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30秒でわかるまとめ
- 加算が求める看護師は、600時間以上の研修の修了者です感染対策向上加算などの施設基準の通知は、国又は医療関係団体等が主催し、修了証が交付される研修と書いています。
- 通知の本文に「認定看護師」という言葉は出てきません研修は主催者・時間数・目的・内容で決められています。本記事が文字を検索した、2つの施設基準の通知の範囲です。
- 認定看護師の課程を名指しした疑義解釈は、2問です心不全の予防指導の研修と、地域医療体制確保加算2の研修です。どちらも「望ましい」か、選べる取組の1つです。
- 認知症ケア加算は、600時間と9時間の2段になっていますチームの看護師には600時間以上の研修を、病棟の看護師には9時間以上の内容を含む研修を求めています。
※法律に書かれた研修は特定行為研修とは、その研修を受けられる病院は特定行為研修を受けられる病院で扱っています。

まず整理:本記事が読んだのは、令和8年度改定の通知と疑義解釈です
認定看護師の取得を支援する病院があるのはなぜか。本記事は、その手がかりを診療報酬の施設基準に探しました。加算や管理料を算定するために、病院が満たして届け出る基準です。
読んだのは、厚生労働省が令和8年度診療報酬改定で出した次の資料です。
- 「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日保医発0305第7号。以下「基本の施設基準通知」)
- 「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日保医発0305第8号。以下「特掲の施設基準通知」)
- 「疑義解釈資料の送付について」(その1〜その13、保険局医療課事務連絡)
2つの施設基準通知は、厚生労働省の掲載ページで令和8年10月7日の訂正を反映した版を取りました。疑義解釈は、掲載ページにある最後のその13(令和8年9月25日)まで読んでいます。
なお、保健師助産師看護師法に「認定看護師」という語がないことは特定行為研修とはで扱っています。

ここが本題:通知が求めるのは「600時間以上の研修」を修了した看護師です
例として、感染対策向上加算を見ます。加算1の施設基準は、感染制御チームを組むことを求め、その構成員の1人を次のように書いています。
「5年以上感染管理に従事した経験を有し、感染管理に係る適切な研修を修了した専任の看護師」
出典:基本の施設基準通知 別添3 第21 感染対策向上加算 1(2)イ(原文どおり)
その「適切な研修」の中身は、同じ項の(3)にあります。最初の条件はこうです。
「国又は医療関係団体等が主催する研修であること(600時間以上の研修期間で、修了証が交付されるもの)。」
出典:同 1(3)ア(原文どおり)
| (3)の条件 | 通知の書き方(要旨) |
|---|---|
| ア 主催者と時間数 | 国又は医療関係団体等が主催する、600時間以上の研修期間で、修了証が交付されるもの |
| イ 目的 | 感染管理のための専門的な知識・技術を有する看護師の養成を目的とした研修 |
| ウ 内容 | 講義及び演習により、感染予防・管理システム、医療関連感染サーベイランス、感染防止技術、職業感染管理、感染管理指導、感染管理相談、洗浄・消毒・滅菌とファシリティマネジメント等の7項目を含むもの |
出典:同 1(3)ア〜ウ。項目数は(イ)〜(ト)を編集部が計数
条件として書かれているのは、主催者・時間数・修了証・目的・内容です。研修を行う団体の名前や、修了した人の呼び名は書かれていません。
加算2の施設基準では、同じ位置の看護師は「5年以上感染管理に従事した経験を有する専任の看護師」で、600時間の研修の修了は書かれていません(同 2(3)イ)。600時間以上の研修を求めているのは、加算1の側です。

600時間以上の研修を求める加算・管理料
2つの施設基準通知で「600時間」を検索し、看護師の研修の条件として書かれている項を拾いました。
| 加算・管理料 | 通知が書く看護師の研修 | 指定研修機関の研修 |
