30秒でわかるまとめ
- 幼稚園教諭の免許状は、法律が3つに区分しています普通免許状、特別免許状、臨時免許状の3つです。普通免許状はさらに3つに分かれます。
- 幼稚園には、特別免許状という区分がありません条文が学校の種類から幼稚園を除いているためで、この入口は幼稚園にだけ用意されていません。
- 臨時免許状は、幼稚園助教諭の免許状になります普通免許状を持つ人を採用できない場合に限って授与され、期間は3年間とされています。
- 専修・一種・二種で、必要な単位数が違います幼稚園教諭は専修75単位、一種51単位、二種31単位。小学校教諭とは数が違います。
※取り方のルートや保育士からの特例は幼稚園教諭になるには、仕事の中身は幼稚園教諭の仕事内容と1日、認定こども園との違いは認定こども園と保育園の違いで扱っています。

まず条文:免許状は3つに区分されています
教育職員免許法 第4条の見出しは「種類」です。第1項はこう書かれています。
「免許状は、普通免許状、特別免許状及び臨時免許状とする。」
この3つが、法律が置いている最初の区分です。よく聞く専修・一種・二種は、このうち普通免許状の中の区分です。
| 区分 | 条文 | 中身 |
|---|---|---|
| 普通免許状 | 第4条第2項 | 学校の種類ごとの教諭の免許状、養護教諭の免許状、栄養教諭の免許状。それぞれ専修免許状・一種免許状・二種免許状に区分(高等学校教諭は専修と一種) |
| 特別免許状 | 第4条第3項 | 学校(幼稚園、義務教育学校、中等教育学校及び幼保連携型認定こども園を除く)の種類ごとの教諭の免許状 |
| 臨時免許状 | 第4条第4項 | 学校(義務教育学校、中等教育学校及び幼保連携型認定こども園を除く)の種類ごとの助教諭の免許状及び養護助教諭の免許状 |
出典:教育職員免許法(e-Gov法令API 法令ID 324AC0000000147)第4条第1項〜第4項

ここが本題:幼稚園に特別免許状はありません
第4条第3項の括弧書きを、もう一度見てください。
「特別免許状は、学校(幼稚園、義務教育学校、中等教育学校及び幼保連携型認定こども園を除く。)の種類ごとの教諭の免許状とする。」
除かれている学校の先頭が幼稚園です。小学校・中学校・高等学校・特別支援学校には特別免許状がありますが、幼稚園にはありません。
特別免許状は、教育職員検定に合格した人に授与されるものです(第5条第2項)。その検定は、担当する教科に関する専門的な知識経験又は技能を有する者で、社会的信望があり、かつ、教員の職務を行うのに必要な熱意と識見を持っている者について、任命または雇用しようとする者の推薦に基づいて行われます(同第3項)。
幼稚園はこの枠の外に置かれています。この条に、幼稚園についての特別免許状という入口はありません。

