30秒でわかるまとめ
- 小規模保育の配置基準は保育所より1人多いです1〜2歳児が12人の場合、保育所の基準は2人ですが、小規模保育は1を加えた3人が必要です。
- 職員の資格要件はA型・B型・C型で違いますA型は全員保育士、B型は半数以上が保育士、C型は家庭的保育者1人につき3人以下です。
- 小規模保育には連携施設を確保する義務があります集団保育の体験、代替保育、卒園後の受け皿という3つの連携を保育所・幼稚園等と用意します。
- 小規模だから給与が低いとは言えません保育士の推計年収は10〜99人規模で428.5万円、100〜999人規模で420.8万円です。

小規模保育とは何か:定員19人以下、原則3歳未満
児童福祉法 第6条の3第10項が定義を置いています。
| 号 | 対象 | 利用定員 |
|---|---|---|
| 第1号 | 保育を必要とする満3歳未満の乳児・幼児 | 6人以上19人以下 |
| 第2号 | 満3歳以上の保育の体制整備の状況その他の地域の事情を勘案して、保育が必要と認められる満3歳以上の児童 | 第1号の施設において |
| 第3号 | 保育を必要とする満3歳以上の児童(満三歳以上限定小規模保育事業) | 6人以上19人以下 |
実務上ほとんどを占めるのは第1号です。0歳・1歳・2歳の子どもだけを、最大19人まで預かる。これが小規模保育の基本形になります。
そして省令が3つの型に分けています(家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準 第27条)。
| 型 | 職員の資格 | 配置数 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| A型 | 全員が保育士 | 年齢別比率の合計+1 | 第29条 |
| B型 | 保育従事者(保育士、または市町村長が行う研修を修了した者)。そのうち半数以上は保育士 | 年齢別比率の合計+1 | 第31条 |
| C型 | 家庭的保育者(市町村長が行う研修を修了した保育士、または保育士と同等以上の知識・経験があると市町村長が認める者) | 家庭的保育者1人につき乳幼児3人以下。家庭的保育補助者とともに保育する場合は5人以下 | 第34条 |
C型だけは利用定員も違い、6人以上10人以下と定められています(第35条)。求人票に「小規模保育」とだけ書いてあっても、A型かB型かC型かで働き方はまったく変わります。応募前に必ず確認してください。

小規模保育の配置は、保育所の比率を土台にしています。その保育所の比率のうち3歳児と4歳以上の部分は令和6年4月に改正され、改正前の基準が効力をもつ経過措置が附則に置かれています。改正の中身と経過措置の期限は保育士の配置基準の改正|3歳児の経過措置は令和10年3月末まで、4・5歳児は「当分の間」ですで扱っています。
ここが本題:配置基準は保育所と同じ比率に「+1人」
年齢ごとの比率そのものは、保育所も小規模保育も同じです。違うのは最後の1人です。
| 年齢 | 保育所 (児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第33条第2項) | 小規模保育A型・B型 (家庭的保育事業等基準 第29条第2項・第31条第2項) |
|---|---|---|
| 乳児 | おおむね3人につき1人以上 | おおむね3人につき1人 |
| 満1歳以上満3歳未満 | おおむね6人につき1人以上 | おおむね6人につき1人 |
| 満3歳以上満4歳未満 | おおむね15人につき1人以上 | おおむね15人につき1人 |
| 満4歳以上 | おおむね25人につき1人以上 | おおむね25人につき1人 |
| 合計への加算 | なし(ただし保育所1につき2人を下れない) | 上記の合計数に「1」を加えた数以上 |
具体的に当てはめると差がはっきりします。
- 1〜2歳児が12人の場合:12 ÷ 6 = 2。保育所の基準では2人、小規模保育A型・B型では2+1=3人
- 0歳児が6人の場合:6 ÷ 3 = 2。保育所の基準では2人、小規模保育では3人
同じ人数の子どもに対して、職員が1人多い。これが小規模保育の仕事内容を規定している最大の要素です。1人分の余裕が、記録・連絡帳・保護者対応・急な体調不良への対応にどう回るかは事業所によりますが、制度としては手厚い側に設計されていることは確かです。
なお、この計算はいずれも省令の基準に当てはめた編集部の例示です。条文が「おおむね」としているとおり、実際の配置は市町村の運用や事業所の方針によって上乗せされることがあります。
