PRこのページはプロモーションを含みます。広告に関する開示
30秒でわかるまとめ
- 看護師が研修を受ける先は、国が指定した505機関です令和8年3月現在の国の一覧で、指定研修機関は505機関です。いちばん多い種類は病院・診療所の350機関です。
- 自分の病院で実習するには、協力施設になる必要があります国のQ&Aは、所属する医療機関等での実習はできるとしたうえで、その施設が協力施設となる必要があると答えています。
- 21区分すべてを実施している機関は、16にとどまります1区分だけの機関は21あります。区分ごとでは、栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連の452機関が最多です。
- 研修を修了した看護師は、14,266人になりました平成28年9月の259人から増え続けています。就業している11,709人のうち、10,067人は病院で働いています。
※研修の中身(対象の行為や特定行為区分、時間数)は特定行為研修とは、新人の時期の研修は看護師1年目がつらいときで扱っています。

まず結論:受けられるかは「指定研修機関か、協力施設か」で決まります
特定行為研修を行うのは、厚生労働大臣が指定した指定研修機関です。その指定は、病院などの側が申請して受けるものです。
「前条第二項第五号の規定による指定(以下この条及び次条において単に「指定」という。)は、特定行為研修を行おうとする者の申請により行う。」
出典:保健師助産師看護師法(e-Gov法令API 法令ID 323AC0000000203)第37条の3第1項(原文どおり)
では、勤め先が指定研修機関でなければ、自分の病院では受けられないのでしょうか。厚生労働省のQ&Aは、「受講者が所属する医療機関等で、実習を行うことはできますか。」という質問に、こう答えています。
「できます。ただし、受講者が所属する施設が指定研修機関の協力施設となる必要がありますので、詳細は指定研修機関にお問い合わせください。」
出典:厚生労働省「特定行為に係る看護師の研修制度に関するQ&A」(2019.11改訂)(原文どおり)
「自分の病院で受けられるか」は、勤め先が指定研修機関か、協力施設か、で分かれます。指定研修機関かどうかは国の一覧で確かめられます。協力施設かどうかは、次の節のとおり確かめ方が違います。

協力施設とは:指定研修機関と組んで、講義・演習・実習を行う施設です
協力施設の定義は、厚生労働省の施行通知にあります。
「特定行為研修の実施に関し必要な施設であって、指定研修機関と連携協力し、特定行為研修に係る講義、演習又は実習を行う指定研修機関以外のものをいい、講義又は演習について、単に、特定行為研修を行うための教材又は場所を提供するものは含まれないこと。」
出典:厚生労働省医政局長通知「保健師助産師看護師法第37条の2第2項第1号に規定する特定行為及び同項第4号に規定する特定行為研修に関する省令の施行等について」(平成27年3月17日医政発0317第1号、最終改正令和8年3月30日)第2の1(10)(原文どおり)
「実習を行う協力施設は、病院、診療所、介護老人保健施設及び訪問看護ステーション等とし、受講者の所属施設等で実習を行うことも可能であること。」
出典:同通知 第2の6(14)2(原文どおり。冒頭の「6.(2)2に関連して、」を省略)
土台は省令の指定の基準です。指定研修機関に求められているのは、施設や設備を持っていることではなく、利用することができることです。
「特定行為研修の実施に関し必要な施設及び設備を利用することができること。」
出典:特定行為研修に関する省令(平成27年厚生労働省令第33号。e-Gov法令API 法令ID 427M60000100033。以下「省令」)第7条第1項第2号(原文どおり)
「特定行為研修のために利用することができる施設」が変わったときは届出が要ります(省令 第9条第4号)。協力施設は固定ではなく、変わりうるものです。その名前は、各指定研修機関が公表するものとされています。
「特定行為研修の円滑な受講のために、指定研修機関は、受講希望者の指定研修機関の選定に資するよう、実習施設となる協力施設名を公表すること。また、協力施設名の公表に当たっては公表時点を明記し、毎年更新する等最新の情報とすること。」
出典:同通知 第3の7(原文どおり)
国の指定研修機関の一覧には、協力施設の欄がありません。全国の協力施設の数も、本記事が取得した国の資料には載っていませんでした。

指定研修機関は505機関。病院・診療所が350です
| 施設の種類 | 機関数 | 割合(編集部試算) |
|---|---|---|
| 大学 | 43 | 8.5% |
| 大学院 | 22 | 4.4% |
| 大学病院 | 64 | 12.7% |
| 病院・診療所 | 350 | 69.3% |
| 医療関係団体等 | 26 | 5.1% |
| 総計 | 505 | 100.0% |
出典:厚生労働省「特定行為研修を行う指定研修機関の状況」施設の種類別指定研修機関数(令和8年3月現在、厚生労働省医政局看護課調べ)。割合は編集部試算(各機関数÷505、小数第2位を四捨五入)
