栄養士の年収404.0万円は「平均」です|半数は所定内25万9,400円以下。分布で見た本当の位置

栄養士の年収は半数が25万9,400円以下(栄養士)
目次

30秒でわかるまとめ

  • 栄養士の平均年収は404.0万円です厚生労働省の令和7年調査で、月給278,800円と年間賞与694,700円から算出した金額です
  • 半数の栄養士は25万9,400円以下で働いています所定内給与の中央値は25万9,400円で、平均26万6,900円を7,500円下回ります
  • 経験10年前後は、給与がほとんど上がりません所定内給与は5〜9年の25万5,300円から10〜14年の25万7,700円までしか伸びていません
  • 月給30万円の求人は、上位2割の水準に入ります所定内給与30万円以上は全体の21.7%のみで、40万円以上は3.1%、60万円以上は0人でした

※この記事は「分布」の話です。平均値そのものの内訳(年齢別・企業規模別・男女差)は管理栄養士の年収はいくらか|公的統計の平均は404.0万円で扱っています。あわせてお読みください。

トマトをチェックする(栄養士)

仕事の中身のほうも、職種名だけでは決まりません。働く施設ごとに根拠になる法令が変わることは栄養士の仕事内容|法律が書いているのは一文だけですで扱っています。

まず前提:この統計の「栄養士」に管理栄養士も入っています

厚生労働省の賃金構造基本統計調査(職種)には140の職種小分類があります。そこにあるのは「栄養士」ひとつだけで、「管理栄養士」という区分はありません。

項目栄養士
平均年齢38.9歳
平均勤続年数9.4年
所定内実労働時間数162時間/月
超過実労働時間数6時間/月
きまって支給する現金給与額278,800円
所定内給与額266,900円
年間賞与その他特別給与額694,700円
労働者数105,330人
推計年収(編集部試算)404.0万円

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(職種)第1表/企業規模計(10人以上)/男女計/産業計

推計年収の計算式:278,800円 × 12か月 + 694,700円 = 4,040,300円

正確に書いておきます。この調査は「年収」を直接公表していません。公表されているのは月額の給与と年間賞与で、404.0万円は月額を12倍して賞与を足した編集部の試算です。そしてこの105,330人には管理栄養士も栄養士も両方が入っています。資格別に分けた数字は公表されていません。

ここまでは平均値の話です。この記事の本題は次からです。

食費管理の食材とメモ

ここが本題:真ん中の人は25万9,400円です

賃金構造基本統計調査には、平均値だけでなく分布特性値を公表した表があります(第17表)。所定内給与額を低い順に並べたとき、どの位置にいくらの人がいるかを示すものです。

位置所定内給与額意味
第1・十分位数203,500円下から10%の人がこの額以下
第1・四分位数226,300円下から25%の人がこの額以下
中位数(中央値)259,400円ちょうど真ん中。半数がこの額以下
(参考)平均値266,900円全員の合計を人数で割った額
第3・四分位数294,700円上から25%の人がこの額以上
第9・十分位数339,900円上から10%の人がこの額以上

出典:同調査(職種)第17表 職種(小分類)、所定内給与額階級別労働者数及び所定内給与額の分布特性値/企業規模計(10人以上)/男女計。平均値は第1表の所定内給与額

中位数259,400円に対して、平均値は266,900円。差は7,500円です。平均が中位数より高いということは、分布が上に長く伸びている——つまり高い側の一部が平均を押し上げていることを意味します。

実感に近いのは中位数のほうです。「平均404.0万円」と聞いて自分の給与を下回ると感じるなら、それは珍しいことではありません。半数がそちら側にいます。

もうひとつ、幅を見てください。第1・四分位数226,300円から第3・四分位数294,700円まで、その差は68,400円。栄養士の真ん中の50%はこの範囲に入っています。求人票の金額がこの帯のどこにあるかで、自分の位置がわかります。

厨房に立つシェフ

働く場所を保育所に絞った数字は別の調査にあり、私立保育所の常勤の栄養士の給与月額(賞与込み)は338,336円です。調理員との差とあわせて 保育園栄養士の年収|私立の常勤は賞与込み月額338,336円、12か月分で406.0万円ですで扱っています。

金額ごとの人数を並べると、山の形が見えます

同じ表から、所定内給与額の階級別の人数を出しました。

所定内給与額人数割合累積
20万円未満8,460人8.0%8.0%
20万〜21万9,999円12,230人11.6%19.6%
22万〜23万9,999円15,550人14.8%34.4%
24万〜25万9,999円16,900人16.0%50.5%
26万〜27万9,999円17,210人16.3%66.8%
28万〜29万9,999円12,140人11.5%78.3%
30万〜31万9,999円8,030人7.6%85.9%
32万〜33万9,999円4,310人4.1%90.0%
34万〜35万9,999円3,720人3.5%93.6%
36万〜39万9,999円3,560人3.4%96.9%
40万円以上3,220人3.1%100.0%

出典:同調査 第17表より編集部が集計(原単位は「十人」。人数に換算。割合は労働者数105,330人に対する比率。四捨五入の関係で合計は100.0%にならないことがあります)

