30秒でわかるまとめ
- サービス提供責任者は、利用者対応と管理を1人で兼ねます省令が定める8つの業務は「利用者に向かう仕事」と「訪問介護員に向かう仕事」に分かれます
- 配置基準は利用者40人ごとに1人以上です省令第5条第2項の基準で、41人になれば2人目のサ責が必要になり、常勤換算方法によることもできます
- 服薬の状況や口腔機能の変化も、報告の対象です省令の二の二号が、訪問介護員が気づいた利用者の心身の変化をケアマネへ伝える業務と定めています
- 専従で、決められた資格を持つ人しかなれません介護福祉士その他厚生労働大臣が定める者で、専ら指定訪問介護に従事する人に限られています

同じ省令の中には、サービス提供責任者ではなく事業者を主語にした条もあります。勤務体制やハラスメントの防止、感染症や虐待の防止を誰が負っているのかはサービス提供責任者がきついとき|省令が義務を負わせている相手は誰かで扱っています。
まず条文:サ責の業務は8つ列挙されています
「サービス提供責任者の仕事内容」を調べると、記事によって書いてあることが微妙に違います。理由は簡単で、多くの記事が実務の慣行を並べているからです。
制度上の答えは条文にあります。省令第28条第3項が、サ責の業務を次のように定めています。
| 号 | 条文 |
|---|---|
| 一 | 指定訪問介護の利用の申込みに係る調整をすること。 |
| 二 | 利用者の状態の変化やサービスに関する意向を定期的に把握すること。 |
| 二の二 | 居宅介護支援事業者等に対し、指定訪問介護の提供に当たり把握した利用者の服薬状況、口腔機能その他の利用者の心身の状態及び生活の状況に係る必要な情報の提供を行うこと。 |
| 三 | サービス担当者会議への出席等により、居宅介護支援事業者等と連携を図ること。 |
| 四 | 訪問介護員等に対し、具体的な援助目標及び援助内容を指示するとともに、利用者の状況についての情報を伝達すること。 |
| 五 | 訪問介護員等の業務の実施状況を把握すること。 |
| 六 | 訪問介護員等の能力や希望を踏まえた業務管理を実施すること。 |
| 七 | 訪問介護員等に対する研修、技術指導等を実施すること。 |
| 八 | その他サービス内容の管理について必要な業務を実施すること。 |
出典:指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年3月31日厚生省令第37号)第28条第3項
読み分けると、こうなります。
- 利用者に向かう仕事:一号(申込みの調整)、二号(状態変化・意向の把握)、二の二号(ケアマネへの情報提供)、三号(サービス担当者会議)
- 訪問介護員に向かう仕事:四号(指示・情報伝達)、五号(実施状況の把握)、六号(業務管理)、七号(研修・技術指導)
サ責は「利用者担当」と「ヘルパー担当」を1人で兼ねる役割だと理解すると、業務量の実感と条文が一致します。

ケアマネジャーの側で居宅サービス計画書の7つの表をどう書くか、計画を作る手順との関係は居宅サービス計画書の書き方|国の様式は「標準例」。7つの表は、省令第13条の手順に沿って埋まっていきますで扱っています。
二の二号に注目:服薬状況と口腔機能の情報提供
8つの中で、比較的新しく、見落とされやすいのが二の二号です。
「居宅介護支援事業者等に対し、指定訪問介護の提供に当たり把握した利用者の服薬状況、口腔機能その他の利用者の心身の状態及び生活の状況に係る必要な情報の提供を行うこと。」
条文に「服薬状況」「口腔機能」が名指しで書かれている点が重要です。ヘルパーが訪問先で気づいたこと——薬が飲めていない、食事の様子が変わった——を、サ責がケアマネにつなぐ。この情報の流れが制度上の業務として位置づけられています。
求人票の「サ責」という3文字からは想像しにくい部分ですが、医療・口腔の情報を扱う窓口という側面があります。

