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30秒でわかるまとめ
- 管理栄養士が応募先を選ぶ前に、規程の概要を見られます国の告示は、受託機関に運営の重要事項の規程を定めさせ、その概要をホームページ上での掲載等で周知するよう求めています。
- 従業者の職種、員数及び職務の内容は、概要に書く事項です告示が挙げる事項は8つで、統括者の氏名及び職種、実施日及び実施時間、価格その他の費用の額も入っています。
- 国の様式は、職種ごとに常勤と非常勤の人数を書く形です手引きの様式は、医師・保健師・管理栄養士などの人数を、自機関内の常勤・非常勤と協力業者に分けて書かせます。
- 検索で見つかる機関でも、基準への適合は確認されていません機関の検索ページは、届書に基づき登載したもので、委託基準に適合しているか否かの確認は行っていないと注記しています。
※特定保健指導の制度の骨格と実施者の職種は特定保健指導とは、受託機関の中で誰が何を担うかは特定保健指導の研修で扱っています。

先に結論:概要で「誰が何人いるか」を見て、面接で「自分が何をするか」を聞きます
特定保健指導は、保険者から委託を受けた機関でも行われています。転職先としてそうした会社を選ぶときの確認点は、国の基準で周知されることになっている項目と、概要には出ない、自分の働き方の中身に分けると整理しやすくなります。
| 分け方 | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 応募の前に、規程の概要で見られる | 事業の目的及び運営の方針、統括者の氏名及び職種、従業者の職種、員数及び職務の内容、実施日及び実施時間、事業の実施地域、再委託先と再委託する業務の内容など | 委託基準告示 第2の5(7)・(13)エ |
| 国の様式に沿って書かれていれば、さらに見られる | 職種ごとの常勤・非常勤・協力業者の人数、初回面接や継続的な支援をどの職種のどの雇用区分が担うか、施設型か非施設型か、実施者への定期的な研修の有無など | 手引き(第4.3版)4-4、付属資料1-2 |
| 面接で聞く | 自分が担当する業務の範囲、雇用形態、勤務する拠点と時間帯、入社後に受ける研修の中身など | 概要は機関や拠点の単位の情報で、個人の条件は書かれない |
出典:特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する基準第16条第1項の規定に基づき厚生労働大臣が定める者(平成25年厚生労働省告示第92号。以下「委託基準告示」)、厚生労働省「特定健康診査・特定保健指導の円滑な実施に向けた手引き(第4.3版)」(以下「手引き」)と付属資料1-2。整理は編集部
概要は、もともと保険者が委託先を探し、比べるための情報です。それでも中身に従業者の職種と員数が入っているので、働く場所を比べる材料にもなります。

まず条文:保険者は、大臣が定める者に委託しなければなりません
特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する基準(平成19年厚生労働省令第157号。以下「実施基準」)第16条第1項です。
「保険者は、法第二十八条の規定により、特定健康診査及び特定保健指導の実施を委託する場合には、特定健康診査及び特定保健指導を円滑かつ効率的に実施する観点から適当である者として厚生労働大臣が定めるものに委託しなければならない。」
出典:実施基準(e-Gov法令API 法令ID 419M60000100157)第16条第1項(原文どおり)
この「厚生労働大臣が定めるもの」を定めたのが、委託基準告示です。告示は、特定保健指導の実施を委託する場合は第2に掲げる基準を満たす者とする、としています。第2は、人員、施設・設備等、特定保健指導の内容、記録等の情報の取扱い、運営等の5つの基準でできています。
人員の基準の最初の(1)は、特定保健指導の業務全般を統括管理する統括者を、常勤の医師、保健師又は管理栄養士としています(出典:委託基準告示 第2の1(1))。初回の面接や実践的な指導を誰が担えるかは、特定保健指導の研修で扱っています。

ここが本題:運営の重要事項を規程にし、その概要を周知します
委託基準告示の第2の5は「運営等に関する基準」です。その(7)が、本記事の中心になる定めです。
「運営についての重要事項として次に掲げる事項を記した規程を定め、当該規程の概要を、保険者及び特定保健指導の利用者が容易に確認できる方法(ホームページ上での掲載等)により、幅広く周知すること。」
出典:委託基準告示 第2の5(7)柱書(原文どおり)
| 記号 | 第2の5(7)に掲げる事項(原文どおり) |