読み取れることが3つあります。

1. もっとも人数が多い帯は26万〜27万9,999円(16.3%)。その次が24万〜25万9,999円(16.0%)。この2つの帯だけで32.3%を占めます。栄養士の給与は、この付近に強く集まっています。

2. 30万円以上は21.7%です。逆に言えば78.3%が30万円未満。月給30万円の求人は、栄養士の統計上、上位2割ほどの水準にあたります。

3. 40万円以上は3.1%しかいません。そして最も高い階級でも55万〜59万9,999円までで、60万円以上は0人でした。この職種には「跳ねる上位層」がほとんど存在しません。医師や管理職のように上が青天井の職種とは、分布の形が違います。

公立学校の栄養教諭は、別の統計に給料月額の帯ごとの割合があり、35万円以上40万円未満の層が一番厚い形です。栄養教諭の年収の手がかり|公立小の給料月額318,900円は、教諭より11,300円高いで扱っています。

もっと重要なのは「10年間ほぼ上がらない」ことです

経験年数別のデータを見ると、この職種の賃金の動き方がはっきりします。

経験年数所定内給与額年間賞与前の階級からの差労働者数
0年232,200円125,700円—6,920人
1〜4年246,000円587,200円+13,800円24,340人
5〜9年255,300円722,900円+9,300円21,660人
10〜14年257,700円702,000円+2,400円14,300人
15年以上296,500円847,900円+38,800円38,120人

出典:同調査(職種)第14表 職種(小分類)、性、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額/企業規模計(10人以上)/男女計

5〜9年から10〜14年への伸びは2,400円です。1〜4年で13,800円、5〜9年で9,300円と伸びてきたペースが、ここでほぼ止まります。

この階級は経験5年から14年まで、およそ10年分の幅を含んでいます。その間の所定内給与の差が2,400円ということは、栄養士として中堅になっていく時期に、給与がほとんど動かないということです。しかも10〜14年の年間賞与702,000円は、5〜9年の722,900円を下回っています。

そして15年以上で38,800円跳ねます。0年の232,200円から15年以上の296,500円まで、伸びは64,300円(27.7%)。上がることは上がりますが、その大半は15年目以降にまとめて来る構造です。

この形は、先ほど見た分布とも符合します。中位数259,400円は、ちょうど経験10〜14年の257,700円のすぐ上にあります。栄養士の「真ん中」とは、実務経験10年前後で給与が横ばいになっている人たちのことです。

同じ調査には、調理の職種も別の区分で載っています。統計に調理師という区分が無いことと、年収換算の差が年間賞与に寄っていることは調理師の年収379.1万円|統計の区分は「飲食物調理従事者」ですで扱っています。

他の職種と分布で比べると、位置がわかります

同じ第17表から、近い職種の中位数を並べました。

職種第1・四分位数中位数第3・四分位数四分位の幅
看護師278,800円321,500円376,700円97,900円
介護支援専門員(ケアマネージャー)257,300円289,900円334,500円77,200円
准看護師238,200円269,900円312,200円74,000円
保育士232,700円269,800円314,400円81,700円
幼稚園教員,保育教諭232,500円268,600円318,000円85,500円
訪問介護従事者226,800円262,300円299,100円72,300円
栄養士226,300円259,400円294,700円68,400円
介護職員(医療・福祉施設等)220,200円255,600円298,000円77,800円
看護助手193,400円215,700円247,000円53,600円

出典:同調査 第17表/企業規模計(10人以上)/男女計。四分位の幅は第3・四分位数から第1・四分位数を引いた編集部算出値

栄養士の中位数259,400円は、この並びで下から2番目です。保育士(269,800円)より10,400円低く、看護師(321,500円)より62,100円低い。介護職員(255,600円)を3,800円上回るところに位置しています。

もうひとつ注目してほしいのは四分位の幅68,400円で、比較した中で最も狭いことです(看護助手の53,600円を除く)。栄養士は、職種の中で給与のばらつきが小さい——言い換えれば頑張っても上に抜けにくいということです。看護師の97,900円と比べると、上下の開きは3分の2程度しかありません。

勤務先を介護施設に絞ると、参照する統計そのものが変わります。介護報酬の調査に出てくる管理栄養士・栄養士の月額と、その内訳は介護施設の栄養士の年収|基本給は介護職員より2万1,760円高いですで扱っています。定義が違うため、この記事の金額と直接引き算はできません。

いまの職場を離れるかどうかを考えている場合は、手続の側から確かめられることもあります。申し入れから終了までの期間や、退職時に請求できるものは栄養士を辞めたいとき|法律が用意しているのは4つですで扱っています。

この数字を求人選びにどう使うか

1. 「平均404.0万円」ではなく中位数と比べる

比べる相手を平均値にすると、半数の人が「平均以下」になります。提示された基本給が259,400円を上回るかどうかを最初の物差しにしてください。上回れば上位半分、下回れば下位半分です。

