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30秒でわかるまとめ
- 訪問看護ステーションの看護師は、68.5%が40歳以上です病院で働く看護師では48.4%でした。令和6年末の届出を集計した国の統計を、編集部で年齢階級ごとに足して出しました。
- 病院でいちばん多い年齢階級は25〜29歳でした訪問看護ステーションでは45〜49歳がいちばん多く、そこで働く看護師の17.3%を占めます。
- 25歳未満の看護師の95.6%は、病院で働いています訪問看護ステーションで働く25歳未満の看護師は762人で、そこで働く看護師の0.8%です。
- 訪問看護は、主治の医師の指示を文書で受けて始まります省令の「主治の医師との関係」の条にあります。指示書の有効期間は、医療保険の通知で6か月が限度です。
※訪問看護の2つの制度と根拠の省令は訪問看護の仕事内容と1日、一人で訪問するときの判断と相談の仕組みは訪問看護が一人で不安なあなたへで扱っています。

まず資料:比べるのは「病院」と「訪問看護ステーション」で働く看護師です
この記事は、病棟と訪問看護の違いを、そこで働いている看護師の年齢構成から見ます。使うのは厚生労働省「衛生行政報告例(就業医療関係者)」の令和6年末現在の第8表-1です。看護師が2年ごとに届け出る就業地などを集計した表で、届出の仕組みは准看護師が働ける職場で扱っています。
先に、読み方の注意を3つ書きます。
- 表は「病院」を、病棟と外来に分けていません。この記事の「病院」には外来などで働く看護師も入っています。
- 訪問看護ステーションは、管理者と従事者を合わせた数です。あわせて91,021人です。
- この表は2026年9月28日に訂正が出ています。本記事は訂正後の数字を使っています。年齢階級ごとの人数も、訂正で変わったところがあります。
対象は看護師だけです。准看護師・保健師・助産師は入れていません。

ここが本題:40歳以上は、訪問看護ステーション68.5%、病院48.4%
表の5歳ごとの年齢階級を、10歳ごとにまとめました(編集部試算)。30歳未満は25歳未満と25〜29歳、60歳以上は60〜64歳から85歳以上までの合計です。
| 年齢 | 病院(895,967人) | 訪問看護ステーション(91,021人) | 看護師全体(1,363,164人) |
|---|---|---|---|
| 30歳未満 | 28.3% | 9.4% | 21.3% |
| 30〜39歳 | 23.3% | 22.2% | 21.1% |
| 40〜49歳 | 24.4% | 31.7% | 25.6% |
| 50〜59歳 | 17.7% | 25.7% | 21.5% |
| 60歳以上 | 6.3% | 11.0% | 10.5% |
| (再掲)40歳以上 | 48.4% | 68.5% | 57.6% |
出典:衛生行政報告例(令和6年末)第8表-1(実人員。令和8年9月28日訂正後の数字)。割合は編集部試算で、たとえば訪問看護ステーションの40歳以上は 62,314 ÷ 91,021 × 100 = 68.5、病院の40歳以上は 433,566 ÷ 895,967 × 100 = 48.4
いちばん差が大きいのは30歳未満です。病院は28.3%、訪問看護ステーションは9.4%で、割合は約3倍違います(28.3 ÷ 9.4、編集部試算)。30〜39歳は、どちらも2割強でほぼ同じでした。
40歳以上は、訪問看護ステーションが68.5%で、看護師全体の57.6%より高く、病院の48.4%は全体より低くなっています。病院は全体より若く、訪問看護ステーションは全体より年齢が上の人が多いという並びです。

5歳ごとに見ると:病院は25〜29歳、訪問看護ステーションは45〜49歳がいちばん多い
表の14の年齢階級をそのまま並べます(年齢階級の区切りは表のとおり)。
| 年齢階級 | 病院 | 訪問看護ステーション |
|---|---|---|
| 25歳未満 | 107,910人(12.0%) | 762人(0.8%) |
| 25〜29歳 | 145,791人(16.3%) | 7,778人(8.5%) |
| 30〜34 | 110,501人(12.3%) | 9,883人(10.9%) |
| 35〜39 | 98,199人(11.0%) | 10,284人(11.3%) |
| 40〜44 | 105,774人(11.8%) | 13,099人(14.4%) |
| 45〜49 | 112,436人(12.5%) | 15,770人(17.3%) |
| 50〜54 | 92,009人(10.3%) | 13,492人(14.8%) |
| 55〜59 | 66,700人(7.4%) | 9,945人(10.9%) |
| 60〜64 | 37,762人(4.2%) | 6,044人(6.6%) |
| 65〜69 | 13,847人(1.5%) | 2,672人(2.9%) |
| 70〜74 | 3,892人(0.4%) | 922人(1.0%) |
| 75〜79 | 895人(0.1%) | 264人(0.3%) |
| 80〜84 | 137人(0.0%) | 52人(0.1%) |