|---|---|
| ア | 事業の目的及び運営の方針 |
| イ | 統括者の氏名及び職種 |
| ウ | 従業者の職種、員数及び職務の内容 |
| エ | 特定保健指導の実施日及び実施時間 |
| オ | 特定保健指導の内容及び価格その他の費用の額 |
| カ | 事業の実施地域 |
| キ | 緊急時における対応 |
| ク | その他運営に関する重要事項 |
出典:委託基準告示 第2の5(7)ア〜ク(原文どおり)
8つの事項のうち、働く側に直接関わるのはイ 統括者の氏名及び職種とウ 従業者の職種、員数及び職務の内容です。どの職種が何人いて、それぞれ何をしているかを、規程に書き、その概要を周知することになっています。
告示の言葉は「公表」ではなく「幅広く周知すること」で、方法の例が「ホームページ上での掲載等」です。手引きは、4-6-1で、健診・保健指導機関は基準を満たしていることを示す概要を「ホームページ等で公表する」と書いています。
特定健診を受託する場合の第1の5(6)にも同じ形の定めがありますが、事項は7つで、「統括者の氏名及び職種」は特定保健指導の側にだけあります。
国の手引き:概要は共通の様式で、実施拠点ごとに作ります
手引き(第4.3版、2026年3月)は、4-4「重要事項に関する規程」の冒頭でこう書いています。
「保険者が特定健診・特定保健指導を委託できる機関の基準が告示により定められていることから、保険者が委託先を探すにあたって、委託基準を満たしている機関であるか否かを判別できるよう、健診・保健指導機関は基準の遵守状況について情報を公開する。」
出典:手引き(第4.3版)4-4(原文どおり)
そのうえで、概要の作り方を次のように定めています。
- 規程の概要は、保険者が各機関の比較検討が円滑にできるよう、共通の様式を用いて記載する(様式は付属資料1-2)。必須記載項目は全て記載する。
- 複数の実施拠点を抱える機関の概要は、実施拠点単位で作成する。
- 公開している内容に変更があった場合は速やかに更新し、更新の都度、最終更新日の欄の日付を更新する。
出典:手引き(第4.3版)4-4
同じ会社でも、拠点ごとに概要が分かれていることになります。応募する拠点の概要と、その最終更新日を確かめられます。
様式の中身:職種ごとに、常勤・非常勤・協力業者の人数を書きます
付属資料1-2「ホームページ等への記載様式」のうち、保健指導機関用の様式から、働く側に関わる欄を抜き出します。
| 欄 | 様式が書かせていること(項目名は原文どおり) |
|---|---|
| 機関情報 | 保健指導業務の統括者名/管理者名/最終更新日 |
| スタッフ情報 | 医師、保健師、管理栄養士、看護師(一定の保健指導の実務経験のある者)、専門的知識及び技術を有する者、事務職員の人数を、自機関内の「常勤」「非常勤」と「協力業者」に分け、それぞれ「総数」と「左記のうち一定の研修修了者数」で書く |
| 保健指導の実施体制 | 「保健指導事業の統括者」「初回面接、計画作成、評価に関する業務を行う者」「3ヶ月以上の継続的な支援を行う者」(個別支援・グループ支援・電話・電子メール等)を、職種ごとに常勤・非常勤・協力業者から選ぶ |
| 協力業者情報 | 協力業者の有無(積極的支援)/協力業者名・委託部分 |
| 運営に関する情報 | 実施日及び実施時間/実施地域/実施形態(施設型・非施設型)/継続的な支援の形態や内容/保健指導の実施者への定期的な研修(有・無)/インターネットを用いた保健指導における安全管理の仕組みや体制(有・無) |
| その他 | 掲出時点の前年度の特定保健指導の実施件数/実施可能な特定保健指導の件数 |
出典:手引き(第4.3版)付属資料1-2 運営についての重要事項に関する規程の概要[保健指導機関](項目名は原文どおり。抜き出しとまとまりは編集部)
この様式に沿って書かれていれば、管理栄養士が常勤で何人、非常勤で何人いるか、初回面接を常勤が担うのか、継続的な支援を協力業者が担うのかまで読み取れます。告示の事項は「職種、員数」までですが、国の様式は常勤と非常勤を分けて書かせています。
「一定の研修」は、様式の注12で、「健診・保健指導の研修ガイドライン」に準拠した研修等とされています。研修の種類の違いは特定保健指導の研修で扱っています。インターネットを用いた保健指導の安全管理は、遠隔で働けるかどうかにも関わります(特定保健指導は在宅でできるかで扱っています)。
再委託があれば、その範囲と委託先も概要に書かれます
受託した機関が、業務の一部をさらに別の機関に委託する(再委託する)ことがあります。委託基準告示 第2の5(13)は、再委託する場合に守る事項をア〜オの5つ挙げ、その1つがこれです。
