PRこのページはプロモーションを含みます。広告に関する開示
30秒でわかるまとめ
- 保育補助から保育士になる道は、養成施設か試験の2つです児童福祉法 第18条の6は、指定保育士養成施設の卒業と保育士試験の合格を、資格を得る道に挙げています。
- 働きながら養成校を出ると、受講料が補助の対象になります国の事業の補助基準額は受講料の2分の1で、上限は1人30万円です。支給は資格を取った後に一括です。
- 試験で取る場合は、教材費等の2分の1が基準です合格後に保育所等で保育士として働くことが決まった人が対象で、上限は15万円とされています。
- 事業を行うのは自治体で、どこでも使えるとは限りません実施主体は都道府県・指定都市・中核市です。働く地域で事業があるか、要件に当たるかの確認が要ります。
※試験の科目や受験資格は保育士試験の仕組み、保育補助の給与は保育補助の年収目安で扱っています。

まず条文:保育士になる道は、養成施設の卒業と試験の合格です
児童福祉法 第18条の6です。
「次の各号のいずれかに該当する者は、保育士となる資格を有する。」
「一 都道府県知事の指定する保育士を養成する学校その他の施設(以下「指定保育士養成施設」という。)を卒業した者(学校教育法に基づく専門職大学の前期課程を修了した者を含む。)」
「二 保育士試験に合格した者」
出典:児童福祉法(e-Gov法令API 法令ID 322AC0000000164)第18条の6第1号・第2号(原文どおり。第3号は省略)
第3号は地域限定保育士登録からの道で、この記事では扱いません。
第18条の6に、保育補助として働いた年数で資格を得る号はありません。保育補助から資格を得るには、養成施設を卒業するか、保育士試験に合格するかのどちらかです。
試験を受けるための受験資格は児童福祉法施行規則 第6条の9が定めていて、その中身は保育士試験の仕組みで扱っています。

数字で見る:養成施設は667か所。令和6年度の資格取得者は29,432人です
こども家庭庁の「保育士資格取得方法」は、2つの道を並べて数字を載せています。
| 道 | 資料にある数字 |
|---|---|
| 指定保育士養成施設 | 大学284か所、短期大学219か所、専修学校153か所、その他施設11か所、合計667か所(令和7年4月1日現在) 令和6年度資格取得者29,432人 |
| 保育士試験 | 受験申請者数54,807人、全科目合格者数12,617人、うち全部免除者数1,996人(令和7年度実績) |
出典:こども家庭庁「保育士資格取得方法」(令和8年6月3日に掲載資料を更新)
養成施設の数字は令和6年度、試験の数字は令和7年度で、年度がそろっていません。どちらの道が多いかを、この表だけで比べることはできません。

保育士試験:令和7年度の受験申請者は54,807人でした
こども家庭庁の「保育士試験の実施状況(令和7年度)」は、都道府県ごとに1回目試験と2回目試験の数を載せています。全国の合計はこうです。
| 区分 | 申請者数 | 合格者数 |
|---|---|---|
| 1回目試験 | 26,654人 | 5,620人 |
| 2回目試験 | 28,153人 | 5,001人 |
| 合計 | 54,807人 | 10,621人 |
| 全科目免除者 | 1,996人 | 1,996人 |
出典:こども家庭庁「保育士試験の実施状況(令和7年度)」。国家戦略特別区域限定保育士試験を実施した自治体は、その結果も通常試験の結果と合算されている
試験に合格した10,621人と、全科目免除者1,996人を足すと12,617人です。前の章の「全科目合格者数12,617人」と一致します。
資料には「合格率」の欄はありません。申請者数に対する合格者数の割合を、編集部で計算するとこうなります。
計算式(編集部試算):合格者数10,621人 ÷ 申請者数54,807人 = 19.4%
分母は「申請者数」で、申し込んだあと試験を受けなかった人も含まれている可能性があります。受験した人だけで割った合格率とは違う数字です。
ここが本題:受講料を補助する国の事業があります
こども家庭庁の保育関係予算の資料に、「保育対策総合支援事業費補助金」の事業として保育士資格等取得支援事業が載っています。目的はこうです。
「幼稚園教諭免許状のみ有する者及び保育所等に勤務しているが未だ保育士資格を有していない者の保育士資格取得等を支援することにより保育教諭及び保育士の確保を図ることを目的とする。」