| 85歳以上 | 114人(0.0%) | 54人(0.1%) |
出典:衛生行政報告例(令和6年末)第8表-1。かっこ内はその場所の看護師に対する割合(編集部試算)。14の階級を足すと、病院・訪問看護ステーションとも人数の合計と一致します(編集部で検算)
人数がいちばん多い階級は、病院が25〜29歳、訪問看護ステーションが45〜49歳です。若い順に人数を足していくと、半分に届くのは病院では35〜39の階級、訪問看護ステーションでは45〜49の階級でした(編集部試算)。真ん中の人の年齢が、およそ10歳違うことになります。
若い看護師はどこにいるか:25歳未満の95.6%は病院です
向きを変えて、同じ年齢階級の看護師のうち、何%が病院・訪問看護ステーションで働いているかを出しました(編集部試算)。
| 年齢階級 | その階級の看護師 | 病院で働く割合 | 訪問看護ステーションで働く割合 |
|---|---|---|---|
| 25歳未満 | 112,849人 | 95.6% | 0.7% |
| 25〜29歳 | 177,488人 | 82.1% | 4.4% |
| 35〜39 | 139,435人 | 70.4% | 7.4% |
| 45〜49 | 186,526人 | 60.3% | 8.5% |
| 55〜59 | 129,234人 | 51.6% | 7.7% |
出典:衛生行政報告例(令和6年末)第8表-1。たとえば25歳未満の病院は 107,910 ÷ 112,849 × 100 = 95.6
25歳未満の看護師は、ほとんどが病院で働いています。年齢が上がるにつれて病院の割合は下がり、55〜59の階級では半分ほどになります。訪問看護ステーションの割合は、25歳未満の0.7%から、45〜49の階級では8.5%まで上がります。
この表は12月31日の時点で、どこで働いていたかを数えたものです。病院から訪問看護ステーションへ移った人の数はわかりません。「年齢が上がると訪問看護に移る」と言える数字ではないことに注意してください。場所ごとの全体の人数は准看護師が働ける職場で、准看護師と並べて扱っています。
病院と診療所を比べると、両方で働く看護師のうち診療所の割合は年齢とともに高くなり、65〜69の階級では36.0%でした。病棟とクリニックの比較は病棟とクリニック、どっち|50歳以上の看護師は、診療所42.9%、病院24.0%ですで扱っています。
仕組みの違い①:訪問看護は、主治の医師の指示を文書で受けて始まります
ここからは、働き方の仕組みの違いです。医療保険の訪問看護の省令(指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準)には、「主治の医師との関係」という見出しの条があります。第2項はこうです。
「指定訪問看護事業者は、指定訪問看護の提供の開始に際し、主治の医師による指示を文書で受けなければならない。」
出典:指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準(平成12年厚生省令第80号。e-Gov法令API 法令ID 412M50000100080)第16条第2項(原文どおり)
この文書が、現場で「訪問看護指示書」と呼ばれているものです。訪問看護は、主治の医師からの文書の指示がそろってから始まる、という順番が省令に書かれています。
同じ条の第3項は、始めた後のことを書いています。
「指定訪問看護事業者は、利用者の病状及び心身の状態について、定期に主治の医師に指定訪問看護の提供の継続の要否を相談しなければならない。」
出典:同 第16条第3項(原文どおり)
第1項は管理者による管理、第4項は訪問看護計画書・報告書の提出と主治の医師との密接な連携を定めています。介護保険の訪問看護にも、同じ「主治の医師との関係」という見出しの条(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準 第69条)がありますが、この第3項にあたる文はありません。介護保険側の第69条の中身は訪問看護が一人で不安なあなたへで扱っています。
仕組みの違い②:指示書の有効期間は、通知で6か月が限度です
指示書の期間は、医療保険の訪問看護の費用の決まり方を説明した厚生労働省保険局長の通知に出てきます。
「その主治医(中略)から交付を受けた訪問看護指示書及び訪問看護計画書に基づき、訪問看護ステーションの保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士(以下「看護師等」という。)が、当該指示書に記載された有効期間内(6か月を限度とする。以下同じ。)に行った指定訪問看護について」
出典:訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日 保発0305第19号)第2の1(1)(第1文の一部。途中を「(中略)」で省いています。原文どおり)
読み取れるのは2つです。指示書には有効期間が書かれていて、その長さは6か月が限度であること。そして訪問は、指示書と訪問看護計画書の両方に基づいて行うことです。
急性増悪などで一時的に訪問を増やすときの別の指示書は訪問看護の医療保険と介護保険、計画書の書き方は訪問看護計画書の書き方で扱っています。
