給食調理員の時給の相場|統計の1時間当たりは1,221円で、給食だけの数字はありません

目次

30秒でわかるまとめ

  • 給食調理員に近い区分の1時間当たりは1,221円ですパートなど短時間で働く飲食物調理従事者の、2025年6月分の平均です。手当を含み、賞与は含みません。
  • 飲食店の調理人と給食の調理人は、同じ区分に入っています職種の定義は飲食店と学校・病院を並べて書いています。表は産業計で、給食だけを抜き出せません。
  • 市町村直営の学校の給食室は、対象外と読める書き方です対象の事業所は、民営と、行政執行法人・地方公営企業等に限られます。民間の会社や法人に雇われる人は入ります。
  • 保育所の非常勤の調理員は、時給ではなく月額で出ています私立は常勤と同じ時間働いたとして直した賞与込みの月額181,018円で、時間数がなく時給に直せません。

※フルタイムなどで働く調理師の月給と年収は調理師の年収、保育所の常勤の調理員の月額は保育園栄養士の年収で扱っています。

厨房のコック(調理師調理員)

まず前提:国の統計に「給食調理員」という区分はありません

給食調理員の時給の「相場」を国の統計で探すと、手がかりになるのは厚生労働省の賃金構造基本統計調査です。ただし、職種の区分に「給食調理員」という名前はありません。給食の調理をする人が入るのは「飲食物調理従事者」です。調査は、この職種の仕事を次のように説明しています。

「飲食店・旅館・ホテル・工場・学校・病院など一般家庭以外の場所において、献立の作成・飲食物の調理及びそれらの補助的な仕事に従事するもの、及びバー・その他客に飲食をさせる場所において、主として、酒又は酒類と酒類以外の飲料を混合・調整して、客の飲用に供する調酒の仕事に従事するものをいう。」

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」役職及び職種解説 1391 飲食物調理従事者 仕事の概要(原文どおり)

含まれる職種の例には、調理師、料理人と並んで給食調理人が挙がっています。皿洗い人も、調理見習であればこの区分です。反対に、栄養士と皿洗い人(調理見習いでないもの)は、別の区分に入るとされています。

つまり、学校や病院の給食室で調理やその補助をする人も、飲食店の厨房で働く人も、同じ「飲食物調理従事者」として集計されています。「調理員」という呼び方そのものについては、調理師と調理員の違いで扱っています。

高齢者の食事をチェックする栄養士

ここが本題:短時間の飲食物調理従事者は、1時間当たり1,221円です

この調査は、働く人を「一般労働者」と「短時間労働者」に分けて集計しています。パートなどで短い時間働く人が入るのは、短時間労働者のほうです。

「短時間労働者とは、1日の所定労働時間が一般の労働者よりも短い又は1日の所定労働時間が一般の労働者と同じでも1週の所定労働日数が一般の労働者よりも少ない労働者をいう。」

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」調査の概要 3 用語の説明(5)(原文どおり)

項目飲食物調理従事者(短時間労働者)
1時間当たり所定内給与額1,221円
1日当たり所定内実労働時間数5.0時間
実労働日数13.1日
年間賞与その他特別給与額13,300円
平均年齢42.7歳
平均勤続年数5.2年
労働者数837,990人

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」短時間労働者・職種 第1表/企業規模計(10人以上)/男女計/産業計。労働者数は原表の「十人」単位を人数に換算(編集部)

1時間当たり所定内給与額は1,221円です。役職者を除いた参考の表(同 第3表)でも、同じ1,221円でした。

1か月に働く時間の目安を、平均どうしの掛け算で出すと次のとおりです。

編集部試算:13.1日 × 5.0時間 = 65.5時間

平均値どうしを掛けたもので、調査が公表している数字ではありません。1人ひとりの働き方には幅があります。

837,990人のうち女性は589,390人で、70.3%を占めます(人数は原表の十人単位を換算し、割合は編集部算出)。1時間当たりは、男性が1,256円、女性が1,207円です。

なお、この職種は短時間労働者の人数のほうが一般労働者より多くなっています。一般労働者の月給や年収は調理師の年収で扱っています。

エプロン姿の栄養士

1,221円に入っているもの、入っていないもの

1,221円は、求人票に書かれた時給を集めた数字ではありません。1人ごとに、6月分の所定内給与額を、その月に実際に働いた所定内の時間で割り、その平均をとった額です(調査の概要 3(21))。