2. 四分位で自分の位置を確認する

226,300円を下回るなら下位25%、294,700円を上回るなら上位25%の水準です。この2つの数字を覚えておけば、求人票を見た瞬間に位置がわかります。

3. 「経験を積めば上がる」を鵜呑みにしない

統計上、経験5〜9年と10〜14年の差は2,400円です。「長く勤めれば上がります」という説明を受けたら、何年目にいくら上がるのかを具体的に確認してください。昇給表があるかどうかを聞くだけでも、その職場の姿勢がわかります。

4. 賞与の金額を年額で確認する

統計上の年間賞与は694,700円で、推計年収404.0万円の約17%にあたります。経験年数別に見ると0年は125,700円、1〜4年で587,200円と、初年度の賞与は大きく下がります。入職1年目の年収を計算するときは、賞与を満額で見込まないでください。

5. 職域を変えることを検討材料に入れる

栄養士が働く場は病院、介護施設、保育所、学校、給食受託会社、行政などに分かれます。ただし職域別の年収を示す全国統計はこの調査にはありません。求人票で個別に比べる必要があります。実際の1日の流れは病院栄養士の1日の仕事内容で確認できます。また特定保健指導のように、管理栄養士でなければ実施者になれない業務もあります。資格を取ることの意味は、金額だけでは測れません。

なお、給食受託会社で働く場合、現場の人数は法律ではなく契約で決まります。受託者に課された基準に人数の下限が入っていないことは給食委託がきついとき|受託者の基準13項目に、人数の下限はありませんで条文から確認できます。

なお、その栄養士免許を取るまでの制度には国家試験がありません。審査が学校の側にかかっている構造は栄養士になるには試験がありません|国が決めているのは学校側の19項目ですで扱っています。

よくある質問

Q. 平均404.0万円と中位数259,400円は、どちらが正しいのですか?

A. どちらも正しい数字で、比べているものが違います。404.0万円は年収の推計値(月額を12倍して賞与を足したもの)で、259,400円は所定内給与額の月額の中央値です。単位も期間も違うため直接は比べられません。この記事で示したかったのは「平均値(266,900円)と中位数(259,400円)を同じ所定内給与額で比べると7,500円の差がある」という点です。分布が上に伸びているため、平均は真ん中より高く出ます。

Q. 栄養士と管理栄養士で年収は違いますか?

A. 資格別に分けた公的統計はありません。賃金構造基本統計調査の職種区分は「栄養士」ひとつで、105,330人の中に両方が含まれています。したがって「管理栄養士の平均年収は◯◯万円」という数字も、この統計からは取れません。詳しくは管理栄養士の年収はいくらかで説明しています。求人票の資格手当の額を個別に確認するのが確実です。

Q. 年収を上げるには何年目が勝負ですか?

A. 統計が示しているのは「5〜9年から10〜14年で2,400円しか動かず、15年以上で38,800円跳ねる」という形です。横ばいの期間が10年近くあるということなので、その間に条件を変えたいなら転職や職域変更を検討する時期にあたります。ただしこれは各年齢・各経験年数の人を同時点で比べた横断データであり、特定の個人の給与推移を追跡した数字ではありません。

迷ったらここ

提示された基本給を、226,300円・259,400円・294,700円の3点と照らす

所定内給与額の中位数は259,400円。平均266,900円より低く、半数はこの額以下です。3つの数字を覚えておけば、その求人が全体のどこにあるかがすぐ分かります。

  • 提示された基本給は259,400円を上回るか(上回れば上位半分)
  • 226,300円を下回っていないか(下回れば下位25%の水準)
  • 昇給表はあるか(経験5〜9年から10〜14年の統計上の差は2,400円)
栄養士の転職サービスを比較する

まとめ

  • 栄養士の平均年収404.0万円は平均値。所定内給与額の中位数は259,400円で、平均266,900円より7,500円低い
  • 真ん中の50%は226,300円〜294,700円。30万円以上は21.7%、20万円未満は8.0%
  • もっとも人数が多いのは26万〜27万9,999円(16.3%)。40万円以上は3.1%で、60万円以上は0人
  • 経験5〜9年(255,300円)と10〜14年(257,700円)の差は2,400円。10年近くほぼ動かない
  • 伸びるのは15年以上(296,500円)から。0年からの伸びは64,300円・27.7%で、その大半が15年目以降
  • 四分位の幅68,400円は比較した職種で最も狭い。上に抜けにくい職種である
  • 統計上の「栄養士」に管理栄養士も含まれる。資格別の公的統計は存在しない

栄養士の求人を見るときに覚えておく数字は3つで足ります。226,300円、259,400円、294,700円。この3点と提示額を照らせば、その求人が全体のどこにあるかが即座にわかります。

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この記事を書いた人

医療・福祉・保育の人材紹介の現場で求職者の相談を受けてきた編集者が担当しています。キャリアアドバイザー歴8年、転職相談・紹介の対応実績1,500人以上(自社実績/2026年8月時点)。介護・看護師・保育士・栄養士の4分野を担当。記事の数値には必ず出典と公表時点を添えています。

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