されています。

Q. 新卒でも採用されていますか。
A. 栄養教諭の採用者163人のうち、新規学卒者は41人(25.2%)です。採用率は、新規学卒者が6.7%、既卒者が12.2%でした。

迷ったらここ

受ける県市の募集と採用数を先に確かめる

栄養教諭の採用倍率は全国で9.9倍です。採用者数が数字で載っている49県市のうち36県市は採用が3人以下で、栄養教諭の欄が空欄の県市も17あります。

  • 受けたい県市で栄養教諭の選考があるか
  • 前年度の採用者数が1人か複数か
  • 県と指定都市が合同で選考しているか
栄養士の転職サービスを比較する

まとめ

令和7年度採用選考(令和6年度実施)で、栄養教諭の競争率(採用倍率)は9.9倍でした。受験者1,612人に対して採用者163人で、6つの試験区分のなかで最も高く、前年度の9.2倍から上がっています。全体の倍率が2.9倍と過去最低まで下がるなかで、逆の動きです。

倍率は受験者数÷採用者数で、採用者数は平成30年度の254人から減ってきました。県市別では、採用者数が数字で載っている49県市のうち36県市が3人以下で、栄養教諭の欄が空欄の県市が17あります。

採用された人の74.8%は既卒者で、教職経験者は81人でした。受ける県市の募集の有無と、前年度の採用者数を先に確かめておくと、倍率の数字の意味が読みやすくなります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

医療・福祉・保育の人材紹介の現場で求職者の相談を受けてきた編集者が担当しています。キャリアアドバイザー歴8年、転職相談・紹介の対応実績1,500人以上(自社実績/2026年8月時点)。介護・看護師・保育士・栄養士の4分野を担当。記事の数値には必ず出典と公表時点を添えています。

目次