クリニック看護師の人数と仕事内容|人数の基準がある診療所とない診療所

目次

30秒でわかるまとめ

  • クリニック看護師の人数には、基準がない場合があります医療法が員数を定めているのは、病院と、療養病床を有する診療所に限られているためです。
  • 条文に数字があるのは、療養病床のある診療所です看護師及び准看護師は療養病床の入院患者4人につき1人。看護補助者も同じ数え方をします。
  • 入院設備のない診療所にも、体制の義務はあります医療安全の指針の整備と職員研修、院内感染対策の指針と研修が省令に並んでいます。
  • 医薬品と医療機器には、責任者を置くと決まっています安全使用のための責任者を配置し、研修や手順書、保守点検の計画を行わせる決まりです。

※金額はクリニック看護師の年収、業務の線引きは看護助手の仕事内容は「療養生活上の世話」、企業で働く場合は産業看護師の仕事内容で扱っています。

患者に確認する(クリニック看護師)

先に断ります:1日の流れを定めた規定はありません

診療所で働く看護師の1日を、時刻で定めた法令はありません。診療科によっても違います。本記事では時刻表を書きません。

代わりに確かめられるのは、医療法と医療法施行規則が診療所に何を義務づけているかです。人数の基準と、体制の義務は、分けて書かれています。

病院夜勤のイメージ

同じ医療法 第21条第1項でも、第9号は人員ではなく記録の話です。そこにある「診療に関する諸記録」の中身と、看護記録がどこに書かれているかは看護記録の書き方|法律ではなく、医療法の省令に名前がありますで扱っています。

ここが本題:員数を定めているのは病院と、療養病床を有する診療所です

医療法 第21条は、人員と施設について定めた条です。第1項が病院、第2項が診療所に当たります。

項対象看護師についての書き方
第1項病院病床の種別に応じ、厚生労働省令で定める員数の医師及び歯科医師のほか、都道府県の条例で定める員数の看護師その他の従業者
第2項療養病床を有する診療所厚生労働省令で定める員数の医師及び歯科医師のほか、都道府県の条例で定める員数の看護師及び看護の補助その他の業務の従業者

出典:医療法(e-Gov法令API 法令ID 323AC0000000205)第21条第1項第1号、第2項第1号

第2項の主語は「療養病床を有する診療所は」です。つまり医療法が診療所について員数を定めているのは、療養病床を持つ場合です。

求人票に「看護師◯名」と書いてあっても、その人数は法令の下限から出てきた数字とは限りません。

診察室でパソコン入力

療養病床を有する診療所の基準は、4人に1人です

その数字は医療法施行規則 第21条の2にあります。都道府県が条例を定めるにあたって従うべき基準として置かれています。

職種員数
医師1(標準)
看護師及び准看護師療養病床に係る病室の入院患者の数が4又はその端数を増すごとに1
看護補助者療養病床に係る病室の入院患者の数が4又はその端数を増すごとに1
事務員その他の従業者実状に応じた適当数(参酌すべき基準)

出典:医療法施行規則(e-Gov法令API 法令ID 323M40000100050)第21条の2第1項〜第3項

看護師と看護補助者が同じ数え方で並んでいます。

病院の数え方とは、そろっていません

病院の基準は第19条第2項第2号です。病床の種別で分かれます。

区分看護師及び准看護師の員数
療養病床・精神病床・結核病床入院患者の数を4で除した数
感染症病床・一般病床入院患者(入院している新生児を含む)の数を3で除した数
外来外来患者の数が30又はその端数を増すごとに1を加える

出典:同規則 第19条第2項第2号。産婦人科又は産科ではそのうちの適当数を助産師とすると条文に書かれています

外来について員数が出てくるのは、病院の条です。診療所の外来について、看護師の員数を定めた規定はここにありません。

助産師については、就業助産師のうち病院が59.5%、診療所が22.4%です。病院と診療所で助産師の働き方がどう違って見えるかは助産師の病院とクリニックの違い|生まれる場所の44.8%は診療所、助産師は22.4%で扱っています。

入院設備がなくても、体制の義務はあります

人数と別に、安全管理のための体制が定められています。根拠は医療法 第6条の12です。

「病院等の管理者は、前二条に規定するもののほか、厚生労働省令で定めるところにより、医療の安全を確保するための指針の策定、従業者に対する研修の実施その他の当該病院等における医療の安全を確保するための措置を講じなければならない。」

この省令が医療法施行規則 第1条の11です。第1項は6号あり、そのうち第2号と第5号だけが「病院、患者を入院させるための施設を有する診療所及び入所施設を有する助産所に限る」と括弧書きで限定されています。

号体制入院設備のない診療所
1医療に係る安全管理のための指針を整備する対象
2医療安全管理委員会を設置し、原因究明・改善策の立案と周知・実施状況の調査を行わせる対象外
3安全管理のための職員研修を実施する対象
4医療機関内における事故報告等の改善のための方策を講ずる対象
5医療安全管理者を配置する対象外
6安全管理に関する記録を整備する対象

