ホームヘルパーとは|正式名称は「訪問介護員」。なる方法は3つ、そのうち最短は4か月です

ホームヘルパーの正式名称は訪問介護員(介護)
目次

30秒でわかるまとめ

  • ホームヘルパーになる方法は3つあります介護福祉士か、初任者研修(おおむね8か月)か、生活援助従事者研修(おおむね4か月)の修了が必要です
  • 「ホームヘルパー」という法令上の名称はありません介護保険法が使う言葉は「訪問介護員」で、居宅で入浴・排せつ・食事等の世話を行う人を指します
  • 訪問介護員の半数は、すでに介護福祉士です520,612人のうち介護福祉士が260,274人で50.0%。初任者研修修了者の37.5%を上回ります
  • 訪問介護は月給で上回っても、年収では下回ります月給は訪問介護が3,900円高いのに、年収は6.1万円低く、原因は賞与の差108,100円です
タブレット説明(訪問介護)

まず名前から:制度上は「訪問介護員」です

求人サイトでは「ホームヘルパー」「訪問介護員」「訪問ヘルパー」「登録ヘルパー」など複数の呼び方が混在しています。制度の側から整理すると、こうなります。

呼び名使われる場面法令上の扱い
ホームヘルパー求人票、一般的な通称法令上の名称ではない
訪問介護員介護保険法、指定基準の省令「訪問介護員等」として資格要件・員数が定められている
登録ヘルパー雇用形態を指す通称法令上の区分ではない(勤務形態の呼び名)
サービス提供責任者事業所内の役職指定基準の省令に配置義務あり

介護保険法 第8条第2項は、訪問介護をこう定義しています。「居宅要介護者について、その者の居宅において介護福祉士その他政令で定める者により行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって、厚生労働省令で定めるもの」。

ここで押さえるべきは「介護福祉士その他政令で定める者により行われる」という部分です。誰でもできる仕事ではなく、法令が定めた資格・研修を満たした人しか担当できません。次の章がその中身です。

資格取得ノート

訪問介護員として働く人の移動時間や待機時間の扱いは、国の通達が別に示しています。訪問介護の移動時間に給料は出るか|通達は、条件つきで労働時間に当たるとしていますで扱っています。

なる方法は3つだけ。省令に書いてあります

介護保険法施行令 第3条が「政令で定める者」を定め、介護保険法施行規則 第22条の23が研修の課程を定めています。整理するとこうです。

ルート内容修業年限根拠
①介護福祉士国家資格—介護保険法 第8条第2項
②介護職員初任者研修課程都道府県知事が行う研修、または都道府県知事が指定した介護員養成研修事業者の研修おおむね8か月以内施行令 第3条第1項第1号/施行規則 第22条の23、第22条の27第1項第1号
③生活援助従事者研修課程同上おおむね4か月以内施行令 第3条第1項第1号/施行規則 第22条の23、第22条の27第1項第2号

研修を修了すると、都道府県知事または介護員養成研修事業者から修了した旨の証明書が交付されます(施行令 第3条第1項第1号)。この証明書が資格の証になります。

もう1点、実務的に重要なことがあります。講義は通信の方法で行うこともできます。施行規則 第22条の27第2項が、その場合の基準(添削指導・面接指導による適切な指導、面接指導に適当な講義室と演習室の確保など)を定めています。働きながら取ることを想定した設計になっているということです。

「最短4か月」と書いたのは③生活援助従事者研修課程のことですが、ここには重要な違いがあります。名前のとおり「生活援助」の研修です。②の初任者研修とは想定されている業務の幅が異なるため、どちらを取るかは働き方によって変わります。求人票の資格要件がどちらを求めているかを、応募前に確認してください。

セミナー受講

「ホームヘルパー2級」を持っている人はどうなるのか

2013年より前に取得した「ホームヘルパー1級」「ホームヘルパー2級」「介護職員基礎研修」は、現在の制度に読み替えられています。

介護保険法施行規則の改正附則は、旧・介護職員基礎研修課程、一級課程、二級課程を修了して証明書の交付を受けている者は、介護職員初任者研修課程を修了した者とみなすと定めています。