「再委託先及び再委託する業務の内容を(7)に規定する規程に明記するとともに、(7)に規定する規程の概要にも明記すること。」
出典:委託基準告示 第2の5(13)エ(原文どおり)
同じ(13)は、委託を受けた業務の全部又は主たる部分を再委託してはならないこと(ア)、保険者への結果報告等は再委託した分も含めて一括して行うこと(ウ)も定めています。
手引き(4-2-3)は、委託先(元請け)が契約・決済等事務だけを担当し、初回面接での計画作成や実践的な指導、電話での継続的支援などを全て別々の再委託先機関が担当するような実施体制は「適切でない」としています。図表19は、元請けについて保健指導全体の統括・管理は直営(自機関内部)で行うとし、再委託先(下請け)についても次のように書いています。
「部分的であっても「運営についての重要事項に関する規程の概要」のホームページ等での公開は必須」
出典:手引き(第4.3版)図表19 特定保健指導における元請け・下請けの定義(原文どおり)
電話や電子メールでの支援の一部だけを受け持つ会社でも、概要を公開する側に入ります。応募先が元請けか再委託先か、どの部分を受け持っているかは、概要の協力業者の欄や再委託の記載から読み取れる場合があります。
どこで見られるか:機関のホームページ、国のデータベース、機関の検索
手引き(4-4)は、概要をホームページで公開するか、厚生労働省が設ける無料の掲載場所(特定健康診査機関・特定保健指導機関データベース)を借りて公開するとしています。本記事の確認時点では、それぞれ次の状態でした。
| 見る場所 | 確認時点の状態 | 見るときの注意 |
|---|---|---|
| 機関のホームページ | 告示が例に挙げる「ホームページ上での掲載等」 | 応募する実施拠点の概要か。最終更新日はいつか |
| 厚生労働省「特定健康診査機関・特定保健指導機関データベース」 | 改修する必要があり、現在閉鎖。代替措置として、機関の情報を都道府県ごとにPDF形式で掲載 | 掲載希望のあった機関が作成したもので、すべての機関の情報を掲載しているものではない |
| 支払基金の「特定健診・特定保健指導機関検索」 | 令和8年9月30日現在の機関を、都道府県から、または機関名称から検索できる | 届書に基づき登載したもので、委託基準への適合は確認していない(下の原文) |
出典:手引き(第4.3版)4-4、厚生労働省「特定健康診査機関・特定保健指導機関データベース」のページ、社会保険診療報酬支払基金(ウェブサイトの現在の表示は「医療情報基盤・診療報酬審査支払機構」)「特定健診・特定保健指導機関検索」のページ
「ここに登載されている各健診等機関は、それぞれの機関からの届書に基づき登載したものであり、アウトソーシングに係る委託基準に適合しているか否かの確認を行ったものではありません。」
出典:「特定健診・特定保健指導機関検索」の注記(原文どおり)
手引き(4-5-2)は、受託しようとする機関が支払基金に届出をすること、支払基金のホームページで機関のリストを公開する際に委託基準を満たしていることを確認できるよう、各実施機関が申請前に「運営についての重要事項に関する規程の概要」を作成し、ホームページ等に公開しておくことを書いています。リストは、委託基準を満たしている(と自己申告している)機関として、保険者から受託できることを示すためのもの、という位置づけです。
検索で会社名を見つけたら、その会社の概要に進む、という順番が使えます。リストに載っていることだけで、基準を満たした会社だと決めることはできません。
概要の外にも、働き方に関わる運営の基準があります
第2の5には、(7)のほかにも、働く側の毎日に関わる基準が並んでいます。
| 号 | 定め(要約) |
|---|---|
| (1) | 土日若しくは祝日又は夜間に特定保健指導を実施するなど、利用者の利便性に配慮し、実施率を上げるよう取り組む |
| (3) | 特定保健指導を行う際に、商品等の勧誘、販売等を行わない。指導を行う地位を利用した不当な推奨、販売等も行わない |
| (4) | 特定保健指導実施者に必要な研修を定期的に行うこと等により、資質の向上に努める |
| (8) | 特定保健指導実施者に身分を証する書類を携行させ、利用者等から求められたときは提示する |
| (11) | 苦情を受け付けるための窓口を設置する等の措置を講じ、苦情を受け付けた場合は内容等を記録する |
出典:委託基準告示 第2の5(1)(3)(4)(8)(11)
(1)は、土日・祝日・夜間の勤務がありうることにつながります。実施日及び実施時間は概要の事項(エ)なので、応募の前に見られます。(4)の研修は、様式の「保健指導の実施者への定期的な研修」の欄で有無が分かります。中身と時期は、面接で聞く点です。(3)は、指導の場で商品を売ることを禁じる定めです。
