30秒でわかるまとめ
- A型の常勤保育士は、賞与込み月額289,529円です12か月分は347.4万円で、編集部試算です。B型は292,757円で、平均勤続年数は9.4年と10.6年です。
- 真ん中の人の月額は、平均より7,704円低くなりますA型の常勤の保育士の中央値は281,825円です。B型の中央値は284,088円で、平均との差は8,669円でした。
- A型の管理者は保育士の1.44倍の月額です私立・常勤の管理者は417,789円、主任保育士は345,981円です。管理者の平均勤続年数は19.0年です。
- 定員の区分による保育士の差は、数千円にとどまりますA型は13〜19名が2,213円高く、B型は6〜12名が4,633円高い結果でした。どれも平均の額です。
※小規模保育の制度の仕組みは小規模保育の仕事内容、同じ調査の金額の読み方は保育園の園長の年収で扱っています。

まず資料:小規模保育事業の職種別の表は、A型・B型とC型に分かれています
この記事の数字は、こども家庭庁の「令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査」の集計結果と、同じ調査をe-Statに載せた統計表から取っています。こども家庭庁の調査ページに掲載されている、いちばん新しい回です。
キーワードの「小規模保育園」は、調査の表では「小規模保育事業」です。表は型ごとに分かれていて、集計結果では「⑤ 小規模保育事業(A型、B型)(私立)」と「⑥ 小規模保育事業C型(私立)」の2つです。
| 項目 | 資料の記載 |
|---|---|
| 職員の給与の時点 | 職種別の勤続年数や支給額等(令和6年3月) |
| 有効回答数 | A型1,066か所(うち私立1,018か所)、B型286か所(うち私立271か所)、C型40か所(うち私立39か所) |
| 給与の表の集計事業所数(私立) | A型925事業所、B型248事業所、C型30事業所 |
出典:こども家庭庁「令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査 集計結果」調査概要・小規模保育事業の職種別職員1人当たり給与月額
金額は「1人当たり給与月額(賞与込み)」です。令和6年3月分の月給に、令和5年度の賞与の12分の1を足した額で、月給と賞与がそれぞれいくらかは表から分かりません。注記の原文と勤続年数の数え方は、保育園の園長の年収で扱っています。
A型・B型・C型で職員の資格などが違う仕組みは、小規模保育の仕事内容で扱っています。この記事は給与の表だけを読みます。

A型の常勤の保育士は289,529円。12か月分で347.4万円(編集部試算)
| 私立の保育士 | 集計対象人数 | 平均勤続年数 | 給与月額(賞与込み) | 推計年額(編集部試算) |
|---|---|---|---|---|
| A型・常勤 | 2,890人 | 9.4年 | 289,529円 | 3,474,348円(347.4万円) |
| B型・常勤 | 503人 | 10.6年 | 292,757円 | 3,513,084円(351.3万円) |
出典:同調査 e-Stat 第40表(私立・公立地域型保育事業 事業類型別)。金額は円未満を四捨五入(編集部)。集計結果PDFの表示と一致
調査は「年収」を出していません。この記事の年額は、次の式で編集部が計算した試算です。
推計年額 = 1人当たり給与月額(賞与込み)× 12か月
計算式:289,529円 × 12か月 = 3,474,348円(347.4万円)、292,757円 × 12か月 = 3,513,084円(351.3万円)です(編集部試算)。3月分の月給が1年間続いたと仮定した数字で、誰かが1年間に実際に受け取った額を集めたものではありません。
A型の私立・常勤の職員は合計4,502人で、そのうち64.2%が保育士です(編集部算出)。
B型はA型より3,228円高い月額ですが、平均勤続年数もB型のほうが長い数字です。B型のほうが給与が高いとは言い切れません。B型は集計対象が503人で、A型の2,890人より少ない点にも注意が要ります。
