30秒でわかるまとめ
- 介護福祉士の平均給与額は、月額350,050円です月給・常勤で働く介護職員の数字で、基本給と手当に一時金の6分の1を足した額です。年収ではありません。
- 資格なしとの差は59,430円。勤続年数も違います介護福祉士は平均勤続10.4年、保有資格なしは5.8年です。差のすべてを資格の効果とは読めません。
- 職場の種類で、介護福祉士どうしでも68,380円開きます特定施設入居者生活介護は373,230円、通所介護は304,850円でした。勤続年数はどちらも9.6年です。
- 12倍した年換算は、前提を置いた目安の数字です350,050円×12か月=4,200,600円。10〜3月にも4〜9月と同じ額の一時金が出る前提での目安です。
※手当が付くかどうかの決まりは介護福祉士に資格手当が無いとき、ケアマネジャーとの比較は介護福祉士とケアマネの違いで扱っています。

まず前提:「介護福祉士」の数字がある統計は1つです
職種別の年収を調べるときに使われる賃金構造基本統計調査には、「介護福祉士」という職種の区分がありません(詳しくは生活相談員の年収で扱っています)。
介護福祉士という資格で数字を分けているのは、厚生労働省の介護従事者処遇状況等調査です。この調査は、介護職員を保有資格別に集計しています。本記事は、この調査の令和6年度の結果(2026年9月18日時点で厚生労働省の「結果の概要」一覧に載っている最新の回)を使います。
ここで扱う数字は「介護福祉士の資格を持って、介護職員として働いている人」の数字です。介護福祉士の資格を持ってケアマネジャーや生活相談員として働いている人は、この表に入っていません。

同じ調査で見ると、加算を取得した事業所の介護職員の平均給与額は、1年で13,960円増えています。加算の率と配分のルールは介護の処遇改善加算はいくらもらえるか|国が決めるのは事業所に入る率まで。1年の増加は月13,960円でしたで扱っています。
数字の定義:月給・常勤で、加算を取得した事業所の介護職員です
この調査の「平均給与額」は、次の条件で集計されています。
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 対象 | 介護職員等処遇改善加算Ⅰ〜Ⅴを取得(届出)している事業所の介護職員 |
| 働き方 | 月給・常勤の者 |
| 平均給与額 | 基本給(月額)+手当+一時金(4〜9月支給金額の1/6) |
| 比べている人 | 令和5年9月30日と令和6年9月30日のともに在籍している者 |
| 保有資格 | 複数回答。介護福祉士と実務者研修の両方を持つ人は、両方の行に入ります |
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」統計表第89表の注記
表の「実務者研修」と「介護職員初任者研修」は、次の範囲を指しています。
「「実務者研修」とは、実務者研修、介護職員基礎研修及びヘルパー1級をいう。」
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」p.17 注1(原文どおり)
「「介護職員初任者研修」とは、介護職員初任者研修及びヘルパー2級をいう。」
出典:同 注2(原文どおり)
ここで押さえておきたいのは、この数字が「1か月あたり」だということです。一時金(賞与など)は、4〜9月に出た額を6で割って1か月分に直して足しています。

同じ調査には時給の者の表もあり、訪問介護事業所の時給・非常勤の介護職員の平均基本給額は1,380円です。訪問介護の時給の相場|統計の1時間当たりは1,787円で、施設の介護職員より426円高い数字ですで扱っています。
ここが本題:保有資格別の平均給与額
月給・常勤の介護職員を、保有資格別に並べるとこうなります。
| 保有資格 | 令和6年9月 | 令和5年9月 | 差 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 集計対象数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 介護福祉士 | 350,050円 | 337,160円 | +12,890円 | 46.3歳 | 10.4年 | 17,356人 |
| 実務者研修 | 327,260円 | 313,490円 | +13,770円 | 44.0歳 | 6.9年 | 2,167人 |
| 介護職員初任者研修 | 324,830円 | 311,290円 | +13,540円 | 47.4歳 | 8.8年 | 4,511人 |
| 保有資格なし | 290,620円 | 271,080円 | +19,540円 | 39.7歳 | 5.8年 | 938人 |
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」統計表第89表(全体)。月給・常勤の者、処遇改善加算Ⅰ〜Ⅴ取得事業所。集計対象数は令和6年の人数
介護福祉士と、ほかの行との差を計算しました。
| 比較 | 平均給与額の差(令和6年9月) |
|---|---|
| 介護福祉士 - 実務者研修 | 22,790円 |
| 介護福祉士 - 介護職員初任者研修 | 25,220円 |
| 介護福祉士 - 保有資格なし | 59,430円 |
出典:同表より編集部が算出
