子育て支援員とは|法令に「子育て支援員」の語はなく、省令が書いているのは「研修を修了した者」です

目次

30秒でわかるまとめ

  • 子育て支援員には、保育士のような登録の定めが法令にありません保育士は児童福祉法の登録を受けてなるものです。6つの法令を検索しても、子育て支援員の語は1か所もありません。
  • 省令が書いているのは「市町村長が行う研修を修了した者」です小規模保育B型、事業所内保育、一時預かり、乳児等通園支援で、保育士と並ぶ職員として書かれています。
  • 同じ条文が、半数以上は保育士とする枠を置いています研修修了者だけで職員をそろえる作りではありません。幼稚園型の一時預かりでは、幼稚園教諭も枠に入ります。
  • 放課後児童支援員には、都道府県知事等の研修の修了が要ります保育士などの資格に加えて求められる研修です。補助員には、基準の上で資格や研修の要件がありません。

※資格を持たない職員に法令が何を禁じているかは保育補助にできないこと、小規模保育の型ごとの違いは小規模保育の仕事内容で扱っています。

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先に確認:「子育て支援員」は条文の言葉ではありません

本記事は、児童福祉法、同法施行規則、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準、家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準、放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準、乳児等通園支援事業の設備及び運営に関する基準の6つの全文を、e-Gov法令APIから取得して機械的に検索しました。

「子育て支援員」という語は、6つのどれにも1か所も出てきません。

求人で見かける「子育て支援員」は、法令の条文にない呼び名です。研修については、国の通知と要綱があります。こども家庭庁の「放課後児童健全育成事業実施要綱」は、現行の通知として「子育て支援員研修事業の実施について」(令和6年3月30日 こ成環第111号、こ支家第189号)を挙げ、その別添を「子育て支援員研修事業実施要綱」としています。

出典:こども家庭庁成育局長通知「「放課後児童健全育成事業」の実施について」(こ成環第5号 令和5年4月12日、第四次改正 こ成環第681号 令和7年10月27日)別紙 放課後児童健全育成事業実施要綱 5(2)

ただし、本記事はこの通知と要綱の本体を、こども家庭庁・厚生労働省のサイトから取得できませんでした。そのため、呼び名の定義や研修の組み立ては扱いません。

そのかわり、職場のルールを決めている省令が、職員をどう書いているかを原文で確かめます。省令は、呼び名ではなく「市町村長が行う研修を修了した者」という書き方で職員を定めています。これがこの記事の中身です。

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ここが本題:省令は「研修を修了した者」として書いています

保育の職場ごとの基準を、原文で確かめました。どの条文も「子育て支援員」とは書かず、「市町村長が行う研修(市町村長が指定する都道府県知事その他の機関が行う研修を含む。)を修了した者」と書いています。

職場(事業)研修修了者の位置づけ条文
家庭的保育事業・小規模保育事業C型家庭的保育者を補助する家庭的保育補助者家庭的保育事業等基準 第23条第3項
小規模保育事業B型保育士と並ぶ保育従事者同 第31条第1項
小規模型事業所内保育事業(利用定員19人以下)保育士と並ぶ保育従事者同 第47条第1項
一時預かり事業(一般型)保育士と並ぶ、乳幼児の処遇を行う職員児童福祉法施行規則 第36条の35第1号ロ
一時預かり事業(幼稚園型)保育士・幼稚園の教諭の普通免許状を有する者と並ぶ、幼児の処遇を行う職員同 第36条の35第2号ロ
一般型乳児等通園支援事業保育士と並ぶ乳児等通園支援従事者乳児等通園支援事業の設備及び運営に関する基準 第22条第1項

出典:各基準の該当条文(e-Gov法令APIで取得)

家庭的保育補助者の定義は、次のとおりです。

「市町村長が行う研修(市町村長が指定する都道府県知事その他の機関が行う研修を含む。)を修了した者であって、家庭的保育者を補助するものをいう。」

出典:家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準(e-Gov法令API 法令ID 426M60000100061)第23条第3項の括弧書き(原文どおり)

