サービス提供責任者の年収|月収は訪問介護員より2万3,524円高いです

目次

30秒でわかるまとめ

  • サービス提供責任者の平均月収は26万3,280円です介護労働安定センターの令和7年度介護労働実態調査で、回答した1,322人の平均月収です
  • 訪問介護員とは差が開き、次の職種とはほぼ並びます訪問介護員より23,524円高い一方、介護支援専門員との差はわずか3,330円しかありません
  • サ責が高いのは、長く勤め長く働いているからでもあります同じ調査で比べると、サ責の勤続10.2年は7職種で最長。週の残業も2.5時間で2番目に多いです
  • この月収に賞与や残業代は含まれていません毎月決まって支給される手当は含む一方、賞与・残業代・休日出勤手当は除いた金額として集計されています

※サ責の業務と配置基準(省令が定める8業務、利用者40人に1人)はサービス提供責任者の仕事内容|省令が定める8業務と、利用者40人に1人、訪問介護員の資格と賃金構造基本統計調査による年収は訪問介護員とは|50.0%が介護福祉士、なる方法は3つで最短4か月で扱っています。この記事は、サ責の区分を持つ調査の数字だけを扱います。

介護施設のシーン(サ責)

先に前提:サ責の区分を持つ統計は限られます

「サービス提供責任者の年収」を調べると数字が見つかりにくいのは、統計の側に理由があります。

調査サービス提供責任者の区分
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)なし。職種小分類に「サービス提供責任者」は置かれていない
介護従事者処遇状況等調査(厚生労働省)なし。職種は介護職員・看護職員・生活相談員・PT等・介護支援専門員・事務職員・調理員・管理栄養士/栄養士の8区分
介護労働実態調査(介護労働安定センター)あり。訪問介護員・介護職員・サービス提供責任者・生活相談員・看護職員・PT/OT/ST等・介護支援専門員の7区分

出典:各調査の職種区分を編集部が確認。介護労働実態調査は厚生労働省が介護労働安定センターに行わせている調査です

そこで本記事は、令和7年度 介護労働実態調査(労働者調査)の数字を使います。読む前に、この調査の「平均月収」の定義を確認してください。

平均月収は、賞与・残業代・休日出勤手当を除き、交通費等毎月決まって支給される各種手当を含む賃金額(税込み)です。対象は賃金支払形態が月給の人に限られます。

2つ、先に断ります。

1つめ。これは月額であって年収ではありません。賞与が含まれていないので、12を掛けても年収にはなりません。本記事では年収の試算をしません。

2つめ。残業代が含まれていません。後で見るとおりサ責の残業時間は上位なので、実際の支給額との差はその分だけ生じます。

チェックリストと電卓

ここが本題:7職種の中でサ責は3番目です

令和7年度調査の職種別の平均月収を、高い順に並べます。

職種回答労働者数平均月収(通常月・税込み)
看護職員1,493人293,318円
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等431人281,174円
サービス提供責任者1,322人263,280円
介護支援専門員1,983人259,950円
生活相談員854人252,994円
介護職員4,233人239,855円
訪問介護員1,721人239,756円

出典:公益財団法人介護労働安定センター「令和7年度 介護労働実態調査」(労働者調査)図表4-1-1。高い順に編集部が並べ替えた。全体の平均月収と前年比は介護職を辞めたいと思ったらで扱っています

差を計算します。

比較差
サービス提供責任者 - 訪問介護員23,524円(サ責が高い)
サービス提供責任者 - 介護職員23,425円(サ責が高い)
サービス提供責任者 - 介護支援専門員3,330円(サ責が高い)
介護職員 - 訪問介護員99円

出典:同調査より編集部が算出

読みどころが2つあります。

1つめ。介護職員と訪問介護員の差は99円しかありません。働く場所が施設か在宅かでは、この調査の平均月収はほとんど動いていません。

2つめ。サ責と介護支援専門員の差は3,330円です。訪問介護員との23,524円に比べると、はるかに小さい。サ責の月収は、訪問介護員の延長線上ではなく、ケアマネジャーと同じあたりに位置しています。

なお、サービス提供責任者の対前年増加率は2.5%で、令和5年度からの年平均増加率は2.4%です。

増える貯金

負担の中身も、金額とは別に確かめられます。省令が義務を負わせている相手がサ責なのか事業者なのかという線引きはサービス提供責任者がきついとき|省令が義務を負わせている相手は誰かで扱っています。

金額だけを見ると、読み違えます

23,524円という差を「サ責になれば手取りが2万円増える」と読むのは早すぎます。同じ調査は、勤続年数と労働時間も職種別に出しています。

平均勤続年数は7職種で最長

職種平均勤続年数
サービス提供責任者10.2年
生活相談員9.5年
介護支援専門員9.2年
介護職員8.5年
訪問介護員8.4年
看護職員7.1年
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等6.8年

出典:同調査 図表15-1-1「職種別・今働いている法人での勤続年数」(n=20,675)。長い順に編集部が並べ替えた

サ責は10.2年で最長です。訪問介護員の8.4年との差は1.8年。同じ調査の中で、サ責はいちばん長く同じ法人にいる人たちの平均だということになります。

労働時間と残業時間は、どちらも2番目に長い

職種1週間の平均労働時間1週間の平均残業時間
生活相談員40.6時間3.0時間
サービス提供責任者39.7時間2.5時間
介護支援専門員38.7時間1.8時間
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等38.1時間2.1時間
介護職員36.8時間1.4時間
看護職員36.1時間1.7時間
訪問介護員32.8時間1.3時間