もう1点、A型・B型には共通の特例があります。看護師・准看護師・保健師を、1人に限り保育士とみなすことができます(第29条第3項、第31条第3項)。0歳児を預かる現場である以上、看護職が配置されている事業所は少なくありません。

B型の保育従事者になれる「市町村長が行う研修を修了した者」が、同じ条文で保育士とどう区別されているかは子育て支援員とは|法令に「子育て支援員」の語はなく、省令が書いているのは「研修を修了した者」ですで扱っています。
保育所にない仕事:連携施設の3つの役割
小規模保育で働くうえで、保育所出身者がいちばん戸惑うのがこれです。小規模保育事業者は、連携協力を行う保育所・幼稚園・認定こども園(=連携施設)を適切に確保しなければなりません(同基準 第6条第1項)。連携の中身は3つです。
| 号 | 連携の内容 | 現場での意味 |
|---|---|---|
| 第1号 | 利用乳幼児に集団保育を体験させるための機会の設定、保育の適切な提供に必要な相談・助言その他保育の内容に関する支援 | 連携先の園に出かけて大きな集団を経験させる。保育内容の相談先になる |
| 第2号 | 必要に応じて代替保育を提供すること(職員の病気、休暇等により保育を提供できない場合に、代わって提供する保育) | 職員が休んだときのバックアップが制度として用意されている |
| 第3号 | 保育の提供の終了に際して、保護者の希望に基づき引き続き連携施設で教育・保育を提供すること | 卒園後(3歳児クラス)の受け皿。満三歳以上限定小規模保育事業を除く |
出典:家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準 第6条第1項。ただし離島その他の地域で、連携施設の確保が著しく困難であると市町村が認めるものについてはこの限りではありません(同項ただし書)
第3号がとりわけ重要です。小規模保育は原則3歳未満までなので、子どもは必ず卒園します。「3歳の壁」と呼ばれる問題に、制度としての答えが用意されているのがこの規定です。現場では、連携施設との日常的なやりとり、卒園に向けた保護者面談、進級先の情報提供が仕事に入ってきます。保育所には存在しない業務です。
第1号の集団保育体験も同様です。定員19人以下の環境では、運動会や大人数での活動が自前では成り立ちません。連携施設の行事に参加する、園庭を借りる——こうした調整が日常業務に含まれます。
こうした基準が守られているかは、小規模保育では市町村長が年度ごとに1回以上、実地で検査することになっています。保育所の場合の都道府県の検査と合わせて保育園の監査で見られること|都道府県の実地検査は、年度ごとに1回以上ですで扱っています。
設備の基準:乳児室が保育所の2倍広い
面積基準にも違いがあります。
| 区分 | 保育所 | 小規模保育A型・B型 | 小規模保育C型 |
|---|---|---|---|
| 乳児室 | 1.65㎡/人 | 乳児室又はほふく室 3.3㎡/人 | 乳児室又はほふく室 3.3㎡/人 |
| ほふく室 | 3.3㎡/人 | ||
| 保育室・遊戯室 | 1.98㎡/人(満2歳以上) | 1.98㎡/人(満2歳以上) | 3.3㎡/人(満2歳以上) |
| 屋外遊戯場 | 3.3㎡/人(満2歳以上) | 3.3㎡/人(満2歳以上) | 3.3㎡/人(満2歳以上) |
| 調理 | 調理室 | 調理設備 | 調理設備 |
出典:児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第32条/家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準 第28条・第33条。屋外遊戯場は、当該事業所の付近にある屋外遊戯場に代わるべき場所を含みます
保育所は乳児室1.65㎡とほふく室3.3㎡を分けて定めていますが、小規模保育は「乳児室又はほふく室」でまとめて3.3㎡です。0歳児1人あたりの空間は、保育所の乳児室基準の2倍にあたります。
C型はさらに広く、満2歳以上の保育室・遊戯室が3.3㎡/人。A型・B型の1.98㎡の約1.67倍です。定員6〜10人という規模と合わせて、家庭に近い環境が想定されていることが読み取れます。
調理については、保育所が「調理室」であるのに対し、小規模保育は「調理設備」です。さらに一定の要件を満たせば、連携施設や同一法人の事業所などから搬入する方法も認められています(第16条)。その場合でも、加熱・保存等の調理機能を有する設備は必要です。自園調理か搬入かで、給食まわりの仕事量は大きく変わります。