同じ書き方は、令和7年内閣府令第1号として定められた乳児等通園支援事業の基準にも使われています。新しく定められた基準でも、書き方は「研修を修了した者」です。

注意したいのは、省令が求めているのは「市町村長が行う研修」の修了だという点です。条文は「子育て支援員研修」と名指ししていません。どの研修が当たるかは、働く市町村で確かめる必要があります。

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保育士との違い:同じ条文の中で「半数以上は保育士」

保育士は、児童福祉法に定められた資格です。

「保育士となる資格を有する者が保育士となるには、保育士登録簿に、氏名、生年月日その他内閣府令で定める事項の登録を受けなければならない。」

出典:児童福祉法(e-Gov法令API 法令ID 322AC0000000164)第18条の18第1項(原文どおり)

一方、研修修了者に登録の仕組みはなく、職場の基準の中で「職員として置ける人」として出てきます。そして同じ条文の中で、保育士と区別されています。

条文研修修了者と保育士の関係
家庭的保育事業等基準 第31条第2項(B型)・第47条第2項(小規模型事業所内)保育従事者の数のうち、半数以上は保育士とする
児童福祉法施行規則 第36条の35第1号ロ(一般型一時預かり)処遇を行う職員のうち、半数以上は保育士であること
児童福祉法施行規則 第36条の35第2号ロ(幼稚園型一時預かり)処遇を行う職員のうち、半数以上は保育士又は幼稚園教諭普通免許状所有者であること
乳児等通園支援事業の設備及び運営に関する基準 第22条第2項乳児等通園支援従事者のうち、半数以上は保育士とする

出典:各基準の該当条文

研修修了者は保育従事者として数えられますが、保育士の代わりにすべてを置き換えることはできない作りです。「保育従事者」と「保育士」は、条文の上で別の言葉として使い分けられています。

なお、一般型の一時預かりの条文には、利用している乳幼児が少ない場合に「半数以上」に数えられる人を広げる括弧書きもあります。職場がこの扱いに当たるかは、市町村や事業者に確かめられます。

また、家庭的保育事業やC型で保育を担う家庭的保育者は、同じ基準の第23条第2項で、市町村長が行う研修を修了した保育士又は保育士と同等以上の知識及び経験を有すると市町村長が認める者とされています。この場面では、保育士の側にも研修の修了が求められます。

放課後児童クラブ:放課後児童支援員には別の研修の修了が要ります

放課後児童クラブ(放課後児童健全育成事業)の基準は、職員を2つに分けています。

職員基準の定め
放課後児童支援員事業所ごとに置かなければならない(第10条第1項)。保育士の資格を有する者、社会福祉士の資格を有する者などのいずれかに該当し、かつ都道府県知事等が行う研修を修了した者でなければならない(第10条第3項)
補助員放課後児童支援員が行う支援について放課後児童支援員を補助する者(第10条第2項の括弧書き)

出典:放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準(e-Gov法令API 法令ID 426M60000100063)第10条第1項〜第3項

ここで求められるのは、市町村長ではなく都道府県知事等が行う研修です。保育所や小規模保育の条文にある「市町村長が行う研修」とは、条文の上で別のものです。

基準は、補助員について資格や研修の要件を置いていません。補助員として働くときに研修の修了を求めるかどうかは、条文ではなく、市町村や事業者の運用によります。

条文に研修修了が書かれていない職場もあります

子育て支援の事業の中には、省令が研修の修了を職員の要件にしていない職場もあります。

事業省令の書き方
地域子育て支援拠点事業子育て支援に関して意欲のある者であって、子育てに関する知識と経験を有するものを配置すること(児童福祉法施行規則 第1条の7第1号)
子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター)援助希望者への講習の実施その他の必要な支援を行う(同 第1条の32の4)