区分1,221円との関係
基本給、職務手当、精皆勤手当、通勤手当、家族手当など入る(所定内給与額)
時間外勤務手当、深夜勤務手当、休日出勤手当、宿日直手当、交替手当入らない(超過労働給与額)
賞与、期末手当など入らない(年間賞与その他特別給与額として別に集計。13,300円)
所得税、社会保険料など引く前の額(手取りではない)
現物給与入らない(現金給与のみ)

出典:同 調査の概要 3 用語の説明(18)(20)(21)(22)。表の整理は編集部

求人の時給が基本給だけの額なら、手当まで入った1,221円とそのまま並べることはできません。反対に、残業などの手当は1,221円の外にあります。

数字の時点にも注意が要ります。1時間当たりの額は令和7年(2025年)6月分の給与と労働時間、年間賞与は原則として令和6年(2024年)1月から12月までの1年間の額です(調査の概要 1(5))。

給食だけの数字が出せない理由:表は「産業計」です

e-Statに載っている短時間労働者の職種別の表は6つあり、表題はすべて「(産業計)」で終わっています。飲食店も、学校も、病院も、産業をまとめた1つの数字です。

職種の定義が「飲食店・旅館・ホテル・工場・学校・病院など」を並べている以上、1,221円は飲食店の調理と給食の調理をまとめた平均です。給食のほうが高いのか低いのかは、この表からは分かりません。

6つの表は、職種の小分類・大分類の別、企業規模の別、経験年数の別と、役職者を除く参考の表です。この6つの中に、年齢階級別の表はありません。

日々又は1か月未満の期間を定めて雇われる人は「臨時労働者」として別の表にあります。飲食物調理従事者は、1時間当たりきまって支給する現金給与額1,124円、1日当たり所定内実労働時間数5.1時間、7,060人です(同調査 臨時労働者・職種 第1表/企業規模計(10人以上))。こちらは残業などの手当も入れ、超過の時間も足した時間で割る額で(調査の概要 3(19))、1,221円とは物差しが違います。

調査の範囲:対象は民営の事業所などに限られています

給食の現場を考えるうえで、もう1つ確かめておきたいのが調査の範囲です。対象になる事業所は、次のように書かれています。

「常用労働者10人以上を雇用する事業所(民営の事業所及び行政執行法人の労働関係に関する法律(昭和23年法律第257号)第2条第1号に規定する行政執行法人又は地方公営企業等の労働関係に関する法律(昭和27年法律第289号)第3条第3号に規定する地方公営企業等に係る事業所に限る。)」

出典:同 調査の概要 1(3)ウ(ア)(原文どおり)

5〜9人の事業所は、民営の事業所であって、5人以上9人以下の企業に属するものに限るとされています(同(イ))。

対象に挙がっているのは、民営の事業所と、行政執行法人・地方公営企業等の事業所です。市町村が直接運営する公立の学校や保育所は、この並びに入っていません。本記事は、市町村に直接雇われて公立の給食室や給食センターで働く人は、1,221円の集計に含まれていないと読んでいます。

反対に、給食を受託する民間の会社や、私立の保育所・病院・介護施設を運営する法人に雇われている人は、民営の事業所の労働者として対象に入ります。同じ学校の給食室で働いていても、雇い主が市町村か委託先の会社かで、この統計に入るかどうかが変わります。

企業規模別:1,186円から1,233円までで、差は47円です

調査の「企業規模」は、事業所1か所の人数ではなく、その企業に雇われている常用労働者全体の数で分けています(調査の概要 3(2))。

企業規模1時間当たり所定内給与額1日当たり所定内実労働時間数実労働日数年間賞与平均年齢労働者数構成比
企業規模計(10人以上)1,221円5.0時間13.1日13,300円42.7歳837,990人—
1,000人以上1,233円4.9時間12.6日5,200円39.5歳488,620人58.3%
100〜999人1,226円5.0時間13.5日19,900円44.5歳162,410人19.4%
10〜99人1,186円5.0時間14.3日28,700円49.5歳186,960人22.3%

出典:同調査 短時間労働者・職種 第1表/男女計。構成比は企業規模計の労働者数に対する比率で編集部算出

  • 1時間当たりの差は47円です。いちばん高い1,000人以上の1,233円と、いちばん低い10〜99人の1,186円の差です。
  • 働く人の58.3%は1,000人以上の企業にいて、平均年齢は39.5歳です。10〜99人の49.5歳より10.0歳若くなっています。
  • 年間賞与は、規模が小さいほど多い並びです。1,000人以上は5,200円、10〜99人は28,700円です。

