病院栄養士のパート|国の表は常勤換算だけで、非常勤の栄養士が何人かは出ていません

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目次

30秒でわかるまとめ

  • 病院で働く栄養士のパートの時給は、国の表にありません短時間で働く栄養士の表は、病院や保育所、介護施設などをまとめた産業計です。病院だけの区分はありません。
  • 管理栄養士・栄養士は、常勤換算の数しか出ていません看護師と違って人数の欄がなく、1人あたり常勤何人分か、非常勤が何人かは計算できません。
  • 病院の栄養士の常勤換算は、4,212.5人分です平成29年の4,717.3人分から504.8人分減りました。管理栄養士は同じ期間に648.2人分増えています。
  • 1病院あたりの管理栄養士は、常勤換算2.9人分です20〜29床の病院は0.9人分、900床以上は16.7人分です。栄養士は平均0.5人分でした。

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※パートなど短時間で働く栄養士の1時間当たりの額は保育園栄養士のパート、常勤で働く病院の管理栄養士の年収は病院の管理栄養士の年収で扱っています。

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先に断ります:病院の栄養士のパートの時給は、国の統計で直接は出せません

パートなど短い時間で働く人の賃金を、職種ごとに出している国の統計は、厚生労働省の賃金構造基本統計調査です。職種の区分は「栄養士」で、含まれる職種の例には管理栄養士も挙がっています(令和7年 役職及び職種解説 1151)。

e-Statに載っている短時間労働者の職種別の表は6つあり、表題はすべて「(産業計)」で終わっています。病院も、保育所も、介護施設も、給食を受託する会社も、まとめた数字です。

短時間で働く栄養士の令和7年の1時間当たりの額と、企業規模別・経験年数別の数字は、保育園栄養士のパートで扱っています。同じ数字は、この記事では繰り返しません。

つまり「病院のパートの栄養士の時給」は、国の統計の表から直接は出せません。この記事では、病院で働く管理栄養士・栄養士が、国の統計にどんな形で出ているかを確かめます。

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まず資料:病院で働く人の数は、3年ごとの静態調査で数えています

病院で働く人の数は、厚生労働省の医療施設調査にあります。病院の従事者数の年次の表には、次の注が付いています。

「平成28年までは「病院報告」で把握していたが、平成29年からは「医療施設静態調査」で把握することとなり、平成29年以降は従事者数不詳の病院が存在するため、単純に年次比較することはできない。」

出典:厚生労働省「令和5年医療施設調査」全国編 第46表 注1(原文どおり)

いまの病院報告が集めているのは、在院患者延数、新入院患者数、退院患者数、外来患者延数等で、働く人の数は入っていません(令和7年 医療施設(動態)調査・病院報告の概況 調査の概要 2(5))。

静態調査は3年ごとで、2026年10月29日時点で結果が出ている最新の回は令和5年(2023年10月1日現在)です。令和8年の静態調査は、厚生労働省が協力を呼びかけている段階です。この記事の数字は、すべて令和5年の静態調査の表から取っています。

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ここが本題①:管理栄養士・栄養士は、常勤換算の数しか出ていません

医療施設調査は、働く人の数を「常勤換算」で出しています。1週間に働いた時間(残業は除く)を、その施設の常勤の1週間の時間で割った数です(令和5年 概況 調査の概要 4 用語の説明(9))。定義の原文と、人数で割って「1人あたり常勤何人分か」を出す考え方は、クリニック看護師のパートで扱っています。

その計算には、常勤換算のほかに人数(実人員)が要ります。病院の表で、職種ごとに出ているものは次のとおりです。

職種常勤換算人数(実人員)常勤・非常勤の別
医師、歯科医師ありなしあり
薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師ありありなし
管理栄養士、栄養士ありなしなし

出典:厚生労働省「令和5年医療施設調査」全国編 第129表・第130表・第131表(病院の従事者数)。表の整理は編集部

管理栄養士・栄養士は、常勤と非常勤を合わせて時間で直した数だけです。病院で何人の管理栄養士・栄養士が働いているか、そのうち何人が非常勤かは、表に出ていません。一般診療所の表(同 第173表)でも、人数の欄があるのは保健師・助産師・看護師・准看護師だけです。

さかのぼっても同じです。年次の表(同 第46表)では、平成14年から令和5年まで、管理栄養士・栄養士の実人員の欄はすべて「…」(計数不明又は計数を表章することが不適当な場合の記号)です。看護師の実人員は、どの年にも数字が入っています。

