30秒でわかるまとめ
- 管理栄養士が行う栄養食事指導は月476,421回です外来・入院・集団・在宅訪問の4つの指導料の算定回数を足した数で、8月審査分の1か月分です。
- 入院の指導は99.5%が病院で、診療所は780回です外来は病院が61.9%で、診療所も110,665回ありました。在宅訪問は診療所が514回で、病院の107回より多い数です。
- 前年の同じ月より26,048回、5.8%増えました入院栄養食事指導料は8.7%増でした。令和5年以前は6月審査分のため、同じ月どうしでは比べられません。
- 点数表が決めるのは1回の点数で、件数の目標ではありません回数の定めは「月1回に限り」など患者1人あたりの上限で、医療機関ごとの件数を決める文言は見当たりません。
※1回の指導の点数・時間・記録の決まりは栄養指導のやり方、病院の管理栄養士の1日の流れは病院栄養士の1日と勤務時間で扱っています。

まず資料:国の統計で見える「件数」は、8月審査分の1か月分です
栄養指導の件数を国の統計で見るときに使えるのは、厚生労働省の社会医療診療行為別統計です。全国の保険医療機関から提出され、審査決定された診療報酬明細書(レセプト)のうち、NDB(匿名医療保険等関連情報データベース)に蓄積されているもの全てを集計しています。本記事が使ったのは、e-Statで2026年6月26日に公開された令和7(2025)年の統計です。
集計する月は、令和6年から変わっています。
「令和6(2024)年度の診療報酬改定より改定の施行月が従来の4月から6月となったことに伴い、集計対象月を6月審査分から8月審査分に変更した。」
出典:社会医療診療行為別統計 令和7年 統計の概要「1 統計の目的(2)沿革」(原文どおり)
最新の数字は令和7(2025)年8月審査分の1か月分です。年間の合計ではありません。
本記事が「件数」として扱うのは、統計表の「回数」の欄です。
「「回数」は、当該診療行為が実施された延べ算定回数である。」
出典:同 第22表 注4(原文どおり)
- 数えているのは算定された回数です。明細書を集計した統計なので、算定されなかった指導は数に入りません(編集部の読み方)。
- 延べの数なので、同じ患者に2回算定すれば2回です。患者の人数ではありません。
- 集計は一次審査分で、再審査、返戻等は含みません。公費負担医療制度単独によるものも含みません(同 統計表の利用について)。

4つの指導料の算定回数:1か月で476,421回です
管理栄養士の栄養指導にあたる指導料は、統計表では外来栄養食事指導料、入院栄養食事指導料、集団栄養食事指導料、在宅患者訪問栄養食事指導料の4つに分かれています。区分ごとの回数を指導料ごとに足すと、次のとおりです。
| 指導料 | 総数 | 病院 | 診療所 |
|---|---|---|---|
| 外来栄養食事指導料(10区分の計) | 291,451回 | 180,324回 | 110,665回 |
| 入院栄養食事指導料(4区分の計) | 177,070回 | 176,252回 | 780回 |
| 集団栄養食事指導料 | 7,279回 | 5,472回 | 1,805回 |
| 在宅患者訪問栄養食事指導料(6区分の計) | 621回 | 107回 | 514回 |
| 4つの計 | 476,421回 | 362,155回 | 113,764回 |
出典:社会医療診療行為別統計 令和7年8月審査分 第22表(総数-1総数)の「回数」。区分ごとの数を編集部が足した。総数には、データ上で病院、診療所別を取得できなかったもの(4つの計で502回)を含む
外来と入院の2つで、4つの計の98.3%を占めます(編集部計算)。集団栄養食事指導料は7,279回で、そのうち入院が3,702回、入院外が3,577回です(同 第18表)。在宅患者訪問栄養食事指導料は621回でした。

ここが本題:入院の指導は99.5%が病院、外来は38.0%が診療所です
同じ数字を、指導料ごとに病院と診療所の割合にしました。
| 指導料 | 病院の割合 | 診療所の割合 |
|---|---|---|
| 外来栄養食事指導料 | 61.9% | 38.0% |
| 入院栄養食事指導料 | 99.5% | 0.4% |
| 集団栄養食事指導料 | 75.2% | 24.8% |
| 在宅患者訪問栄養食事指導料 | 17.2% | 82.8% |
| 4つの計 | 76.0% | 23.9% |
出典:同 第22表から編集部計算(分母は総数。病院・診療所別を取得できなかった分があるため、足して100%にならない行がある)
- 入院の指導は、ほぼ全部が病院です。診療所の780回は、統計の区分では有床診療所の分です。