同じ調査の保育所の保育士(私立・常勤)は341,468円で、A型の保育士とは51,939円の差です。ただし勤続年数や地域、施設の規模がそろった比較ではないため、この差だけで、小規模保育の給与が保育所より低いとは言えません。

平均と真ん中:A型の中央値は281,825円です
集計結果には、参考として私立の保育士等の中央値の表もあります。金額を低い順に並べたときに、真ん中に来る人の額です。
| 私立・常勤 | 平均(給与月額・賞与込み) | 中央値(給与月額・賞与込み) | 平均-中央値 | 表の「平均経験年数(中央値)」 |
|---|---|---|---|---|
| A型の保育士 | 289,529円 | 281,825円 | 7,704円 | 7.0年 |
| B型の保育士 | 292,757円 | 284,088円 | 8,669円 | 8.0年 |
出典:同集計結果 (参考)私立施設・事業所の保育士等(常勤・非常勤)の給与月額の中央値。差は編集部算出
どちらも中央値が平均より低い形です。平均は、月額の高い一部の人に引き上げられることがあります。「平均くらいはもらえる」と考えると、多くの人の実感より高めの見積もりになりえます。
中央値の表の年数は、表の見出しが「平均経験年数(中央値)」です。給与の表の「平均勤続年数」とは名前が違うため、この記事では並べて比べていません。
管理者・主任保育士と比べる:A型の管理者は保育士の1.44倍
| 私立・常勤 | A型 | B型 |
|---|---|---|
| 管理者 | 417,789円(19.0年・754人) | 411,444円(17.7年・191人) |
| 主任保育士 | 345,981円(15.7年・339人) | 328,698円(14.7年・85人) |
| 保育士 | 289,529円(9.4年・2,890人) | 292,757円(10.6年・503人) |
出典:同調査 e-Stat 第40表。( )は平均勤続年数・集計対象人数
| 比較(私立・常勤) | A型の差 | A型の倍率 | B型の差 | B型の倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 管理者と保育士 | 128,260円 | 1.44倍 | 118,687円 | 1.41倍 |
| 主任保育士と保育士 | 56,452円 | 1.19倍 | 35,941円 | 1.12倍 |
出典:同調査より編集部が算出(倍率は小数第3位を四捨五入)
A型の管理者を同じ式で12か月分にすると、417,789円 × 12か月 = 5,013,468円(501.3万円)です。B型の管理者は411,444円 × 12か月 = 4,937,328円(493.7万円)、A型の主任保育士は345,981円 × 12か月 = 4,151,772円(415.2万円)です(どれも編集部試算)。
月額の差には、役職の違いと勤続年数の違いの両方が入っています。表からは、この2つを分けられません。
1事業所あたりの配置も見ておきます。私立の実際の配置(常勤換算)で、A型の管理者は常勤0.9人、主任保育士は常勤0.3人、保育士は常勤4.0人・非常勤1.9人です(集計施設数664施設、平均利用定員数17人)。B型は管理者が常勤0.9人、主任保育士が常勤0.3人、保育士が常勤2.8人・非常勤1.7人です(集計施設数160施設、平均利用定員数15人)。
出典:同集計結果 (3)職員配置の状況(私立施設)⑤ 小規模保育事業A型・⑥ 小規模保育事業B型。表中の人数は「すべて常勤換算後の人数」
主任保育士は1事業所あたり平均0.3人です。主任保育士という役職がある事業所かどうかは、求人ごとに確かめる必要があります。
非常勤の保育士:A型195,179円、B型195,915円
| 私立・非常勤の保育士 | 集計対象人数 | 平均勤続年数 | 給与月額(賞与込み) |
|---|---|---|---|
| A型 | 1,385人 | 10.7年 | 195,179円 |
| B型 | 339人 | 10.3年 | 195,915円 |
