30秒でわかるまとめ
- 保育士の年収の平均は、427.6万円と試算できますきまって支給する現金給与額285,700円の12か月分に、年間賞与847,900円を足した編集部の試算です。
- 年収の19.8%が賞与で、時間外などの手当は1.8%です所定内給与額の12か月分が78.3%を占めます。時間外などの手当は月6,500円、超過実労働時間は月3時間です。
- 賞与がいちばん多いのは、10〜99人の企業です912,100円で、1,000人以上の793,300円より118,800円多くあります。月給は1,000人以上が高い数字です。
- 年齢別は45〜49歳の4,759,500円が最も高くなります20〜24歳の3,504,100円との差1,255,400円のうち、41.8%は賞与の差です。
※経験年数で見た1年目の給与は保育士1年目がつらいとき、施設に上乗せされる加算の仕組みは保育士の処遇改善手当はいくらかで扱っています。

まず計算式:427.6万円は、月額の12か月分と賞与の合計です
厚生労働省の賃金構造基本統計調査は、「年収」を直接公表していません。公表されているのは月額の給与と、年間の賞与です。この記事の年収は、次の式で編集部が計算した試算です。
推計年収 = きまって支給する現金給与額 × 12か月 + 年間賞与その他特別給与額
| 項目 | 保育士 |
|---|---|
| 平均年齢 | 40.3歳 |
| 平均勤続年数 | 9.1年 |
| 所定内実労働時間数 | 163時間/月 |
| 超過実労働時間数 | 3時間/月 |
| きまって支給する現金給与額 | 285,700円 |
| 所定内給与額 | 279,200円 |
| 年間賞与その他特別給与額 | 847,900円 |
| 労働者数 | 291,510人 |
| 推計年収(編集部試算) | 427.6万円 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者・職種 第1表/企業規模計(10人以上)/男女計/産業計。労働者数は原表の「十人」単位を人数に換算(編集部)
計算式:285,700円 × 12か月 + 847,900円 = 4,276,300円(427.6万円)
この表は一般労働者の集計です。調査は一般労働者を次のように定めています。
「「一般労働者」とは、「短時間労働者」に該当しない通常の所定労働時間・日数の労働者をいう。」
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」主な用語の定義(原文どおり)
パートなど短時間で働く保育士は、この数字に入っていません。
もう1つ、読むときに知っておきたいことがあります。月額と賞与は、同じ時期の数字ではありません。
「令和7(2025)年6月分の賃金等(賞与、期末手当等特別給与額については原則として令和6年(2024)1月から令和6年12月までの1年間)について、令和7年7月に調査を行った。」
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」調査の概要 4 調査の時期(原文どおり)
427.6万円は、2025年6月の月額を12倍し、2024年の1年間の賞与を足した数字です。誰かが1年間に実際に受け取った額を集めたものではありません。

427.6万円を3つに分けると、賞与は19.8%です
「きまって支給する現金給与額」と「所定内給与額」の違いは、調査の用語の定義に書かれています。
「「所定内給与額」とは、労働契約等であらかじめ定められている支給条件、算定方法により6月分として支給された現金給与額(きまって支給する現金給与額)のうち、超過労働給与額(①時間外勤務手当、②深夜勤務手当、③休日出勤手当、④宿日直手当、⑤交替手当として支給される給与をいう。)を差し引いた額で、所得税等を控除する前の額をいう。」
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」主な用語の定義(原文どおり)
つまりきまって支給する現金給与額から所定内給与額を引いた残りが、時間外・深夜・休日出勤・宿日直・交替の手当です。保育士では285,700円-279,200円=月6,500円になります。
| 内訳 | 計算 | 年額 | 割合 |
|---|---|---|---|
| 所定内給与額の12か月分 | 279,200円 × 12 | 3,350,400円 | 78.3% |
| 時間外などの手当の12か月分 | 6,500円 × 12 | 78,000円 | 1.8% |
| 年間賞与その他特別給与額 | — | 847,900円 | 19.8% |
| 合計(推計年収) | 4,276,300円 | — |
出典:同調査 第1表より編集部が算出。割合は端数処理のため、合計が100%になりません