どの規模の企業に給食の現場が多いのかは、表からは分かりません。規模の差を「給食と飲食店の差」と読み替えることはできません。

この表は企業規模10人以上の集計です。5〜9人の企業は別の表で、飲食物調理従事者の短時間労働者は1時間当たり所定内給与額1,194円、1日当たり所定内実労働時間数4.9時間、36,050人です(同調査 短時間労働者・企業規模5〜9人 第4表)。推計の区分が違うため、10人以上の数字と合算していません。

経験年数別:0年の1,186円から、いちばん高い10〜14年でも1,247円です

経験年数1時間当たり所定内給与額1日当たり所定内実労働時間数年間賞与平均年齢労働者数
0年1,186円4.5時間700円30.6歳202,680人
1〜4年1,230円4.9時間8,400円35.9歳317,630人
5〜9年1,226円5.2時間21,800円53.1歳132,230人
10〜14年1,247円5.4時間22,200円57.0歳81,460人
15年以上1,236円5.4時間35,000円62.8歳103,990人

出典:同調査 短時間労働者・職種 第5表/企業規模計(10人以上)/男女計。経験年数は、調査対象期日現在の職種の仕事に従事した年数(調査の概要 3(12))

1時間当たりの額の幅は61円です。いちばん低い0年の1,186円と、いちばん高い10〜14年の1,247円の差で、経験年数の順にきれいに上がる形ではありません。経験0年の人は202,680人で、全体の24.2%を占めます(編集部算出)。

年間賞与は、0年の700円から15年以上の35,000円まで、経験年数の順に増えています。ただし年間賞与は前の年の1年間の額で、途中で雇われた人は雇用の日からの期間で数えるため(調査の概要 3(22))、0年の数字は小さく出やすい点に注意が要ります。

職種と経験年数を組み合わせた区分は、調査の標本設計の対象になっておらず、サンプルが小さい場合は大きな誤差を含むことがあるとされています(調査の概要 4(2)ア(イ))。経験年数ごとの差は、傾向の手がかりとして読むのが無理のない使い方です。

給食の現場の数字:保育所の非常勤の調理員は、常勤換算の月額181,018円です

給食の現場に限った賃金の数字として、国の資料で確かめられたものに、こども家庭庁の「令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査」があります。2026年10月2日時点で、こども家庭庁の調査ページに載っているいちばん新しい回です。保育所の職種別の給与表に「調理員」の行があります。

私立保育所の非常勤集計対象人数平均勤続年数1人当たり給与月額(賞与込み)
調理員1,668人7.5年181,018円
保育補助者(資格を有していない者)2,080人5.8年182,025円
非常勤の合計13,637人10.2年200,480円

出典:こども家庭庁「令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査」e-Stat 第28表(私立・公立保育所 総括表)。金額は円未満、勤続年数は小数第2位を四捨五入(編集部)。集計結果PDFの表示と一致

この181,018円は、非常勤の人が実際に受け取った月額ではありません。表の注記によると、私立の非常勤の金額は、施設が常勤換算数の計算に使う1週間の勤務時間をもとに、常勤と同じ時間数働いたとして算出した額です。月額は令和6年3月分の給与に、令和5年度分の賞与の12分の1を足したものです。

出典:同 集計結果 保育所(私立・公立)(2)職種別職員1人当たり給与月額 注記(編集部要約)

表には、その「常勤と同じ時間数」が何時間かは書かれていません。そのため181,018円を時給に直すことはできず、本記事も時給の試算をしていません。表の注記は、常勤を施設で定めた勤務時間のすべてを勤務する者、非常勤をそれ以外の従事者としています。

同じ非常勤どうしで並べると、調理員の181,018円は、保育補助者(資格を有していない者)の182,025円との差が1,007円で、非常勤の合計の200,480円より19,462円低い数字です。

公立の非常勤の行は、換算の説明が私立の非常勤にだけ付いていることと、集計対象人数に小数が含まれることから、本記事では使っていません。私立保育所で短時間で働く調理員は、賃金構造基本統計調査の側でも飲食物調理従事者に入りえますが、2つの数字は時点も作り方も違うため、並べて比べていません。常勤の調理員の月額は保育園栄養士の年収で扱っています。

