幼稚園教諭の年収442.6万円|男女差125.5万円は保育士の5.3倍あります

目次

30秒でわかるまとめ

  • 幼稚園教諭の平均年収は442.6万円です保育士より15.0万円高い水準ですが、所定内の労働時間は月3時間長いという条件です
  • 「幼稚園教諭だけの年収」は統計から出せません職種区分は「幼稚園教員,保育教諭」で、認定こども園の保育教諭と合算された数字です
  • 男女差125.5万円は保育士の5.3倍もあります働く人の93.5%は女性で、男560.0万円・女434.5万円という大きな開きがあります
  • 年収511.1万円の園で働けるのはごく一部です1,000人以上の事業所は511.1万円ですが、そこにいるのは全体のわずか1.8%にすぎません

※幼稚園教諭の免許を取る方法(保育士からの特例を含む)は幼稚園教諭になるには|保育士からの特例は8単位。令和12年3月31日で終了しますで扱っています。統計に職種区分が無い場合の考え方は保育補助の年収は、国の統計に存在しませんも参考になります。

ハートのおもちゃと女児(幼稚園教諭)

統計で一緒に数えられている2つの職場は、制度としては別のものです。認可保育所と幼保連携型認定こども園の基準の違いは認定こども園と保育園の違い|基準に「学級」があるかで分かれますで扱っています。

先に断ります:統計の区分は「幼稚園教員,保育教諭」です

賃金構造基本統計調査の職種(小分類)は140区分あります。そこに置かれているのは「幼稚園教員,保育教諭」という名前の区分で、幼稚園教諭だけの区分ではありません。

保育教諭は、幼保連携型認定こども園に置かれる職種です。つまりこの数字には、幼稚園で働く人と認定こども園で働く人が混ざっています。どちらが何割なのかは、この調査では分かりません。

この記事の数字はすべて「幼稚園教員,保育教諭」の値です。幼稚園教諭だけの年収として読むと、実態からずれる可能性があります。以下、その前提で読んでください。

お金の話をする二人

認定こども園という施設の中で集計した国の調査では、私立の常勤の保育教諭の給与月額(賞与込み)は327,240円です。職種の区分で集計したこの記事の数字とは出どころが違い、保育教諭の年収|私立の常勤は賞与込み月額327,240円、12か月分で392.7万円ですで扱っています。

まず全体:442.6万円がどう組み立てられているか

項目幼稚園教員,保育教諭(参考)保育士
平均年齢39.1歳40.3歳
平均勤続年数10.1年9.1年
所定内実労働時間数166時間/月163時間/月
超過実労働時間数3時間/月3時間/月
きまって支給する現金給与額291,500円285,700円
所定内給与額285,900円279,200円
年間賞与その他特別給与額928,200円847,900円
労働者数185,370人291,510人
推計年収(編集部試算)442.6万円427.6万円

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(職種)第1表/企業規模計(10人以上)/男女計/産業計

推計年収の計算式:291,500円 × 12か月 + 928,200円 = 4,426,200円

先に断っておきます。この調査は「年収」を直接公表していません。442.6万円は月額を12倍して賞与を足した編集部の試算です。

保育士との差15.0万円の中身を見ると、月給の差は5,800円で、年間賞与の差が80,300円。賞与のほうが効いています。賞与は所定内給与額の3.25か月分です。

ただし所定内実労働時間は月166時間で、保育士より3時間長い。単純に「保育士より条件が良い」とは言えません。時間あたりで見れば差は縮まります。

タブレットで遊ぶ

比較に出した保育士の427.6万円を、所定内給与額・時間外などの手当・賞与の3つに分けた内訳は 保育士の年収の平均は427.6万円|賞与がいちばん多いのは、10〜99人の企業でしたで扱っています。

真ん中は26万8,600円。平均より1万7,300円低い

位置所定内給与額意味
第1・十分位数207,200円下から10%がこの額以下
第1・四分位数232,500円下から25%がこの額以下
中位数(中央値)268,600円ちょうど真ん中
(参考)平均値285,900円全員の合計を人数で割った額
第3・四分位数318,000円上から25%がこの額以上
第9・十分位数378,700円上から10%がこの額以上