年収のおよそ8割は、毎月決まって払われる所定内給与額です。賞与は約2割。時間外などの手当は1.8%で、超過実労働時間数も月3時間にとどまります。
賞与847,900円は、所定内給与額279,200円の3.04か月分にあたります(編集部算出)。保育士の年収を左右しているのは、残業の量よりも賞与が何か月分出るかのほうです。

年齢別:いちばん高いのは45〜49歳。伸びの4割は賞与です
同じ調査の第5表は、職種ごとの数字を年齢階級別に出しています。保育士の推計年収を、同じ式で年齢ごとに並べます。
| 年齢階級 | きまって支給(月額) | 年間賞与 | 推計年収 | 労働者数 |
|---|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 249,300円 | 512,500円 | 3,504,100円 | 39,740人 |
| 25〜29歳 | 269,400円 | 763,000円 | 3,995,800円 | 44,160人 |
| 30〜34歳 | 284,800円 | 804,300円 | 4,221,900円 | 34,700人 |
| 35〜39歳 | 289,000円 | 840,200円 | 4,308,200円 | 29,080人 |
| 40〜44歳 | 297,500円 | 980,300円 | 4,550,300円 | 34,040人 |
| 45〜49歳 | 310,200円 | 1,037,100円 | 4,759,500円 | 38,220人 |
| 50〜54歳 | 306,200円 | 969,000円 | 4,643,400円 | 26,440人 |
| 55〜59歳 | 291,900円 | 904,900円 | 4,407,700円 | 22,740人 |
| 60〜64歳 | 290,700円 | 943,700円 | 4,432,100円 | 15,570人 |
| 65〜69歳 | 266,900円 | 779,700円 | 3,982,500円 | 4,670人 |
| 70歳〜 | 323,500円 | 1,496,500円 | 5,378,500円 | 2,180人 |
出典:同調査 一般労働者・職種 第5表/企業規模計(10人以上)/男女計。推計年収は編集部算出。19歳以下は原表に数値がありません
20〜24歳の3,504,100円から、45〜49歳の4,759,500円までが上り坂です。そこから50〜54歳4,643,400円、55〜59歳4,407,700円と下がります。
20〜24歳と45〜49歳の差を、月額と賞与に分けます。
| 項目 | 20〜24歳 | 45〜49歳 | 差 |
|---|---|---|---|
| きまって支給する現金給与額の12か月分 | 2,991,600円 | 3,722,400円 | 730,800円 |
| 年間賞与 | 512,500円 | 1,037,100円 | 524,600円 |
| 推計年収 | 3,504,100円 | 4,759,500円 | 1,255,400円 |
出典:同調査 第5表より編集部が算出
差1,255,400円のうち524,600円、41.8%が賞与の差です。賞与を所定内給与額(20〜24歳243,100円、45〜49歳302,200円)で割った月数も、20〜24歳の2.11か月分から、45〜49歳の3.43か月分まで上がっています(編集部算出)。年齢が上の層ほど、年収に占める賞与の比重が大きい形です。
読むときの注意が2つあります。
- これは同じ年に働く人を年齢で分けた数字です。1人の保育士が20歳から年を重ねたときの給与の推移ではありません。
- 70歳〜の5,378,500円は、労働者数が2,180人です。保育士全体の0.7%にあたる小さな集団で、ここを年収の山として読むことはできません。
年齢ではなく役職で分けた数字として、保育所の施設長・主任保育士・保育士の常勤の給与月額(賞与込み)を並べた表は 保育園の園長の年収|私立の施設長は賞与込み月額580,354円、12か月分で696.4万円ですで扱っています。
企業規模別:月給は1,000人以上、賞与は10〜99人がいちばん多い
調査の企業規模は、園1か所の人数ではありません。用語の定義では「調査労働者の属する企業の全常用労働者数の規模」です。複数の園を運営する法人なら、法人全体の人数で分けられます。
| 企業規模 | きまって支給する現金給与額 | 所定内給与額 | 時間外などの手当(月) | 年間賞与 | 推計年収 | 労働者数 | 構成比 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1,000人以上 | 302,600円 | 290,600円 | 12,000円 | 793,300円 | 4,424,500円 | 35,780人 | 12.3% |
