ケアマネの受験資格|省令が挙げる22資格と、通算5年の中身です

目次

30秒でわかるまとめ

  • 22の資格のどれかで5年働けば、ケアマネを受けられます栄養士・管理栄養士・歯科衛生士・はり師・きゅう師も含まれており、介護と福祉の資格だけではありません
  • 資格は、持っているだけでは年数に入りません数えるのは免許を持っている年数ではなく、資格を取ったあとにその資格の業務に実際に従事していた期間です
  • 資格がなくても、相談援助の仕事なら5年で受けられますただし仕事の中身は相談援助に限られていて、働いた場所も施設4種・事業7種に限定されています
  • 合格しても、研修を修了しないと登録できません実務研修を修了したうえで、修了日から3か月を経過する日までに登録を申請する必要があります

※介護福祉士との資格の性格の違いは介護福祉士とケアマネの違い、給与の分布はケアマネジャーの年収で扱っています。この記事は合格率も給与も扱いません。条文だけを読みます。

相談面談(ケアマネ)

先に断ります:この記事は日数要件を書きません

「5年」に加えて従事日数の要件を各都道府県の受験要項が示していることがあります。ただしその日数は省令に書かれていません。

本記事は省令に書いてあることだけを扱います。日数は、受験する都道府県が公表している受験要項で確認してください。年度によっても変わります。

資格取得ノート

受験資格の条文は1つだけです

介護保険法 第69条の2第1項が、ケアマネジャー(介護支援専門員)の登録の要件を3つ並べています。

順番要件根拠
1厚生労働省令で定める実務の経験を有すること法 第69条の2第1項/規則 第113条の2
2介護支援専門員実務研修受講試験に合格すること法 第69条の2第1項/規則 第113条の3
3介護支援専門員実務研修の課程を修了すること法 第69条の2第1項/規則 第113条の4

出典:介護保険法(平成9年法律第123号)第69条の2第1項、介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号)第113条の2〜第113条の4。番号は編集部が計数

「受験資格」と呼ばれているのは、このうち1番目だけです。そして1番目の中身は、規則 第113条の2という条文1つに書かれています。

セミナー受講

ここが本題:第113条の2が挙げる22の資格

第113条の2第1号は、資格の名前をそのまま列挙しています。編集部が数えたところ22です。

#資格#資格
1医師12視能訓練士
2歯科医師13義肢装具士
3薬剤師14歯科衛生士
4保健師15言語聴覚士
5助産師16あん摩マッサージ指圧師
6看護師17はり師
7准看護師18きゅう師
8理学療法士19柔道整復師
9作業療法士20栄養士
10社会福祉士21管理栄養士
11介護福祉士22精神保健福祉士

出典:介護保険法施行規則 第113条の2第1号(e-Gov法令API 法令ID 411M50000100036)。並び順は条文どおり。番号は編集部が計数

この一覧を見て気づくことが2つあります。

1つめ。介護・福祉の資格だけではありません。栄養士・管理栄養士・歯科衛生士・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師・視能訓練士・義肢装具士も入っています。医療・リハビリ・栄養の資格から来る道が、条文の上では最初から用意されています。

2つめ。介護職員初任者研修・実務者研修は、この列挙に入っていません。研修の修了は資格の名前として条文に挙がっていないため、第1号では数えません。

第28回の合格者で最も多かったのは介護福祉士の8,310人(64.1%)でした。資格ごとの合格者数と、その表の読み方はケアマネ試験の難易度と合格率|第28回は25.6%。28回の推移は10.1%から44.1%の幅ですで扱っています。

「持っている年数」ではなく「働いた期間」です

第1号の条文は、こう書かれています。

「その資格に基づき当該資格に係る業務に従事した期間」

読み方は3つに分かれます。

条文の言葉意味するところ
その資格に基づきその資格を持った状態であること。取得前の期間は数えない
当該資格に係る業務にその資格の業務であること。別職種で働いた期間は数えない
従事した期間実際に就業していた期間。免許を持っていただけの期間は数えない

出典:介護保険法施行規則 第113条の2第1号の文言を編集部が分解したもの

免許を10年前に取っていても、就業していなければ0です。逆に、資格を取ってから働いた期間は対象になります。

資格がなくても数えられる道があります(第2号)

第113条の2第2号は、資格を条件にしていません。代わりに業務の中身と働いた場所の両方を条文で絞っています。

業務の中身

条文の言葉はこうです。

「身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の日常生活の自立に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行う業務その他これに準ずる業務」