概要は、保険者が委託先を確かめる材料でもあります。手引き(4-6-2)は、公開されている概要と実際の内容が相当異なり、委託内容等に影響があると判明した場合、保険者は改善を求め、是正されない場合は年度途中であっても契約の解除が考えられるとしています。
この記事が扱っていないこと
- 個別の会社の概要や、データベース・機関検索に載っている情報。会社名は挙げていません。「この会社なら安心」という判定もしていません。
- 受託機関の数や、受託機関で働く管理栄養士の人数。国の一次資料で集計した数字を取得していません。
- 給与・雇用条件。告示が挙げる概要の事項に入っていません。民間の求人情報や調査は使っていません。
- 遠隔で行う場合の要件と情報の安全管理。特定保健指導は在宅でできるかで扱っています。
- 業務委託(フリーランス)として受ける場合の契約。フリーランス栄養士の契約の注意点で扱っています。
- 特定健診を受託する機関(健診機関)の様式の中身。本記事は保健指導機関の側だけを扱っています。
特定保健指導の会社を選ぶ管理栄養士が確認できること
- 応募する拠点の規程の概要と、最終更新日。手引きは、概要を実施拠点単位で作成するとしています。
- 統括者の氏名及び職種。告示 第2の5(7)イの事項です。統括者は常勤の医師、保健師又は管理栄養士です。
- 従業者の職種、員数及び職務の内容。様式に沿っていれば、常勤・非常勤・協力業者の人数まで書かれています。
- 初回面接と継続的な支援を、誰が担っているか。様式の「保健指導の実施体制」の欄です。
- 再委託先(協力業者)と、受け持つ部分。告示 第2の5(13)エで、概要にも明記することになっています。
- 実施日及び実施時間、実施地域、施設型か非施設型か。自分の勤務の時間帯と場所の手がかりになります。
よくある質問
Q. 特定保健指導の会社で働く管理栄養士の人数は、応募の前に分かりますか。
A. 委託基準告示 第2の5(7)は、「従業者の職種、員数及び職務の内容」を記した規程の概要を、ホームページ上での掲載等で幅広く周知するよう求めています。国の手引きの様式では、職種ごとに常勤・非常勤・協力業者の人数を書く欄があります。
Q. 概要はどこで見られますか。
A. 機関のホームページのほか、厚生労働省の特定健康診査機関・特定保健指導機関データベース(本記事の確認時点では閉鎖中で、代替のPDFを掲載)があります。届出をした機関は、支払基金の「特定健診・特定保健指導機関検索」でも探せます。
Q. 機関検索に載っていれば、基準を満たした会社ですか。
A. 機関検索の注記は、届書に基づき登載したもので、委託基準に適合しているか否かの確認を行ったものではない、としています。手引きも、委託基準の遵守状況は保険者が確認するものとしています。
Q. 給料や雇用形態は概要に書かれますか。
A. 告示が挙げる8つの事項に、給与はありません。国の様式は職種ごとの常勤・非常勤の人数を書かせますが、一人ひとりの雇用条件は書かれないため、面接で確かめます。
Q. 再委託先の会社も概要を公開していますか。
A. 手引きの図表19は、再委託先(下請け)についても、部分的であっても規程の概要のホームページ等での公開は必須としています。元請けの側の概要にも、再委託先と再委託する業務の内容を明記することになっています(委託基準告示 第2の5(13)エ)。
迷ったらここ
特定保健指導の会社を選ぶ
特定保健指導を受託する機関は、国の告示で、統括者の氏名及び職種や、従業者の職種、員数及び職務の内容を記した規程の概要を、ホームページ上での掲載等で周知することになっています。
- 応募する拠点の規程の概要があるか、その最終更新日はいつか
- 管理栄養士の常勤・非常勤の人数と、初回面接や継続的な支援を誰が担うか
- 再委託先(協力業者)の有無と、受け持つ部分
まとめ
保険者が特定保健指導を委託するときは、厚生労働大臣が定める者に委託しなければなりません(実施基準 第16条第1項)。その基準である委託基準告示は、受託機関に、運営の重要事項を記した規程を定め、その概要をホームページ上での掲載等で幅広く周知するよう求めています(第2の5(7))。
概要に書く事項は8つで、統括者の氏名及び職種と従業者の職種、員数及び職務の内容が入っています。国の手引きの様式は、職種ごとの人数を常勤・非常勤・協力業者に分けて書かせ、概要は実施拠点単位で作ります。再委託先と再委託する業務の内容も、概要に明記されます。
機関検索やデータベースは入口で、委託基準への適合を確かめたものではありません。概要で職員の構成と体制を先に見て、自分の業務・雇用形態・研修の中身を面接で聞くという順番が使えます。