| 100〜999人 | 286,600円 | 280,500円 | 6,100円 | 769,200円 | 4,208,400円 | 101,180人 | 34.7% |
| 10〜99人 | 281,100円 | 275,700円 | 5,400円 | 912,100円 | 4,285,300円 | 154,560人 | 53.0% |
出典:同調査 第1表/男女計。時間外などの手当(きまって支給する現金給与額-所定内給与額)、推計年収、構成比は編集部算出
1,000人以上と10〜99人を比べると、向きが逆になっています。
- 月額は1,000人以上が高い。きまって支給する現金給与額の差は月21,500円、12か月分で258,000円です。
- 賞与は10〜99人が多い。912,100円と793,300円で、差は118,800円です。
- 差し引きした推計年収の差は139,200円まで縮まります。
賞与を所定内給与額で割ると、1,000人以上は2.73か月分、100〜999人は2.74か月分、10〜99人は3.31か月分です(編集部算出)。
働く人の半分以上、53.0%は10〜99人の企業にいます。10〜99人の平均年齢は41.5歳、平均勤続年数は10.4年で、1,000人以上の39.7歳・7.8年より高い数字です。ただし、賞与の差がこの年齢や勤続の違いから来ているのかどうかは、この表からは分かりません。
若い層ではこの形がもっとはっきりします。20〜24歳だけを取り出します。
- 1,000人以上:きまって支給する現金給与額260,500円、年間賞与317,100円、推計年収3,443,100円(5,490人)
- 10〜99人:きまって支給する現金給与額239,000円、年間賞与582,000円、推計年収3,450,000円(16,990人)
出典:同調査 第5表/男女計。推計年収は編集部算出
月額は1,000人以上が21,500円高いのに、推計年収は10〜99人のほうが6,900円高い結果です。月給の差が、そのまま年収の差になるとは限りません。
この統計の保育士とは別に、認定こども園の中で働く保育教諭の給与月額(賞与込み)を集計した国の調査があり、私立の常勤は327,240円です。保育教諭の年収|私立の常勤は賞与込み月額327,240円、12か月分で392.7万円ですで扱っています。
労働時間:所定内は月163時間。1時間あたりでも比べます
保育士の所定内実労働時間数は月163時間、超過実労働時間数は月3時間です。企業規模別に並べ、所定内給与額を所定内実労働時間数で割った額も出します。
| 企業規模 | 所定内実労働時間数 | 超過実労働時間数 | 所定内給与額÷所定内実労働時間数 |
|---|---|---|---|
| 企業規模計 | 163時間 | 3時間 | 1,713円 |
| 1,000人以上 | 160時間 | 5時間 | 1,816円 |
| 100〜999人 | 161時間 | 2時間 | 1,742円 |
| 10〜99人 | 164時間 | 3時間 | 1,681円 |
出典:同調査 第1表/男女計。1時間あたりの額は編集部算出(円未満四捨五入)
1,000人以上は、所定内の時間が10〜99人より月4時間短く、1時間あたりの所定内給与額は135円高い計算です。超過実労働時間数は1,000人以上が月5時間でいちばん長く、時間外などの手当も月12,000円といちばん多くなっています。
なお、この1時間あたりの額は編集部の計算です。調査が公表している「1時間当たり賃金」は、用語の定義で「短時間労働者について」算出するものとされており、一般労働者の保育士とは別の数字です。
真ん中の人の所定内給与額は、269,800円です
平均は、一部の高い人に引っ張られます。第17表は、所定内給与額(月額)の分布を出しています。
| 位置 | 所定内給与額 | 意味 |
|---|---|---|
| 第1・十分位数 | 205,800円 | 下から10%がこの額以下 |
| 第1・四分位数 | 232,700円 | 下から25%がこの額以下 |
| 中位数 | 269,800円 | ちょうど真ん中 |
| (参考)平均 | 279,200円 | 第1表の所定内給与額 |
| 第3・四分位数 | 314,400円 | 上から25%がこの額以上 |
| 第9・十分位数 | 362,200円 | 上から10%がこの額以上 |
出典:同調査 一般労働者・職種 第17表 所定内給与額階級別労働者数及び所定内給与額の分布特性値/企業規模計(10人以上)/男女計
平均279,200円より、中位数のほうが9,400円低い数字です。真ん中の半数は232,700円〜314,400円の81,700円の幅に入ります。
