訪問介護事業所の選び方|サ責の人数と資格別の訪問介護員の数は、国の調査票にある公表項目です

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目次

30秒でわかるまとめ

  • 訪問介護員の転職先は、国の公表情報で比べられます事業者が都道府県知事に報告し、知事が公表します。何を報告するかは、厚労省の通知が示す調査票で決まっています。
  • サ責の人数と資格別の訪問介護員の数が並びます基本情報調査票に、常勤・非常勤別の人数と、介護福祉士や実務者研修など5つの区分の延べ人数を書く欄があります。
  • 前年度の採用者数と退職者数も、記入する欄です同じ法人の中での異動は数えません。経験年数は、1年未満から10年以上までの5段階で人数を書きます。
  • 特定事業所加算の要件には、研修計画や会議があります研修計画、会議、文書等による伝達、健康診断等は5つの区分すべての要件です。加算の有無だけで職場は決まりません。

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※公表の条文の組み立ては訪問看護ステーションの選び方、サ責を何人置くかの基準はサービス提供責任者の仕事内容で扱っています。

タブレット説明(訪問介護)

まず仕組み:事業者が報告し、知事が公表します

根拠は介護保険法 第115条の35です。訪問介護の事業者は都道府県知事に報告し、知事はその内容を公表しなければなりません。その中身について、厚生労働省の課長通知はこう書いています。

「法第115条の35第1項の規定に基づいて、省令第140条の45に規定する別表第一及び別表第二に掲げる項目に関する具体的内容は、それぞれ、別添1基本情報調査票及び別添2運営情報調査票のとおりとし、別添1基本情報調査票及び別添2運営情報調査票の記載要領は、別添3のとおりとする。」

出典:厚生労働省老健局 認知症施策・地域介護推進課長通知「「介護サービス情報の公表」制度の施行について」(最終改正 令和8年8月14日 老認発0814第1号)別紙 III 2(1)(原文どおり)

別添1には「基本情報調査票:訪問介護」というシートがあり、訪問介護の事業所はこれに沿って書きます。公表については、同じ通知が「指定情報公表センター等は、計画に基づき、事業者ごとの基本情報及び運営情報を公表する。」とし、方法の1つ目に「インターネット(介護サービス情報公表システム)による公表」を挙げています。

出典:同通知 別紙 III 7(1)・(2)ア(原文どおり)

打ち合わせタブレット

ここが本題:調査票には、サ責の人数を書く欄があります

基本情報調査票(訪問介護)の「3.事業所において介護サービスに従事する従業者に関する事項」は、最初の表で人数を聞いています。

行書く数
訪問介護員等常勤(専従・兼務)・非常勤(専従・兼務)の実人数と、常勤換算人数
(うちサービス提供責任者)同上
事務員同上
その他の従業者同上

出典:同通知 別添1 基本情報調査票(訪問介護)3.

記載要領は、サ責の行をこう定めています。

「サービス提供責任者については、訪問介護員等の再掲とすること。」

出典:同通知 別添3 記載要領(訪問介護)3.(原文どおり)

サ責は、訪問介護員等の内数として数えます。訪問介護員等が何人いて、そのうちサ責が何人か、常勤か非常勤か。表の並びから、事業所の体制が読み取れます。

同じ欄には「訪問介護員等1人当たりの1か月のサービス提供時間数(要介護者)」もあります。身体介護中心型と生活援助中心型の1か月の提供時間の合計を、訪問介護員等の常勤換算人数で割った時間数で、調査票の入力内容から自動で計算されます。

出典:同通知 別添1・別添3(訪問介護)3.

書類にサイン

資格別の人数は、5つの区分の「延べ人数」です

続く表は「従業者である訪問介護員等が有している資格」です。区分は5つあります。

資格の区分(原文どおり)サ責の再掲欄
介護福祉士あり
実務者研修あり
介護職員初任者研修「―」
生活援助従事者研修「―」
訪問介護員養成研修に相当するものとして都道府県知事が認めた研修の修了者「―」

出典:同通知 別添1 基本情報調査票(訪問介護)3.