|---|---|---|
| 緩和ケア診療加算/小児緩和ケア診療加算 | 緩和ケア病棟等における研修 | 書かれていない |
| 精神科リエゾンチーム加算 | 精神看護関連領域に係る適切な研修 | 挙げている |
| 感染対策向上加算(加算1) | 感染管理に係る適切な研修 | 書かれていない |
| 褥瘡ハイリスク患者ケア加算 | 褥瘡等の創傷ケアに係る適切な研修 | 挙げている |
| 呼吸ケアチーム加算 | 呼吸ケアに係る適切な研修 | 挙げている |
| 認知症ケア加算(加算1) | 認知症看護に係る適切な研修 | 書かれていない |
| 特定集中治療室管理料など、集中治療の治療室の入院料・加算 | 集中治療を必要とする患者の看護に係る適切な研修 | 挙げている |
| がん患者指導管理料 | がん患者へのカウンセリング等に係る適切な研修 | 書かれていない |
| 外来緩和ケア管理料 | 緩和ケア病棟等における研修 | 書かれていない |
| 在宅患者訪問看護・指導料(注2) | 緩和ケア、褥瘡ケア又は人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修 | 褥瘡ケアだけ挙げている |
| 摂食嚥下機能回復体制加算(加算1) | 摂食嚥下障害看護に係る適切な研修 | 書かれていない |
出典:基本の施設基準通知 別添3 第14・第14の3・第17・第21・第22・第26・第26の6、別添4 第1〜第4の2。特掲の施設基準通知 別添1 第4の3・第4の4・第16の2・第45の2。「指定研修機関の研修」は、600時間以上の研修と並べて、特定行為研修の指定研修機関で行われる研修を挙げているかどうか
多くの項は、研修の条件に加えて経験年数も求めています。感染対策向上加算は「5年以上感染管理に従事」、緩和ケア診療加算は「5年以上悪性腫瘍患者の看護に従事」、褥瘡ハイリスク患者ケア加算は「褥瘡ハイリスク患者のケアに従事した経験を5年以上」です。
病院から見ると、これらの加算を届け出るには、条件に合う研修を修了した看護師が要ります。病院が研修の受講を支援する理由の1つは、ここにあると考えられます。ただし、どの加算を届け出るかは病院ごとに違い、支援の有無や中身を通知は定めていません。
通知は団体名で書かない。ただし、団体名を書いた項もあります
基本の施設基準通知と特掲の施設基準通知の本文を検索した範囲では、「認定看護師」「看護協会」という語は1回も出てきませんでした。600時間以上の研修は、どの項でも主催者・時間数・目的・内容の条件で書かれています。
一方で、通知が研修の例として団体名を書いている項もあります。糖尿病合併症管理料の、糖尿病足病変の指導に係る看護師の研修です。
「国又は医療関係団体等(糖尿病重症化予防(フットケア)研修を行っている日本糖尿病教育・看護学会等)が主催する研修であること。」
出典:特掲の施設基準通知 別添1 第4 糖尿病合併症管理料 1(2)ア(原文どおり)
この研修は「通算して16時間以上のもの」とされ(同 1(2)エ)、600時間の研修とは長さが大きく違います。通知は、研修の例として団体名を書くこともあります。600時間以上の研修の項には、団体名は書かれていません。
認定看護師の課程を名指ししている疑義解釈は、2問です
通知の言葉の意味を、厚生労働省が問答の形で示すのが疑義解釈資料です。令和8年度の疑義解釈(その1〜その13)を読むと、日本看護協会の課程を名指しした答えは次の3問でした。
| 疑義解釈 | 対象の要件 | 名指しされた課程(抜粋) |
|---|---|---|
| その2 問58 | 心不全再入院予防継続管理料1・2の「心不全の予防指導に係る適切な研修」 | 日本看護協会の認定看護師教育課程「慢性心不全看護」「心不全看護」 |
| その4 問10 | 地域医療体制確保加算2の「集中治療、術後疼痛管理、呼吸ケア等、特定診療科に係る適切な研修」 | 日本看護協会の認定看護師教育課程「クリティカルケア※」、「新生児集中ケア」、「小児プライマリケア※」ほか |