仕組みの違い③:複数で同時に訪問する形は、告示に別に書かれています
医療保険の訪問看護の省令(第80号)の本則には、「複数」や「一人」という言葉は出てきません。訪問するときの人数を、省令は書いていません。
一方、医療保険の訪問看護の費用を定めた告示には、同時に複数で訪問した場合の加算が置かれています。対象は「同時に複数の看護師等又は看護補助者による指定訪問看護が必要な者として別に厚生労働大臣が定める者」で、訪問看護ステーションの看護職員が他の職員と同時に訪問することについて、「利用者又はその家族等の同意を得て」行った場合です。
出典:訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法(平成20年厚生労働省告示第67号。令和8年厚生労働省告示第74号による改正後、令和8年6月1日適用)別表 01 注12(「複数名訪問看護加算」)
複数で同時に訪問するのは、対象の人と同意の要件が決まった「加算の場面」として書かれている、という作りです。一人で訪問するときの判断と相談の仕組みは訪問看護が一人で不安なあなたへで扱っています。
この記事が扱っていないこと
- 病棟だけ・外来だけの看護師の人数。表は病院を分けていないため、取得していません。
- 平均年齢。表は5歳ごとの階級で、平均年齢の欄がないため出していません。
- 病院から訪問看護ステーションへ移った人の数。表は届出の時点の就業場所だけで、移動の流れは取得していません。
- 給与・年収の違い。訪問看護は訪問看護師の年収、看護師全体は看護師の平均年収で扱っています。
- 介護保険の訪問看護での、指示書の有効期間の扱い。介護報酬の通知は取得していません。
- 複数名訪問看護加算の「別に厚生労働大臣が定める者」の中身と金額。本記事は取得していません。
病棟から訪問看護を考えるときに確認できること
- 事業所の看護師の年齢構成。国の統計では、訪問看護ステーションの看護師の68.5%が40歳以上でした。同じ世代がどのくらいいるかは、事業所ごとに違います。
- 指示書の受け取りと更新の流れ。指示書の有効期間は6か月が限度です。期限の管理を誰がするかを確かめられます。
- 主治の医師への相談の仕方。医療保険の省令は、継続の要否を定期に主治の医師に相談することを求めています(第16条第3項)。
- 複数で同時に訪問する利用者がいるか。告示の加算の対象になる人がいるかどうかで、同時訪問の場面が変わります。
- 同行訪問の期間と相談の体制。省令は訪問の人数を書いていないため、入職後の同行の決め方は事業所ごとです。
よくある質問
Q. 病棟と訪問看護では、働く看護師の年齢はどう違いますか。
A. 令和6年末の国の統計では、40歳以上の割合は訪問看護ステーションが68.5%、病院が48.4%でした。30歳未満は病院28.3%、訪問看護ステーション9.4%です。表は病院を病棟と外来に分けていないため、病棟だけの数字ではありません。
Q. 若いうちから訪問看護で働いている人はいますか。
A. います。訪問看護ステーションで働く25歳未満の看護師は762人でした。ただし25歳未満の看護師全体では95.6%が病院で働いていて、訪問看護ステーションは0.7%です。
Q. 訪問看護は、医師の指示がなくても始められますか。
A. 医療保険の訪問看護の省令 第16条第2項は、提供の開始に際し「主治の医師による指示を文書で受けなければならない」と定めています。介護保険の訪問看護にも、同じ見出しの条(第69条)があります。
Q. 訪問看護指示書の有効期間はどのくらいですか。
A. 医療保険の訪問看護について、厚生労働省保険局長の通知(令和8年3月5日 保発0305第19号)が「6か月を限度とする」と書いています。介護保険の訪問看護での扱いは、本記事では取得していません。
Q. 訪問看護は、病棟より楽ですか。スキルはどちらが上がりますか。
A. 本記事は判断していません。国の統計からわかるのは、働く人の年齢構成の違いです。仕組みの違いとしては、訪問看護は主治の医師の文書による指示で始まり、複数で同時に訪問する形は告示に加算の場面として書かれています。
迷ったらここ
病棟と訪問看護を数字で比べる
令和6年末の国の統計で、40歳以上の看護師は訪問看護ステーションで68.5%、病院で48.4%でした。訪問看護は、主治の医師の指示を文書で受けて始まります。
- 事業所で働く看護師の年齢構成と、同じ世代がどのくらいいるか
- 訪問看護指示書の受け取りと更新(有効期間は6か月が限度)を誰が管理するか
- 同行訪問の期間と、複数で同時に訪問する利用者がいるか
まとめ
令和6年末に働いていた看護師のうち、40歳以上の割合は訪問看護ステーションで68.5%、病院で48.4%でした。いちばん多い年齢階級は、病院が25〜29歳、訪問看護ステーションが45〜49歳です。
若い世代では差がはっきりしていて、25歳未満の看護師の95.6%が病院で働いています。ただし表は届出の時点の就業場所で、病院から訪問看護へ移った人の数はわかりません。
仕組みでは、訪問看護は主治の医師の指示を文書で受けて始まり(省令第80号 第16条第2項)、継続の要否を定期に主治の医師に相談します(同第3項)。指示書の有効期間は、医療保険の通知で6か月が限度です。