- 外来は、4割近くが診療所です。診療所の110,665回のうち、外来栄養食事指導料1 2回目以降 対面で行った場合が84,037回です。
- 在宅訪問だけは、診療所のほうが多い指導料です。ただし1か月621回と、4つの中では最も少ない数です。
病院の362,155回を内訳で見ると、外来が180,324回(49.8%)、入院が176,252回(48.7%)で、外来と入院がほぼ半々です(編集部計算)。病院の管理栄養士の指導は、病棟の患者と外来の患者の両方に向いている、というのが統計の姿です。
区分で見る:入院は2回目が初回の25.9%、外来は2回目以降が初回の3.2倍です
外来と入院の指導料は、統計表では初回・2回目、対面・情報通信機器などの区分に分かれています。区分名は統計表のとおりです。
| 区分(統計表の表記) | 総数 | 病院 | 診療所 |
|---|---|---|---|
| 外来栄養食事指導料1 初回 対面で行った場合 | 65,532回 | 47,779回 | 17,647回 |
| 外来栄養食事指導料1 初回 情報通信機器等を用いた場合 | 120回 | 16回 | 104回 |
| 外来栄養食事指導料1 2回目以降 対面で行った場合 | 209,774回 | 125,411回 | 84,037回 |
| 外来栄養食事指導料1 2回目以降 情報通信機器等を用いた場合 | 419回 | 119回 | 300回 |
| 外来栄養食事指導料2 初回 対面で行った場合 | 1,597回 | - | 1,582回 |
| 外来栄養食事指導料2 初回 情報通信機器等を用いた場合 | 60回 | - | 60回 |
| 外来栄養食事指導料2 2回目以降 対面で行った場合 | 6,856回 | - | 6,841回 |
| 外来栄養食事指導料2 2回目以降 情報通信機器等を用いた場合 | 85回 | - | 85回 |
| 外来栄養食事指導料 外来化学療法実施患者 月2回以上の管理栄養士による栄養食事指導 | 140回 | 140回 | - |
| 外来栄養食事指導料 外来化学療法実施患者 専門的な知識を有した管理栄養士による栄養食事指導 | 6,868回 | 6,859回 | 9回 |
| 入院栄養食事指導料1 初回 | 140,607回 | 139,966回 | 603回 |
| 入院栄養食事指導料1 2回目 | 36,396回 | 36,286回 | 110回 |
| 入院栄養食事指導料2 初回 | 56回 | - | 56回 |
| 入院栄養食事指導料2 2回目 | 11回 | - | 11回 |
出典:同 第22表(総数-1総数)の「回数」。「-」は計数のないもの
- 入院は初回が中心です。入院栄養食事指導料1の2回目は36,396回で、初回140,607回の25.9%です(編集部計算)。
- 外来は2回目以降が中心です。外来栄養食事指導料1の対面は、2回目以降209,774回が初回65,532回の3.2倍です。病院では2.6倍、診療所では4.8倍でした(編集部計算)。
- 情報通信機器を用いた指導は、外来の0.2%です。外来栄養食事指導料1・2の情報通信機器の4区分を足すと684回でした(編集部計算)。
- 外来栄養食事指導料2(診療所の医師の指示で、その診療所以外の管理栄養士が行うもの)は、4区分の計で8,598回です。
なぜこの比率になるのかは、統計には書かれていません。入院と外来で算定できる回数の上限が違うことは、栄養指導のやり方で扱っています。
前年の同じ月と比べると:4つの計で5.8%増えています
8月審査分で集計しているのは、令和6年と令和7年の2年分です。同じ第22表で並べました。
| 指導料 | 令和6年8月審査分 | 令和7年8月審査分 | 増減 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 外来栄養食事指導料 | 279,800回 | 291,451回 | +11,651回 | +4.2% |
| 入院栄養食事指導料 | 162,919回 | 177,070回 | +14,151回 | +8.7% |
| 集団栄養食事指導料 | 7,002回 | 7,279回 | +277回 | +4.0% |
| 在宅患者訪問栄養食事指導料 | 652回 | 621回 | −31回 | −4.8% |
| 4つの計 | 450,373回 | 476,421回 | +26,048回 | +5.8% |
出典:社会医療診療行為別統計 令和6年8月審査分・令和7年8月審査分 第22表(総数-1総数)の「回数」。区分の合計・増減・増減率は編集部計算
- 入院栄養食事指導料1 初回は、129,740回から140,607回へ8.4%増えました。