  • ホームヘルパー2級 → 介護職員初任者研修課程の修了者とみなされる
  • 取り直しは不要。証明書があれば有効
  • ただし名称は「初任者研修修了者」に変わっているため、履歴書の書き方や求人票の資格要件は現行名称で確認する必要がある

実際の統計にも、この経過措置を経た人が残っています。訪問介護に従事する人のうち、旧ホームヘルパー1級研修課程修了者が9,640人、旧介護職員基礎研修課程修了者が4,890人(令和6年10月1日現在)。旧制度の資格で現役の人が、いまも1万人以上います。

旧2級や初任者研修を修了した人が実務者研修を受けるとき、受講時間数は通知で320時間とされています。免除の範囲と費用の制度は介護福祉士の実務者研修の費用|受講料は施設が決め、国が定めているのは450時間と免除の範囲ですで扱っています。

実際に働いている人の内訳:半数は介護福祉士です

制度の説明だけでは、現場の実像は見えません。厚生労働省の介護サービス施設・事業所調査から、訪問介護に従事する人の資格別内訳を示します。

資格・研修人数訪問介護員全体に占める割合
介護福祉士260,274人50.0%
初任者研修修了者195,307人37.5%
実務者研修修了者40,539人7.8%
旧ホームヘルパー1級研修課程修了者9,640人1.9%
旧介護職員基礎研修課程修了者4,890人0.9%
生活援助従事者研修修了者1,573人0.3%
訪問介護員 総数520,612人—

出典:厚生労働省「令和6(2024)年介護サービス施設・事業所調査の概況」表6 職種別にみた従事者数(詳細票)/令和6年10月1日現在。各資格は訪問介護員数の再掲であり、合計は総数と一致しません。割合は編集部算出

半数が介護福祉士です。「初任者研修から入る仕事」というイメージがありますが、現場の実態としては国家資格保有者が最大勢力になっています。初任者研修は入口であって、そこに留まる職種ではないということです。

一方で生活援助従事者研修修了者は1,573人(0.3%)にとどまります。最短4か月というルートは、実際にはあまり使われていません。この数字は覚えておく価値があります。

同じ居宅サービスには、用具を貸す事業もあります。厚生労働大臣が定めるものだけが貸与の対象になることと、入浴・排せつの用具が販売の側にある書き方は福祉用具貸与とは|借りたものが戻ってくる前提で、省令は書かれていますで扱っています。

働く場所は37,264事業所。ただし1事業所の人数は多くありません

訪問介護事業所の数と、事業所の体制について、法令が定めている最低ラインを確認します。

項目基準根拠
訪問介護員等の員数常勤換算方法で2.5以上指定居宅サービス等基準 第5条第1項
サービス提供責任者利用者40人またはその端数を増すごとに1人以上(常勤の訪問介護員等のうちから)同 第5条第2項
サービス提供責任者の緩和常勤のサービス提供責任者を3人以上配置し、業務に主として従事する者を1人以上配置し、業務が効率的に行われている場合は利用者50人ごとに1人同 第5条第5項
サービス提供責任者の資格介護福祉士その他厚生労働大臣が定める者で、専ら訪問介護に従事する者同 第5条第4項
管理者事業所ごとに専従の常勤者1人(管理上支障がなければ他の職務との兼務可)同 第6条

事業所数は37,264事業所(令和6年10月1日現在、前年比359事業所・1.0%増)。訪問介護員は520,612人ですから、1事業所あたりおよそ14人の計算になります(編集部算出)。ただしこれは登録ヘルパーを含む実人員での割り算であり、常勤換算の人数ではありません。

ここで押さえておきたいのは、法令が求める最低ラインが「常勤換算2.5人」しかないことです。小さな事業所が成り立つ制度設計になっています。求人を見るときは、事業所の規模と常勤・非常勤の比率を確認してください。サービス提供責任者の具体的な業務はサービス提供責任者の仕事内容|省令が定める8つの業務で扱っています。

