30秒でわかるまとめ
- 私立保育所の常勤の栄養士は、月額338,336円です賞与の12分の1を含む月額です。12か月分に直すと406.0万円で、これは編集部試算です。
- 同じ私立の調理員より、月額で33,902円高くなっています私立の常勤の調理員は304,434円です。平均勤続年数は栄養士9.1年、調理員9.6年です。
- 公立の常勤は407,250円で、私立より高い月額です公立は平均勤続年数が13.7年と長めです。集計対象人数は294人で、私立の1,890人より少なくなっています。
- 調理員として数えられた栄養士は、この額に入りません表の行の名前は「栄養士(5に含まれる者を除く)」で、5は調理員の行です。どれも平均の額です。
※栄養士全体の給与は栄養士の年収の平均、保育所で栄養士が担う仕事は保育園栄養士の仕事内容と1日で扱っています。

まず資料:保育所の職種別の給与表に、栄養士の行があります
この記事の数字は、こども家庭庁の「令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査」の集計結果と、同じ調査をe-Statに載せた統計表から取っています。こども家庭庁の調査ページに掲載されている、いちばん新しい回です。
保育所の職種別の給与の表には、施設長や保育士と並んで栄養士の行があります。職員の給与は令和6年3月の時点で、私立3,008施設、公立2,298施設を集計しています。
金額の中身は、表の注記がこう説明しています。
「「1人当たり給与月額(賞与込み)」の金額は、令和6年3月分の月額給与。職員の給与には、月額給与の他、令和5年度分の賞与の1/12が含まれる。」
出典:こども家庭庁「令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査 集計結果」保育所(私立・公立)(2)職種別職員1人当たり給与月額 注記(原文どおり)
1か月の月給に、1年分の賞与を12で割った額を足したものです。月給と賞与がそれぞれいくらかは、表からは分かりません。調査の方法や勤続年数の数え方は、保育園の園長の年収で扱っています。

行の名前は「栄養士(5に含まれる者を除く)」です
保育所の表で、栄養士の行の名前は「栄養士(5に含まれる者を除く)」です。
出典:同集計結果 保育所(私立・公立)(2)職種別職員1人当たり給与月額 職種名(原文どおり)
「5」は、同じ表の1つ上の行「調理員」の番号です。つまり調理員の行に数えられた人は、この栄養士の行には入っていない、という書き方です。栄養士の資格を持っていても、調理員として数えられていれば、この記事の「栄養士の月額」には含まれません。
どういう人を調理員の行に数えたかの基準は、表に書かれていません。本記事は、その基準を取得していません。
求人を見るときも、募集の職種名が「栄養士」か「調理員」かで、比べる相手の数字が変わります。なお、省令が保育所に置くと定めた職員に栄養士が入っていないことは、保育園栄養士の仕事内容と1日で扱っています。

私立の常勤は338,336円。12か月分で406.0万円(編集部試算)
| 私立の栄養士 | 集計対象人数 | 平均勤続年数 | 給与月額(賞与込み) |
|---|---|---|---|
| 常勤 | 1,890人 | 9.1年 | 338,336円 |
| 非常勤 | 94人 | 8.2年 | 205,104円 |
出典:同調査 e-Stat 第28表(私立・公立保育所 総括表)。金額は円未満を四捨五入(編集部)。集計結果PDFの表示と一致
調査は「年収」を出していません。この記事の年額は、次の式で編集部が計算した試算です。
推計年額 = 1人当たり給与月額(賞与込み)× 12か月
計算式:338,336円 × 12か月 = 4,060,032円(406.0万円)です(編集部試算)。
月額に賞与の12分の1が入っているので、12倍すると「3月分の月給の12か月分+令和5年度の賞与」になります。3月分の月給が1年間続いたと仮定した数字で、誰かが1年間に実際に受け取った額を集めたものではありません。
非常勤の205,104円は、読み方に注意が要ります。表の注記は次のとおりです。
「「私立」の「非常勤」の「1人当たり給与月額(賞与込み)」の金額は、常勤換算数の計算に使用する施設で定めている1週間の勤務時間を元に、常勤と同様の時間数で算出した金額である。」