- 外来化学療法実施患者の「専門的な知識を有した管理栄養士による栄養食事指導」は、4,440回から6,868回へ54.7%増えました。数は小さいものの、伸び方は4つの指導料の計より大きい区分です。
- 4つの計のうち病院の割合は、75.4%から76.0%でした。
令和5(2023)年以前は6月審査分です。統計表の利用についても、令和5(2023)年以前の数値との比較には留意が必要としています。そのため本記事は、令和5年以前の数字を並べていません。同じ月で比べられるのは2年分だけなので、増加が続く傾向かどうかまでは言えません。
1施設あたり・1人あたりにすると(編集部試算)
「1か月に何件くらいか」の目安として、病院の回数を割り算しました。どれも編集部試算で、統計が出している数字ではありません。
| 試算 | 式 | 結果 |
|---|---|---|
| 病院1施設あたり | 362,155回 ÷ 7,994施設 | 約45.3回/月 |
| 診療所1施設あたり | 113,764回 ÷ 84,402施設 | 約1.3回/月 |
| 病院の管理栄養士1人(常勤換算)あたり | 362,155回 ÷ 23,078.2人 | 約15.7回/月 |
出典:分子は前掲の第22表。施設数は同 統計の概要「3 集計客体数(2)」の、明細書がNDBに蓄積されていた保険医療機関の数(医科病院7,994施設、医科診療所84,402施設。令和7年8月審査分)。管理栄養士の数は令和5(2023)年医療施設(静態)調査 表25 職種別にみた施設の常勤換算従事者数の病院の管理栄養士(令和5年10月1日現在)
この試算には、次の限界があります。
- 算定がない病院も分母に入った単純平均です。病院ごとのばらつきは、この統計からはわかりません。
- 管理栄養士の数は令和5年10月1日現在で、回数(令和7年8月審査分)と約2年ずれています。
- 常勤換算の人数には、給食の管理など、栄養指導以外の仕事をしている時間も入っています。
- 集団栄養食事指導料は患者1人ごとに算定するため、1回の集団指導に患者が何人いても、その人数分の回数になります。
約15.7回は「平均するとこのくらい」という目安で、1人あたりの件数の基準ではありません。
件数のノルマは国が決めているか:点数表にあるのは1回の点数と回数の上限です
栄養食事指導料は、医科点数表のB001の9(外来)・10(入院)・11(集団)に定められています。集団栄養食事指導料の注は、全文が次の一文です。
「別に厚生労働大臣が定める特別食を必要とする複数の患者に対して、保険医療機関の医師の指示に基づき当該保険医療機関の管理栄養士が栄養指導を行った場合に、患者1人につき月1回に限り算定する。」
出典:診療報酬の算定方法 別表第一 医科診療報酬点数表(令和8年厚生労働省告示第69号による改正後)B001の11 注(原文どおり)
B001の9〜11の注に出てくる回数の言葉は、次のとおりです。
| 区分 | 回数の言葉 | 誰についての回数か |
|---|---|---|
| B001の9 外来(注1・注4〜注6) | 初回の指導を行った月にあっては月2回に限り、その他の月にあっては月1回に限り | 患者 |
| B001の9 外来(注3・注7・注8) | 月1回に限り | 患者 |
| B001の9 外来(注2) | 月2回以上の指導を行った場合に限り | 外来化学療法を実施している悪性腫瘍の患者 |
| B001の10 入院(注1・注2) | 入院中2回に限り | 入院中の患者 |
| B001の11 集団(注) | 患者1人につき月1回に限り | 患者 |
出典:同 B001の9〜11
どれも患者1人あたりの回数で、多くは「〜に限り」という上限です。医療機関や管理栄養士が1か月に何件の指導を行うべきか、という件数の下限や目標は、本記事が読んだ点数表のB001の9〜11、特掲診療料の施設基準等の該当項(第三の二の(6)〜(6)の3)、留意事項通知のB001の9〜11のどこにも見当たりませんでした。
点数の額と、1回の指導の時間などの算定要件は、栄養指導のやり方で扱っています。
それでも件数が職場の数字になりやすい理由:診療報酬は1回ごとに算定されます
件数が職場で数字として扱われやすい背景には、診療報酬の仕組みがあると考えられます。健康保険法 第76条第1項は、保険者が療養の給付に関する費用を保険医療機関に支払うと定めています。その額の決め方が第2項です。
「前項の療養の給付に要する費用の額は、厚生労働大臣が定めるところにより、算定するものとする。」
出典:健康保険法(e-Gov法令API 法令ID 211AC0000000070)第76条第2項(原文どおり)
