30秒でわかるまとめ
- 保育補助の年収目安は174.9万〜233.2万円です厚生労働省の令和7年度最低賃金1,121円を基準に、勤務時間別で編集部が試算した金額です
- 国の賃金統計の140区分に、「保育補助」はありません厚生労働省の賃金構造基本統計調査140区分の中に、保育補助という項目はありません
- 保育補助が保育士の代わりになれない理由は法令にあります配置基準は保育士の数で決まり、保育士以外を算入できる人数は原則1人までと定められています
- 資格の有無による差は、時給より年収に強く表れます時給ベースの差は1,121円対1,713円で1.53倍ですが、年収では174.9万円対427.6万円で2.4倍に開きます

まず確認:国の職種別賃金統計に「保育補助」はない
厚生労働省の賃金構造基本統計調査(職種)は、令和7年調査で140の職種小分類について賃金を公表しています。保育・福祉・医療の周辺だけ抜き出すと、こうです。
| 統計にある職種 | 統計にない職種 |
|---|---|
| 保育士 | 保育補助 保育士補助 保育助手 |
| 幼稚園教員,保育教諭 | |
| 看護助手 | |
| 訪問介護従事者 | |
| 介護職員(医療・福祉施設等) | |
| 介護支援専門員(ケアマネージャー) |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(職種)第1表 職種(小分類)/2026年3月24日公表。職種名は編集部が全140区分を確認
注目してほしいのは「看護助手」が区分として存在することです。国は補助的な職種に統計上の区分を立てることがあります。それでも保育補助にはありません。統計を作る側から見て、独立した職種として把握されていないということです。
ただし、職種ではなく保育所という施設の中で集計した国の調査は別にあります。こども家庭庁の経営実態調査は、保育所の職種別に「保育補助者(資格を有していない者)」の1人当たり給与月額(賞与込み)を出しており、私立の常勤は234,395円、私立の非常勤は182,025円です。非常勤の額は、常勤と同じ時間数働いたとして算出した額です。この記事の年収目安は、この調査の数字ではなく、最低賃金からの試算です。(出典:こども家庭庁「令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査 集計結果」保育所(私立・公立)(2)職種別職員1人当たり給与月額)
この事実には実務的な意味があります。「保育補助の平均年収は◯◯万円です」と断言している情報を見たら、その数字がどこから来たのかを確かめてください。賃金構造基本統計調査に区分がない以上、それは求人サイトの掲載額を集計したものか、保育士の数字を流用したものか、上の経営実態調査のような施設の中の集計です。どれも母集団が説明されていなければ、判断の材料にはなりません。

保育補助の求人にある「子育て支援員研修修了」が、法令の条文ではどう書かれているかは子育て支援員とは|法令に「子育て支援員」の語はなく、省令が書いているのは「研修を修了した者」ですで扱っています。
手がかり①②:保育士の年収427.6万円と、その時間単価1,713円
比較の起点として、保育士(一般労働者)の数字を確認します。
| 項目 | 保育士 | (参考)幼稚園教員,保育教諭 |
|---|---|---|
| 平均年齢 | 40.3歳 | 39.1歳 |
| 平均勤続年数 | 9.1年 | 10.1年 |
| 所定内実労働時間数 | 163時間/月 | 166時間/月 |
| 超過実労働時間数 | 3時間/月 | 3時間/月 |
| きまって支給する現金給与額 | 285,700円 | 291,500円 |
| 所定内給与額 | 279,200円 | 285,900円 |
| 年間賞与その他特別給与額 | 847,900円 | 928,200円 |
| 労働者数 | 291,510人 | 185,370人 |
| 推計年収(編集部試算) | 427.6万円 | 442.6万円 |
出典:同調査 第1表/企業規模計(10人以上)/男女計/産業計
推計年収の計算式:285,700円 × 12か月 + 847,900円 = 4,276,300円
正確に書いておきます。この調査は「年収」を直接公表していません。公表されているのは月額の給与と年間賞与で、上の427.6万円は編集部の試算です。またこの数字は「一般労働者」、つまりフルタイム相当で働く保育士のものであり、短時間勤務の人は含まれていません。
ここから時間単価を出します。所定内給与額279,200円を所定内実労働時間163時間で割ると、1時間あたり1,713円(編集部算出)。これが資格を持ち、常勤で働く保育士の時間単価の目安です。

保育士と並べて出てくる「幼稚園教員,保育教諭」の側だけを取り出して読んだものが幼稚園教諭の年収442.6万円|男女差125.5万円は保育士の5.3倍ありますです。保育士との比較もそちらで扱っています。
保育士の427.6万円のうち賞与は19.8%で、賞与がいちばん多いのは10〜99人の企業です。年齢別・企業規模別の内訳は 保育士の年収の平均は427.6万円|賞与がいちばん多いのは、10〜99人の企業でしたで扱っています。
手がかり③:地域別最低賃金は全国加重平均1,121円
