調理師の年収379.1万円|統計の区分は「飲食物調理従事者」です

目次

30秒でわかるまとめ

  • 調理師の年収は、統計の職種区分から確かめます国の調査に調理師という区分はなく、飲食物調理従事者としてまとめて集計されています。
  • 年収に換算すると379.1万円という数字になりますきまって支給する現金給与額を12倍し、年間賞与その他特別給与額を足したものです。
  • 差をつくっているのは、月給ではなく賞与です年間賞与は所定内給与額の1.34か月分。栄養士の2.60か月分とは開きがあります。
  • 年齢で見ると45〜49歳が山になっていますそこから先は下がり、70歳以上では年収換算で252.0万円まで落ちる形です。

※栄養士の金額は栄養士の年収404.0万円は「平均」です、給食委託会社で働く場合は給食委託の栄養士の仕事内容、介護施設の場合は介護施設の栄養士の年収で扱っています。

フライパンで調理(調理師調理員)

統計には区分がありませんが、法令の側には調理師法があります。「調理員」との書き分けと、免許を得る2つの道は調理師と調理員の違い|片方だけに、法律がありますで扱っています。

先に断ります:統計に「調理師」という区分はありません

厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査は、職種を小分類まで分けて集計しています。その一覧に調理師という名前の区分はありません。

あるのは「飲食物調理従事者」です。調理師免許を持つ人だけを抜き出した集計ではなく、飲食物の調理に従事している人をまとめた区分です。

本記事はこの区分の数字を読みます。「調理師の平均年収」として発表された公的な数字ではない、という前提を先に置きます。

食費管理の食材とメモ

ここが本題:年収に換算すると379.1万円です

企業規模計(10人以上)、男女計の数字です。

項目飲食物調理従事者
年齢44.9歳
勤続年数9.2年
所定内実労働時間数169時間
超過実労働時間数12時間
きまって支給する現金給与額286.6千円
うち所定内給与額262.0千円
年間賞与その他特別給与額351.6千円
労働者数43,932(十人)=439,320人

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(職種)第1表 職種(小分類)、性別

年収に換算します。286.6千円 × 12 + 351.6千円 = 3,790.8千円。379.1万円です。

この計算は編集部が行ったものです。調査が「年収」として発表している数字ではありません。

食品を分析評価する調理員

栄養士と比べると、差は賞与に寄っています

同じ調査、同じ表の栄養士の行と並べます。

項目飲食物調理従事者栄養士
年齢44.9歳38.9歳
きまって支給する現金給与額286.6千円278.8千円
所定内給与額262.0千円266.9千円
年間賞与その他特別給与額351.6千円694.7千円
年収換算379.1万円404.0万円

出典:同表。年収換算は編集部算出

月々の金額は、ほとんど変わりません。きまって支給する現金給与額は飲食物調理従事者のほうが高く、所定内給与額は栄養士のほうが高い。どちらも数千円の差です。

開いているのは年間賞与です。所定内給与額の何か月分にあたるかを見ると、こうなります。

区分年間賞与 ÷ 所定内給与額
飲食物調理従事者1.34か月分
栄養士2.60か月分

年収換算の差は24.9万円。本記事に載せた年収換算どうしを引いた数字です。

男女で見ると、118.9万円の開きがあります

項目男女
年齢44.6歳45.2歳
勤続年数10.1年8.2年
所定内実労働時間数174時間164時間
超過実労働時間数14時間9時間
きまって支給する現金給与額327.5千円237.5千円
年間賞与その他特別給与額400.9千円292.4千円
年収換算433.1万円314.2万円
労働者数23,976(十人)19,957(十人)

出典:同表。年収換算は編集部算出

年収換算の差は118.9万円です。年齢はほぼ同じで、勤続年数が1.9年、所定内実労働時間数が10時間、超過実労働時間数が5時間違います。調査資料はこの差の理由を説明していないので、ここで止めます。

年齢では45〜49歳が山です

年齢階級きまって支給する現金給与額年間賞与年収換算
〜19歳228.4千円45.2千円278.6万円
20〜24歳247.6千円186.4千円315.8万円
25〜29歳276.5千円276.2千円359.4万円
30〜34歳288.3千円377.1千円383.7万円
35〜39歳299.4千円397.9千円399.1万円
40〜44歳308.3千円460.0千円416.0万円
45〜49歳328.2千円457.8千円439.6万円
50〜54歳309.1千円454.1千円416.3万円
55〜59歳295.9千円425.9千円397.7万円
60〜64歳271.2千円301.2千円355.6万円
65〜69歳239.5千円161.1千円303.5万円
70歳〜203.4千円79.1千円252.0万円

