訪問介護の時給の相場|統計の1時間当たりは1,787円で、施設の介護職員より426円高い数字です

目次

30秒でわかるまとめ

  • パートで働く訪問介護員の1時間当たりは、平均1,787円です短時間労働者の訪問介護従事者の1時間当たり所定内給与額で、2025年6月分の数字です。賞与は含みません。
  • 施設の介護職員より426円高く、1日の時間は短くなっています施設等の介護職員の短時間労働者は1,361円です。1日の所定内実労働時間数は訪問が3.6時間、施設等が5.9時間です。
  • 求人の時給と、1時間当たり所定内給与額は作り方が違います統計の額は所定内給与額を実際に働いた時間で割ったもので、手当も入ります。別の国の調査の基本給の時給は1,380円です。
  • 移動時間や1件いくらの払い方は、表からは分かりません割る時間は事業所が報告した実労働時間で、移動時間を含むかの区分はありません。賃金の決まり方の区分もありません。

※フルタイムなどで働く訪問介護員の月給と年収はホームヘルパーとは、移動時間が労働時間に当たる条件は訪問介護の移動時間に給料は出るかで扱っています。

玄関で訪問(訪問介護)

まず前提:統計の「1時間当たり」は、求人の時給と作り方が違います

訪問介護の時給の「相場」を国の統計で探すと、使えるのは厚生労働省の賃金構造基本統計調査です。職種の区分に「訪問介護従事者」があり、調査はこの職種の仕事を次のように説明しています。

「在宅介護サービスを提供する団体等からの指示等により、介護を必要とする者の居宅を訪問し、その者に対する入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活を営むのに必要な便宜を供与する仕事に従事するものをいう。」

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」役職及び職種解説 1362 訪問介護従事者 仕事の概要(原文どおり)

含まれる職種の例には、訪問介護員、ホームヘルパー、介護福祉士・ケアワーカー(訪問)が挙がっています。施設で働く人は、別の区分「介護職員(医療・福祉施設等)」です。

この調査は、働く人を「一般労働者」と「短時間労働者」に分けて集計しています。パートなどで短い時間働く人が入るのは、短時間労働者のほうです。

「「短時間労働者」とは、同一事業所の一般の労働者より1日の所定労働時間が短い又は1日の所定労働時間が同じでも1週の所定労働日数が少ない労働者をいう。」

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」主な用語の定義(原文どおり)

短時間労働者の表は、賃金を「1時間当たり所定内給与額」で出しています。その作り方は、次のとおりです。

「労働者ごとに所定内給与額を所定内実労働時間数で除したものである。円未満の端数がある場合には、円未満を四捨五入している。」

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」調査の概要 3 用語の説明(21)(原文どおり)

契約書に書かれた時給を集めた数字ではありません。1人ごとに、6月分の所定内給与額を、その月に実際に働いた所定内の時間で割り、その平均をとった額です。

打ち合わせタブレット

ここが本題:短時間の訪問介護従事者は、1時間当たり1,787円です

項目訪問介護従事者介護職員(医療・福祉施設等)
1時間当たり所定内給与額1,787円1,361円
1日当たり所定内実労働時間数3.6時間5.9時間
実労働日数15.4日14.4日
年間賞与その他特別給与額47,500円65,500円
平均年齢61.1歳55.7歳
平均勤続年数10.0年6.8年
労働者数142,500人582,200人

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」短時間労働者・職種 第1表/企業規模計(10人以上)/男女計/産業計。労働者数は原表の「十人」単位を人数に換算(編集部)

訪問介護従事者の1時間当たり所定内給与額は1,787円で、施設等の介護職員の1,361円より426円高い数字です。

一方で、1日に働く所定内の時間は3.6時間で、施設等の5.9時間より2.3時間短くなっています。1か月の時間の目安を、平均どうしの掛け算で出すと次のとおりです。

編集部試算:訪問介護従事者 15.4日 × 3.6時間 ≒ 55.4時間、介護職員(施設等) 14.4日 × 5.9時間 ≒ 85.0時間

この試算は平均値どうしを掛けたもので、調査が公表している数字ではありません。1人ひとりの働き方には幅があります。

働く人の顔ぶれにも特徴があります。平均年齢は61.1歳、平均勤続年数は10.0年です。142,500人のうち女性が134,310人で、94.3%を占めます(人数は原表の十人単位を換算し、割合は編集部算出)。

なお、この調査の訪問介護従事者は、短時間労働者の人数のほうが一般労働者より多くなっています。一般労働者の数字はホームヘルパーとはで扱っています。

書類にサイン

1,787円に入っているもの、入っていないもの

1,787円の分子は「所定内給与額」です。調査は所定内給与額を、きまって支給する現金給与額から超過労働給与額を引いた額としています。

「きまって支給する現金給与額のうち、超過労働給与額を差し引いた額をいう。」

出典:同 調査の概要 3 用語の説明(20)(原文どおり)