保育補助は無資格・短時間の求人が中心になるため、下限を押さえておく必要があります。令和7年度の地域別最低賃金は次のとおりです。
| 区分 | 時間額 | 改定前 | 引上げ額 |
|---|---|---|---|
| 全国加重平均 | 1,121円 | 1,055円 | 66円(6.3%) |
| 最高:東京 | 1,226円 | 1,163円 | 63円 |
| 神奈川 | 1,225円 | 1,162円 | 63円 |
| 大阪 | 1,177円 | 1,114円 | 63円 |
| 愛知 | 1,140円 | 1,077円 | 63円 |
| 最低:高知・宮崎・沖縄 | 1,023円 | 952円 | 71円 |
出典:厚生労働省「令和7年度 地域別最低賃金 全国一覧」。発効日は都道府県ごとに異なり、令和7年10月1日から令和8年3月31日までの間に順次発効
最高(東京1,226円)と最低(1,023円)の差は203円。1日6時間・週5日で年間1,560時間働いた場合、この差だけで年間31.7万円になります(編集部試算)。保育補助の待遇は、資格や経験より先に「どの都道府県か」で大きく動くということです。
ここで見た年額は、雇われて受け取る給与の話です。保育の仕事を個人で請け負って得る報酬は所得の区分が変わり、その申告はベビーシッターの確定申告|「20万円以下なら申告不要」は、給与を受ける人の条文ですで扱っています。
4つの数字を並べて範囲を見立てる
ここまでの材料を、同じ土俵に載せます。以下はすべて編集部の試算で、前提を明示したうえでの目安です。実在する平均値ではありません。
| 前提 | 年額(編集部試算) | 意味 |
|---|---|---|
| 最低賃金1,121円 × 1,560時間(1日6時間・週5日・52週) | 約174.9万円 | 短時間・最低賃金水準の下限イメージ |
| 最低賃金1,121円 × 2,080時間(1日8時間・週5日・52週) | 約233.2万円 | フルタイム・最低賃金水準 |
| 保育士の時間単価1,713円 × 1,560時間 | 約267.2万円 | 有資格者の単価で短時間勤務した場合 |
| 保育士(一般労働者)の統計値・賞与込み | 427.6万円 | 有資格・常勤の実績値 |
試算の前提:年52週、祝日・有給・欠勤の増減、社会保険料、通勤手当、賞与の有無は考慮していません。賞与のない契約なら上の3行に賞与は乗りません。逆に賞与のある職場なら上振れします。
この並びから読めることは3つです。
1. 無資格・短時間の保育補助は、最低賃金の水準がそのまま効く領域にあります。174.9万円から233.2万円のレンジは、勤務時間の長短でほぼ決まります。求人票を見るときは月給より時給と週の実働時間を先に確認してください。
2. 保育士資格の有無による差は、時給ではなく「賞与」と「常勤扱い」で開きます。時間単価だけなら1,121円対1,713円で1.53倍ですが、年額では174.9万円対427.6万円で2.4倍になります。差を広げているのは労働時間と年間賞与847,900円です。
3. 「保育補助として長く働けば保育士に近づく」構造にはなっていません。次の章がその理由です。
配置に数えられないこと以外に、法令がはっきり禁じているものがもう1つあります。名称の使用制限と、その罰則の条は保育補助にできないこと|法令が禁じているのは2つだけですで扱っています。
なぜ差が縮まらないのか:配置基準が「保育士の数」で書かれている
児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(昭和23年厚生省令第63号)第33条は、保育所の職員をこう定めています。なお、同じ配置比率を使いながら「合計数に1を加えた数以上」を求めている事業もあります。詳しくは小規模保育の仕事内容|配置基準が保育所より「+1人」をご覧ください。
| 条項 | 内容 |
|---|---|
| 第33条第1項 | 保育所には、保育士、嘱託医及び調理員を置かなければならない(調理業務の全部を委託する施設は調理員を置かないことができる) |
| 第33条第2項 | 保育士の数は、乳児おおむね3人につき1人以上、満1歳以上満3歳に満たない幼児おおむね6人につき1人以上、満3歳以上満4歳に満たない幼児おおむね15人につき1人以上、満4歳以上の幼児おおむね25人につき1人以上。ただし保育所1につき2人を下ることはできない |
| 第33条第3項 | 前項の保育士の数の算定に当たっては、当該保育所に勤務する理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・心理担当職員・障害児の療育の指導業務に5年以上従事した経験を有する者のいずれかで、かつ子育てに関する知識及び経験を有する者を、1人に限り、保育士とみなすことができる |
読み方はシンプルです。基準はすべて「保育士の数」で書かれています。そして第3項が定める例外——保育士以外の者を保育士の数に算入できる規定——は、専門職に限られ、かつ1人までです。
つまり無資格の保育補助を何人増やしても、省令が求める保育士の数は埋まりません。園にとって保育補助は「基準を満たすための人員」ではなく「基準を満たしたうえで加える人員」です。この位置づけの違いが、そのまま処遇の差になっています。