金額の帯で見ると、いちばん人数が多いのは26万〜27万9,999円の帯で、42,410人(14.5%)です。22万〜29万9,999円の4つの帯で50.3%になります。
出典:同調査 第17表より編集部が集計(原単位は「十人」。人数に換算。割合は労働者数291,510人に対する比率)
企業規模別の中位数は、1,000人以上284,600円、100〜999人268,200円、10〜99人268,000円です。100〜999人と10〜99人の真ん中の月額は、200円しか違いません。
出典:同調査 第17表/男女計・企業規模別
この記事が扱っていないこと
- 経験年数別の数字。経験年数で見た給与と賞与の差は保育士1年目がつらいとき|経験0年と1〜4年の差は8割が賞与ですで扱っています。
- 性別ごとの数字と、ほかの職種との比較。幼稚園教諭の年収で扱っています。
- 加算の金額や仕組み。保育士の処遇改善手当はいくらかで扱っています。
- 短時間労働者(パートなど)の保育士の賃金。本記事は一般労働者の表だけを使っており、短時間労働者の表は取得していません。
- 手取りの額。所定内給与額は「所得税等を控除する前の額」です。税や社会保険料を引いた額は取得していません。
- 都道府県別の数字、施設の種類(認可保育所・認定こども園・認可外など)別の数字。使った表に区分がなく、取得していません。
- 賞与や年齢による差がなぜ生まれるのか。表に説明がないため、理由は推測していません。
求人を見るときに確認できること
- 賞与が基本給の何か月分か。統計の保育士は所定内給与額の3.04か月分です。企業規模別では10〜99人が3.31か月分、1,000人以上が2.73か月分でした。
- その月数が前年の実績か、予定か。統計の賞与も、原則として調査の前年1年間の額です。
- 月給に時間外などの手当が含まれているか。統計の時間外などの手当は月6,500円で、年収の1.8%です。月給を比べるなら、所定内の額どうしで比べてください。
- 所定労働時間が月何時間か。統計の所定内実労働時間数は月163時間です。1,000人以上は160時間、10〜99人は164時間でした。
- 提示の月給が中位数269,800円より上か下か。平均279,200円より、中位数のほうが真ん中の人の感覚に近い数字です。
よくある質問
Q. 保育士の平均年収はいくらですか。
A. 令和7年賃金構造基本統計調査をもとにした編集部試算で427.6万円です。きまって支給する現金給与額285,700円×12か月+年間賞与847,900円=4,276,300円で計算しています。調査は年収そのものを公表していません。
Q. 大きい法人に移れば年収は上がりますか。
A. 推計年収は1,000人以上が4,424,500円でいちばん高い一方、100〜999人は4,208,400円で10〜99人の4,285,300円より低い数字です。賞与は10〜99人が912,100円でいちばん多く、規模が大きいほど年収が高いという並びにはなっていません。
Q. 何歳まで年収は上がりますか。
A. 年齢階級別では45〜49歳の4,759,500円が最も高く、その後は下がります。ただしこれは同じ年に働く人を年齢で分けた数字で、1人の保育士の給与の推移ではありません。
Q. 残業代はどれくらい含まれていますか。
A. きまって支給する現金給与額と所定内給与額の差は月6,500円です。調査の定義では、この差にあたる超過労働給与額は時間外勤務手当・深夜勤務手当・休日出勤手当・宿日直手当・交替手当です。超過実労働時間数は月3時間でした。
迷ったらここ
月給と賞与を分けて比べる
保育士の推計年収427.6万円のうち、19.8%は賞与です。賞与がいちばん多いのは10〜99人の企業で、1,000人以上より118,800円多くあります。
- 賞与が基本給の何か月分か(統計の保育士は所定内給与額の3.04か月分)
- 賞与の月数が前年の実績か、予定か
- 月給に時間外などの手当が含まれているか、所定労働時間は月何時間か
まとめ
- 保育士の推計年収は427.6万円。285,700円×12か月+847,900円で計算した編集部試算
- 内訳は所定内給与額の12か月分が78.3%、賞与が19.8%、時間外などの手当が1.8%。賞与は所定内給与額の3.04か月分
- 年齢別の山は45〜49歳の4,759,500円。20〜24歳との差のうち41.8%が賞与
- 月額は1,000人以上がいちばん高いが、賞与は10〜99人が912,100円でいちばん多い。推計年収の差は139,200円まで縮まる
- 真ん中の人の所定内給与額は269,800円で、平均より9,400円低い
427.6万円という1つの数字の中には、毎月の給与と、年に1〜2回の賞与が混ざっています。求人を比べるときは、月給の高さと賞与の月数を分けて見てください。保育士の統計では、その2つが逆を向いている場面がありました。