臨時免許状は「幼稚園助教諭」の免許状です
臨時免許状は、学校の種類ごとの助教諭の免許状です(第4条第4項)。幼稚園について出す場合は幼稚園助教諭の臨時免許状になり、法律の附則にもその名前が出てきます。
授与の条件は第5条第5項にあります。
「臨時免許状は、普通免許状を有する者を採用することができない場合に限り、第一項各号のいずれにも該当しない者で教育職員検定に合格したものに授与する。」
「普通免許状を有する者を採用することができない場合に限り」という限定が付いています。常時使える入口ではない、という書き方です。
効力も、区分ごとに違います
第9条の見出しは「効力」です。
| 区分 | どこで有効か | いつまで |
|---|---|---|
| 普通免許状 | 全ての都道府県 | 条文に期間の定めなし |
| 特別免許状 | 授与した授与権者の置かれる都道府県においてのみ | 条文に期間の定めなし |
| 臨時免許状 | 授与した授与権者の置かれる都道府県においてのみ | 授与したときから3年間 |
出典:同法 第9条第1項〜第3項
普通免許状だけが、全ての都道府県で使えます。引っ越しの可能性があるなら、ここが効いてきます。
専修・一種・二種は、単位数で書き分けられています
普通免許状の3つは、別表第一が基礎資格と最低単位数で分けています。
| 免許状の種類 | 基礎資格 | 教科及び教職に関する科目の最低単位数 |
|---|---|---|
| 専修免許状 | 修士の学位を有すること | 75 |
| 一種免許状 | 学士の学位を有すること | 51 |
| 二種免許状 | 短期大学士の学位を有すること | 31 |
出典:同法 別表第一(幼稚園教諭の欄)
同じ別表で、小学校教諭は83・59・37と書かれています。学校の種類ごとに数が違います。
なお別表第一の単位数のほかに、施行規則 第66条の6に定める科目があります。教職課程で実際に必要になる単位数は、これらの合計です。取り方の全体像は幼稚園教諭になるにはで扱っています。
幼保連携型認定こども園の園長の資格では、教諭の専修免許状又は一種免許状が条件の1つです。保育士登録や5年以上の職の経験と合わせた要件は保育園の園長になるには|保育所の省令に園長の資格の条はなく、こども園は免許・登録と5年以上ですで扱っています。
授与されない場合が、条文に並んでいます
第5条第1項のただし書は、普通免許状を授与しない場合を6号挙げています。
| 号 | 該当する者 |
|---|---|
| 1 | 18歳未満の者 |
| 2 | 高等学校を卒業しない者(文部科学大臣が同等以上と認めた者を除く) |
| 3 | 拘禁刑以上の刑に処せられた者 |
| 4 | 第10条第1項第2号又は第3号により免許状が失効し、失効の日から3年を経過しない者 |
| 5 | 第11条第1項から第3項までにより免許状取上げの処分を受け、処分の日から3年を経過しない者 |
| 6 | 日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者 |
出典:同法 第5条第1項第1号〜第6号
このただし書は特別免許状にも準用されています(同第2項)。臨時免許状も「第一項各号のいずれにも該当しない者」と書かれています(同第5項)。
教諭の免許状は、幼稚園や学校以外の職の要件に使われることもあります。児童指導員の資格の号の1つに教諭の免許状が入っていることは児童指導員の任用資格とは|省令の見出しは「児童指導員の資格」ですで扱っています。
幼保連携型認定こども園は、別の法律です
第3条第6項に、こう書かれています。
「幼保連携型認定こども園の教員の免許については、第一項の規定にかかわらず、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の定めるところによる。」
第4条の各項も、幼保連携型認定こども園を括弧書きで除いています。働く場所が幼保連携型認定こども園なら、根拠になる法律が変わります。
よくある質問
Q. 二種免許状でも幼稚園教諭として働けますか。
A. 普通免許状の区分の1つです。効力について第9条第1項は普通免許状を分けておらず、全ての都道府県で有効としています。
Q. 社会人経験を活かして特別免許状を取れますか。
A. 第4条第3項が学校の種類から幼稚園を除いています。幼稚園について特別免許状の区分はありません。
Q. 臨時免許状で働き続けられますか。
A. 第9条第3項が「授与したときから三年間」と定めています。また第5条第5項は、普通免許状を有する者を採用することができない場合に限る、としています。
Q. 専修免許状を取ると仕事が変わりますか。
A. 別表第一が分けているのは基礎資格と単位数です。担当する職務の違いは、この表には書かれていません。
Q. 免許状に有効期間はありますか。
A. 第9条が期間を定めているのは臨時免許状(3年間)だけです。制度の経緯は幼稚園教諭になるにはで扱っています。
Q. 認定こども園で働く場合はどうなりますか。
A. 第3条第6項により、幼保連携型認定こども園の教員の免許は別の法律によります。施設の違いは認定こども園と保育園の違いで扱っています。
迷ったらここ
免許状の区分を、応募前に確かめる
法律の区分は普通・特別・臨時の3つで、効力が違います。普通免許状だけが全ての都道府県で有効です。
- 自分の免許状が普通免許状か(専修・一種・二種はその内側)
- 臨時免許状での採用ではないか(期間は3年間)
- 働く先が幼保連携型認定こども園でないか(根拠になる法律が変わる)
まとめ
教育職員免許法 第4条第1項は、免許状を普通免許状・特別免許状・臨時免許状の3つに区分しています。専修・一種・二種は、そのうち普通免許状の中の区分です。
幼稚園には特別免許状がありません。第4条第3項が、除かれる学校の先頭に幼稚園を挙げています。
臨時免許状は幼稚園助教諭の免許状で、普通免許状を有する者を採用することができない場合に限り授与されます。効力は授与した都道府県のみ、期間は3年間です。
普通免許状の3段階は、別表第一が基礎資格と単位数で分けています。幼稚園教諭は専修75単位、一種51単位、二種31単位。小学校教諭の83・59・37とは数が違います。