注記しておきます。上記は省令の本則です。これ以外に、保育士確保のための特例が別途設けられている場合があります。本記事ではその内容を確認していないため、詳細は書いていません。勤務先や志望先の運用については、園または自治体の担当課に確認してください。
あわせて、児童福祉法 第18条の23は「保育士でない者は、保育士又はこれに紛らわしい名称を使用してはならない」と定めています(名称独占)。資格がない人が「保育士」と名乗ることは法律で禁じられているため、求人票や園内の呼称が「保育補助」になるのは制度上の必然です。
その資格の取り方は、本記事では扱っていません。受験資格の4つの号と、筆記8科目・科目ごとの合格が残る期間は保育士試験の仕組み|筆記8科目と、科目ごとの合格が残る3年度で扱っています。
資格を取ると、金額はどれだけ動くか
保育士資格の取得を検討する材料として、保育士の年齢階級別データを示します。資格を取った直後の水準を知るには、20代の数字を見るのが実際的です。
| 年齢階級 | 推計年収 | 労働者数 |
|---|---|---|
| 20〜24歳 | 350.4万円 | 39,740人 |
| 25〜29歳 | 399.6万円 | 44,160人 |
| 30〜34歳 | 422.2万円 | 34,700人 |
| 35〜39歳 | 430.8万円 | 29,080人 |
| 40〜44歳 | 455.0万円 | 34,040人 |
| 45〜49歳 | 475.9万円 | 38,220人 |
| 50〜54歳 | 464.3万円 | 26,440人 |
| 55〜59歳 | 440.8万円 | 22,740人 |
| 60〜64歳 | 443.2万円 | 15,570人 |
| 65〜69歳 | 398.2万円 | 4,670人 |
出典:同調査 第5表 職種(小分類)、年齢階級別/企業規模計(10人以上)/男女計。年収はすべて同じ式で試算
20〜24歳で350.4万円。これが資格を取って常勤で入った直後のおおよその水準です。前の章で見た「フルタイム・最低賃金水準」の233.2万円と比べると、117.2万円の差になります(編集部算出)。
そして45〜49歳の475.9万円がピークで、そこから下がります。50〜54歳464.3万円、55〜59歳440.8万円。ただし20〜24歳から45〜49歳までの伸びは125.5万円あり、年齢とともに上がる形にはなっています。保育補助のままではこの傾斜に乗れません。
企業規模による差は小さい職種です。1,000人以上442.4万円、100〜999人420.8万円、10〜99人428.5万円。10〜99人の小規模のほうが100〜999人を上回っています。「大きい法人に移れば上がる」という一般論は、保育士については当てはまりません。
同じ第33条第1項は、保育所に置くべき職員を保育士・嘱託医・調理員の3つとしています。そこに栄養士が入っていないことの意味は保育園栄養士の仕事内容と1日|6施設に栄養士がいて、保育所にだけいませんで扱っています。
賃金統計に区分がないという点では、企業主導型保育も同じ状況にあります。ただしこちらは助成要領に単価表があり、金額まで公開されています。その読み方は企業主導型保育の年収|助成の単価が保育士比率で月4万5,970円変わりますで扱っています。
求人票で確認すべき4点
1. 時給と週の実働時間を先に見る
賃金統計に保育補助の平均年収がない以上、比較の基準はご自身で作るのが近道です。時給 × 1日の実働時間 × 週の日数 × 52週で年額に直してから、他の求人と並べてください。月給表示だけでは、実働時間が違う求人どうしを比べられません。
2. お住まいの都道府県の最低賃金と比べる
全国加重平均は1,121円ですが、東京1,226円から高知・宮崎・沖縄1,023円まで203円の幅があります。「時給1,100円」の意味は、東京と高知でまったく違います。提示額が地元の最低賃金をどれだけ上回っているかで判断してください。
3. 賞与の有無を確認する
保育士(一般労働者)の年間賞与は847,900円で、年収427.6万円の約2割を占めます。保育補助の年額を左右する最大の変数は、賞与が出るかどうかです。「賞与あり」と書かれていても、支給月数と支給条件(勤続要件、所定労働時間の要件)まで確認してください。
4. 資格取得の支援制度があるか聞く
上で見たとおり、金額の段差は資格の有無で生まれています。働きながら保育士資格を目指せる支援があるかどうかは、時給50円の差より大きな違いになりえます。ただし、資格取得の具体的な方法・受験資格・費用・支援制度の内容については、本記事では確認していないため書いていません。志望先および自治体の情報を確認してください。
働く場を認可外まで広げるなら、制度の系統が変わります。企業主導型保育の職員構成と定員の埋まり方は企業主導型保育のメリットとデメリット|働く側から見ると、定員充足率69.4%が効いてきますで扱っています。
「国の職種別賃金統計に区分がない」という同じ問題は、介護の生活相談員でも起きています。そちらで唯一使える数字が何かは生活相談員の年収に全国統計はありません|あるのは月額353,950円という1つの数字ですで扱っています。