同じ訪問介護の事業所の中でも、サービス提供責任者は別の職種として集計されています。訪問介護員との月額の差と、その差が基本給・手当・一時金のどこに出ているのかはサービス提供責任者の年収|月収は訪問介護員より2万3,524円高いですで扱っています。

給与:月給は施設介護より高く、年収では逆転されます

賃金構造基本統計調査には「訪問介護従事者」という職種区分があります。施設で働く「介護職員(医療・福祉施設等)」と並べると、はっきりした特徴が出ます。

項目訪問介護従事者介護職員(医療・福祉施設等)差
平均年齢51.2歳45.3歳+5.9歳
平均勤続年数8.8年9.0年−0.2年
所定内実労働時間数163時間/月162時間/月+1時間
超過実労働時間数6時間/月4時間/月+2時間
きまって支給する現金給与額281,600円277,700円+3,900円
所定内給与額267,300円262,900円+4,400円
年間賞与その他特別給与額439,700円547,800円−108,100円
労働者数83,920人1,165,930人—
推計年収(編集部試算)381.9万円388.0万円−6.1万円

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(職種)第1表/企業規模計(10人以上)/男女計/産業計。推計年収の計算式:きまって支給する現金給与額 × 12か月 + 年間賞与。この調査は年収を直接公表していないため、編集部の試算です

月々の給与は訪問介護のほうが高い。きまって支給する現金給与額で3,900円、所定内給与額で4,400円上回ります。それなのに年収では6.1万円下回ります。理由は年間賞与の差108,100円です。

賞与を所定内給与額で割ると差がはっきりします。

  • 訪問介護従事者:439,700円 ÷ 267,300円 = 1.64か月分
  • 介護職員(施設等):547,800円 ÷ 262,900円 = 2.08か月分

0.44か月分の差があります。訪問介護は月給で見ると悪くない一方、賞与の水準が低い。求人票の月給だけを比べると判断を誤ります。

経験年数別に見ると、伸び方の緩さも見えてきます。

経験年数所定内給与額年間賞与前の階級からの差
0年235,700円76,900円—
1〜4年257,700円394,100円+22,000円
5〜9年266,100円424,100円+8,400円
10〜14年265,200円444,000円−900円
15年以上278,800円517,300円+13,600円

出典:同調査(職種)第14表 職種(小分類)、性、経験年数階級別/企業規模計(10人以上)/男女計

5〜9年から10〜14年で、所定内給与は900円下がります。0年から15年以上までの伸びは43,100円で、率にすると18.3%(編集部算出)。長く続けても賃金が大きくは動かない構造です。

生活援助でできること・できないことの具体的な範囲は、この記事では扱っていません。省令が禁じている2つと、介護保険の対象外というだけで保険外なら頼めるものの区別は訪問介護でできないこと|省令の禁止は2つ、あとは保険外で頼めますで扱っています。

この仕事を検討するときに確認できること

1. 求人票が求める資格が②か③かを見る

初任者研修(おおむね8か月以内)と生活援助従事者研修(おおむね4か月以内)では、想定される業務の幅が違います。「無資格可(研修費用負担あり)」の求人なら、どちらの研修を受けさせてもらえるのかを確認してください。

2. 賞与の月数を必ず聞く

統計上、訪問介護の賞与は所定内給与額の1.64か月分です。これを下回るなら平均より低い水準にあたります。月給が高くても、賞与で年収が変わります。

3. 常勤か登録(非常勤)かで待遇が変わることを前提にする

法令が求める員数は常勤換算2.5以上で、常勤の人数そのものは決まっていません。「登録ヘルパー」は法令上の区分ではなく雇用形態の通称です。募集がどちらなのかを最初に確認してください。

4. 事業所のサービス提供責任者の人数を聞く

サービス提供責任者は利用者40人ごとに1人が原則です。この人数から、その事業所の利用者規模が逆算できます。サ責が1人なら利用者は40人前後、3人以上いれば緩和規定を使える規模かもしれません。

5. 介護福祉士を取ることを前提に考える

訪問介護員の50.0%はすでに介護福祉士です。サービス提供責任者になるにも介護福祉士(その他厚生労働大臣が定める者)である必要があります。初任者研修は入口で、その先の段は制度上はっきり用意されています。介護福祉士のさらに先については介護福祉士とケアマネの違いで扱っています。