出典:同調査 e-Stat 第40表。金額は円未満を四捨五入(編集部)
非常勤の月額は、実際に働いた時間の給与ではありません。表の注記によると、事業所で定めている1週間の勤務時間を元に、常勤と同じ時間数で働いたとして計算した額です。パートの時給や月の収入と、そのまま比べることはできません。
保育士の集計対象人数のうち非常勤の割合は、A型が32.4%、B型が40.3%です(常勤と非常勤の人数から編集部算出)。この記事では、非常勤の年額は試算していません。
定員の区分では、保育士の差は数千円です
e-Statには、定員区分別の表もあります。区分は「6〜12名」と「13〜19名」の2つです。
| 私立・常勤 | 保育士の月額 | 保育士の平均勤続年数 | 保育士の人数 | 管理者の月額 | 集計事業所数 |
|---|---|---|---|---|---|
| A型 6〜12名 | 287,864円 | 10.0年 | 715人 | 405,926円 | 282事業所 |
| A型 13〜19名 | 290,077円 | 9.3年 | 2,175人 | 422,838円 | 643事業所 |
| B型 6〜12名 | 295,891円 | 11.7年 | 186人 | 388,347円 | 102事業所 |
| B型 13〜19名 | 291,258円 | 9.9年 | 317人 | 425,685円 | 146事業所 |
出典:同調査 e-Stat 第49表(定員区分別 小規模保育事業(A型))・第50表(同(B型))。金額は円未満を四捨五入(編集部)
保育士の月額の差は、A型では13〜19名のほうが2,213円高く、B型では逆に6〜12名のほうが4,633円高い結果でした。定員が多いほど保育士の月額が高い、という形にはなっていません。
管理者は、どちらの型でも13〜19名のほうが高く、差はA型で16,912円、B型で37,338円です。定員による差は、保育士より管理者のほうが大きく出ています。
読むときの注意です。2つの区分の人数と事業所数を足すと、A型・B型とも全体の数と一致します。ただしB型は、区分ごとの月額を人数で平均しても全体の292,757円になりません。集計の方法は表に説明がありません。またB型の6〜12名は186人・102事業所と少ない集計で、少しの人の違いで平均が動きやすい区分です。
公立と前回調査:参考として見られる数字
e-Statの第40表には公立の列もあります。公立のA型の常勤の保育士は327,248円(平均勤続年数11.2年)で、私立との差は37,719円です。ただし集計対象は114人、集計事業所数は40事業所です。私立の2,890人と比べて少なく、参考の数字として見てください。公立のB型・C型は、表の数字が「*」になっていて読めません。
出典:同調査 e-Stat 第40表(公立・常勤)。金額は円未満を四捨五入(編集部)
前回の調査との比較は、集計結果の概要に万円単位で載っています。私立の常勤の保育士等の数字です。
| 私立・常勤 | 今回(令和6年3月給与と令和5年度賞与) | 前回(平成31年3月給与と平成30年度賞与) | 差 |
|---|---|---|---|
| A型(保育士) | 29.0万円(9.4年) | 26.9万円(8.1年) | +2.1万円(+1.3年) |
| B型(保育士) | 29.3万円(10.6年) | 27.0万円(8.8年) | +2.3万円(+1.8年) |
| C型(家庭的保育者) | 29.2万円(13.2年) | 29.2万円(8.9年) | +0万円(+4.3年) |
出典:同集計結果 概要③ 私立施設・事業所の保育士等(常勤)の1人当たり給与月額(賞与の1/12を含む)。( )は平均経験年数
概要には、次の記載があります。
「地域型保育事業については、給与月額が増額しているが、家庭的保育事業、小規模保育事業(C型)、事業所内保育事業(B型)については、増額が他と比べ少ない。」
出典:同集計結果 概要③(原文どおり)