同じ事業所の管理者の責務は、業務を並べる形ではなく一元的な管理として書かれています。サ責と管理者の書き方の違いは介護の管理者の仕事内容|研修の修了が要る事業と要らない事業で扱っています。
訪問介護計画の作成はサ責の仕事です(第24条)
第28条の8号には直接書かれていませんが、サ責の中心業務がもう一つあります。訪問介護計画の作成です。
「サービス提供責任者は、利用者の日常生活全般の状況及び希望を踏まえて、指定訪問介護の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した訪問介護計画を作成しなければならない。」(第24条)
条文が「サービス提供責任者は」と主語を名指ししていることに注意してください。管理者でもヘルパーでもなく、サ責の職務として定められています。
計画は作って終わりではありません。作成後は実施状況を把握し、必要に応じて変更することが求められます。作成 → 実施状況の把握(五号)→ 見直しという循環が、サ責の1年を通じた仕事の骨格です。
通所介護や施設に置かれる生活相談員は、数え方も根拠も別です。資格要件が書かれている省令と書かれていない省令の分かれ目は生活相談員の資格要件|書いてある省令と、書いていない省令で扱っています。
配置基準は「利用者40人に1人」
何人のサ責が必要かは、利用者数で決まります。
「常勤の訪問介護員等のうち、利用者の数が四十又はその端数を増すごとに一人以上の者をサービス提供責任者としなければならない。この場合において、当該サービス提供責任者の員数については、利用者の数に応じて常勤換算方法によることができる。」(第5条第2項)
| 利用者数 | 必要なサ責の人数(原則) |
|---|---|
| 1〜40人 | 1人以上 |
| 41〜80人 | 2人以上 |
| 81〜120人 | 3人以上 |
出典:同省令第5条第2項より編集部作成(「40又はその端数を増すごとに1人以上」の適用例)
「40人ちょうど」で線が引かれるので、41人目の利用者を受けた時点で2人目のサ責が必要になります。事業所の規模拡大とサ責の増員がセットで語られるのはこのためです。
なお条文には「常勤換算方法によることができる」という但し書きがあります。常勤専従の人数だけで判断するとは限らないため、実際の運用は指定権者(都道府県・市町村)の解釈も含めて確認が必要です。
なお「サービス提供責任者」という職名は、ケアマネジャーの受験資格を定めた省令の列挙には出てきません。第1号は保有資格、第2号は業務の中身と勤務先で判断されます。その条文の構造はケアマネの受験資格|省令が挙げる22資格と、通算5年の中身ですで扱っています。
サ責になれる人の要件
第5条第2項は、サ責になれる人も限定しています。
「第二項のサービス提供責任者は介護福祉士その他厚生労働大臣が定める者であって、専ら指定訪問介護に従事するものをもって充てなければならない。」
ポイントは2つです。
- 資格要件:介護福祉士、その他厚生労働大臣が定める者
- 専従要件:専ら指定訪問介護に従事すること
「その他厚生労働大臣が定める者」の具体的な範囲は、厚生労働大臣が定める告示によります。本記事では、その範囲を推測で書くことはしません。ご自身が該当するかどうかは、勤務先または指定権者(都道府県・市町村の介護保険担当課)に確認してください。
専従要件があるため、「訪問に出ながら片手間でサ責もやる」という位置づけの職ではないことは条文から読み取れます。ただし実務上どこまでの兼務が認められるかは運用の問題であり、指定権者の判断が入ります。
サービス提供責任者は、保険外サービスを組み合わせる場面でも判断を求められます。何が省令の禁止で、何が介護保険の対象外にすぎないのかは訪問介護でできないこと|省令の禁止は2つ、あとは保険外で頼めますで扱っています。
なお、この記事では給与の金額を扱っていません。介護従事者処遇状況等調査にはサービス提供責任者と訪問介護員が別の行で載っており、その差額がどこから出ているのかはサービス提供責任者の年収|月収は訪問介護員より2万3,524円高いですで扱っています。