そして、きまって支給する現金給与額には、次のものが含まれるとされています。

「現金給与額には、基本給、職務手当、精皆勤手当、通勤手当、家族手当などが含まれるほか、超過労働給与額も含まれる。」

出典:同 調査の概要 3 用語の説明(18)第2段落の1文目(原文どおり)

分母の「所定内実労働時間数」は、次のように説明されています。

「総実労働時間数から超過実労働時間数を差し引いた時間数をいう。したがって、事業所の就業規則などで定められた所定労働日における始業時刻から終業時刻までの時間において、1日の労働時間ではなく、調査対象期間中に実際に労働した時間数を示す。」

出典:同 調査の概要 3 用語の説明(14)第1段落(原文どおり)

定義どおりに並べると、こうなります。

区分1,787円との関係
基本給、職務手当、精皆勤手当、通勤手当、家族手当など所定内給与額に入る
時間外勤務手当、深夜勤務手当、休日出勤手当、宿日直手当、交替手当(超過労働給与額)入らない
賞与、期末手当など入らない(年間賞与その他特別給与額として別に集計。訪問介護従事者は47,500円)
現物給与入らない(現金給与のみ)

出典:同 調査の概要 3 用語の説明(18)(20)(22)。表の整理は編集部

求人の時給が基本給だけの額なら、手当まで入った1,787円とそのまま比べることはできません。反対に、時間外などの手当は1,787円の外にあります。

数字の時点にも注意が要ります。1時間当たりの額は令和7年(2025年)6月分の給与と労働時間、年間賞与は原則として令和6年(2024年)1月から12月までの1年間の額です(調査の概要 1(5))。

企業規模別:10〜99人の企業が1,856円でいちばん高い

調査の「企業規模」は、事業所1か所の人数ではありません。

「調査労働者の属する企業の大きさをいい、その企業に雇用されている全常用労働者数によって区分している。」

出典:同 調査の概要 3 用語の説明(2)(原文どおり)

企業規模1時間当たり所定内給与額1日当たり所定内実労働時間数実労働日数年間賞与労働者数構成比
企業規模計(10人以上)1,787円3.6時間15.4日47,500円142,500人—
1,000人以上1,746円4.0時間16.1日39,100円32,780人23.0%
100〜999人1,605円3.4時間16.2日54,900円25,030人17.6%
10〜99人1,856円3.5時間15.0日48,500円84,680人59.4%

出典:同調査 短時間労働者・職種 第1表/男女計。構成比は企業規模計の労働者数に対する比率で編集部算出(端数処理のため合計は100%になりません)

  • 1時間当たりがいちばん高いのは10〜99人の1,856円で、いちばん低い100〜999人の1,605円より251円高くなっています。
  • 企業が大きいほど高い、という並びではありません。1,000人以上は1,746円で、10〜99人より110円低い数字です。
  • 働く人の59.4%は10〜99人の企業にいます。
  • 1日当たりの時間がいちばん長いのは1,000人以上の4.0時間です。

この表は企業規模10人以上の集計です。5〜9人の企業は別の表になっていて、訪問介護従事者の短時間労働者は1時間当たり所定内給与額1,606円、1日当たり所定内実労働時間数2.9時間、11,180人です(同調査 短時間労働者・企業規模5〜9人 第4表)。推計の区分が違うため、本記事は10人以上の数字と合算していません。

経験年数別:1時間当たりは右肩上がりになっていません

経験年数1時間当たり所定内給与額1日当たり所定内実労働時間数年間賞与労働者数
0年1,767円3.3時間8,400円9,060人
1〜4年1,849円3.7時間30,000円26,450人
5〜9年1,641円3.9時間37,600円23,100人
10〜14年1,872円3.6時間58,300円30,900人
15年以上1,773円3.4時間60,800円53,000人

出典:同調査 短時間労働者・職種 第5表/企業規模計(10人以上)/男女計。経験年数は「調査対象期日現在の職種の仕事に従事した年数」(調査の概要 3(12))

1時間当たりの額は、経験年数の順に上がってはいません。いちばん高いのは10〜14年の1,872円で、5〜9年の1,641円がいちばん低くなっています。0年の1,767円と15年以上の1,773円の差は6円です。

これに対して年間賞与は、経験年数の順に増えています。0年の8,400円から15年以上の60,800円までです。ただし、年間賞与は前の年の1年間の額で、途中で雇われた人は雇用の日からの期間で数えるため(調査の概要 3(22))、0年の数字は小さく出やすい点に注意が要ります。