よくある質問
Q. 保育補助の平均年収はいくらですか?
A. 賃金構造基本統計調査に「保育補助」の職種区分がないため、この統計からの平均年収はありません。140職種を確認しましたが、含まれていませんでした。保育所の中の給与月額は、こども家庭庁の経営実態調査に「保育補助者(資格を有していない者)」の行があり、私立の常勤は234,395円です。この記事では、地域別最低賃金と保育士の統計から範囲を見立てています(フルタイム・最低賃金水準で約233.2万円、1日6時間勤務で約174.9万円。いずれも賞与を含まない編集部試算)。実際の金額は勤務時間・地域・賞与の有無で大きく変わります。
Q. 保育補助は保育士の配置基準に数えられますか?
A. 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第33条第2項は「保育士の数」として基準を定めており、第3項で保育士以外の者を算入できるのは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・心理担当職員・障害児の療育指導に5年以上従事した経験を有する者のいずれかで、かつ子育てに関する知識及び経験を有する者を1人に限り、とされています。省令の本則では、無資格の保育補助が保育士の数に算入される規定はありません。ただし本則以外の特例については本記事では確認していないため、園や自治体に確認してください。
Q. 保育補助として働いた経験は、保育士資格につながりますか?
A. 保育士資格の取得方法・受験資格・実務経験の扱いについては、本記事では一次資料を確認していないため書いていません。推測で書くべきことではないので、志望先の自治体または保育士試験の実施機関の案内で確認してください。本記事で確認できるのは、資格の有無で年額に大きな段差があるという事実(20〜24歳の保育士350.4万円対フルタイム最低賃金水準233.2万円で117.2万円差)までです。
迷ったらここ
月給ではなく「時給 × 週の実働時間」で年額に直してから比べる
保育補助の年収は、国の賃金統計の職種区分にありません。比べる基準は自分で作るのが近道で、手がかりになるのは時給と実働時間、そして地元の最低賃金です。
- 時給は地元の最低賃金をいくら上回るか(全国加重平均は1,121円)
- 週の実働時間は何時間か(年額に直すと差がはっきりする)
- 賞与はあるか、支給条件は何か(有無で年額が大きく変わる)
まとめ
- 賃金構造基本統計調査の140職種に「保育補助」はありません。保育所の中の給与月額は、経営実態調査に別の集計があります
- 「保育補助の年収は◯◯万円」という数字を見たら、出どころを確認してください。賃金構造基本統計調査からは取れない数字です
- 手がかりは保育士427.6万円/その時間単価1,713円/最低賃金の全国加重平均1,121円/保育士20〜24歳350.4万円の4つ
- 編集部試算では、最低賃金水準でフルタイム約233.2万円、1日6時間勤務で約174.9万円(いずれも賞与を含まない)
- 差が縮まらない理由は配置基準。省令は「保育士の数」で基準を書いており、保育士以外を算入できるのは本則では1人まで
- 地域差が大きい。最低賃金は東京1,226円から1,023円まで203円の幅。年1,560時間なら31.7万円の差
- 年額を左右する最大の変数は賞与の有無。保育士の年間賞与は847,900円で年収の約2割
保育補助の求人を比べるときは、他人が出した「平均年収」ではなく、時給・実働時間・地元の最低賃金・賞与の4つを自分で並べてください。賃金統計に平均値がない職種では、それがいちばん確かめやすい比べ方です。