| その1 問12 | 急性期病院一般入院基本料の、看護師長等の経験がある看護師の「所定の研修」 | 日本看護協会認定看護管理者教育課程「サードレベル」 |
出典:疑義解釈資料の送付について(その1)令和8年3月23日、(その2)令和8年4月1日、(その4)令和8年4月21日、いずれも厚生労働省保険局医療課事務連絡
その2 問58の答えは、こう始まります。
「現時点では、以下の研修が該当する。」
出典:疑義解釈資料の送付について(その2)別添1 問58(原文どおり)
続いて1番目に「日本看護協会の認定看護師教育課程「慢性心不全看護」「心不全看護」」、2番目に日本循環器学会の「心不全療養指導士」が挙がっています。そのほか、医療関係団体が主催する7時間以上の研修で、4つの要件を満たすものも該当するとしています。
その4 問10の答えは、認定看護師教育課程のほかに、日本看護協会が認定している看護系大学院の「急性・重症患者看護」の専門看護師教育課程、特定行為研修の指定研修機関で行われる研修(9区分のいずれか、又は4つの領域別パッケージ研修)、日本集中治療医学会の集中治療認証看護師も挙げています。
その1 問12の「サードレベル」は、認定看護師ではなく認定看護管理者の課程です。通知の側は、この研修を「180時間以上のものに限る」としています(基本の施設基準通知 別添2 第2の4の9(1)エ)。
感染管理・緩和ケア・褥瘡・認知症などの600時間以上の研修について、団体名を挙げた問答は、令和8年度の疑義解釈(その1〜その13)には見当たりませんでした。
名指しされた2問は、どちらも「必須」ではありません
認定看護師教育課程が名指しされた2つの要件は、施設基準の中での位置づけが強くありません。
心不全再入院予防継続管理料1・2は、医師・看護師又は保健師・管理栄養士でチームを組むことを求めたうえで、研修について次のように書いています。
「(2)に規定する心不全再入院予防チームに所属する(2)のアからウまでの者のいずれかは、心不全の予防指導に係る適切な研修を修了した者であることが望ましい。」
出典:特掲の施設基準通知 別添1 第7の3 心不全再入院予防継続管理料 1(3)(原文どおり)
地域医療体制確保加算2は、特定診療科について次のように書きます。
「特定診療科において、ア又はイの取組及びウ又はエの取組を実施していること。」
出典:基本の施設基準通知 別添3 第26の10 地域医療体制確保加算 2(4)(原文どおり)
研修を修了した看護職員がいることは、このうちのエです。ウ(医師事務作業補助者の配置)を選べば、エは要りません。
「認定看護師がいないと算定できない」と書いた要件は、本記事が読んだ資料にはありませんでした。要件はあくまで「研修を修了した看護師」で、疑義解釈が認定看護師教育課程を例に挙げているのは、望ましいとされる研修と、選べる取組の1つの研修です。
認知症ケア加算は、600時間と9時間の2段です
研修の長さで段を分けている加算もあります。認知症ケア加算です。
| 区分 | 求められている看護師と研修 |
|---|---|
| 加算1 | 認知症ケアチームに、認知症患者の看護に従事した経験を5年以上有し、認知症看護に係る適切な研修(600時間以上)を修了した専任の常勤看護師 |
| 加算2 | 専任の常勤医師又は上と同じ研修を修了した専任の常勤看護師。あわせて、原則として全ての病棟に、認知症患者のアセスメントや看護方法等に係る適切な研修を受けた看護師を3名以上 |
| 加算3 | 加算2の病棟の看護師の基準(3名以上・研修)を満たすこと |
出典:基本の施設基準通知 別添3 第26の6 認知症ケア加算 1(1)・(3)、2(1)〜(4)、3(1)
病棟の看護師の研修は、国、都道府県又は医療関係団体等が主催し、修了証が交付されるもので、講義及び演習は決められた内容について9時間以上含むものとされています(同 2(4))。3名以上のうち1名は、その研修を受けた看護師が行う院内研修の受講で満たしてよいとされています。
同じ認知症の加算でも、チームの中心になる看護師と病棟の看護師では、求められる研修の長さが違います。
この記事が扱っていないこと