C型の行は、前回と今回が同じ29.2万円です。C型の表には保育士の行がなく、職種名は「家庭的保育者」です。私立・常勤の家庭的保育者は292,410円(平均勤続年数13.2年)ですが、集計対象は52人・30事業所と少ない集計です。C型の管理者は286,954円(24人)で、家庭的保育者より低い数字でした。
出典:同調査 e-Stat 第40表(小規模保育事業(C型)・私立・常勤)
この記事が扱っていないこと
- 月給と賞与の内訳。表の金額は、3月分の月給に賞与の12分の1を足した額だけです。賞与の額や月数は取得していません。
- 小規模保育の制度の仕組み。型ごとの職員の資格や人数の決まりは、小規模保育の仕事内容で扱っています。
- 地域区分別の小規模保育事業の表。e-Statにありますが、本記事では扱っていません。
- 管理者・主任保育士・保育士以外の職種の数字。表にはほかの職種の行もありますが、本記事では扱っていません。
- 職種の区分で集計した別の統計。保育士の年収の平均で扱っています。
- 手当の加算の金額や仕組み。保育士の処遇改善手当はいくらかで扱っています。
- 手取りの額、個別の事業所の給与。本記事は取得していません。
小規模保育で働くときに確認できること
- A型・B型・C型のどれか。給与の表も型ごとに分かれています。私立・常勤の保育士の平均はA型289,529円、B型292,757円です。
- 提示の額が賞与込みか、月給だけか。統計の額は賞与の12分の1を含む月額です。月給だけの額と比べると、差を大きく見積もることになります。
- 前年度の賞与の実績。月額に入っている賞与は、前年度の分の12分の1です。
- 主任保育士の役職があるか。私立のA型・B型とも、主任保育士は1事業所あたり常勤0.3人の配置でした。
- 非常勤なら時間あたりの額。統計の非常勤の月額は、常勤と同じ時間に直した額です。
よくある質問
Q. 小規模保育園の保育士の年収はいくらですか。
A. 調査は年収を公表していません。私立のA型の常勤の保育士の給与月額(賞与込み)は289,529円で、12か月分にすると3,474,348円(347.4万円)です。B型は292,757円で、12か月分は3,513,084円(351.3万円)です。どちらも編集部試算の平均です。
Q. 小規模保育は、保育園より給料が安いのですか。
A. 同じ調査の保育所の保育士(私立・常勤)とA型の保育士の間には、平均で51,939円の差があります。ただし勤続年数や地域、規模がそろった比較ではないため、この差だけで安いとは言えません。
Q. 定員が多い事業所のほうが給与は高いですか。
A. 保育士では、A型は13〜19名のほうが2,213円高く、B型は6〜12名のほうが4,633円高い結果でした。管理者は、どちらの型でも13〜19名のほうが高くなっていました。
Q. 平均の額をもらえると考えてよいですか。
A. 平均は目安です。A型の常勤の保育士の中央値は281,825円で、平均より7,704円低い数字でした。個別の事業所の給与は、型や賞与の実績を確認してください。
迷ったらここ
小規模保育の給与は型で見る
私立の小規模保育事業A型の常勤の保育士の給与月額(賞与込み)は289,529円、B型は292,757円です。A型の中央値は281,825円で、平均より低い額です。
- 事業所がA型・B型・C型のどれか(給与の表も型ごとに分かれている)
- 提示の額が賞与込みか、月給だけか(統計の額は賞与の12分の1を含む月額)
- 非常勤なら時間あたりの額(統計の非常勤の月額は常勤と同じ時間に直した額)
まとめ
- 私立のA型の常勤の保育士は、賞与込みの給与月額289,529円。12か月分で347.4万円(編集部試算)
- B型は292,757円。A型との差は3,228円で、平均勤続年数もB型が長い
- 中央値はA型281,825円、B型284,088円で、どちらも平均より低い
- A型の管理者は417,789円で、保育士の1.44倍
- 定員区分による保育士の差は数千円で、定員が多いほど高い形にはなっていない
小規模保育の給与は、1つの数字で言い切れるものではありません。A型かB型か、常勤か非常勤か、平均か中央値かで、見える額が変わります。提示された額を見るときは、賞与込みかどうかと事業所の型を合わせて確かめてください。