43+22+64+350+26=505で、内訳の和は総計と一致します。元の資料の割合の欄には機関数から計算した値と合わない欄があるため、本記事は割合を計算し直しています。
約10年で、14機関から505機関に増えました
| 時点 | 指定研修機関数 | 修了者数 |
|---|---|---|
| 平成27年9月 | 14 | ― |
| 平成28年9月 | 28 | 259 |
| 平成31年3月 | 113 | 1,685 |
| 令和3年3月 | 272 | 3,307 |
| 令和5年3月 | 360 | 6,875 |
| 令和7年3月 | 462 | 11,840 |
| 令和8年3月 | 505 | 14,266 |
出典:厚生労働省「特定行為に係る看護師の研修制度について」(令和8年度指定研修機関説明会 資料2、令和8年5月29日)「特定行為研修指定研修機関数・特定行為研修修了者の推移」(厚生労働省医政局看護課調べ)から、最初の時点と2年ごとの3月を抜粋
「特定行為研修を行う指定研修機関は、年々増加しており令和8年3月現在で505機関、年間あたり受け入れ可能な人数(定員数)は6,823人である。」
出典:同資料 2(原文どおり)
機関が増えても、受け入れ可能な人数は年間6,823人です。省令 第6条は、指定の申請書に「特定行為研修を受ける看護師の定員」を書かせ(第1項第8号)、2以上の区分を実施する場合は区分ごとに書くとしています(第2項)。
都道府県別:東京都56、大阪府44。どの都道府県にも2機関以上あります
多いのは東京都56、大阪府44、神奈川県36、福岡県32、愛知県26、北海道24です。少ないのは岩手県・栃木県・滋賀県・和歌山県・鳥取県・徳島県で、各2です。
出典:厚生労働省「特定行為研修を行う指定研修機関の状況」都道府県別指定研修機関数(令和8年3月現在)。同「指定研修機関一覧」の都道府県欄を編集部が数えた結果と、47都道府県すべてで一致
指定研修機関が1つもない都道府県はありません。ただし、どの区分を実施しているかは機関ごとに違います。近くにあるかだけでなく、次の節の「区分の○」まで見る必要があります。
一覧の見方:実施する区分は、機関ごとに違います
国の「指定研修機関一覧」は1行が1機関で、都道府県・指定年・機関名・区分数のあとに、21の特定行為区分と、領域別パッケージ研修の6つの領域の欄が並びます。実施しているものに○がつきます。冒頭には次の注記があります。
「※休止中の区分・領域別パッケージ研修も○となっています。」
出典:厚生労働省「特定行為に係る看護師の研修制度:指定研修機関一覧」(令和8年3月現在)(原文どおり)
○がついていても、今その区分を募集しているとは限りません。一覧の○を数えると、機関ごとの差がわかります。
- 21区分すべてに○がある機関は16。
- 1区分だけの機関は21。
- 10区分以上を実施する機関は209です。
出典:同一覧の区分数の欄と○を編集部が計数
| 特定行為区分 | 実施する機関 | 修了した看護師 |
|---|---|---|
| 呼吸器(気道確保に係るもの)関連 | 312 | 4,483 |
| 呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 | 331 | 5,501 |
| 呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連 | 256 | 3,923 |
| 循環器関連 | 108 | 1,359 |
| 心嚢ドレーン管理関連 | 37 | 1,007 |
| 胸腔ドレーン管理関連 | 121 | 1,488 |
| 腹腔ドレーン管理関連 | 135 | 1,711 |
| ろう孔管理関連 | 168 | 2,441 |
| 栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連 | 266 | 3,288 |
| 栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連 | 245 | 2,595 |
| 創傷管理関連 | 278 | 4,479 |
| 創部ドレーン管理関連 | 175 | 2,411 |
| 動脈血液ガス分析関連 | 373 | 5,387 |
| 透析管理関連 | 53 | 1,242 |
| 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 | 452 | 11,643 |
| 感染に係る薬剤投与関連 | 160 | 3,071 |
| 血糖コントロールに係る薬剤投与関連 | 183 | 3,091 |
| 術後疼痛管理関連 | 259 | 3,130 |
| 循環動態に係る薬剤投与関連 | 277 | 3,868 |
| 精神及び神経症状に係る薬剤投与関連 | 179 | 2,837 |
| 皮膚損傷に係る薬剤投与関連 | 27 | 1,058 |