調査票の作りもそうなっています。前回の令和2年の病院票では、管理栄養士・栄養士の欄は「「常勤」と「非常勤」従事者の常勤換算した人数」の1つだけで、看護師のように人数を書く欄はありませんでした。

そのため、クリニックの看護師で使った「1人あたり常勤何人分」も「常勤より短い時間で働く人の割合の下限」も、病院の管理栄養士・栄養士では計算できません。この記事は、どちらの数字も出していません。

「パート」と「非常勤」は、同じ意味ではありません

病院票は、常勤と非常勤を次のように分けています。

「雇用形態にかかわらず、医療機関が定める1週間の勤務時間(所定労働時間)のすべてを勤務している場合は「常勤」、勤務していない場合は「非常勤」としてください。」

出典:厚生労働省「令和2年医療施設静態調査」病院票(38)従事者数 注1(原文どおり)

分ける物差しは、雇用の形ではなく時間です。この書き方では、パートの契約でも、病院が定める1週間の時間をすべて働いていれば「常勤」に入ります。常勤換算では、どちらも働いた時間の分だけ数えます。常勤の半分の時間で働く人が2人いれば、合わせて常勤1人分です。

常勤換算の数は、働いた時間の合計を表すもので、パートの人数ではありません。

常勤換算で見る:病院の管理栄養士は23,078.2人分、栄養士は4,212.5人分

病院の種類管理栄養士栄養士合計栄養士の割合1病院あたり 管理栄養士1病院あたり 栄養士
病院の総数23,078.2人分4,212.5人分27,290.7人分15.4%2.9人分0.5人分
精神科病院1,998.5人分678.7人分2,677.2人分25.4%1.9人分0.7人分
一般病院21,079.7人分3,533.8人分24,613.5人分14.4%3.1人分0.5人分

出典:厚生労働省「令和5年医療施設調査」全国編 第129表(従事者数不詳を除く)・第135表(1病院当たり。従事者数不詳の施設を除いて算出)。合計と栄養士の割合は編集部算出

精神科病院は精神病床のみを有する病院、一般病院はそれ以外の病院です(調査の概要 4(2))。

  • 病院の管理栄養士・栄養士の常勤換算のうち、栄養士は15.4%です。残りは管理栄養士です。
  • 精神科病院では栄養士が25.4%で、一般病院の14.4%より高い割合です。
  • 1病院あたりで見ると、精神科病院は管理栄養士が1.9人分で一般病院の3.1人分より少なく、栄養士は0.7人分で一般病院の0.5人分より多くなっています。

病院の管理栄養士の常勤換算を、栄養指導の回数で割った試算は病院の栄養指導の件数とノルマで扱っています。

介護施設についても、常勤換算を施設数で割ると、管理栄養士・栄養士は1施設あたり特養1.3人分、老健1.5人分、介護医療院1.1人分です(編集部試算)。施設の種類ごとの数字と、一人職場との関係は介護施設の栄養士は一人職場か|1施設あたりは常勤換算で1.1〜1.5人分ですで扱っています。

推移:病院の栄養士は減り、管理栄養士は増えています

年管理栄養士栄養士栄養士の割合
平成14年(2002年)14,973.6人分7,551.2人分33.5%
平成17年(2005年)15,623.2人分6,585.4人分29.7%
平成20年(2008年)17,489.3人分5,917.6人分25.3%
平成23年(2011年)18,824.3人分5,486.7人分22.6%
平成26年(2014年)21,206.7人分4,851.2人分18.6%
平成29年(2017年)22,430.0人分4,717.3人分17.4%
令和2年(2020年)22,475.5人分4,444.8人分16.5%
令和5年(2023年)23,078.2人分4,212.5人分15.4%

出典:厚生労働省「令和5年医療施設調査」全国編 第46表(病院の従事者数,年次別。常勤換算)。栄養士の割合は管理栄養士との合計に対する比率で編集部算出

表の注のとおり、平成26年までと平成29年からでは、数え方の元になった調査が違い、単純には比べられません。そこで2つの期間に分けて見ます。

  • 平成14年から平成26年まで:管理栄養士は6,233.1人分増え、栄養士は2,700.0人分減りました。
  • 平成29年から令和5年まで:管理栄養士は648.2人分増え、栄養士は504.8人分減りました。栄養士の減り方は10.7%です。
  • どちらの期間も、調査の回ごとに管理栄養士は増え、栄養士は減っています。