介護福祉士の行は、4つの中でいちばん高い位置にあります。実務者研修・初任者研修との差は2万円台、保有資格なしとの差は5万円台です。
1年間の伸びは、介護福祉士が12,890円、保有資格なしが19,540円でした。この1年の増え方だけで見ると、保有資格なしの行のほうが大きくなっています。
差の中には、勤続年数の違いも入っています
59,430円という差を「資格を取れば上がる額」と読むのは早すぎます。表の右側を見ると、行ごとに働いている年数が違うからです。
- 介護福祉士の平均勤続年数は10.4年、保有資格なしは5.8年です。
- 平均年齢も、介護福祉士は46.3歳、保有資格なしは39.7歳です。
- 1か月の実労働時間数は、介護福祉士162.5時間、保有資格なし163.2時間で、ほとんど変わりません。
同じ調査は、介護職員全体を勤続年数別にも集計しています。
| 勤続年数(介護職員全体) | 平均給与額(令和6年9月) |
|---|---|
| 1年(勤続1年〜1年11か月) | 298,760円 |
| 10年以上 | 359,040円 |
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」p.16(統計表第86表)。月給・常勤の者、処遇改善加算Ⅰ〜Ⅴ取得事業所
勤続1年と10年以上の差は60,280円です。資格の有無による差(59,430円)と、勤続年数による差が、ほぼ同じ大きさで並んでいます。
保有資格別の表は、同じ人が資格を取る前と後を比べたものではありません。資格の違いと勤続年数の違いがまざった数字なので、本記事では「資格だけでいくら上がるか」は示しません。
職場の種類で、介護福祉士どうしでも68,380円開きます
第89表は、同じ保有資格別の数字をサービスの種類ごとにも出しています。介護福祉士の行だけを抜き出して、平均給与額の高い順に並べました。
| サービスの種類 | 介護福祉士の平均給与額 | 平均勤続年数 | 実労働時間数 | 集計対象数 |
|---|---|---|---|---|
| 特定施設入居者生活介護 | 373,230円 | 9.6年 | 164.9時間 | 1,263人 |
| 介護老人福祉施設 | 372,960円 | 11.0年 | 162.4時間 | 5,491人 |
| 介護老人保健施設 | 363,550円 | 12.4年 | 158.2時間 | 2,272人 |
| 訪問介護 | 355,790円 | 9.5年 | 163.6時間 | 1,413人 |
| 介護医療院 | 340,420円 | 12.5年 | 152.6時間 | 1,685人 |
| 通所リハビリテーション | 328,050円 | 12.1年 | 157.7時間 | 1,418人 |
| 小規模多機能型居宅介護 | 317,640円 | 9.4年 | 164.2時間 | 1,343人 |
| 認知症対応型共同生活介護 | 315,600円 | 9.7年 | 165.2時間 | 1,673人 |
| 通所介護 | 304,850円 | 9.6年 | 163.6時間 | 798人 |
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」統計表第89表(令和6年9月)。通所介護には地域密着型通所介護を含む
いちばん高い特定施設入居者生活介護と、いちばん低い通所介護の差は68,380円です。
この2つは、平均勤続年数がどちらも9.6年です。実労働時間数も164.9時間と163.6時間で、大きくは違いません。勤続年数でも労働時間でも説明しにくい開きが、職場の種類の間にあります。
そしてこの68,380円は、全体で見た介護福祉士と保有資格なしの差(59,430円)より大きい数字です。同じ介護福祉士でも、どの種類の職場で働くかによって、平均の位置が資格の差以上に変わります。なぜこの差が生まれるのかは、調査資料に書かれていません。本記事では理由を推測しません。
なお、職場の種類別に給与が出ているのは介護職員だけで、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士又は機能訓練指導員の区分には、サービス別の給与表がありません。この区分の数字は機能訓練指導員の年収を月額で読む|月給・常勤は362,800円、時給の非常勤は1,600円ですで扱っています。
特定施設では、初任者研修の行が介護福祉士を上回っています
サービスの種類ごとに見ると、介護福祉士の行がいつもいちばん上にあるわけではありません。
| 特定施設入居者生活介護 | 平均給与額 | 平均勤続年数 | 実労働時間数 | 集計対象数 |
|---|---|---|---|---|
| 介護福祉士 | 373,230円 | 9.6年 | 164.9時間 | 1,263人 |
| 介護職員初任者研修 | 378,240円 | 7.5年 | 168.4時間 | 607人 |
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」統計表第89表(令和6年9月)
特定施設入居者生活介護では、初任者研修の行のほうが5,010円高くなっています。実労働時間数は初任者研修の行のほうが3.5時間長くなっていますが、表からは理由までは読み取れません。
言えるのは、平均給与額は資格だけで並ぶものではないということです。職場の種類、勤続年数、働いた時間が重なって、1つの平均になっています。