出典:同集計結果 保育所(私立・公立)(2)職種別職員1人当たり給与月額 注記(原文どおり)
非常勤の人が実際に受け取った月額ではなく、常勤と同じ時間働いたとして直した額です。私立の非常勤の栄養士は94人と少ないこともあり、この記事では非常勤の年額を試算していません。
調理員・保育士と比べる:栄養士は調理員より33,902円高い
| 常勤 | 栄養士 | 調理員 | 栄養士-調理員 |
|---|---|---|---|
| 私立 | 338,336円(9.1年) | 304,434円(9.6年) | 33,902円 |
| 公立 | 407,250円(13.7年) | 372,171円(15.9年) | 35,079円 |
出典:同調査 e-Stat 第28表。( )は平均勤続年数。差は編集部算出
私立でも公立でも、栄養士の月額は調理員を上回っています。平均勤続年数は、私立では栄養士のほうが0.5年短く、公立では2.2年短くなっています。勤続年数が短いのに月額が高いという並びです。
私立の調理員の集計対象人数は3,065人で、栄養士の1,890人より多くなっています。保育所の給食の現場では、調理員の行に数えられている人のほうが多い形です。
同じ表の保育士(私立・常勤)は341,468円で、栄養士との差は3,132円です。保育士の数字の詳しい読み方は、保育園の園長の年収で扱っています。
私立保育所の非常勤の調理員は、常勤と同じ時間数働いたとして算出した月額181,018円(賞与込み)です。この数字が時給に直せない理由は給食調理員の時給の相場|統計の1時間当たりは1,221円で、給食だけの数字はありませんで扱っています。
公立は407,250円。ただし集計対象は294人です
| 常勤の栄養士 | 集計対象人数 | 平均勤続年数 | 給与月額(賞与込み) | 推計年額(編集部試算) |
|---|---|---|---|---|
| 私立 | 1,890人 | 9.1年 | 338,336円 | 4,060,032円(406.0万円) |
| 公立 | 294人 | 13.7年 | 407,250円 | 4,887,000円(488.7万円) |
出典:同調査 e-Stat 第28表。推計年額は編集部算出
計算式:407,250円 × 12か月 = 4,887,000円(488.7万円)です(編集部試算)。
公立は私立より月額で68,914円高く、平均勤続年数も4.6年長くなっています。月額の差には、運営主体の違いと勤続の違いの両方が入っていて、この表からは分けられません。
もう1つ注意したいのが人数です。公立の常勤の栄養士は294人で、私立の1,890人に比べて少ない集計です。人数が少ない区分の平均は、少数の人の額で動きやすくなります。公立の非常勤は集計対象人数に小数を含み、説明もないため、この記事では扱っていません。
定員区分別:いちばん高いのは121〜150名の345,750円
同じ調査は、e-Statで定員区分別の表も公表しています。私立の常勤の数字を並べます。
| 定員区分(私立) | 栄養士 | 栄養士の平均勤続年数 | 栄養士の人数 | 調理員 |
|---|---|---|---|---|
| 40名以下 | 319,312円 | 8.5年 | 109人 | 304,203円 |
| 41〜90名 | 335,222円 | 8.7年 | 759人 | 302,881円 |
| 91〜120名 | 343,469円 | 9.5年 | 519人 | 304,151円 |
| 121〜150名 | 345,750円 | 9.7年 | 287人 | 305,601円 |
| 151名以上 | 342,589円 | 9.8年 | 171人 | 314,934円 |
出典:同調査 e-Stat 第30表(私立・公立保育所 定員区分別)。常勤。金額は円未満を四捨五入(編集部)
私立の栄養士は、40名以下の319,312円がいちばん低く、121〜150名の345,750円との差は26,438円です。ただし151名以上は342,589円で、121〜150名より低くなっています。定員が大きいほど一直線に高くなる、という形ではありません。
読むときの注意があります。
- 区分別の人数を足しても、全体の人数になりません。私立の常勤の栄養士は5区分の合計が1,845人で、全体の1,890人と合いません。理由は表に書かれておらず、本記事は取得していません。