常勤換算なので、これは働いた時間の合計の動きです。栄養士として働く人の数が何人減ったか、パートが増えたか減ったかは、この表からは分かりません。

開設者別:病院の栄養士の常勤換算の68.5%は、医療法人の病院です

開設者管理栄養士栄養士栄養士の割合1病院あたり 管理栄養士1病院あたり 栄養士
国1,506.3人分157.6人分9.5%5.0人分0.5人分
公的医療機関5,007.7人分534.1人分9.6%4.3人分0.5人分
社会保険関係団体275.3人分55.0人分16.7%6.0人分1.2人分
公益法人691.0人分90.0人分11.5%3.9人分0.5人分
医療法人12,841.3人分2,885.8人分18.3%2.3人分0.5人分
その他の法人2,484.9人分431.3人分14.8%4.3人分0.7人分
会社123.2人分22.0人分15.2%5.1人分0.9人分
個人148.5人分36.7人分19.8%1.5人分0.4人分

出典:厚生労働省「令和5年医療施設調査」全国編 第130表(病院の従事者数,職種・開設者別)・第136表(1病院当たり従事者数,職種・開設者別)。栄養士の割合は編集部算出

公的医療機関は、都道府県、市町村、地方独立行政法人、日赤、済生会などが開設する病院です(調査の概要 4(5))。

  • 病院の栄養士の常勤換算のうち68.5%、管理栄養士の55.6%が、医療法人の病院にあります(編集部算出)。
  • 医療法人の病院は、1病院あたりの管理栄養士が2.3人分で、国の5.0人分や公的医療機関の4.3人分より少なくなっています。
  • 栄養士の割合は、個人の病院が19.8%、医療法人が18.3%と高く、国と公的医療機関は1割を切っています。

開設者は、運営している組織の種類です。開設者ごとの給与の違いは病院の管理栄養士の年収で扱っています。開設者ごとのパートの多さや時給は、この表からは分かりません。

病床の規模別:1病院あたりの管理栄養士は、20〜29床の0.9人分から900床以上の16.7人分まで

病床の規模1病院あたり 管理栄養士1病院あたり 栄養士
20〜29床0.9人分0.3人分
30〜39床1.1人分0.3人分
40〜49床1.3人分0.3人分
50〜99床1.5人分0.3人分
100〜149床2.2人分0.4人分
150〜199床2.8人分0.6人分
200〜299床3.2人分0.7人分
300〜399床4.8人分0.8人分
400〜499床6.5人分1.1人分
500〜599床8.4人分0.8人分
600〜699床10.0人分1.3人分
700〜799床10.6人分2.4人分
800〜899床13.1人分2.6人分
900床以上16.7人分2.1人分

出典:厚生労働省「令和5年医療施設調査」全国編 第137表(1病院当たり従事者数,職種・病床の規模別。常勤換算。従事者数不詳の施設を除いて算出)

  • 1病院あたりの管理栄養士は、病床の規模が大きいほど多い並びです。20〜29床の0.9人分から、900床以上の16.7人分まで、規模の順に増えています。
  • 栄養士は、99床以下の4つの区分がどれも0.3人分です。規模の順にきれいに増える形ではありません。
  • 規模ごとの合計(同 第131表)で見ると、病院の栄養士の常勤換算の50.4%、管理栄養士の46.1%が、200床未満の病院にあります(編集部算出)。

1病院あたりの数は平均です。1つ1つの病院に何人いるか、その人が常勤かパートかは、この表からは分かりません。病床の規模と給食の委託の関係は病院給食の委託と直営の違いで扱っています。

常勤換算の数字を読むときの注意

項目この記事の数字
時点2023年10月1日現在(令和5年の静態調査)
数えた人10月1日24時現在に在籍する者(調査の概要 4(8))
分かること管理栄養士・栄養士が働いた時間の合計が、常勤の何人分か
分からないこと人数、非常勤の人数、1人あたりの時間、時給

出典:令和5年医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況 調査の概要。表の整理は編集部

給食を受託する会社の社員として病院で働く人が、この数に入るかどうかは、この記事が読んだ資料には書かれていません。常勤換算が多い病院ほどパートの求人が多い、とも表からは言えません。

