管理栄養士の年収はいくらか|公的統計の平均は404.0万円。ただし「管理栄養士だけの数字」は存在しません

管理栄養士の年収。公的統計の平均は404.0万円
目次

30秒でわかるまとめ

  • 管理栄養士の平均年収は404.0万円です厚生労働省の令和7年調査で、栄養士の月給278,800円と賞与694,700円から算出した金額です
  • 「管理栄養士だけの年収」は統計に存在しません調査の職種区分は「栄養士」の1つだけで、管理栄養士もそのままここに含まれています
  • 20〜30代の伸びはゆるやかで、ピークは50代後半です20〜24歳328.7万円から35〜39歳407.8万円まで15年で約79万円。55〜59歳の505.3万円が頂点です
  • 同じ資格でも勤め先の規模で45.5万円変わります1,000人以上435.0万円に対し10〜99人389.5万円。しかも大規模の方が平均年齢は5歳若い水準です
指示する栄養士(管理栄養士)

まず結論:栄養士の平均年収は404.0万円

厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和7年調査、2026年3月24日公表)から、「栄養士」の数値を直接抜き出しました。

項目数値
平均年齢38.9歳
平均勤続年数9.4年
所定内実労働時間数162時間/月
超過実労働時間数6時間/月
きまって支給する現金給与額278,800円
所定内給与額266,900円
年間賞与その他特別給与額694,700円
労働者数105,330人
推計年収(編集部試算)404.0万円

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(職種)第1表 職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)/企業規模計(10人以上)/男女計

推計年収の計算式:278,800円 × 12か月 + 694,700円 = 4,040,300円

ここは正確に書いておきます。賃金構造基本統計調査は「年収」を直接公表していません。公表されているのは月額の給与と年間賞与です。上の404.0万円は、月額を12倍して賞与を足した編集部の試算値です。他サイトで見る「栄養士の年収」もほぼすべて同じ計算によるもので、統計そのものに載っている数字ではありません。

もう1点。「きまって支給する現金給与額」には残業代(超過労働給与額)が含まれます。残業を含まない金額が「所定内給与額」266,900円です。

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「管理栄養士の年収」という公的統計は、存在しません

ここがこの記事の要点です。

賃金構造基本統計調査の職種(小分類)を確認すると、載っているのは「栄養士」という1区分だけです。「管理栄養士」という独立した区分はありません。つまり——

  • この105,330人には、管理栄養士も栄養士も両方が含まれています
  • 統計上、両者は区別されていません
  • したがって「管理栄養士だけの平均年収」を国の統計から出すことはできません

「管理栄養士の平均年収は約400万円です」と断言している記事を見かけたら、その出典を確認してみてください。多くは賃金構造基本統計調査の「栄養士」の数値を、そのまま管理栄養士の数値として紹介しています。

これは些細な違いではありません。管理栄養士は国家資格で、栄養士は都道府県知事の免許です。病院での栄養管理業務や特定保健指導など、管理栄養士でなければ担えない業務があり、資格手当を設けている職場も多くあります。実態として管理栄養士の方が高い可能性は十分にありますが、その差が何万円なのかを示す全国統計は存在しない、というのが正確な現状です。

求人票の金額を比べる、職場ごとの資格手当を確認する——年収を知りたいなら、この地道な方法しかありません。「管理栄養士の平均年収」という数字を鵜呑みにしない方が、結果的に正確な判断ができます。

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※その国家資格を取るまでの制度(受験資格の4ルート、必要な実務経験年数、合格率の内訳)は管理栄養士になるには|ルートは4つ。どれも「学校+実務=5年」で揃いますで扱っています。この記事は年収だけを扱います。

学校で働く栄養教諭については、別の統計(学校教員統計調査)に職名別の給料月額があり、栄養教諭の年収の手がかり|公立小の給料月額318,900円は、教諭より11,300円高いで扱っています。