- 認定看護師の分野・人数・教育課程の費用や期間。日本看護協会など団体の資料にあり、国の資料にはないため扱っていません。
- 病院ごとの支援の中身(費用の負担、休職・勤務の扱い、修了後の勤務の約束など)。法令・通知は定めていません。
- 修了後の手当や給与。本記事が読んだ資料は病院の施設基準で、看護師の処遇は定めていません。
- 各加算の点数と、どの病院が届け出ているか。本記事では取得していません。
- 受講費用に使える公的な給付。教育訓練給付は看護助手から看護師になるにはで扱っています。認定看護師教育課程が給付の対象かは、本記事では取得していません。
- 令和6年度以前の改定の疑義解釈。本記事は令和8年度改定の資料だけを読んでいます。
認定看護師の取得支援を考える看護師が確認できること
- 受けたい課程が、施設基準の研修の条件に当たるか。主催者、600時間以上、修了証、目的、講義・演習・実習の内容が条件です。
- 勤め先が、その研修を要件とする加算を届け出ている、又は届け出ようとしているか。表の加算・管理料が手がかりになります。
- 経験年数の要件を満たしているか。感染対策向上加算や褥瘡ハイリスク患者ケア加算は、分野の経験5年以上を求めています。
- 修了後の配置が専従か専任か。褥瘡ハイリスク患者ケア加算の褥瘡管理者は専従での配置です。
- 支援の条件を書面で確かめられるか。費用・勤務の扱い・修了後の勤務の条件は、通知ではなく病院が決めるものです。
よくある質問
Q. 認定看護師がいないと、病院は加算を算定できませんか。
A. 施設基準の通知が求めているのは「適切な研修を修了した看護師」で、研修は主催者・600時間以上・修了証・目的・内容の条件で書かれています。本記事が検索した2つの施設基準通知に「認定看護師」という語はありませんでした。
Q. 厚生労働省の資料に、認定看護師教育課程の名前は出てきますか。
A. 令和8年度の疑義解釈では、心不全の予防指導に係る研修(その2 問58)と、地域医療体制確保加算2の研修(その4 問10)の答えに出てきます。どちらも「望ましい」とされる要件か、選べる取組の1つです。
Q. 特定行為研修でも、600時間の研修の代わりになりますか。
A. 精神科リエゾンチーム加算、褥瘡ハイリスク患者ケア加算、呼吸ケアチーム加算、集中治療の治療室の研修は、指定研修機関で行われる研修も挙げています。感染対策向上加算、緩和ケア診療加算、認知症ケア加算の研修の定めには、指定研修機関の研修は書かれていません。
Q. 病院は、認定看護師の取得を支援しなければなりませんか。
A. 本記事が読んだ資料に、病院に支援を義務づける記述はありません。支援の有無や中身は病院ごとに異なります。
Q. 取得すると給料は上がりますか。
A. 施設基準の通知と疑義解釈は病院の基準を定めたもので、看護師の処遇は定めていません。本記事では扱っていません。
迷ったらここ
加算の要件は600時間の研修
感染対策向上加算などの施設基準の通知は、国又は医療関係団体等が主催する600時間以上の研修を修了した看護師の配置を求めています。通知の本文に「認定看護師」の語はありません。
- 受けたい課程が、主催者・600時間以上・修了証などの研修の条件に当たるか
- 勤め先が、その研修を要件とする加算を届け出ている、又は届け出ようとしているか
- 支援の条件(費用・勤務の扱い・修了後の勤務)が書面で示されているか
まとめ
診療報酬の施設基準の通知は、感染対策向上加算などで「適切な研修を修了した看護師」の配置を求め、その研修を国又は医療関係団体等が主催する600時間以上の研修で、修了証が交付されるものと書いています。病院が研修の受講を支援する理由の1つは、ここにあると考えられます。
ただし、通知の本文に「認定看護師」という語はありません。令和8年度の疑義解釈で認定看護師教育課程が名指しされているのは2問で、どちらも「望ましい」とされる要件か、選べる取組の1つです。
研修の長さは要件ごとに違い、認知症ケア加算では600時間と9時間の2段、糖尿病合併症管理料では16時間です。支援を受けるときは、受ける課程が勤め先の届け出る加算の条件に当たるかを確かめられます。