年収に直すなら:編集部試算と、その前提
この調査は年収を公表していません。それでも年額の目安が欲しいときのために、式を明示して試算します。
350,050円(令和6年9月・月額)×12か月=4,200,600円(編集部試算)
出典:元の数字は統計表第89表。年額は編集部の試算で、統計の数字ではありません
この試算には、はっきりした前提があります。
- 一時金は「4〜9月に支給された金額の6分の1」として月額に入っています。12倍すると、10〜3月にも同じ額の一時金が出たことになります。冬の賞与が夏と違う職場では、実際の年収とずれます。
- 対象は処遇改善加算を取得している事業所で、月給・常勤、2年続けて在籍している人だけです。入職したばかりの人や、パート勤務の人は入っていません。
本記事では、4,200,600円を「介護福祉士の平均年収」とは呼びません。月額350,050円に12を掛けた目安、という位置づけです。
資格別ではなく、賃金構造基本統計調査の「介護職員(医療・福祉施設等)」で推計年収388.0万円を年齢・経験年数・企業規模に分けた数字は 介護職の年収の平均は388.0万円|35〜54歳は413.9万〜416.4万円で、ほぼ横ばいですで扱っています。
この記事が扱っていないこと
- 非常勤(日給・時給)の介護福祉士の数字。同じ調査の第90表・第91表にありますが、本記事では扱っていません。
- 介護職員以外の職種で働く介護福祉士の給与。第89表は介護職員だけの集計です。
- 処遇改善加算を取得していない事業所の数字。この調査の給与の集計に入っていません。
- 都道府県別・地域別の数字。本記事は取得していません。
- 資格手当の金額。この調査は資格手当を別に集計していないため、取得していません。
- 令和7年度の同じ調査。2026年9月18日時点で、厚生労働省の「結果の概要」一覧に令和7年度の回は載っていません。
介護福祉士として求人を見るときに確認できること
- 提示額は月給か、常勤か。本記事の数字はすべて月給・常勤の者のものです。時給や日給の求人とはそのまま比べられません。
- 月額に一時金が入っているか。統計の平均給与額には一時金の6分の1が入っています。求人票の月給と比べるときは、賞与を別に見ます。
- サービスの種類は何か。介護福祉士どうしでも、特定施設入居者生活介護と通所介護で68,380円の開きがありました。比べる相手は同じ種類の平均です。
- 処遇改善加算を取得しているか。本記事の数字は取得事業所だけの集計です。算定している加算の区分は、事業所に確認できます。
- これまでの勤続年数をどう扱うか。統計では勤続年数の違いが給与の差に大きく重なっていました。前職の経験を給与にどう反映するかは、面接で確認できます。
よくある質問
Q. 介護福祉士の平均年収はいくらですか。
A. 介護福祉士の年収を公表している公的統計は、本記事では確認できませんでした。あるのは介護従事者処遇状況等調査の月額の平均給与額で、月給・常勤の介護職員で350,050円(令和6年9月)です。12倍すると4,200,600円ですが、これは一時金が年間を通して同じ額で出る前提の編集部試算です。
Q. 介護福祉士を取ると、給与は59,430円上がりますか。
A. そうは読めません。59,430円は、介護福祉士の行と保有資格なしの行の平均の差です。介護福祉士の平均勤続年数は10.4年、保有資格なしは5.8年で、勤続年数の違いも入っています。同じ人の資格取得前後を比べた数字ではありません。
Q. 実務者研修から介護福祉士になると、差はどのくらいですか。
A. 月給・常勤の全体で、介護福祉士350,050円、実務者研修327,260円で、差は22,790円です。ただし平均勤続年数は10.4年と6.9年で違います。
Q. パートの介護福祉士の数字はありますか。
A. 同じ調査に日給・非常勤(第90表)と時給・非常勤(第91表)の保有資格別の表がありますが、本記事では扱っていません。
迷ったらここ
求人の月給は職場の種類ごとに比べる
介護福祉士の平均給与額は月額350,050円ですが、介護福祉士どうしでも職場の種類で68,380円開いていました。比べる相手をそろえると、提示額の見え方が変わります。
- 提示額は月給・常勤か(統計の平均は月給・常勤の者の数字)
- 月額に賞与が含まれているか(統計は4〜9月の一時金の6分の1を含む)
- サービスの種類は何か(特定施設373,230円/通所介護304,850円)
まとめ
介護福祉士という資格で数字を分けている全国調査は、介護従事者処遇状況等調査です。月給・常勤の介護職員で、介護福祉士の平均給与額は月額350,050円(令和6年9月)。基本給・手当に、4〜9月の一時金の6分の1を足した額で、年収ではありません。
保有資格なしとの差は59,430円ですが、平均勤続年数が10.4年と5.8年で違い、差のすべてを資格の効果とは読めません。介護職員全体の勤続1年と10年以上の差(60,280円)と、ほぼ同じ大きさです。
いちばん大きく開いていたのは、職場の種類でした。介護福祉士どうしで、特定施設入居者生活介護373,230円と通所介護304,850円の差は68,380円。勤続年数はどちらも9.6年です。
年額にするなら、350,050円×12か月=4,200,600円という編集部試算が目安です。求人を比べるときは、月給か・常勤か・一時金を含むか・どの種類の職場かをそろえてから比べてください。