出典:実施する機関は説明会資料2「特定行為区分別の指定研修機関の指定数」、修了した看護師は厚生労働省「特定行為区分別の特定行為研修を修了した看護師数」(いずれも令和8年3月現在、厚生労働省医政局看護課調べ)。実施する機関の数は、一覧の○を区分ごとに数えた結果と21区分すべてで一致
最多の栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連は452機関で、505機関の約9割です(編集部試算:452÷505)。最少は皮膚損傷に係る薬剤投与関連の27機関、次いで心嚢ドレーン管理関連の37機関です。
受けたい区分が少数派なら、近くの機関では実施していないこともあります。なお、指定の後に新たな区分の研修を始めるには、厚生労働大臣の承認が要ります(省令 第10条)。
修了者は14,266人。働いている場所は、病院が中心です
令和8年3月現在の修了者数は14,266人です。区分ごとの修了者数を合計すると70,013人になり、1人あたり平均約4.9区分です(編集部試算:70,013÷14,266)。
出典:厚生労働省「特定行為区分別の特定行為研修を修了した看護師数」(令和8年3月現在)。21区分の値の和が70,013になることを編集部が確認
就業している修了者は合計11,709人で、内訳は病院10,067人、訪問看護ステーション725人、診療所409人、介護保険施設293人、その他80人、看護師等学校養成所又は研究機関68人、社会福祉施設67人です。約86%が病院です(編集部試算:10,067÷11,709)。
出典:説明会資料2「特定行為研修修了看護師の就業状況」【就業場所別】(令和6年度衛生行政報告例より看護課作成)。内訳の和が合計と一致することを編集部が確認
この就業者の集計と、令和8年3月現在の修了者数は、時点も集計のしかたも違います。差を「働いていない人の数」とは読めません。
病院の看護師の研修については、精神科リエゾンチーム加算や呼吸ケアチーム加算などの施設基準が、600時間以上の研修か指定研修機関で行われる研修の修了を求めています。認定看護師の取得支援と診療報酬|加算の要件は「600時間以上の研修」を修了した看護師ですで扱っています。
この記事が扱っていないこと
- 全国の協力施設の数と名前。取得した国の資料にありません。各指定研修機関が公表するものとされています。
- 個々の機関の定員・受講料・募集時期・現在の研修期間。国の一覧にないため取得していません。
- 個別の病院の紹介や比較。特定の機関を勧めていません。
- 修了後の処遇や手当。取得した資料は扱っていません。
- 衛生行政報告例の原表と、研修制度の見直しの中身。本記事では取得していません。
特定行為研修を受けたい看護師が確認できること
- 勤め先が国の一覧に載っているか。法人名でも探せます。
- 載っていれば、受けたい区分に○があるか。休止中の区分にも○がつくため、募集の有無は機関に確かめます。
- 載っていなければ、勤め先が協力施設か。近くの指定研修機関が公表している協力施設名を見ます。
- 受けたい区分を実施する機関の数。27機関の区分もあれば、452機関の区分もあります。
よくある質問
Q. 今の勤め先で特定行為研修を受けられますか。
A. 勤め先が指定研修機関なら、勤め先が研修を行う側です(実施する区分は機関ごとに違います)。指定研修機関でなくても協力施設であれば、所属する施設で実習を行うことができる、と厚生労働省のQ&Aは答えています。
Q. 協力施設かどうかは、国の一覧で調べられますか。
A. 国の一覧に協力施設の欄はありません。施行通知は、指定研修機関に「実習施設となる協力施設名を公表すること」を求めています。
Q. 看護師になって何年目から受けられますか。
A. 施行通知は、受講者として概ね3〜5年以上の実務経験を有する看護師が想定されるとしつつ、それより短い看護師の受講を認めないこととするものではない、と書いています。
Q. 研修期間はどのくらいですか。
A. 厚生労働省のQ&A(2019.11改訂)は、当時の指定研修機関の研修期間を6ヶ月〜24ヶ月としています。機関により異なるため、各機関に確かめる必要があります。
迷ったらここ
受けられるかは勤め先の立場で決まる
特定行為研修を自分の病院で受けられるかは、勤め先が指定研修機関か、協力施設かで決まります。指定研修機関は令和8年3月現在で505機関あり、実施する区分は機関ごとに違います。
- 勤め先が国の指定研修機関一覧に載っているか
- 受けたい特定行為区分に○があり、いま募集しているか
- 勤め先が近くの指定研修機関の協力施設になっているか
まとめ
特定行為研修を行うのは、申請を受けて厚生労働大臣が指定した指定研修機関です(保健師助産師看護師法 第37条の3第1項)。令和8年3月現在で505機関あり、種類別では病院・診療所が350機関です。
勤め先が指定研修機関でなくても、協力施設であれば所属する施設で実習できる、と国のQ&Aは答えています。協力施設名は、各指定研修機関が公表するものとされています。
一覧で見つけたら、受けたい区分に○があるかまで確かめます。21区分すべてを実施する機関は16です。修了した看護師は14,266人です。