出典:同調査(職種)第17-1表 職種(小分類)、所定内給与額階級別労働者数及び所定内給与額の分布特性値/企業規模計(10人以上)/男女計。平均値は第1表の所定内給与額

平均285,900円に対して中位数は268,600円。平均のほうが17,300円高いので、上のほうに引っ張られています。真ん中の半数は232,500円〜318,000円の85,500円の幅に入ります。

金額の帯を見ると、低いほうに固まっているのが分かります。

所定内給与額人数割合
20万〜21万9,999円19,160人10.3%
22万〜23万9,999円24,890人13.4%
24万〜25万9,999円25,390人13.7%
26万〜27万9,999円24,190人13.0%
28万〜29万9,999円17,870人9.6%
30万〜31万9,999円16,890人9.1%

出典:同調査 第17-1表より編集部が集計(原単位は「十人」。人数に換算。割合は労働者数185,370人に対する比率)。全階級の合計は総数と一致しています

いちばん人数が多いのは24万〜25万9,999円で13.7%。20万円台前半から後半にかけての4つの帯(20万〜27万9,999円)だけで50.5%を占めます。半数はここに入ります。

男女差125.5万円。保育士の5.3倍です

きまって支給年間賞与推計年収平均年齢労働者数
男365,300円1,216,700円560.0万円45.8歳12,050人
女286,400円908,100円434.5万円38.6歳173,320人
差78,900円308,600円125.5万円7.2歳—

出典:同調査(職種)第1表/企業規模計(10人以上)。推計年収は編集部試算

同じ調査の保育士と並べると、差の大きさが際立ちます。

職種男女男女差
幼稚園教員,保育教諭560.0万円434.5万円125.5万円
保育士450.5万円426.6万円23.9万円

出典:同調査(職種)第1表。推計年収はいずれも編集部試算

幼稚園教員・保育教諭の男女差は、保育士の5.3倍です。女性側の年収はほぼ同じ水準(434.5万円と426.6万円)なのに、男性側で110万円近く開いています。

働く人の構成も見ておく必要があります。幼稚園教員・保育教諭の93.5%が女性で、男性は12,050人しかいません。つまり全体平均442.6万円は、ほぼ女性の数字(434.5万円)に近いということです。

差の理由をこの統計から特定することはできません。男の平均年齢が45.8歳と女より7.2歳高いことは分かりますが、役職の有無、設置主体、常勤・非常勤の別などはこの表からは読み取れません。本記事では差の事実と年齢差までを書き、原因の断定はしていません。

1,000人以上だけ511.1万円。ただしそこにいるのは1.8%

事業所規模きまって支給推計年収平均年齢労働者数構成比
1,000人以上335,900円511.1万円36.8歳3,410人1.8%
100〜999人286,400円428.1万円37.6歳41,650人22.5%
10〜99人291,900円445.2万円39.6歳140,300人75.7%

出典:同調査(職種)第1表/男女計。推計年収と構成比は編集部算出。構成比の合計が100%にならないのは端数処理によるものです

1,000人以上の事業所は年収511.1万円で、10〜99人より65.9万円高い。月給の差は44,000円です。

ところがそこで働いているのは3,410人、全体の1.8%だけです。実際には4人に3人(75.7%)が10〜99人の事業所にいます。511.1万円は、ほとんどの人にとって届く場所にある数字ではありません。

並び順にも注意が必要です。100〜999人(428.1万円)は10〜99人(445.2万円)より低い。規模が大きいほど高いという単純な関係にはなっていません。

中位数で見ても同じ形です。

事業所規模中位数
1,000人以上292,000円
100〜999人266,200円
10〜99人268,900円

出典:同調査(職種)第17-1表/男女計・企業規模別

求人票の勤務時間を読むときは、教育課程の部分と、その終了後に行う教育活動を分けて見る必要があります。それぞれの根拠は幼稚園教諭の仕事内容と1日|教育課程は4時間、その後にもう一層ありますで扱っています。