年齢別に見ると、伸び方が見えてきます

年齢階級別のデータです。推計年収は同じ計算式(月額×12+年間賞与)で算出しました。

年齢階級きまって支給する現金給与額年間賞与推計年収労働者数
20〜24歳244,100円358,100円328.7万円11,810人
25〜29歳252,600円587,500円361.9万円20,280人
30〜34歳263,700円643,600円380.8万円14,250人
35〜39歳279,400円725,400円407.8万円12,600人
40〜44歳294,600円807,600円434.3万円12,120人
45〜49歳301,500円851,600円447.0万円11,630人
50〜54歳302,100円883,300円450.9万円11,570人
55〜59歳339,900円973,900円505.3万円6,420人
60〜64歳293,900円573,000円410.0万円3,690人
65〜69歳258,500円464,700円356.7万円780人

出典:同調査(職種)第5表 職種(小分類)、年齢階級別/企業規模計(10人以上)/男女計(19歳以下は該当者なし)

読み取れることは3つあります。

1. 20代から30代後半までの伸びが緩やかです。20〜24歳328.7万円から35〜39歳407.8万円まで、15年かけて約79万円。年あたり約5万円の増加にとどまります。

2. ピークは55〜59歳の505.3万円です。ここで初めて500万円台に届きます。ただし該当する労働者数は6,420人と、20代(32,090人)の5分の1程度。長く続ける人がそこまで多くないことも同時に示しています。

3. 60代で大きく下がります。60〜64歳で410.0万円と、ピークから約95万円減。定年後の再雇用による給与改定が反映されているとみられます。

もしあなたが20代で「思ったより上がらない」と感じているなら、その感覚は数字と一致しています。栄養士の給与カーブは、勤続だけでは急には上がりません。

企業規模で45.5万円の差があります

同じ「栄養士」でも、勤務先の規模で年収は変わります。

企業規模平均年齢きまって支給する現金給与額年間賞与推計年収労働者数
1,000人以上35.2歳300,400円745,300円435.0万円25,660人
100〜999人40.1歳276,000円655,000円396.7万円50,730人
10〜99人40.0歳264,600円719,600円389.5万円28,950人

出典:同調査(職種)第1表/男女計

1,000人以上と10〜99人で45.5万円の差があります。しかも注目したいのは年齢です。1,000人以上の平均年齢は35.2歳で、他の規模より約5歳若い。より若い年齢で、より高い年収に到達しているということです。

大規模事業者には、給食受託の大手企業、大規模病院グループ、社会福祉法人グループなどが含まれます。年収を優先するなら、規模は確認する価値のある条件です。

男女差は85.8万円。ただし読み方に注意が必要です

区分平均年齢超過実労働時間数きまって支給する現金給与額年間賞与推計年収労働者数
男40.1歳15時間331,800円860,400円484.2万円6,930人
女38.8歳5時間275,100円683,100円398.4万円98,400人

出典:同調査(職種)第1表/企業規模計(10人以上)

差は85.8万円ですが、この数字はそのまま「性別による賃金差」とは読めません。理由は2つあります。

1. 人数の偏りが極端です。栄養士105,330人のうち女性が98,400人で、93.4%を占めます。男性は6,930人にすぎません。母集団の性質がかなり違う可能性があります。

2. 残業時間が3倍違います。男性の超過実労働時間は月15時間、女性は5時間。「きまって支給する現金給与額」には残業代が含まれるため、この差が金額に反映されています。残業を除いた所定内給与額で比べると、男性298,000円・女性264,700円で、差は33,300円に縮まります。

なお全体(男女計)の超過実労働時間は月6時間です。栄養士は残業が比較的少ない職種だと、この数字は示しています。

年収を上げるために、確認できること

1. 所定内給与額と手当の内訳を分けて見る

求人票の「月給28万円」が、残業代込みなのか所定内なのかで意味は変わります。統計上の所定内給与額は266,900円です。これを基準に、提示額が何を含んでいるかを確認してください。

2. 資格手当の額を求人票で確認する

前述の通り、管理栄養士と栄養士の賃金差を示す全国統計はありません。実額は求人票の資格手当欄でしか分かりません。「管理栄養士歓迎」とだけ書かれていて手当額の記載がない場合は、面接で確認する価値があります。