表の見出しは「延べ人数」です。記載要領は、数え方をこう定めています。

「複数の資格を取得している場合は、重複計上することとし、旧介護職員基礎研修、訪問介護員1級は2、訪問介護員2級保有者は3として計上すること。」

出典:同通知 別添3 記載要領(訪問介護)3.(原文どおり)

介護福祉士と実務者研修の両方を持つ人は、両方の行に入ります。5つの行を足した数は、人の数より多くなることがあります。訪問介護員2級の保有者は、3番目の「介護職員初任者研修」の行に入ります。

前年度の採用者数と退職者数も、記入する欄です

3.の後半は「従業者の当該報告に係る介護サービスの業務に従事した経験年数等」です。訪問介護員等について、常勤・非常勤の別に人数を書きます。

行中身
前年度の採用者数前年度1年間に採用した訪問介護員等の数
前年度の退職者数前年度1年間に退職した訪問介護員等の数
当該職種として業務に従事した経験年数1年未満/1年~3年未満/3年~5年未満/5年~10年未満/10年以上の5段階の人数

出典:同通知 別添1 基本情報調査票(訪問介護)3.

「前年度1年間の当該事業所における訪問介護員等の退職者数を、常勤及び非常勤の勤務形態別に記載すること。なお、同一法人内での異動による人数の減少は、退職者数に含めずに記載すること。」

出典:同通知 別添3 記載要領(訪問介護)3.(原文どおり)

同じ法人の別の事業所に移った人は、退職者に入りません。経験年数は他の事業所で勤務した年数を含めて数えます。サ責は、どの行でも訪問介護員等に含めて書き、常勤の欄から再掲します。

この後に健康診断と研修の欄が続きます。健康診断は、全ての従業者に実施している場合に「あり」です。研修は、研修等の名称、対象者、カリキュラムもしくは時間等を書きます。認知症介護実践者研修などの修了者の人数の欄もあります。

出典:同 記載要領(訪問介護)3.

運営情報には、同行訪問や相談の担当者の項目があります

別添2の運営情報調査票は、「確認事項」ごとに、確かめる材料があるかを「あり」「なし」で答える作りです。訪問介護のシートから、働く人に関わるものを抜き出します。

番号確認事項(原文どおり)
30予定していた訪問介護員が訪問できなくなった場合の対応手順を定めている。
51新任の従業者に対して、同行訪問による実地指導を行っている。
52従業者からの相談に応じる担当者がいる。
58体調の悪い訪問介護員の交代基準を定めている。
64当該サービスに従事する全ての新任の従業者を対象とする研修を計画的に行っている。
65当該サービスに従事する全ての現任の従業者を対象とする研修を計画的に行っている。

出典:同通知 別添2 運営情報調査票(訪問介護)確認事項30・51・52・58・64・65(原文どおり)

一人で利用者の家に行く仕事だからこそ、新人の育て方や相談先が項目として並んでいます。2人での訪問や初めての利用者宅へのサ責の同行は訪問介護が一人で不安なときで扱っています。

ただし、通知は「新たに介護サービスの提供を開始しようとする事業者については、別添1基本情報調査票を報告しなければならない。」としています。開設時の報告に、運営情報は入りません。

出典:同通知 別紙 III 4(3)1(原文どおり)

特定事業所加算は、5つの区分の「あり・なし」が載ります

基本情報調査票の「介護報酬の加算状況」の最初の5行が、特定事業所加算です。

調査票の行(原文どおり)
特定事業所加算(Ⅰ) ※体制要件、人材要件及び重度対応要件に適合
特定事業所加算(Ⅱ) ※体制要件及び人材要件に適合
特定事業所加算(Ⅲ) ※体制要件、人材要件及び重度対応要件に適合
特定事業所加算(Ⅳ) ※体制要件及び人材要件に適合
特定事業所加算(Ⅴ) ※体制要件に適合

出典:同通知 別添1 基本情報調査票(訪問介護)4.