15年以上の人は53,000人で、全体の37.2%を占めます(編集部算出)。

職種と経験年数を組み合わせた区分は、調査の設計の上でも誤差に注意が要るとされています。

「事業所の層化は、都道府県、産業及び事業所規模別に行っている。このため、層化基準によらない集計区分については標本設計の対象とならず、サンプルサイズが小さい場合は大きな誤差を含む場合があり、利用に際しては注意を要する。」

出典:同 調査の概要 4(2)ア(イ)(原文どおり)

経験年数ごとの差は、傾向の手がかりとして読むのが無理のない使い方です。

もう1つの国の調査:基本給の時給は1,380円

厚生労働省の介護従事者処遇状況等調査は、給与を「月給の者」「日給の者」「時給の者」に分けて集計しています。2026年10月1日時点で公表されている最新の回は令和6年度(令和6年9月の給与)です。

項目訪問介護事業所の介護職員(時給・非常勤の者)(参考)9サービス全体(時給・非常勤の者)
平均基本給額(時給)1,380円1,220円
実労働時間数(月)65.1時間84.2時間
平均給与額(月)117,560円129,880円
平均年齢59.9歳57.1歳
平均勤続年数9.4年8.6年
介護職員数(集計対象数)1,204人6,211人

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」統計表 第100表(平均基本給額)・第75表(平均給与額)/介護職員等処遇改善加算を取得している事業所/令和6年

この表の対象は、介護職員等処遇改善加算を取得している事業所で、令和5年9月30日と令和6年9月30日のともに在籍している者です。平均給与額の中身は、表の注に次のように書かれています。

「平均給与額は、基本給(時給)×実労働時間+手当+一時金(4~9月支給金額の1/6)。」

出典:同 第75表 注3(原文どおり)

実労働時間数のほうは、第100表の注で「早出、残業、臨時の呼出、休日出勤等に係る労働時間数が含まれる」とされています。所定内の時間だけで割る賃金構造基本統計調査とは、ここも違います。

平均給与額を実労働時間数で割ると、次のとおりです。

編集部試算:117,560円 ÷ 65.1時間 ≒ 1,806円

平均どうしの割り算なので目安ですが、基本給の時給1,380円と、手当や一時金まで入れた1時間当たりの額とでは、数百円の開きが出ることが分かります。求人の時給がどちらに近い数字なのかは、求人票を見ないと分かりません。

この調査でも、訪問介護事業所の時給・非常勤の介護職員は、9つのサービスの中で平均基本給額がいちばん高く、実労働時間数がいちばん短い結果でした。賃金構造基本統計調査と同じ形です。令和5年の同じ人たちの平均基本給額は1,330円で、1年で50円上がっています。

統計の外にあるもの:移動時間、1件いくらの払い方、日々の雇用

ここまでの数字で「言えないこと」を整理します。

知りたいこと統計の表で分かるか理由
移動時間が時給の計算に入っているか分からない割る時間は、事業所が報告した実労働時間数です。そこに移動時間が含まれているかを分ける区分は、表にありません
1件いくらで払われている人の相場分からない賃金構造基本統計調査の職種の表に、賃金の決まり方の区分はありません。処遇状況等調査の表も、月給・日給・時給の3つの区分です
日々や1か月未満の期間で雇われている人別の表にある短時間労働者は「常用労働者」の中の区分です。日々又は1か月未満の期間を定めて雇われている人は「臨時労働者」として別に集計されています
5〜9人の企業で働く人別の表にある企業規模10人以上の表には入っていません

出典:同 調査の概要 3 用語の説明(3)(14)、各統計表の区分。右欄は編集部の整理

臨時労働者の表では、訪問介護従事者は1時間当たりきまって支給する現金給与額1,753円、1日当たり所定内実労働時間数2.3時間、9,050人です(同調査 臨時労働者・職種 第1表/企業規模計(10人以上))。こちらは時間外などの手当も入れ、超過実労働時間数も足した時間で割る額で(調査の概要 3(19))、短時間労働者の1,787円とは物差しが違います。

移動時間がそもそも労働時間に当たるかどうかは、統計ではなく国の通達が条件を示しています。訪問介護の移動時間に給料は出るかで扱っています。

この記事が扱っていないこと

  • 一般労働者(フルタイムなど)の訪問介護員の月給・年収。ホームヘルパーとはで扱っています。
  • 移動時間・待機時間を労働時間として扱う条件。訪問介護の移動時間に給料は出るかで扱っています。
  • 都道府県別の訪問介護の1時間当たりの額。本記事は取得していません。
  • 短時間労働者の訪問介護従事者の分布(中位数など)。本記事が確認した短時間労働者の職種の表は平均値の表で、分布の表は取得していません。
  • 処遇状況等調査の、時給・非常勤の勤続年数別・規模別などの表。本記事はサービス種類別の第75表・第100表だけを使いました。
  • 1件いくらで払う事業所の割合や、移動時間を支払っている事業所の割合。国の統計を取得していないため、数字は書いていません。
  • 手取りの額。税や社会保険料を引いた額は取得していません。