相談援助であることが条件です。身体介護そのものは、この文には含まれていません。

働いた場所

そのうえで、イとロで場所が限定されています。

区分条文が挙げるもの
イ(施設)老人福祉法 第5条の3に規定する老人福祉施設
介護老人保健施設
介護医療院
その他これらに準ずる施設の従業者又はこれに準ずる者
ロ(事業)特定施設入居者生活介護
地域密着型特定施設入居者生活介護
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
介護予防特定施設入居者生活介護
計画相談支援(障害者総合支援法 第5条第19項)
障害児相談支援(児童福祉法 第6条の2の2第6項)
生活困窮者自立相談支援事業(生活困窮者自立支援法 第3条第2項)

出典:介護保険法施行規則 第113条の2第2号イ・ロ。区分と行の分け方は編集部

介護保険の外にある3つが入っているのが特徴です。計画相談支援・障害児相談支援・生活困窮者自立相談支援事業は、いずれも介護保険法の事業ではありません。障害福祉や生活困窮者支援の相談員から来る道が、条文に書かれています。

第1号と第2号は「通算」できます

条文は「第一号及び第二号の期間が通算して五年以上」と書いています。

どちらか一方で5年をそろえる必要はありません。たとえば介護福祉士として3年、その後に相談援助業務で2年、という積み上げ方も条文の読み方としては成り立ちます。

ただし同じ期間を二重に数えることはできません(「通算」は重複を足す言葉ではありません)。実際の計算方法と証明書類は、受験する都道府県の受験要項で確認してください。

試験の中身をどこまで条文が書くかは、資格ごとに差があります。介護福祉士試験の科目に当たる条が無いことと、社会福祉士試験との扱いの違いは介護福祉士国家試験の難易度|省令に試験科目は書かれていませんで扱っています。

試験は「基礎的知識」の確認です(第113条の3)

試験の目的も省令に書かれています。第113条の3は、確認する対象を4つ挙げています。

号確認する内容
1介護保険制度に関する基礎的知識
2要介護認定及び要支援認定に関する基礎的知識及び技術
3居宅サービス計画、施設サービス計画及び介護予防サービス計画に関する基礎的知識及び技術
4保健医療サービス及び福祉サービスに関する基礎的知識及び技術

出典:介護保険法施行規則 第113条の3第1号〜第4号

4つとも「基礎的」と書かれています。専門的知識・技術を身につけるのは、その後の実務研修のほうです。第113条の4第1項は実務研修の目的を「介護支援専門員として必要な専門的知識及び技術を修得させること」と定めています。

試験で基礎を確認し、研修で専門を修得する。省令はこの順番で組み立てられています。

ケアマネになった後にも、研修で上がる段があります。主任介護支援専門員研修を受けられる人の年数と、5年ごとの更新研修は主任ケアマネの要件|省令は「十分な知識と経験」、年数は国のガイドラインにありますで扱っています。

受かったあとに期限があります

見落としやすいのがここです。第113条の7第1項は、登録申請の期限を定めています。

「介護支援専門員実務研修を修了した日から三月を経過する日までに」登録申請書を提出しなければならない、と書かれています。

あわせて、登録できる都道府県も決まっています。第113条の5は、2以上の都道府県で実務研修を修了した場合、そのうち1つの都道府県知事の登録しか受けられないとしています。

ケアマネとして登録した後の仕事の一つに、住宅改修の理由書があります。省令が理由書の作成者として介護支援専門員を名指ししている条文は住宅改修に資格は必要か|省令が求めているのは、施工者の資格ではなく理由書ですで扱っています。

登録できない場合が7つ定められています

法 第69条の2第1項のただし書に、登録を受けられない場合が7号にわたって並んでいます。

号内容(編集部による要約)
1心身の故障により業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
2拘禁刑以上の刑に処せられ、執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者
3保健医療・福祉に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金の刑に処せられ、同じ期間にある者
4登録の申請前5年以内に居宅サービス等に関し不正又は著しく不当な行為をした者
5業務禁止の処分を受け、その期間中に登録を消除され、まだその期間が経過しない者
6登録の消除の処分を受け、その処分の日から起算して5年を経過しない者
7消除処分の通知後に自ら登録消除を申請した者で、消除の日から起算して5年を経過しないもの

出典:介護保険法 第69条の2第1項第1号〜第7号。この表は編集部による要約で、条文そのものではありません。該当しそうな場合は条文原文と都道府県にご確認ください

4号だけは刑罰の話ではありません。「居宅サービス等に関し不正又は著しく不当な行為」が対象で、期間は申請前5年以内です。

いまの職場の待遇に迷いがある場合は、賃金の決め方から確かめる方法もあります。資格手当を義務づけた条文が無いことと、労働基準法が置いている手続の義務は介護福祉士に資格手当が無いとき|法律にあるのは別の義務ですで扱っています。

受験を考えるときに確認できること

1. 自分の資格が22に入っているか、名前で照合する

上の表と手元の免許証を突き合わせるだけで済みます。「介護の資格ではないから無理」と決める前に、まず名前があるかを見てください。栄養士・管理栄養士・歯科衛生士・はり師・きゅう師は入っています。