出典:こども家庭庁「令和8年度保育関係予算の概要・参考資料」保育士資格等取得支援事業(原文どおり。目的の後半部分)
「保育所等に勤務しているが未だ保育士資格を有していない者」が、目的の文に名指しされています。保育補助として働く人は、ここに当たりうる立場です。
「保育所等に勤務する保育従事者が通信制等の養成校を卒業することにより、資格を取得した場合、受講料等の一部を補助する。」
「保育士試験合格後、保育所等に保育士として勤務することが決定した者に対し、保育士試験受験のための学習に要した費用の一部を補助する。」
出典:同資料 保育士資格等取得支援事業「事業の概要」の養成校ルート(保育所等保育士資格取得支援事業)と試験ルート(保育士試験による資格取得支援事業)(原文どおり)
| 項目 | 養成校ルート | 試験ルート |
|---|---|---|
| 補助基準額 | 受講料の1/2(上限300千円) | 保育士試験受験のための学習に要した経費(教材費等)の1/2(上限150千円) |
| 対象者・対象期間 | 対象者は常勤職員及び非常勤職員 | 保育士試験(筆記試験)から起算して2年前までに要した費用 |
| 支給方法 | 資格取得後に一括して支給 | (資料に記載なし) |
出典:同資料 保育士資格等取得支援事業「実施主体等」。実施主体は都道府県・指定都市・中核市、補助割合は国1/2、都道府県・指定都市・中核市1/2
上限の300千円は30万円、150千円は15万円です。補助されるのは「受講料の2分の1」までで、受講料の全額ではありません。
交付要綱の基準額表(案):卒業なら1人当たり300,000円が上限です
こども家庭庁が令和8年4月の全国こども政策主管課長会議で示した、交付要綱の新旧対照表(案)です。保育所等で働く人の区分は「保育所等保育士資格取得支援事業」で、補助率の欄は「1/2」です。
「指定保育士養成施設の受講に要した経費の 1/2」
出典:こども家庭庁 令和7年度全国こども政策主管課長会議 資料(成育局保育政策課)「保育対策総合支援事業費補助金交付要綱」新旧対照表(案)別表 5.保育所等保育士資格取得支援事業(原文どおり)
| 資格の取り方(基準額表の書き方) | 1人当たりの上限 |
|---|---|
| 指定保育士養成施設卒業により保育士資格を取得する場合 | 300,000円 |
| 「保育士試験の実施について」(通知)の別表1の1により保育士資格を取得する場合 | 200,000円 |
| 同通知の別表1の2及び3により保育士資格を取得する場合 | 100,000円 |
出典:同 新旧対照表(案)別表 5.保育所等保育士資格取得支援事業。令和8年度(改正後)と令和7年度(現行)で、この3つの額は同じ
養成施設を卒業して取る場合の上限は、予算資料の「上限300千円」と同じ額です。別表1の1、1の2及び3が何を指すかは「保育士試験の実施について」という別の通知に書かれていて、本記事はその通知を取得していません。
もう1つの事業:園が保育補助者を雇う費用の補助
同じ補助金には、保育補助者雇上強化事業もあります。こちらは働く人ではなく、保育補助者を雇う園の側に向けた事業です。目的はこう書かれています。
「保育士資格を持たない保育所等に勤務する保育士の補助を行う者(保育補助者)等を雇い上げることにより、保育士の業務負担を軽減し、保育士の離職防止を図るとともに、保育補助者の保育士資格取得までの好循環を作ることなどにより、保育人材の確保を行うことを目的とする。」
出典:こども家庭庁「令和8年度保育関係予算の概要・参考資料」保育補助者雇上強化事業(原文どおり)
資料は保育補助者を、保育士資格を有しない人と有する人(潜在保育士)に分けています。資格を有しない保育補助者については、次の一文があります。
「※事業者は、保育補助者に対して、資格取得支援事業などの活用による保育士資格の取得(保育士試験又は保育士養成施設卒業)を促す。」
出典:同資料 保育補助者雇上強化事業「事業の概要」(原文どおり)
園は、雇った保育補助者に資格の取得を促す側に置かれています。資格を有する保育補助者のほうは、補助対象期間を「1年間を限度とする」とされています。
実施主体は市区町村です。補助基準額は、施設の定員(121人未満か以上か)と保育補助者の経験年数で分かれていて、園に入る補助の基準額です。保育補助者1人の給与の額ではありません。
出典:同資料 保育補助者雇上強化事業【実施主体】【補助基準額】
「働けば受講料が半額になる」とは言えない理由