なお、訪問介護の事業所には、記録を整えて介護報酬の請求を担う事務の仕事もあります。請求が「審査した上、支払う」ものであることと、記録の保存義務については介護事務の仕事内容|6種類の記録を2年保存することが請求の土台ですで扱っています。

なお、同じ居宅サービスでも、福祉用具貸与は入口の作りが違います。8つの国家資格保有者がそのまま該当し、専用の講習は9番目という構造は福祉用具専門相談員とは|なれる道は9通り、うち8つは別の資格ですで扱っています。

よくある質問

Q. ホームヘルパー2級は今も使えますか?

A. 使えます。介護保険法施行規則の改正附則により、旧二級課程を修了して証明書の交付を受けている者は、介護職員初任者研修課程を修了した者とみなされます。取り直しは不要です。ただし現在の名称は「介護職員初任者研修修了」なので、履歴書や応募書類は現行名称で記載するのが確実です。

Q. 無資格でホームヘルパーになれますか?

A. 訪問介護の業務は、介護保険法 第8条第2項により「介護福祉士その他政令で定める者」が行うものとされています。政令で定める者は、介護職員初任者研修課程または生活援助従事者研修課程の修了者です(介護保険法施行令 第3条)。したがって、無資格・未修了のまま訪問介護に従事することはできません。「無資格可」の求人は、入職後に研修を受けさせる前提のものと考えられます。応募前に確認してください。

Q. 施設の介護職員と訪問介護、どちらが稼げますか?

A. 統計上は月給では訪問介護が高く(きまって支給する現金給与額で3,900円上)、年収では施設が高い(6.1万円上)という関係です。差を生んでいるのは年間賞与108,100円の開きで、賞与月数は1.64か月分対2.08か月分です。ただし訪問介護従事者の平均年齢は51.2歳と施設の45.3歳より5.9歳高く、この比較には年齢構成の違いが含まれています。

迷ったらここ

「無資格可」の求人は、どちらの研修を受けさせてもらえるかまで聞く

訪問介護員になれるのは介護福祉士か、初任者研修(おおむね8か月以内)か、生活援助従事者研修(おおむね4か月以内)の修了者だけ。現場の50.0%は介護福祉士です。

  • 受けられるのは初任者研修か生活援助従事者研修か(費用は誰が負担するか)
  • 賞与は所定内給与の何か月分か(訪問介護の統計値は1.64か月分)
  • 常勤は何人で、サービス提供責任者は何人か(下限は常勤換算2.5)
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まとめ

  • 「ホームヘルパー」は通称。法令上は訪問介護員(介護保険法 第8条第2項)
  • なる方法は3つ——介護福祉士/介護職員初任者研修課程(おおむね8か月以内)/生活援助従事者研修課程(おおむね4か月以内)
  • 講義は通信の方法でも可(施行規則 第22条の27第2項)。働きながら取ることが想定されている
  • ホームヘルパー2級は初任者研修修了者とみなされる。取り直し不要
  • 訪問介護員520,612人のうち介護福祉士が50.0%、初任者研修修了者が37.5%。生活援助従事者研修修了者は0.3%にとどまる
  • 事業所は37,264か所。法令上の最低ラインは常勤換算2.5人、サービス提供責任者は利用者40人ごとに1人
  • 給与は月給で施設介護を上回り、年収では6.1万円下回る。原因は年間賞与の差108,100円(1.64か月分対2.08か月分)

ホームヘルパーを目指すなら、最初に決めるのは「初任者研修か生活援助従事者研修か」です。統計を見るかぎり、現場で標準になっているのは前者であり、その先には介護福祉士が待っています。

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この記事を書いた人

医療・福祉・保育の人材紹介の現場で求職者の相談を受けてきた編集者が担当しています。キャリアアドバイザー歴8年、転職相談・紹介の対応実績1,500人以上(自社実績/2026年8月時点)。介護・看護師・保育士・栄養士の4分野を担当。記事の数値には必ず出典と公表時点を添えています。

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