同じ基準には、子どもの家で保育をする居宅訪問型保育事業の条もあり、家庭的保育者1人が保育できるのは1人です。認可を受けずに行う場合の届出と合わせてベビーシッターに資格は必要か|法律が求めているのは、資格ではなく届出ですで扱っています。
保育時間・保育の内容は、保育所と同じ枠組み
違いばかり挙げましたが、根っこの部分は保育所と共通です。
- 保育時間は1日につき8時間を原則とし、保護者の労働時間その他家庭の状況等を考慮して事業者が定める(第24条。A型は第30条、B型は第32条で準用)
- 保育の内容は、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第35条に規定する内閣総理大臣が定める指針に「準じ」、小規模保育の特性に留意して提供する(第25条。同じく準用)
- 保護者と常に密接な連絡をとり、保育の内容等について理解と協力を得るよう努める(第26条)
- 嘱託医と調理員を置く(調理業務の全部を委託する場合、または搬入施設から食事を搬入する場合は調理員を置かないことができる)
指針は同じものを使います。「準じ」という言い方になっているのは、小規模保育の特性に合わせて読み替える余地を残すためです。保育の考え方そのものが別物になるわけではありません。保育所での経験はそのまま活きます。
同じように少人数を見る仕事でも、病児保育は配置の考え方が違います。保育士1人が受け持つ人数と、看護師等の常駐が原則とされている点は病児保育の仕事内容と1日|保育士1人が見るのは3人までですで扱っています。
※この連携施設の確保には、条文上「適用しないことができる」場合が複数あります。卒園後の受け皿だけで例外が4通りある点は小規模保育のメリットとデメリット|卒園後の受け皿には4つの例外がありますで扱っています。
配置基準が数えているのは、どの施設でも「保育士の数」です。資格を持たない職員がその人数に入らないことと、名称の使用制限は保育補助にできないこと|法令が禁じているのは2つだけですで扱っています。
学齢期の子どもを支援する事業所では、条文の作りが変わります。評価の公表が義務づけられていることと、応募前に読める資料については放課後等デイの仕事内容と1日|時刻ではなく計画で決まりますで扱っています。
給与と、応募前に確認したいこと
国の賃金統計(賃金構造基本統計調査)には、小規模保育事業所だけを取り出した区分はありません。参考になるのは職種としての「保育士」の数字です。小規模保育事業の中での給与月額は、こども家庭庁の経営実態調査に型ごとの集計があり、小規模保育園の年収で扱っています。
| 項目 | 保育士 |
|---|---|
| 平均年齢 | 40.3歳 |
| 平均勤続年数 | 9.1年 |
| 所定内実労働時間数 | 163時間/月 |
| 超過実労働時間数 | 3時間/月 |
| きまって支給する現金給与額 | 285,700円 |
| 所定内給与額 | 279,200円 |
| 年間賞与その他特別給与額 | 847,900円 |
| 推計年収(編集部試算) | 427.6万円 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(職種)第1表/企業規模計(10人以上)/男女計/産業計。推計年収の計算式:285,700円 × 12か月 + 847,900円 = 4,276,300円。この調査は年収を直接公表していないため編集部の試算です
企業規模別に見ると、保育士は10〜99人規模で428.5万円、100〜999人規模で420.8万円と、小さい側が上回っています(編集部試算)。「小規模だから給与が低い」とは統計上言えません。詳しくは保育補助の年収は、国の統計に存在しませんで、配置基準と給与の関係を扱っています。
応募前に確認したい4点
- A型・B型・C型のどれか。B型なら保育士の割合は半数以上とだけ決まっています。実際に何人中何人が保育士かを聞いてください
- 連携施設はどこか、確保できているか。離島等の例外を除き、確保は義務です。卒園後の受け皿が用意されているかは、保護者対応の負荷に直結します
- 代替保育の体制。職員が休んだときに連携施設から応援が来るのか、事業所内で回すのかで、休みの取りやすさが変わります
- 給食は自園調理か搬入か。搬入の場合でも加熱・保存の設備は必要です。調理員の有無とあわせて確認してください
認可外の側にあたる企業主導型保育とは、制度も財源も別です。そちらの職員構成と定員の埋まり方は企業主導型保育のメリットとデメリット|働く側から見ると、定員充足率69.4%が効いてきますで扱っています。