- 公立の40名以下は、表で「*」になっていて数字が出ていません。「*」の意味は表に説明がなく、本記事は取得していません。
地域区分別:私立は316,266円から360,452円まで
e-Statの地域区分別の表から、私立の常勤の栄養士を並べます。区分の名前は表のとおりです。区分の決め方は、本記事では取得していません。
| 地域区分 | 私立の栄養士 | 平均勤続年数 | 人数 |
|---|---|---|---|
| 20/100地域 | 360,452円 | 6.8年 | 270人 |
| 16/100地域 | 349,971円 | 7.9年 | 100人 |
| 15/100地域 | 340,573円 | 8.0年 | 188人 |
| 12/100地域 | 347,838円 | 8.3年 | 245人 |
| 10/100地域 | 331,276円 | 8.1年 | 193人 |
| 6/100地域 | 316,266円 | 8.4年 | 191人 |
| 3/100地域 | 319,869円 | 9.4年 | 187人 |
| その他地域 | 324,111円 | 11.9年 | 516人 |
出典:同調査 e-Stat 第29表(私立・公立保育所 地域区分別)。常勤。金額は円未満を四捨五入(編集部)
いちばん高い20/100地域と、いちばん低い6/100地域の差は44,186円です。20/100地域は、平均勤続年数が6.8年でいちばん短い区分でもあります。私立の常勤の栄養士の27.3%は、その他地域の516人です(編集部算出)。
公立の常勤の栄養士は、地域区分ごとの人数が12人から78人と少ないため、この記事では区分別の月額を出していません。
1つの園に何人いるか:私立は常勤0.8人(常勤換算)
給与とは別に、同じ調査は私立の保育所1施設あたりの職員の配置を集計しています。
| 私立保育所(1施設あたり) | 公定価格基準のみの配置状況 | 実際の配置・常勤 | 実際の配置・非常勤 |
|---|---|---|---|
| 栄養士(5に含まれる者を除く) | 0.3人 | 0.8人 | 0.1人 |
| 調理員 | 1.9人 | 1.3人 | 0.7人 |
出典:同集計結果 保育所(3)職員配置の状況(私立施設)。集計施設数2,230施設、平均利用定員数85人
注記では、公定価格基準のみの配置状況は「公定価格上の職員配置状況」、実際の配置状況は「公定価格(基本分)や各種加算、地方単独補助等により配置している職員を含めた配置状況」と説明されています。人数は「すべて常勤換算後の人数」です。
常勤0.8人は平均です。10園のうち8園に栄養士がいる、という意味ではありません。1人もいない園も、複数いる園も含めた平均です。
公立は、e-Statの職員配置の表(2,695施設)で、栄養士が1施設あたり常勤0.1人、非常勤0.1人です(小数第2位を四捨五入、編集部)。
栄養士が少ない園でも、国の資料は食育計画を栄養士一人で作るのではなく、保育士や調理員を含む全職員で作る形を示しています。食育計画の立て方は保育園の食育計画の立て方|全体的な計画に基づいて作り、指導計画と関連付け、評価して改善しますで扱っています。
認定こども園の「栄養教諭・栄養士」は私立324,226円
同じ調査の認定こども園の表にも、似た行があります。行の名前は「栄養教諭・栄養士(10に含まれる者を除く)」で、「10」は調理員の行です。
| 認定こども園・常勤 | 栄養教諭・栄養士 | 人数 | 調理員 | 人数 |
|---|---|---|---|---|
| 私立 | 324,226円(9.1年) | 1,217人 | 290,685円(9.4年) | 1,999人 |
| 公立 | 356,883円(11.4年) | 140人 | — | — |
出典:同調査 e-Stat 第37表(私立・公立認定こども園 総括表)。( )は平均勤続年数。集計結果PDFの表示と一致
私立の認定こども園でも、栄養教諭・栄養士は調理員より33,541円高くなっています。保育所の差(33,902円)と近い幅です。ただしこの行には栄養教諭も含まれていて、栄養士だけの数字には分けられません。
幼稚園(新制度)の表では、該当しそうな行の名前が「栄養教諭等」で、私立の常勤の集計対象人数は13人です。行の範囲が違い、人数も少ないため、この記事では比べていません。