2. 数えるのは「就業していた期間」だと理解しておく

免許取得年ではありません。資格を取った日以降で、その資格の業務に就いていた期間です。転職や離職を挟んでいる場合は、期間を先に洗い出しておくと受験要項の確認が早く済みます。

3. 資格がない場合は「場所」から確かめる

第2号は業務の中身だけでなく、施設4種・事業7種という場所の限定があります。今の勤務先がこの区分のどれに当たるかを、事業所の指定内容で確認してください。訪問介護や通所介護は、第2号のイ・ロの列挙には挙がっていません。

4. 日数は都道府県の受験要項で見る

省令にあるのは「通算5年以上」までです。日数の要件・証明書の様式・提出期限は、受験する都道府県の受験要項が定めます。ここだけは条文では確認できません。

5. 合格後の3月の期限を先に知っておく

実務研修の修了から登録申請までに期限があります(第113条の7第1項)。試験の日程だけでなく、研修の日程と、その後の手続きまで含めて予定を見ておくほうが安全です。

よくある質問

Q. 介護職員初任者研修や実務者研修を修了していれば受けられますか。
A. 第113条の2第1号は資格の名前を列挙しており、初任者研修・実務者研修は挙がっていません。第2号で数えられるかどうかは、業務の中身と勤務先が条文の限定に当たるかによります。判断は受験する都道府県にご確認ください。

Q. 栄養士として働いた期間も数えられますか。
A. 条文の第1号に「栄養士」「管理栄養士」がいずれも挙げられています。ただし数えるのは「その資格に基づき当該資格に係る業務に従事した期間」です。実際の取り扱いは受験要項で確認してください。栄養士の免許そのものについては栄養士になるには、介護施設で働く場合は介護施設の栄養士の仕事内容で扱っています。

Q. 看護師や准看護師からケアマネを目指せますか。
A. どちらも第1号に挙げられています。看護職の資格の関係は准看護師と正看護師の違いで扱っています。

Q. 合格率はどれくらいですか。
A. 本記事は合格率を扱っていません。直近の実施状況は介護福祉士とケアマネの違いで扱っています。

Q. 5年の実務経験は、ひとつの職場で続けている必要がありますか。
A. 条文は「通算して五年以上」と書いており、勤務先が1か所であることは求めていません。ただし同じ期間の二重計上はできません。証明の方法は受験要項をご確認ください。

Q. 試験に受かれば、すぐにケアマネとして働けますか。
A. いいえ。法 第69条の2第1項は、試験の合格に加えて実務研修の修了と登録を求めています。実務研修の内容は同規則 第113条の4に定められています。

Q. サービス提供責任者の経験は数えられますか。
A. サービス提供責任者という職名は第113条の2に挙がっていません。第1号は保有資格、第2号は業務の中身と勤務先で判断されます。サ責の職務の内容はサービス提供責任者の仕事内容で扱っています。

迷ったらここ

まず自分の資格と期間が、条文の枠に入るかを確かめる

省令が名指しした資格は22。数えるのは免許の年数ではなく、その資格の業務に従事した期間です。資格で数えられない場合は、勤務先まで条文で限定されています。

  • 手元の免許が第113条の2第1号の22資格に名前があるか(栄養士・管理栄養士・歯科衛生士も入っています)
  • 資格を取ってから、その資格の業務に就いていた期間が何年あるか(免許を持っていただけの期間は数えない)
  • 資格で数えられない場合、勤務先が第2号イの施設4種・ロの事業7種に当たるか
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まとめ

ケアマネの受験資格は、介護保険法施行規則 第113条の2という1つの条文で決まっています。

第1号は22の資格の名指しで、栄養士・管理栄養士・歯科衛生士・はり師・きゅう師まで含みます。ただし数えるのは免許の年数ではなくその資格の業務に従事した期間です。

第2号は資格を問わない代わりに、相談援助という業務の中身と施設4種・事業7種という場所の両方で絞られています。計画相談支援・障害児相談支援・生活困窮者自立相談支援事業という、介護保険の外の3事業も入っています。

2つの期間は通算して5年以上。日数の要件は省令になく、受験する都道府県の受験要項で確認する必要があります。

そして合格はゴールではありません。実務研修を修了し、修了日から3月を経過する日までに登録を申請する——ここまでが条文に書かれた道のりです。

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この記事を書いた人

医療・福祉・保育の人材紹介の現場で求職者の相談を受けてきた編集者が担当しています。キャリアアドバイザー歴8年、転職相談・紹介の対応実績1,500人以上(自社実績/2026年8月時点)。介護・看護師・保育士・栄養士の4分野を担当。記事の数値には必ず出典と公表時点を添えています。

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