出典:児童福祉法施行規則 第1条の7、第1条の32の4

これらの職場では、研修の修了は省令の要件ではありません。求人の「子育て支援員研修修了者」が法令上の要件か、事業者の条件かは、職場によって違います。

この記事が扱っていないこと

  • 研修の体系・時間数・コース名。国の子育て支援員研修の要綱の現行版を、こども家庭庁・厚生労働省のサイトから取得できなかったため、扱っていません。
  • 「子育て支援員」という呼び名の定義。同じ理由で、要綱の定義は載せていません。本記事が書いているのは、法令の条文の書き方だけです。
  • 職員の数の基準。乳幼児の数に応じた職員の数の比率は、小規模保育の仕事内容で扱っており、本記事では書いていません。
  • 子育て支援員の給与、研修の受講料・日程。取得していません。

子育て支援員として働くときに確認できること

  • どの事業の職員として雇われるのか。事業ごとに条文上の位置づけが違います。
  • どの研修の修了が求められるか。「市町村長が行う研修」に何が当たるかは市町村に確かめられます。
  • 職場の保育士の人数。半数以上は保育士とする枠があります。
  • 放課後児童クラブなら、補助員か放課後児童支援員か。支援員には都道府県知事等が行う研修が要ります。

よくある質問

Q. 子育て支援員は国家資格ですか。
A. 本記事が検索した6つの法令に「子育て支援員」という語はなく、保育士のような登録の定めもありませんでした。法令の上では、呼び名ではなく「市町村長が行う研修を修了した者」として書かれています。

Q. 子育て支援員になれば、保育士と同じ仕事ができますか。
A. 条文は保育士と研修修了者を区別しています。小規模保育B型や一般型の一時預かりでは研修修了者を保育従事者等として置けますが、同じ条文が半数以上は保育士とすると定めています。

Q. 研修の時間数やコースはどうなっていますか。
A. 本記事は、国の子育て支援員研修の要綱の現行版を取得できなかったため、扱っていません。受講前に、都道府県・市町村の募集要項で確かめてください。

Q. 放課後児童支援員になれますか。
A. 放課後児童支援員は基準第10条第3項で、保育士・社会福祉士などに該当し、都道府県知事等が行う研修を修了した者とされています。補助員には、基準の上で資格や研修の要件がありません。

迷ったらここ

求人の研修要件は職場の種類で確かめる

法令の条文に「子育て支援員」の語はなく、省令は「市町村長が行う研修を修了した者」と書いています。同じ条文が半数以上は保育士とする枠も置いています。

  • どの事業の職員か(小規模保育B型/事業所内保育/一時預かり/放課後児童クラブなど)
  • 求められる研修は何か(「市町村長が行う研修」に何が当たるかは市町村に確かめる)
  • 放課後児童クラブなら補助員か放課後児童支援員か(支援員には都道府県知事等の研修が必要)
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まとめ

「子育て支援員」は、法令の条文に出てこない呼び名です。本記事が検索した6つの法令に、この語は出てきません。保育士のような登録の定めもありません。

省令の側では、小規模保育B型、小規模型事業所内保育、一般型・幼稚園型の一時預かり、乳児等通園支援事業などで、「市町村長が行う研修を修了した者」が保育士と並ぶ職員として書かれています。ただし同じ条文が半数以上は保育士などとしており、保育士とは区別されています。

放課後児童クラブでは、放課後児童支援員に都道府県知事等が行う研修が要り、補助員には基準上の要件がありません。研修の中身は、受講前に都道府県・市町村の募集要項で確かめてください。

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この記事を書いた人

医療・福祉・保育の人材紹介の現場で求職者の相談を受けてきた編集者が担当しています。キャリアアドバイザー歴8年、転職相談・紹介の対応実績1,500人以上(自社実績/2026年8月時点)。介護・看護師・保育士・栄養士の4分野を担当。記事の数値には必ず出典と公表時点を添えています。

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