よくある質問
Q. 小規模保育は保育所より仕事が楽ですか?
A. 「楽」とは言えませんが、配置基準は制度上手厚くなっています。年齢別の比率は保育所と同じで、そこに1人を加えた数以上を置くことが省令で義務づけられています。一方で、連携施設との調整、卒園後の進路対応、集団保育体験の設定という保育所にない業務が加わります。行事の規模は小さくなりますが、仕事が減るわけではありません。
Q. 保育士資格がなくても小規模保育で働けますか?
A. 型によります。A型は全員が保育士でなければなりません。B型は「保育士、または市町村長が行う研修を修了した者」が保育従事者となり、そのうち半数以上が保育士であることが条件です(第31条第2項)。つまりB型では、研修修了者として保育従事者になる道があります。C型の家庭的保育者は、市町村長が行う研修を修了した保育士か、保育士と同等以上の知識・経験があると市町村長が認める者です。研修の具体的な内容・時間数は市町村が定めるため、本記事では書いていません。希望する市町村に確認してください。
Q. 子どもは3歳になったらどうなりますか?
A. 省令第6条第1項第3号が、保育の提供の終了に際して、保護者の希望に基づき、引き続き連携施設で教育または保育を提供することを連携内容として定めています。したがって制度上は受け皿が用意されている前提です。ただし離島その他の地域で連携施設の確保が著しく困難であると市町村が認める場合は、この確保義務が適用されません。また連携施設の確保が困難な場合の代替措置についても複数の規定があります。実際にどうなっているかは、事業所ごとに確認が必要です。
迷ったらここ
求人票の「小規模保育」は、A型・B型・C型のどれかを最初に確かめる
配置基準は年齢別比率の合計に1を加えた数以上で、保育所より手厚く設計されています。ただしB型は保育士が半数以上あればよく、型によって職場の中身は変わります。
- A型・B型・C型のどれか(B型なら何人中何人が保育士か)
- 連携施設は確保されているか(卒園後の受け皿と代替保育が機能するか)
- 給食は自園調理か搬入か(調理員がいるかどうか)
まとめ
- 小規模保育事業は利用定員6人以上19人以下、原則満3歳未満が対象(児童福祉法 第6条の3第10項)
- 配置基準は年齢別比率が保育所と同じで、その合計数に「1」を加えた数以上。1〜2歳児12人なら保育所2人に対し3人
- A型は全員保育士/B型は半数以上が保育士/C型は家庭的保育者1人につき3人以下(補助者ありで5人以下、定員6〜10人)
- 看護師・准看護師・保健師を1人に限り保育士とみなせる(A型・B型)
- 保育所にない業務が連携施設。①集団保育の体験機会と保育内容の支援 ②代替保育 ③卒園後の受け皿の3つ
- 設備は乳児室又はほふく室が3.3㎡/人で、保育所の乳児室1.65㎡の2倍。C型の保育室は3.3㎡/人
- 保育時間1日8時間が原則、保育の内容は保育所と同じ指針に「準じ」る
小規模保育を選ぶかどうかは、「+1人」と「連携施設」をどう評価するかで決まります。手厚い配置で乳児に向き合いたいのか、卒園まで見届ける保育をしたいのか。求人票の型(A・B・C)を確認するところから始めてください。