この「厚生労働大臣が定めるところ」が点数表で、栄養食事指導料は1回ごとの点数で決まっています。算定の回数が増えれば、医療機関が請求できる点数の合計も増えます。統計でも、4つの指導料の点数の合計は、令和6年8月審査分の101,344,020点から、令和7年8月審査分の107,400,090点に増えていました(同 第22表の「点数」を編集部が足した)。
ただし、件数の目標を置くかどうか、置くなら何件にするかは、国の資料には書かれていません。算定できるのは、医師の指示や対象患者などの要件を満たした指導だけです。職場が件数を目標にしている場合も、それは国が決めた数ではありません。
この記事が扱っていないこと
- 病院ごと・管理栄養士ごとの件数の分布。統計は合計の回数だけで、1施設や1人あたりの分布は出していません。本記事の1施設・1人あたりは単純平均の試算です。
- 病床規模別・診療科目別の回数。統計には病床規模別(第25表〜第27表)、診療所の診療科目別(第28表〜第32表)の表がありますが、本記事では使っていません。
- 令和5年以前(6月審査分)との比較。集計対象月が違い、比較に留意が必要とされているため並べていません。
- 令和8年度改定後の回数。令和7年8月審査分は改定前の点数表による算定で、改定後に新しくできた区分の回数はまだ統計に出ていません。
- 民間の調査や口コミにある件数・働き方の声。一次資料ではないため使っていません。
- 管理栄養士の給与や求人の数。取得していません。
病院の管理栄養士が職場を選ぶときに確認できること
- 件数の目標があるか。ある場合は、算定した回数なのか、指導した人数なのかを確かめます。統計の「回数」は延べ算定回数です。
- 外来・入院・集団・在宅訪問のどれを担当するか。病院の回数は、外来と入院がほぼ半々でした。
- 管理栄養士の人数と、担当する病棟や外来の範囲。1人あたりの件数は、人数と担当範囲で変わります。
- 1件の指導に取れる時間の枠。算定には時間などの要件があります。
- 情報通信機器による指導を行っているか。統計では外来の0.2%でした。
よくある質問
Q. 病院の管理栄養士は、1か月に何件くらい栄養指導をしていますか。
A. 国の統計は、1人あたりの件数を出していません。病院の4つの指導料の回数(令和7年8月審査分、362,155回)を、病院の管理栄養士の常勤換算数(令和5年10月1日現在、23,078.2人)で割ると約15.7回/月です。時点が約2年ずれた単純平均の編集部試算で、基準ではありません。
Q. 栄養指導の件数にノルマはありますか。
A. 本記事が読んだ点数表・施設基準の告示・留意事項通知の栄養食事指導料の項には、医療機関や管理栄養士の件数の下限や目標を定める文言はありませんでした。回数の定めは「患者1人につき月1回に限り」など、患者1人あたりの上限です。職場ごとの目標の有無は、職場に確認することになります。
Q. 診療所でも栄養指導はありますか。
A. あります。令和7年8月審査分で、診療所の外来栄養食事指導料は110,665回、在宅患者訪問栄養食事指導料は514回でした。入院栄養食事指導料は780回で、入院の指導の99.5%は病院です。
Q. オンラインの栄養指導はどのくらい行われていますか。
A. 外来栄養食事指導料のうち、情報通信機器等を用いた場合の4区分の計は684回で、外来の0.2%でした(令和7年8月審査分)。
Q. 栄養指導の件数は増えていますか。
A. 4つの指導料の計は、令和6年8月審査分の450,373回から、令和7年8月審査分の476,421回へ5.8%増えました。同じ月で比べられるのはこの2年分だけで、傾向とまでは言えません。
迷ったらここ
栄養指導の件数の目標を聞く
国の統計では、外来・入院・集団・在宅訪問の栄養食事指導が1か月476,421回算定されています(令和7年8月審査分)。点数表が定めるのは1回ごとの点数と患者1人あたりの回数の上限で、医療機関ごとの件数は書かれていません。
- 件数の目標があるか、あるなら算定回数か指導した人数か
- 外来・入院・集団・在宅訪問のどれを担当するか
- 管理栄養士の人数と、担当する病棟や外来の範囲
まとめ
国の統計で見える栄養指導の件数は、社会医療診療行為別統計の算定回数です。令和7年8月審査分の1か月で、外来・入院・集団・在宅訪問の4つの指導料の計は476,421回でした。
偏りははっきりしています。入院の指導は99.5%が病院で、外来は38.0%が診療所、在宅訪問は診療所のほうが多い数です。病院の中では、外来と入院がほぼ半々でした。前年の同じ月より5.8%増えています。
点数表が定めているのは1回ごとの点数と、患者1人あたりの回数の上限です。件数が職場の数字になりやすいのは、診療報酬が1回ごとに算定される仕組みのためと考えられますが、何件を目標にするかは、国の資料には書かれていません。