出典:同調査 図表17-2-1「職種別・1週間の労働時間」および図表17-3-1「職位別・職種別・1週間の残業時間」(いずれもn=20,675)。労働時間の長い順に編集部が並べ替えた

サ責と訪問介護員の労働時間の差は6.9時間です。残業時間は2.5時間と1.3時間で、およそ2倍の開きがあります。

ここで注意が必要です。平均月収の集計対象(月給の人、12,758人)と、労働時間・勤続年数の集計対象(20,675人)は母数が違います。そのため本記事では時間あたりの金額を計算しません。調査もその計算を公表していません。

それでも読み取れることはあります。サ責の月収が高い位置にあるのは、勤続年数が最も長く、労働時間と残業も上位だという条件とセットになっています。調査資料に因果関係の説明はないため、本記事ではそこまでで止めます。

この数字を求人選びにどう使うか

1. 提示額を263,280円と突き合わせる

この調査の定義は賞与・残業代・休日出勤手当を除き、交通費等毎月決まって支給される手当を含む金額です。求人票の「月給」がどこまでを含んでいるかを揃えてから比べてください。

2. サ責手当が別に付くかを聞く

この調査は手当の内訳を公表していません。サービス提供責任者としての手当がいくらかは、事業所に直接聞かないと分かりません。

3. 訪問介護員との差ではなく、ケアマネとの差で見る

サ責と介護支援専門員の差は3,330円です。キャリアの選択肢としてケアマネを考えている場合、この調査の平均月収で見るかぎり差は小さい。判断材料は金額以外に置く必要があります。

4. 残業の実績を時間で聞く

サ責の平均残業時間は2.5時間で、訪問介護員のおよそ2倍です。平均月収に残業代は含まれていないので、残業の実績は別に確かめてください。

5. 兼務の範囲を聞く

労働時間が長い理由はこの調査から特定できません。サ責が訪問にどれだけ入るか、管理業務との配分がどうなっているかは、事業所ごとに違います。業務の内訳はサービス提供責任者の仕事内容で扱っています。

パートで働く訪問介護員の1時間当たりの額は、国の統計の短時間労働者の表で1,787円です。求人の時給との比べ方は訪問介護の時給の相場|統計の1時間当たりは1,787円で、施設の介護職員より426円高い数字ですで扱っています。

よくある質問

Q. サービス提供責任者の平均年収はいくらですか。

A. 本記事では年収を示していません。この調査の平均月収には賞与が含まれておらず、12を掛けても年収になりません。調査自体もその計算をしていません。年収を知りたい場合は、賞与の年間支給実績を事業所に確認する必要があります。

Q. なぜ厚生労働省の統計にサ責の区分がないのですか。

A. 理由は資料に書かれていないため、本記事では推測しません。示せるのは、賃金構造基本統計調査の職種小分類と介護従事者処遇状況等調査の8職種に「サービス提供責任者」が置かれていないという事実までです。

Q. 介護福祉士の資格があると高くなりますか。

A. この調査は職種別の集計で、資格別の平均月収を公表していません。本記事では資格による差を示していません。サービス提供責任者になるための要件はサービス提供責任者の仕事内容で扱っています。

迷ったらここ

上がり幅ではなく、次の職種との差で見る

サ責の平均月収263,280円は訪問介護員より23,524円高い一方、介護支援専門員との差は3,330円です。上がってから先が近いので、金額だけで進路を決めると頭打ちの位置を見落とします。

  • 提示された月給に賞与・残業代が含まれるか(統計の263,280円は両方とも含まない)
  • サービス提供責任者としての手当はいくらか(この統計は手当の内訳を公表していない)
  • 直近の残業実績は週何時間か(統計のサ責の平均は2.5時間で訪問介護員のおよそ2倍)
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まとめ

  • サ責の区分を持つのは介護労働実態調査。賃金構造基本統計調査にも介護従事者処遇状況等調査にも区分がない
  • 令和7年度調査でサービス提供責任者の平均月収は263,280円(回答1,322人)。7職種で3番目
  • 訪問介護員(239,756円)との差は23,524円。一方介護職員(239,855円)との差は99円しかない
  • 介護支援専門員(259,950円)との差は3,330円。サ責の水準はケアマネとほぼ同じ
  • 平均勤続年数10.2年は7職種で最長。労働時間39.7時間・残業2.5時間はいずれも2番目に長い
  • 平均月収には賞与・残業代・休日出勤手当が含まれていない。月額であって年収ではない
  • 月収と労働時間は集計対象の母数が違うため、時間あたりの金額は計算していない

この職種の数字を1つだけ覚えるなら、263,280円ではなく「介護支援専門員との差3,330円」にしてください。サ責の月収は訪問介護員より2万円以上高い一方で、次の職種との差はその7分の1です。金額で選ぶなら、上がり幅より頭打ちの位置を見たほうが判断を誤りません。

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この記事を書いた人

医療・福祉・保育の人材紹介の現場で求職者の相談を受けてきた編集者が担当しています。キャリアアドバイザー歴8年、転職相談・紹介の対応実績1,500人以上(自社実績/2026年8月時点)。介護・看護師・保育士・栄養士の4分野を担当。記事の数値には必ず出典と公表時点を添えています。

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