「記入年月日の前月から前1年間において、以下の事項の指定居宅サービス報酬基準に規定する加算を受けた場合には「あり」に記すこと。」

出典:同通知 別添3 記載要領(訪問介護)4.(原文どおり)

要件は、平成27年厚生労働省告示第95号「厚生労働大臣が定める基準」の第三号「訪問介護費における特定事業所加算の基準」にあります。厚生労働省 法令等データベースの版(令和8年3月13日の厚生労働省告示第87号による改正まで反映)で確かめました。

加算の要件:研修計画、会議、文書等による伝達、健康診断等

第三号イの(1)〜(3)は、働く人に直接関わる要件です。

「指定訪問介護事業所の全ての訪問介護員等(登録型の訪問介護員等(あらかじめ当該指定訪問介護事業所に登録し、当該指定訪問介護事業所から指示があった場合に、直接、当該指示を受けた利用者の居宅を訪問し、指定訪問介護を行う訪問介護員等をいう。)を含む。以下同じ。)及びサービス提供責任者に対し、訪問介護員等ごと及びサービス提供責任者ごとに研修計画を作成し、当該計画に従い、研修(外部における研修を含む。)を実施又は実施を予定していること。」

出典:平成27年厚生労働省告示第95号 第三号イ(1)(原文どおり)

「利用者に関する情報若しくはサービス提供に当たっての留意事項の伝達又は当該指定訪問介護事業所における訪問介護員等の技術指導を目的とした会議を定期的に開催すること。」

出典:同 第三号イ(2)(一)(原文どおり)

「指定訪問介護の提供に当たっては、サービス提供責任者(中略)が、当該利用者を担当する訪問介護員等に対し、当該利用者に関する情報やサービス提供に当たっての留意事項を文書等の確実な方法により伝達してから開始するとともに、サービス提供終了後、担当する訪問介護員等から適宜報告を受けること。」

出典:同 第三号イ(2)(二)(原文どおり。サービス提供責任者の定義の括弧書きを中略)

「当該指定訪問介護事業所の全ての訪問介護員等に対し、健康診断等を定期的に実施すること。」

出典:同 第三号イ(3)(原文どおり)

研修計画の対象には、登録型の訪問介護員等も含まれます。(1)の括弧書きの「以下同じ。」により、(3)の「全ての訪問介護員等」も同じ範囲と読めます。

区分告示の定め
(Ⅰ)イの(1)〜(7)のいずれにも適合
(Ⅱ)イ(1)から(4)までのいずれにも適合し、かつ、(5)又は(6)のいずれかに適合
(Ⅲ)イ(1)から(4)まで及び(7)に適合し、ハ(2)のいずれかに適合
(Ⅳ)イ(1)から(4)まで及びハ(2)に適合
(Ⅴ)イの(1)から(4)までに適合し、中山間地域等の利用者への継続的な提供などに適合

出典:平成27年厚生労働省告示第95号 第三号イ〜ホ

(1)〜(3)は、5つの区分のすべてに入っています。(4)は、緊急時等における対応方法が利用者に明示されていることです。職員の構成に関わる要件は、区分によって次のものが加わります。

箇所要件の中身(「」内は原文の語句)
イ(5)訪問介護員等の総数のうち「介護福祉士の占める割合が百分の三十以上」、又は介護福祉士・実務者研修修了者等の「占める割合が百分の五十以上」
ハ(2)(二)訪問介護員等の総数のうち「勤続年数七年以上の者の占める割合が百分の三十以上」

出典:同 第三号イ(5)、ハ(2)(二)(イ(6)はサ責の経験の要件のため省略)

加算の有無だけで、職場の良し悪しは決まりません

調査票の「あり」は、記入日の前月から前1年間に加算を受けたかどうかです。研修計画や会議がどんな中身で、どのくらいの頻度で行われているかは、加算の有無からはわかりません。告示も会議は「定期的に開催すること」と書くだけで、回数は書いていません。

反対に、「なし」の事業所が研修をしていないとも言えません。研修の中身は、基本情報調査票の研修の欄や運営情報の64番・65番が手がかりです。面接では次のように聞けます。