訪問介護の求人を見るときに確認できること

  • 時給が基本給だけの額か、手当を含んだ額か。処遇状況等調査では、基本給の時給1,380円に対し、手当や一時金まで入れると1時間当たりの目安は1,806円でした(編集部試算)。
  • 時給が「1時間あたり」か「訪問1件あたり」か。1件あたりなら、1件に何分かかる想定かを聞けます。
  • 移動や記録の時間が、勤務時間に入るか。統計の1時間当たりの額は、事業所が報告した実労働時間で割った数字です。
  • 1日・1か月に何時間の勤務が見込めるか。統計の訪問介護従事者の短時間労働者は、1日3.6時間、月15.4日でした。
  • 賞与や一時金があるか。統計の年間賞与は47,500円で、1時間当たりの額とは別に集計されています。

よくある質問

Q. 訪問介護の時給の相場はいくらですか。
A. 国の統計で一番近いのは、賃金構造基本統計調査の短時間労働者の表です。訪問介護従事者の1時間当たり所定内給与額は1,787円(2025年6月分、企業規模10人以上)です。所定内給与額を所定内実労働時間数で割った額の平均で、手当を含み、賞与と時間外などの手当は含みません。

Q. 施設で働くより、訪問介護のほうが時給は高いのですか。
A. 1時間当たり所定内給与額は、訪問介護従事者が1,787円、介護職員(医療・福祉施設等)が1,361円で、訪問介護が426円高い数字です。一方で1日当たり所定内実労働時間数は3.6時間と5.9時間で、訪問介護のほうが短くなっています。

Q. 統計の1,787円には移動時間の分も入っていますか。
A. 表からは分かりません。割る時間は事業所が報告した所定内実労働時間数で、移動時間を含むかどうかの区分は表にありません。

Q. 求人の時給を、統計の数字と比べてもよいですか。
A. その時給が基本給だけか、手当を含むかで比べ方が変わります。処遇状況等調査では、訪問介護事業所の時給・非常勤の介護職員の平均基本給額は1,380円です。賃金構造基本統計調査の1,787円は手当を含む額です。

Q. 経験を積めば時給は上がりますか。
A. 統計の訪問介護従事者の短時間労働者では、1時間当たりの額は経験年数の順に上がっていません。10〜14年の1,872円がいちばん高く、5〜9年の1,641円がいちばん低い数字でした。年間賞与は経験年数の順に増えています。

迷ったらここ

時給が基本給か手当込みかを聞く

国の統計で、パートなど短時間で働く訪問介護従事者の1時間当たり所定内給与額は1,787円(手当を含み、賞与は除く)です。別の国の調査では、訪問介護事業所の時給・非常勤の介護職員の基本給の時給は1,380円です。

  • 時給が基本給だけの額か、手当を含んだ額か
  • 時給が1時間あたりか訪問1件あたりか。移動や記録の時間が勤務時間に入るか
  • 1日・1か月に何時間の勤務が見込めるか(統計では1日3.6時間、月15.4日)
介護職の転職サービスを比較する

まとめ

  • 訪問介護の時給の相場として国の統計で言えるのは、短時間労働者の1時間当たり所定内給与額1,787円(2025年6月分、企業規模10人以上)
  • 施設等の介護職員の1,361円より426円高い一方、1日当たりの時間は3.6時間で2.3時間短い
  • 企業規模別では10〜99人の1,856円がいちばん高く、経験年数の順には上がっていない
  • 処遇状況等調査の基本給の時給は1,380円。手当や一時金を入れた目安は1,806円(編集部試算)
  • 移動時間を含むか、1件いくらで払われているかは、統計の表からは分からない

1,787円は、手当を含んだ給与を実際に働いた時間で割った平均です。求人の時給を比べるときは、基本給か手当込みか、どの時間が勤務時間に入るかを先に確かめてください。そのうえで統計の数字を物差しに使えます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

医療・福祉・保育の人材紹介の現場で求職者の相談を受けてきた編集者が担当しています。キャリアアドバイザー歴8年、転職相談・紹介の対応実績1,500人以上(自社実績/2026年8月時点)。介護・看護師・保育士・栄養士の4分野を担当。記事の数値には必ず出典と公表時点を添えています。

目次