サ責を目指す前に確認できること
1. 自分の資格が要件を満たすか確認する
介護福祉士であれば要件を満たします。それ以外の場合は、厚生労働大臣が定める者に該当するかを指定権者に確認してください。ここを推測で進めないことが大切です。
2. 事業所の利用者数とサ責の人数を確認する
利用者40人につき1人が基準です。利用者数に対してサ責が最低人数しかいない事業所では、1人あたりの負担が大きくなります。面接時に聞ける項目です。
3. 訪問に入る頻度を確認する
専従が原則ですが、実際にはサ責が訪問にも入る事業所は珍しくありません。計画作成・調整の時間がどれだけ確保されているかは、働きやすさに直結します。
4. 研修・技術指導の体制を確認する
七号でサ責の業務とされています。研修の企画・実施まで1人で背負う体制なのか、事業所として仕組みがあるのかで負担は変わります。
5. ケアマネとの連携頻度を確認する
二の二号・三号により、居宅介護支援事業者との情報連携とサービス担当者会議への出席が業務です。担当件数が多いほど会議の回数も増えます。
なお、サ責が作る訪問介護計画や日々の記録は、介護報酬の請求を審査で支える資料にもなります。請求と記録の関係は介護事務の仕事内容|6種類の記録を2年保存することが請求の土台ですで扱っています。
よくある質問
Q. サービス提供責任者と管理者は同じですか?
A. 違います。省令第28条は「管理者及びサービス提供責任者の責務」として両者を並べて規定しており、別々の役割です。本記事で挙げた8つの業務は、同条第3項に定めるサービス提供責任者の業務です。実際に同じ人が兼ねている事業所はありますが、制度上は別の位置づけです。
Q. 訪問介護計画は誰が作るのですか?
A. サービス提供責任者です。省令第24条が「サービス提供責任者は……訪問介護計画を作成しなければならない」と主語を明示しています。なお居宅サービス計画(ケアプラン)はケアマネジャーが作成するもので、別物です。
Q. 介護福祉士がなければサ責になれませんか?
A. 条文は「介護福祉士その他厚生労働大臣が定める者」としており、介護福祉士だけに限定してはいません。ただし「その他厚生労働大臣が定める者」の具体的な範囲は告示で定められており、本記事では推測で記載しません。該当するかどうかは、都道府県・市町村の介護保険担当課に確認してください。
迷ったらここ
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配置基準は利用者40人またはその端数を増すごとに1人。この2つの数字が分かれば、条文が定める8つの業務をどこまで回せる体制かが逆算できます。
- サ責は何人で、利用者は何人か(40で割った数を下回っていないか)
- 専ら訪問介護に従事する形か(他業務との兼務になっていないか)
- 訪問介護計画の作成は誰が行っているか(第24条の業務が実際にサ責に来ているか)
まとめ
- サ責の業務は省令第28条第3項に8つ列挙されている。慣行ではなく条文で決まっている
- 8つは「利用者に向かう仕事」(申込調整・意向把握・情報提供・担当者会議)と「訪問介護員に向かう仕事」(指示・実施状況把握・業務管理・研修指導)に分かれる
- 二の二号では服薬状況・口腔機能の情報提供が名指しで求められている
- 訪問介護計画の作成は第24条でサ責の職務と明記されている。ケアプラン(ケアマネ作成)とは別物
- 配置基準は利用者40人またはその端数ごとに1人以上。常勤換算方法によることもできる
- 要件は介護福祉士その他厚生労働大臣が定める者で、かつ専ら指定訪問介護に従事すること
サ責の求人を見るときは、「利用者数 ÷ サ責の人数」を計算してみてください。この数字が、条文に書かれた8つの業務を何人分こなすことになるのかを教えてくれます。