この記事が扱っていないこと

  • 病院に限ったパートの栄養士の時給。国の表に区分が見つからず、取得していません。
  • 病院で働く管理栄養士・栄養士の人数(実人員)と、非常勤の人数。公表された表にありません。
  • 常勤換算の細かい数え方を書いた調査の手引き。本記事は取得していません。
  • 都道府県別の病院の管理栄養士・栄養士の数。本記事は取得していません。
  • 病院の栄養士の配置の基準と1日の仕事。病院栄養士の1日と勤務時間で扱っています。
  • 手取りの額。税や社会保険料を引いた額は取得していません。

病院の栄養士のパート求人を見るときに確認できること

  • 1週間に何時間、何日の勤務か。病院が定める1週間の時間をすべて働くなら、統計の上ではパートの契約でも「常勤」に入ります。
  • 応募の条件が管理栄養士か、栄養士でもよいか。病院の栄養士の常勤換算は、平成29年の4,717.3人分から令和5年の4,212.5人分に減っています。
  • 病院の病床の規模と、栄養の部門の人数。1病院あたりの管理栄養士は、20〜29床で0.9人分、900床以上で16.7人分でした。
  • 雇い主が病院か、給食を受託する会社か。病院の表に受託会社の社員が入るかどうかは、資料に書かれていません。
  • 時給に手当が含まれるか。統計の1時間当たりの額の中身は保育園栄養士のパートで扱っています。

よくある質問

Q. 病院の栄養士のパートの時給はいくらですか。
A. 国の統計に、病院だけのパートの栄養士の時給はありません。短時間で働く栄養士の1時間当たりの額は、病院や保育所、介護施設などをまとめた産業計で出ています。この記事は時給の数字を出していません。

Q. 病院で非常勤の栄養士は何人いますか。
A. 公表された表にありません。医療施設調査は、病院の管理栄養士・栄養士を、常勤と非常勤を合わせた常勤換算で出していて、人数の欄がないためです。令和5年の病院の常勤換算は、管理栄養士23,078.2人分、栄養士4,212.5人分です。

Q. パートでも「常勤」に数えられることはありますか。
A. 医療施設調査の病院票は、雇用形態にかかわらず、医療機関が定める1週間の勤務時間のすべてを勤務している人を「常勤」としています。パートの契約でも、その時間をすべて働いていれば常勤です。

Q. 病院で働く栄養士は減っていますか。
A. 常勤換算では、病院の栄養士は平成29年の4,717.3人分から令和5年の4,212.5人分に減りました。管理栄養士は同じ期間に22,430.0人分から23,078.2人分に増えています。人数ではなく、働いた時間を常勤で直した数です。

Q. 小さい病院には、管理栄養士が何人くらいいますか。
A. 1病院あたりの常勤換算の平均は、20〜29床で管理栄養士0.9人分、栄養士0.3人分です。病院全体の平均は、管理栄養士2.9人分、栄養士0.5人分でした。

迷ったらここ

病院の栄養士は常勤換算でしか出ない

国の統計で、病院の管理栄養士・栄養士は常勤換算の数しか出ていません。病院だけのパートの時給も、非常勤が何人いるかも、表からは出せません。

  • 1週間に何時間・何日の勤務か(病院が定める時間をすべて働くと、統計では「常勤」に入る)
  • 応募の条件が管理栄養士か、栄養士でもよいか
  • 病院の病床の規模と、栄養の部門の管理栄養士・栄養士の人数
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まとめ

  • 病院の栄養士のパートの時給は、国の統計で病院だけの数字は出せない
  • 医療施設調査で、病院の管理栄養士・栄養士は常勤換算の数しか出ていない。人数も非常勤の人数も表にない
  • 「1人あたり常勤何人分」は、看護師では計算できるが、管理栄養士・栄養士では計算できない
  • 令和5年の常勤換算は管理栄養士23,078.2人分、栄養士4,212.5人分。調査の回ごとに栄養士は減り、管理栄養士は増えている
  • 1病院あたりの管理栄養士は平均2.9人分で、20〜29床の0.9人分から900床以上の16.7人分まで

統計からは、病院のパートの時給も、パートで働く人の数も分かりません。求人を比べるときは、週の時間と日数、応募の条件の免許、雇い主、病院の規模を先に確かめてください。そのうえで、常勤換算の数字を職場の大きさの目安に使えます。

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この記事を書いた人

医療・福祉・保育の人材紹介の現場で求職者の相談を受けてきた編集者が担当しています。キャリアアドバイザー歴8年、転職相談・紹介の対応実績1,500人以上(自社実績/2026年8月時点)。介護・看護師・保育士・栄養士の4分野を担当。記事の数値には必ず出典と公表時点を添えています。

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