この記事が扱っていないこと
- 月給と賞与の内訳。表の金額は、3月分の月給に賞与の12分の1を足した額だけです。賞与の額や月数は取得していません。
- 管理栄養士と栄養士の区別。保育所の表は「栄養士(5に含まれる者を除く)」の1行で、管理栄養士を分けた行はありません。管理栄養士がどう数えられたかの説明も、本記事は取得していません。
- 給与の分布や中位数。表は平均だけです。
- 表の「*」の意味と、地域区分の決め方。本記事は取得していません。
- 前回(令和元年度)の調査との比較。前回分は取得していません。
- 病院・介護施設で働く栄養士の数字。病院の管理栄養士の年収、介護施設の栄養士の年収で扱っています。
- 手取りの額。本記事は取得していません。
保育園の栄養士の求人を見るときに確認できること
- 募集の職種名が「栄養士」か「調理員」か。表では、調理員の行に数えられた人は栄養士の行に入りません。私立の常勤で、栄養士338,336円、調理員304,434円です。
- 提示の額が賞与込みか、月給だけか。統計の額は、賞与の12分の1を含む月額です。
- 運営が私立か公立か。常勤の栄養士の平均は、私立338,336円、公立407,250円です。
- 園に栄養士が何人いるか。私立の保育所の平均は常勤0.8人(常勤換算)です。栄養士が1人だけの職場かどうかは、応募前に聞いて確かめられます。
- 非常勤なら、時間あたりの額。統計の非常勤の月額は、常勤と同じ時間働いたとして直した額です。
よくある質問
Q. 保育園の栄養士の年収はいくらですか。
A. 調査は年収を公表していません。私立保育所の常勤の栄養士の給与月額(賞与込み)は338,336円で、12か月分にすると4,060,032円(406.0万円)です。公立は407,250円で、12か月分は4,887,000円(488.7万円)です。どちらも編集部試算の平均です。
Q. 保育園の栄養士は給料が低いのですか。
A. この表からは、低いとも高いとも言い切れません。私立の常勤では、調理員より33,902円高く、保育士の341,468円とは3,132円の差です。どれも平均で、勤続年数や園の規模、地域によって変わります。
Q. 栄養士の資格があって調理員として働く場合は、どちらの数字を見ればよいですか。
A. 表の栄養士の行は「栄養士(5に含まれる者を除く)」で、5の調理員に数えられた人は入っていません。調理員として数えられていれば、調理員の行(私立の常勤で304,434円)に入る書き方です。
Q. 公立と私立では、どちらが高いですか。
A. 常勤の栄養士の平均は、公立407,250円、私立338,336円で、差は68,914円です。ただし公立は平均勤続年数が13.7年と長く、集計対象人数も294人と少ない集計です。
Q. 認定こども園の栄養士はどうですか。
A. 認定こども園の表の行は「栄養教諭・栄養士(10に含まれる者を除く)」で、私立の常勤は324,226円、公立は356,883円です。栄養教諭を含む行なので、栄養士だけの数字ではありません。
迷ったらここ
保育園栄養士は調理員と分けて見る
私立保育所の常勤の栄養士の給与月額(賞与込み)は338,336円で、同じ私立の調理員より33,902円高い平均です。調理員として数えられた栄養士は、この額に入っていません。
- 募集の職種名が「栄養士」か「調理員」か
- 提示の額が賞与込みか、月給だけか(統計の額は賞与の12分の1を含む月額)
- 運営が私立か公立か、園に栄養士が何人いるか
まとめ
- 私立保育所の常勤の栄養士は、賞与込みの給与月額338,336円。12か月分で406.0万円(編集部試算)
- 同じ私立の調理員304,434円より33,902円高い。公立でも栄養士が35,079円上回る
- 公立の常勤は407,250円で、私立より68,914円高い。ただし集計対象は294人
- 表の栄養士の行は「5に含まれる者を除く」。調理員として数えられた栄養士は入っていない
- 私立の地域区分別では316,266円から360,452円まで、差は44,186円
保育園の栄養士の給与は、1つの数字で言い切れるものではありません。私立か公立か、園の規模や地域、そして栄養士として数えられているか調理員として数えられているかで、平均の額が動きます。求人を見るときは、職種名と賞与込みかどうかを合わせて確かめてください。