3. 事業所の規模を見る

1,000人以上と10〜99人で45.5万円差。応募先の法人規模は、求人票または法人サイトで確認できます。

4. 賞与の月数を確認する

年間賞与694,700円は、所定内給与額266,900円のおよそ2.6か月分にあたります。これを下回る条件が提示されているなら、平均より低い水準です。

5. 職域を変える選択肢を知っておく

栄養士が働く場所は、病院、介護施設、保育園、学校、給食受託会社、健診センター、企業の健康管理部門と幅があります。同じ資格のまま、条件の違う職域へ移ることができます。年収だけでなく、残業時間や休日数も職域によって変わります。

なお、この記事で扱ったのは平均値です。同じ統計には分布特性値も公表されており、所定内給与額の中位数は25万9,400円——平均より7,500円低い水準にあります。真ん中の人がいくらもらっているかは栄養士の年収404.0万円は「平均」です|半数は所定内25万9,400円以下で詳しく扱っています。

なお、勤務先を病院に限れば、別の統計から開設者ごとの水準を見ることができます。国公立と医療法人で年額がどれだけ違うかは病院の管理栄養士の年収|開設者で148.8万円変わりますで扱っています。

よくある質問

Q. 管理栄養士の資格を取ると、年収はいくら上がりますか?

A. 全国平均を示す公的統計がないため、「◯万円上がる」と断言できる根拠はありません。賃金構造基本統計調査は栄養士と管理栄養士を区別していないためです。実額は職場ごとの資格手当によります。求人票の資格手当欄を複数比較するのが、いちばん確実な方法です。

Q. 栄養士の年収は低いと言われますが、実際どうですか?

A. 平均404.0万円という数字をどう見るかは、比較対象によります。ただしデータから確実に言えるのは、年齢による伸びが緩やかであることです。20〜24歳328.7万円から35〜39歳407.8万円まで、15年で約79万円。勤続年数だけで大きく上げるのは難しい構造です。一方で、企業規模による差は45.5万円あり、勤続を重ねるより勤務先を変える方が金額へのインパクトが大きい可能性を示しています。

Q. なぜ他のサイトと数字が違うのですか?

A. 主な理由は3つです。(1) 参照している調査年が古い(本記事は令和7年/2025年調査・2026年3月24日公表の最新値を使用)、(2) 推計年収の計算式が違う(賞与を含めない、月額を12倍しないなど)、(3) 企業規模の区分が違う(10人以上か、100人以上かなど)。本記事は企業規模計(10人以上)・男女計・産業計の数値を使い、計算式も明記しています。

迷ったらここ

資格手当の額を、求人票の段階で「金額」として確認する

この統計に管理栄養士だけの区分はないため、資格の上乗せ分は公的な数字では出せません。一方で事業所規模による差は45.5万円あり、こちらは確認できます。

  • 管理栄養士の資格手当は月いくらか(「あり」ではなく金額で)
  • 事業所の規模はどこか(1,000人以上435.0万円/10〜99人389.5万円)
  • 賞与は年何か月分か
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まとめ

  • 栄養士の平均年収は404.0万円(令和7年賃金構造基本統計調査・編集部試算)。月額278,800円+年間賞与694,700円
  • 国の統計に「管理栄養士」の区分はない。「管理栄養士の平均年収」を名乗る数字の多くは、栄養士全体の数値
  • 年齢別のピークは55〜59歳の505.3万円。ただし20代前半から30代後半の15年で約79万円しか伸びない
  • 企業規模の差は45.5万円(1,000人以上435.0万円/10〜99人389.5万円)。しかも大規模の方が平均年齢は5歳若い
  • 男女差85.8万円は残業時間の差(月15時間対5時間)を含む。所定内給与で比べると差は33,300円
  • 栄養士の超過実労働時間は月6時間。残業は比較的少ない

年収を知りたいなら、平均値より求人票です。この記事の数字は、目の前の求人票が平均より上か下かを判断するための物差しとして使ってください。

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この記事を書いた人

医療・福祉・保育の人材紹介の現場で求職者の相談を受けてきた編集者が担当しています。キャリアアドバイザー歴8年、転職相談・紹介の対応実績1,500人以上(自社実績/2026年8月時点)。介護・看護師・保育士・栄養士の4分野を担当。記事の数値には必ず出典と公表時点を添えています。

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