  • 研修計画は、自分(登録型を含む)の分も作られるか
  • 会議はどのくらいの間隔で開かれるか
  • 利用者の情報や留意事項は、どんな文書で、いつ受け取るか
  • 健康診断は、非常勤や登録型の訪問介護員も受けられるか

介護職員等処遇改善加算の区分と要件は介護の処遇改善加算はいくらもらえるかで扱っています。

この記事が扱っていないこと

  • 個別の事業所の公表データ。介護サービス情報公表システムの画面や実際の数字は取得していません。
  • 賃金の情報。通知は「一人当たり賃金は、任意での報告を可能とするものである」としています。都道府県ごとの任意の項目は取得していません。
  • 特定事業所加算で加わる報酬の額と、留意事項通知の細目。本記事は告示第95号の要件だけを扱っています。
  • 重度者の割合などの要件(イ(7))の細目と、運営情報調査票の全項目。働く人に関わるものに絞りました。

訪問介護員が事業所を選ぶときに確認できること

  • サ責の人数と、そのうち常勤の人数。
  • 資格別の延べ人数。行の合計を人数と読まないようにします。
  • 前年度の採用者数・退職者数と、経験年数の分布。同じ法人の中での異動は含みません。
  • 新任者への同行訪問による実地指導、相談の担当者、体調不良時の交代基準。運営情報の51番・52番・58番です。
  • 特定事業所加算の有無。研修計画や会議の中身は面接で確かめます。

公表の場は、厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」(https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/)です。本記事は、システムの画面の中身は確認していません。

よくある質問

Q. 訪問介護の事業所のサ責の人数は、どこで見られますか。
A. 基本情報調査票(訪問介護)の3.に「(うちサービス提供責任者)」の行があり、常勤・非常勤の別に人数を書きます。通知は、事業者ごとの基本情報及び運営情報を公表するとしています。

Q. 退職者の数はわかりますか。
A. 基本情報調査票に「前年度の退職者数」の欄があります。同一法人内での異動による人数の減少は、退職者数に含めません。

Q. 特定事業所加算を取っている事業所なら安心ですか。
A. そうとは言い切れません。要件には研修計画や会議、健康診断等がありますが、調査票でわかるのは前1年間に加算を受けたかどうかです。中身と頻度は面接で確かめてください。

Q. 登録ヘルパーも、加算の研修計画の対象ですか。
A. 告示第95号 第三号イ(1)は、「全ての訪問介護員等」に登録型の訪問介護員等を含むとしています。特定事業所加算の要件なので、加算を取っていない事業所に直接かかる定めではありません。

迷ったらここ

訪問介護の事業所を公表項目で比べる

訪問介護の事業所は、国の通知が示す調査票でサ責の人数や資格別の訪問介護員の数、前年度の退職者数を報告し、公表されます。特定事業所加算の有無だけでは、職場の良し悪しは決まりません。

  • サ責の人数と、資格別の訪問介護員の延べ人数(基本情報調査票3.)
  • 前年度の採用者数・退職者数と、経験年数別の人数
  • 新任者への同行訪問による実地指導と、相談の担当者の有無(運営情報51番・52番)
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まとめ

訪問介護の事業者は、介護保険法 第115条の35にもとづいて報告し、都道府県知事が公表します。中身は、厚生労働省の通知が示す基本情報調査票と運営情報調査票です。

訪問介護の基本情報調査票には、サ責の人数、資格別の延べ人数、前年度の採用者数と退職者数、経験年数別の人数の欄があります。運営情報には、新任者への同行訪問や相談の担当者の項目があります。

特定事業所加算の要件の研修計画、会議と文書等による伝達、健康診断等は5つの区分すべてに共通です。ただし加算の有無で職場の良し悪しは決まりません。公表の項目で体制を比べ、中身を面接で確かめる順番が使えます。

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この記事を書いた人

医療・福祉・保育の人材紹介の現場で求職者の相談を受けてきた編集者が担当しています。キャリアアドバイザー歴8年、転職相談・紹介の対応実績1,500人以上(自社実績/2026年8月時点)。介護・看護師・保育士・栄養士の4分野を担当。記事の数値には必ず出典と公表時点を添えています。

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