出典:同規則 第1条の11第1項第1号〜第6号。第2号・第5号の限定は同項ただし書

委員会と管理者の配置だけが、入院設備のある施設に限られています。指針・研修・報告・記録は、入院設備がなくても求められます。

院内感染、医薬品、医療機器にも決まりがあります

第1条の11第2項は、体制の確保に当たって講ずべき措置を並べています。

号措置置く人
1院内感染対策:指針の策定/委員会の開催(入院設備のある施設に限る)/従業者への研修/感染症の発生状況の報告その他の改善方策―
2医薬品の安全使用:研修の実施/業務手順書の作成と手順書に基づく業務/情報の収集と改善方策医薬品安全管理責任者
3医療機器の安全使用:研修の実施/保守点検に関する計画の策定と適切な実施/情報の収集と改善方策医療機器安全管理責任者
3の2診療用放射線の安全利用:指針の策定/研修の実施/被ばく線量の管理及び記録安全利用のための責任者

出典:同規則 第1条の11第2項第1号〜第3号の2。第3号の2は「エックス線装置又は第24条第1号から第8号の2までのいずれかに掲げるものを備えている病院又は診療所に限る」と同項ただし書にあります

院内感染対策も、委員会だけが入院設備のある施設に限られます。指針・研修・報告は診療所も対象です。

エックス線装置を置いているクリニックは、診療用放射線の安全利用のための責任者を配置し、指針・研修・被ばく線量の管理と記録を行うことになります。

できる業務の線引きは、別の法律にあります

ここまでは医療法の話です。看護師が何をするかは保健師助産師看護師法が定めています。診療所か病院かで、業務の範囲そのものが変わるわけではありません。

看護師にしかできない行為と、看護助手が行える範囲の線引きは看護助手の仕事内容は「療養生活上の世話」で扱っています。准看護師との違いは准看護師と正看護師の違いです。

面接や見学で確認できること

  • 療養病床があるかどうか。あれば入院患者4人につき1人という基準が働きます。無床であれば、人数は事業所の判断で決まっています。
  • 安全管理の指針を見せてもらえるか。第1条の11第1項第1号で整備が求められているものです。
  • 職員研修がどのくらいの頻度で行われているか。省令は実施を求めていますが、回数の定めはこの条にありません。
  • 医薬品安全管理責任者と医療機器安全管理責任者が誰か。配置が義務づけられています。看護師が兼ねている場合、その分の業務が乗ります。
  • エックス線装置があるか。ある場合は診療用放射線の安全利用のための責任者が置かれ、被ばく線量の管理と記録が加わります。

有給休暇の取り方は、人員の基準とは別に労働基準法 第39条が定めています。年10日以上つく人に年5日を取らせる義務と、時季を変えられる場合の条件はクリニック看護師は有給を取れるか|年5日は、使用者が時季を定めて与える義務ですで扱っています。

よくある質問

Q. 無床クリニックに看護師の配置基準はありますか。
A. 医療法 第21条が診療所について員数を定めているのは、療養病床を有する診療所です。無床の診療所について、看護師の員数を定めた規定はこの条にありません。

Q. 外来の患者数に応じた基準はありますか。
A. 医療法施行規則 第19条第2項第2号に外来患者30人ごとに1という数え方がありますが、これは病院の基準です。

Q. 職員研修は年に何回ですか。
A. 第1条の11第1項第3号は実施を求めていますが、回数はこの条に書かれていません。回数を示す文書を確認せずに書くことは避けています。

Q. 医療安全管理者を置く必要はありますか。
A. 第1条の11第1項第5号は「病院、患者を入院させるための施設を有する診療所及び入所施設を有する助産所に限る」とされています。

Q. 病院とクリニックで、看護師の業務範囲は変わりますか。
A. 業務の範囲は保健師助産師看護師法が定めており、施設の種類で変わるものではありません。

Q. 給与はどのくらい違いますか。
A. 開設者による差をクリニック看護師の年収で扱っています。

迷ったらここ

療養病床があるかを、先に聞く

人員の員数を定めているのは病院と、療養病床を有する診療所です。無床のクリニックでは、看護師の人数は事業所の判断で決まっています。

  • 療養病床があるか(あれば入院患者4人につき1人の基準が働く)
  • 医薬品と医療機器の安全管理責任者が誰か
  • エックス線装置があるか(診療用放射線の責任者と記録が加わる)
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まとめ

医療法 第21条が診療所について人員の員数を定めているのは、療養病床を有する診療所です。その基準は医療法施行規則 第21条の2にあり、看護師及び准看護師は療養病床の入院患者4人につき1人。看護補助者も同じ数え方です。

病院の数え方はこれとそろっていません。一般病床は3で除した数、外来は30人ごとに1を加える形です。

人数の基準がない場合でも、体制の義務は別に置かれています。安全管理の指針、職員研修、事故報告の方策、記録の整備。院内感染対策の指針と研修。医薬品安全管理責任者と医療機器安全管理責任者の配置。エックス線装置があれば、診療用放射線の安全利用のための責任者も加わります。

入院設備のある施設に限られているのは、委員会の設置と医療安全管理者の配置です。

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この記事を書いた人

医療・福祉・保育の人材紹介の現場で求職者の相談を受けてきた編集者が担当しています。キャリアアドバイザー歴8年、転職相談・紹介の対応実績1,500人以上(自社実績/2026年8月時点)。介護・看護師・保育士・栄養士の4分野を担当。記事の数値には必ず出典と公表時点を添えています。

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