ここまでの資料から、保育補助として働いていれば誰でも受講料が半額になる、とは読めません。理由は4つあります。
- 実施主体が自治体です。保育士資格等取得支援事業は都道府県・指定都市・中核市、保育補助者雇上強化事業は市区町村が実施主体です。国の資料に載っていても、働く地域で事業が行われているとは限りません。
- 補助の基準は「2分の1」と「上限」です。受講料の全額ではなく、上限を超えた分も対象外です。
- 養成校ルートの支給は資格を取った後です。「資格取得後に一括して支給」とあり、在学中に受け取る形ではありません。
- 試験ルートは、合格後に保育士として働くことが決まった人です。合格しただけでは、対象の書き方に当たりません。
本記事は国の資料だけを見ているため、園が独自に設けている支援の有無は書いていません。勤め先に直接確かめられます。
この記事が扱っていないこと
- 事業の実施要綱の本文。本記事が取得したのは、こども家庭庁の予算資料と、課長会議で示された交付要綱の基準額表(案)です。実施要綱の本文に書かれた細かな要件は取得していません。
- どの自治体が事業を行っているか。自治体ごとの実施状況は取得していません。
- 受験資格・試験科目・科目の免除。保育士試験の仕組みで扱っています。
- 幼稚園教諭免許状を持つ人の特例と、その補助。予算資料には別の区分がありますが、本記事は保育所等で働く無資格の人に絞りました。
- 保育補助の給与の額。保育補助の年収目安で扱っています。
- 代替職員の雇上費、認可外保育施設向けの区分、修学資金の貸付。本記事の対象から外しました。
保育補助として働きながら確認できること
- 働く地域で、保育士資格等取得支援事業が行われているか。実施主体は都道府県・指定都市・中核市です。
- 自分がどのルートで取るか。養成校の卒業か、試験の合格かで、補助の基準も上限も違います。
- 在学中の受講料をどう用意するか。養成校ルートは資格取得後の一括支給です。
- 園が資格取得をどう支えているか。保育補助者雇上強化事業を使う園は、資格の取得を促す側に置かれています。
- 試験の勉強に使った教材費等の記録。試験ルートは、筆記試験から起算して2年前までに要した費用が対象です。
よくある質問
Q. 保育補助として働けば、養成校の受講料は半額になりますか。
A. 国の予算資料では、保育所等保育士資格取得支援事業の補助基準額は受講料の1/2(上限300千円)です。ただし実施主体は都道府県・指定都市・中核市で、働く地域で事業が行われているか、要件に当たるかを確かめる必要があります。半額になると言い切れるものではありません。
Q. パートの保育補助でも対象になりますか。
A. 予算資料は、養成校ルートの対象者を「常勤職員及び非常勤職員」としています。そのほかの要件は自治体の事業の定めによります。
Q. 保育士試験の合格率はどのくらいですか。
A. こども家庭庁の資料に合格率の欄はありません。令和7年度は申請者数54,807人、合格者数10,621人で、割合を計算すると19.4%です(編集部試算)。分母は申請者数です。
Q. 保育補助者を雇う園への補助は、働く人に関係ありますか。
A. 保育補助者雇上強化事業は、園が保育補助者を雇う費用を補助する事業です。予算資料には、事業者は保育補助者に対して資格取得支援事業などの活用による保育士資格の取得を促す、と書かれています。
迷ったらここ
働きながら保育士資格を取る道
国の保育士資格等取得支援事業は、保育所等で働きながら養成校を卒業した人の受講料について2分の1・上限300千円を補助の基準にしています。実施主体は都道府県・指定都市・中核市です。
- 働く地域で保育士資格等取得支援事業が行われているか
- 園が保育補助者に資格の取得を促しているか
- 在学中の受講料をどう用意するか(支給は資格取得後)
まとめ
保育士となる資格は、児童福祉法 第18条の6が定めています。保育補助として働く人の道は、指定保育士養成施設の卒業か保育士試験の合格です。令和7年度の試験は申請者数54,807人、合格者数10,621人でした。
国は保育士資格等取得支援事業で、保育所等に勤務しながら資格を取る人を支える形をとっています。養成校ルートは受講料の1/2(上限300千円)、試験ルートは教材費等の1/2(上限150千円)が補助基準額です。
ただし実施主体は都道府県・指定都市・中核市で、養成校ルートは資格取得後に一括して支給です。働く地域で事業があるか、要件に当たるかを確かめることが出発点になります。