この記事が扱っていないこと

  • 一般労働者(フルタイムなど)の飲食物調理従事者の月給・年収。調理師の年収で扱っています。
  • 公立の学校や保育所で、市町村に直接雇われている給食調理員の給与。賃金構造基本統計調査の範囲の外で、本記事は地方公務員の給与の資料を取得していません。
  • 学校給食・病院給食など、施設の種類ごとの短時間の調理従事者の1時間当たりの額。国の表を見つけられず、取得していません。
  • 都道府県別の飲食物調理従事者の1時間当たりの額。本記事は取得していません。
  • 短時間の飲食物調理従事者の分布(中位数など)。確認した短時間労働者の職種の6つの表は平均値の表で、分布の表は取得していません。
  • 保育所の非常勤の調理員の時給。換算に使った時間数が資料に載っていません。
  • 調理師免許の有無による差。統計の職種は資格で分けていません。
  • 手取りの額。税や社会保険料を引いた額は取得していません。

給食調理員の求人を見るときに確認できること

  • 時給が基本給だけの額か、手当を含んだ額か。統計の1,221円は、通勤手当なども含んだ所定内給与額を時間で割った額です。
  • 雇い主はどこか。民間の給食会社や法人か、市町村の直接雇用かで、統計の範囲に入るかどうかが変わります。
  • 1日・1か月に何時間の勤務が見込めるか。統計の短時間の飲食物調理従事者は、1日5.0時間、月13.1日でした。学校の給食室なら、給食のない期間の勤務の扱いも聞けます。
  • 賞与や一時金があるか。統計の年間賞与は13,300円で、企業規模で5,200円から28,700円まで違います。
  • 保育所の非常勤なら、提示が時給か月額か。国の資料の181,018円は常勤換算の月額で、時給とは並べられません。

よくある質問

Q. 給食調理員の時給の相場はいくらですか。
A. 国の統計で一番近いのは、賃金構造基本統計調査の短時間労働者の表です。飲食物調理従事者の1時間当たり所定内給与額は1,221円(2025年6月分、企業規模10人以上)です。飲食店の調理と給食の調理をまとめた平均で、手当を含み、賞与と残業などの手当は含みません。

Q. 学校給食と飲食店では、時給は違いますか。
A. 国の統計の表からは分かりません。職種の定義は飲食店と学校・病院を同じ区分に入れていて、短時間労働者の職種の表はすべて産業計です。

Q. 公立の学校で働く給食調理員の数字はありますか。
A. 賃金構造基本統計調査の対象は、民営の事業所と、行政執行法人・地方公営企業等の事業所に限られています。市町村が直接運営する学校は入っていないと本記事は読んでいて、地方公務員の給与の資料は取得していません。

Q. 保育園のパートの調理員の時給は分かりますか。
A. こども家庭庁の経営実態調査では、私立保育所の非常勤の調理員は月額181,018円(賞与込み)です。常勤と同じ時間数働いたとして算出した額で、その時間数が載っていないため、時給には直せません。

Q. 経験を積めば時給は上がりますか。
A. 短時間の飲食物調理従事者では、0年の1,186円に対し、いちばん高い10〜14年が1,247円で、幅は61円です。経験年数の順に上がる形ではありません。年間賞与は経験年数の順に増えています。

迷ったらここ

給食の時給は区分と雇い主で見る

国の統計で、パートなど短時間で働く飲食物調理従事者の1時間当たり所定内給与額は1,221円(手当を含み、賞与は除く)です。飲食店と給食の調理が同じ区分で、市町村が直接運営する学校の給食室は対象に入っていません。

  • 時給が基本給だけの額か、手当を含んだ額か
  • 雇い主が民間の給食会社・法人か、市町村の直接雇用か
  • 1日・1か月に何時間の勤務が見込めるか(統計では1日5.0時間、月13.1日)
栄養士の転職サービスを比較する

まとめ

  • 給食調理員の時給の相場として国の統計で言えるのは、短時間の飲食物調理従事者の1時間当たり所定内給与額1,221円(2025年6月分、企業規模10人以上)
  • 職種の定義は飲食店と学校・病院を同じ区分に入れていて、給食だけの数字は表にない
  • 調査の対象は民営の事業所などで、市町村が直接運営する学校の給食室は入っていない
  • 企業規模別の差は47円、経験年数別の幅は61円
  • 保育所の非常勤の調理員は常勤換算の月額181,018円で、時給には直せない

1,221円は、手当を含んだ給与を実際に働いた時間で割った平均です。求人の時給を比べるときは、基本給か手当込みか、雇い主が民間か市町村かを先に確かめてください。そのうえで統計の数字を物差しに使えます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

医療・福祉・保育の人材紹介の現場で求職者の相談を受けてきた編集者が担当しています。キャリアアドバイザー歴8年、転職相談・紹介の対応実績1,500人以上(自社実績/2026年8月時点)。介護・看護師・保育士・栄養士の4分野を担当。記事の数値には必ず出典と公表時点を添えています。

目次