求人を見るときに確認できること

  • 提示された月給が268,600円(中位数)を超えているか。超えていれば上位半分に入ります。平均285,900円ではなく中位数で見てください
  • 賞与が何か月分か。統計値は所定内給与額の3.25か月分です。保育士との年収差15.0万円のうち、80,300円は賞与の差でした
  • 所定内の労働時間が月何時間か。統計値は166時間で、保育士より3時間長い。月給だけを比べると、この差が見えません
  • 事業所の規模を確認する。ただし1,000人以上は全体の1.8%です。10〜99人(75.7%)どうしで比べるのが現実的です
  • その求人が幼稚園か認定こども園か。統計は両方を合算した数字なので、施設の種類ごとの水準はこの調査からは分かりません

よくある質問

Q. 幼稚園教諭と保育士では、どちらが年収が高いですか。
令和7年賃金構造基本統計調査をもとにした編集部試算では、幼稚園教員・保育教諭442.6万円に対し保育士427.6万円で、15.0万円の差です。ただし所定内実労働時間は幼稚園教員・保育教諭のほうが月3時間長く、また統計の区分に認定こども園の保育教諭が含まれています。単純な職種比較としては読めません。

Q. 男女で125.5万円も差があるのはなぜですか。
この統計から理由を特定することはできません。分かるのは、男の平均年齢が45.8歳で女より7.2歳高いこと、男は12,050人で全体の6.5%しかいないことまでです。役職の有無や設置主体、勤務形態の違いについては、この表には情報がありません。

Q. 大きい園に移れば年収は上がりますか。
1,000人以上の事業所は推計年収511.1万円で、10〜99人の445.2万円より65.9万円高い数字です。ただし1,000人以上で働く人は全体の1.8%(3,410人)しかいません。また100〜999人(428.1万円)は10〜99人より低く、規模が大きいほど高いという関係にはなっていません。規模だけで判断できる職種ではありません。

迷ったらここ

提示額は平均ではなく中位数268,600円と突き合わせる

平均285,900円に対し中位数は268,600円で、17,300円の開きがあります。20万〜27万9,999円の帯に50.5%が集まっているため、平均を基準にすると実態より高く見えます。

  • 提示された月給は中位数268,600円を上回るか(上回れば上位半分)
  • 賞与は所定内給与の何か月分か(統計値は3.25か月分)
  • 所定内の労働時間は月何時間か(統計値は166時間で、保育士より3時間長い)
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まとめ

  • 推計年収は442.6万円。保育士より15.0万円高いが、所定内実労働時間は月3時間長い
  • 中位数は268,600円で平均より17,300円低い。20万〜27万9,999円に50.5%が集まる
  • 男女差125.5万円は保育士(23.9万円)の5.3倍。ただし働く人の93.5%は女性で、全体平均は女性の水準に近い
  • 1,000人以上は511.1万円と突出するが、そこにいるのは1.8%。75.7%は10〜99人の事業所
  • 規模が大きいほど高いという関係にはなっていない(100〜999人は10〜99人より低い)
  • 統計の区分は「幼稚園教員,保育教諭」。認定こども園の保育教諭と合算されており、幼稚園教諭だけの数字は取り出せない

「幼稚園教諭の年収」という言い方は、国の統計の上では厳密には成り立ちません。それでも分かることはあります。平均ではなく中位数を見ること、規模の差は存在するが大半の人には関係しないこと、そして男女で開きが大きいこと。この3つを前提に求人を並べてください。

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この記事を書いた人

医療・福祉・保育の人材紹介の現場で求職者の相談を受けてきた編集者が担当しています。キャリアアドバイザー歴8年、転職相談・紹介の対応実績1,500人以上(自社実績/2026年8月時点)。介護・看護師・保育士・栄養士の4分野を担当。記事の数値には必ず出典と公表時点を添えています。

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