出典:同調査(職種)第5表 職種(小分類)、年齢階級別。年収換算は編集部算出

山は45〜49歳の439.6万円。50代に入ると下がり始め、70歳以上は252.0万円です。この職種は労働者数が60代・70代にも厚く分布しています。

企業規模で動くのは、賞与のほうです

企業規模所定内給与額年間賞与労働者数(十人)
規模計(10人以上)262.0千円351.6千円43,932
1,000人以上263.6千円387.2千円14,435
100〜999人265.3千円390.6千円13,728
10〜99人257.8千円285.0千円15,769

出典:同調査(職種)第14表 職種(小分類)、性、経験年数階級別。経験年数計の欄

所定内給与額は257.8千円から265.3千円のあいだで、幅は7.5千円です。一方で年間賞与は285.0千円から390.6千円まで動き、幅は105.6千円あります。

規模で変わるのは月給よりも賞与という並び方になっています。この表は所定内給与額の欄なので、年収換算はしていません。

パートなど短時間で働く飲食物調理従事者の1時間当たり所定内給与額(1,221円)と、給食だけの数字が統計から出せない理由は給食調理員の時給の相場|統計の1時間当たりは1,221円で、給食だけの数字はありませんで扱っています。

この数字の限界

  • 調理師免許を持つ人の集計ではありません。区分は「飲食物調理従事者」です。
  • 年収換算は編集部の計算です。きまって支給する現金給与額を12倍し、年間賞与その他特別給与額を足しています。実際の支給月数や手当の内訳は事業所ごとに違います。
  • 産業別の内訳は見ていません。飲食店、給食の受託会社、病院、介護施設のどこで働くかで条件は変わりますが、本記事は職種の表だけを読んでいます。
  • 雇用形態の区分も見ていません。この表は一般労働者の集計です。

免許を持つ人の集計はありませんが、免許を取る道のほうは省令と通知に細かく書かれています。実務に数えられる施設・営業や勤務日数の扱いは調理師免許の取り方|パートの実務は「週4日以上かつ1日6時間以上」が原則ですで扱っています。

求人を見るときに確認できること

  • 賞与が何か月分と書かれているか。この職種の統計値は所定内給与額の1.34か月分です。
  • 提示された月給が、所定内給与額か、手当込みか。統計の所定内給与額は262.0千円、超過分を含むきまって支給する現金給与額は286.6千円です。
  • 所定内実労働時間数がどれくらいか。統計値は169時間、超過実労働時間数は12時間です。
  • 自分の年齢階級の数字と比べているか。全体平均ではなく、上の年齢階級の表と突き合わせられます。

よくある質問

Q. 調理師免許を持っていると年収は上がりますか。
A. この調査は職種別の集計で、資格の有無では分けていません。免許による差は本記事では確認できませんでした。

Q. 379.1万円は手取りですか。
A. 支給額です。きまって支給する現金給与額は税金や社会保険料を控除する前の額と定義されています。

Q. 給食会社と飲食店では違いますか。
A. 本記事が読んでいるのは職種の表で、産業別の内訳には立ち入っていません。委託給食の仕事の中身は給食委託の栄養士の仕事内容で扱っています。

Q. 栄養士のほうが高いのですか。
A. 年収換算では栄養士404.0万円、飲食物調理従事者379.1万円です。ただし月々の金額はほとんど変わらず、差は年間賞与に寄っています。

Q. 年齢が上がれば上がりますか。
A. 45〜49歳の439.6万円を山として、それより上の階級では下がっています。

Q. 介護施設で働く場合の数字はありますか。
A. 介護施設の栄養士については別の調査を介護施設の栄養士の年収で扱っています。調理員についての集計は本記事では確認していません。

迷ったらここ

賞与が何か月分かを、先に見る

飲食物調理従事者の年間賞与は所定内給与額の1.34か月分。月給がほぼ同じでも、ここで年収が変わります。

  • 賞与が何か月分と書かれているか
  • 提示額が所定内給与額か、超過分を含む額か
  • 自分の年齢階級の数字と比べているか(山は45〜49歳)
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まとめ

令和7年賃金構造基本統計調査に調理師という職種区分はありません。読むことになるのは飲食物調理従事者で、労働者数は439,320人です。

年収に換算すると379.1万円。きまって支給する現金給与額286.6千円を12倍し、年間賞与351.6千円を足した数字です。

栄養士の404.0万円との差は24.9万円ですが、月々の金額はほとんど変わりません。開いているのは年間賞与で、所定内給与額の1.34か月分と2.60か月分という違いになっています。

年齢では45〜49歳の439.6万円が山。企業規模で動くのも、所定内給与額より年間賞与のほうでした。

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この記事を書いた人

医療・福祉・保育の人材紹介の現場で求職者の相談を受けてきた編集者が担当しています。キャリアアドバイザー歴8年、転職相談・紹介の対応実績1,500人以上(自社実績/2026年8月時点)。介護・看護師・保育士・栄養士の4分野を担当。記事の数値には必ず出典と公表時点を添えています。

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