30秒でわかるまとめ
- 児童指導員の「任用資格」という言葉は、省令にありません条文の見出しは「児童指導員の資格」で、試験を受けて取る免許とは違う形をしています。
- 資格を満たす道は、条文に11並んでいます社会福祉士などの資格、大学での専攻、実務の年数と組み合わせる道が号ごとに書かれています。
- 高卒の場合は、児童福祉事業に2年以上の従事です大学に進んでいなくても、実務の年数と組み合わせる道が条文に置かれています。
- 放課後等デイの省令は、別の項で児童指導員を引いています「児童の生活指導を行う者」という定義の項を参照する書き方になっています。
※放課後等デイサービスの仕事の中身は放課後等デイの仕事内容と1日、保育補助の立場は保育補助にできないこと、幼稚園教諭の免許状は幼稚園教諭の免許状の種類で扱っています。

先に断ります:「任用資格」は条文の言葉ではありません
求人票や案内でよく見る「任用資格」という言葉は、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準にも、障害児通所支援の基準にも出てきません。
条文にあるのは「児童指導員の資格」という見出しです。国家試験に合格して登録する資格ではなく、条文が挙げる要件のどれかに当てはまる人が、その職に就けるという形になっています。

ここが本題:第43条が11の道を挙げています
児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(昭和23年厚生省令第63号。以下「基準」)の第43条第1項は、こう始まります。
「児童指導員は、次の各号のいずれかに該当する者でなければならない。」
続く号は、第1号から第10号までと、途中に加えられた第3号の2の11です。
| 号 | 該当する者 | 型 |
|---|---|---|
| 1 | 都道府県知事の指定する児童福祉施設の職員を養成する学校その他の養成施設を卒業した者 | 養成施設 |
| 2 | 社会福祉士の資格を有する者 | 資格 |
| 3 | 精神保健福祉士の資格を有する者 | 資格 |
| 3の2 | こども家庭ソーシャルワーカーの資格を有する者 | 資格 |
| 4 | 大学(短期大学を除く)で、社会福祉学、心理学、教育学若しくは社会学を専修する学科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者 | 学歴 |
| 5 | 大学で上の4つの学問に関する科目の単位を優秀な成績で修得したことにより、大学院への入学を認められた者 | 学歴 |
| 6 | 大学院で上の4つの学問を専攻する研究科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者 | 学歴 |
| 7 | 外国の大学で上の4つの学問を専修する学科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者 | 学歴 |
| 8 | 高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者等であって、2年以上児童福祉事業に従事したもの | 学歴+実務 |
| 9 | 幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校又は中等教育学校の教諭の免許状を有する者であって、都道府県知事が適当と認めたもの | 免許+認定 |
| 10 | 3年以上児童福祉事業に従事した者であって、都道府県知事が適当と認めたもの | 実務+認定 |
出典:児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(e-Gov法令API 法令ID 323M40000100063)第43条第1項。号数は条文どおり、「型」は編集部が付した
第2項は、第1号の養成施設の指定について「児童福祉法施行規則別表第一に定める教育内容に適合する学校又は施設について行う」と定めています。

4つの学問は、条文に名前が書かれています
第4号から第7号までに共通して出てくるのは、この4つです。
社会福祉学・心理学・教育学・社会学
それ以外の学部を卒業した場合、第4号〜第7号には当てはまりません。学位の有無ではなく、専修した学科が問われる書き方です。第4号は「短期大学を除く」と括弧書きで限定しています。
児童指導員の資格に当たる人が児発管をめざす場合、直接支援の期間は告示のロとして数えられます。実務経験の数え方は児童発達支援管理責任者の要件|実務5年か8年かは、保育士などの資格で分かれますで扱っています。
実務の年数で満たす道は2つあります
| 号 | 学歴等の条件 | 実務 | 知事の認定 |
|---|---|---|---|
| 第8号 | 高等学校・中等教育学校の卒業等 | 児童福祉事業に2年以上 | 条文に無し |
| 第10号 | 条文に無し | 児童福祉事業に3年以上 | 都道府県知事が適当と認めたもの |
出典:基準 第43条第1項第8号・第10号
第8号は、知事の認定が付いていません。第10号は学歴を問わない代わりに、年数が1年長く、知事の認定が加わっています。
第9号の教諭の免許状も、知事が適当と認めたものという限定付きです。免許状を持っているだけで当然に当てはまる、という書き方ではありません。
児童発達支援センターでは、児童指導員と保育士をそれぞれ1人以上置く書き方になっています。事業所との人員の書き分けは児童発達支援とは|センターと事業所で、置く人の書き方が違いますで扱っています。
第43条は、児童養護施設の章に置かれています
第43条は基準の第七章「児童養護施設」の中にある条です。
一方、放課後等デイサービスや児童発達支援の人員を定める児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準は、児童指導員を次のように引いています。
「児童指導員(児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(昭和二十三年厚生省令第六十三号)第二十一条第六項に規定する児童指導員をいう。以下同じ。)」
出典:児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(e-Gov法令API 法令ID 424M60000100015)第5条第1項第1号(原文どおり)
参照先の基準 第21条第6項は、児童指導員を「児童の生活指導を行う者をいう」と定義している項です。通所支援の基準は、資格の条(第43条)ではなく、定義の項を引いていることになります。
通所支援の事業所で第43条の要件がどう扱われるかは、省令の外(通知)の話になります。本記事ではそこに踏み込みません。
放課後等デイサービスでは、基準の人員に加えて児童指導員や保育士などを置いた事業所に児童指導員等加配加算があり、常勤専従か、経験5年以上かで単位数が分かれます。経験年数の数え方は放課後等デイの報酬改定の影響|報酬は計画に定めた支援時間で3区分に。支援プログラムの公表も義務になりましたで扱っています。
応募前に確認できること
- 自分が第43条のどの号に当たるか。資格、学歴、実務のどの型かで、必要な書類が変わります。
- 第9号・第10号に当たる場合、知事の認定が要るか。条文は「都道府県知事が適当と認めたもの」としています。
- 実務年数の数え方。条文は「児童福祉事業に従事」と書いています。どの事業が含まれるかは条文の外です。
- 応募先がどの施設・事業か。児童養護施設か、放課後等デイサービスかで、根拠になる省令が変わります。
障害福祉サービスで働く常勤の児童指導員の平均給与額は月額319,690円で、児童発達支援管理責任者を含む区分との比較は児童発達支援管理責任者の年収|単独の統計はなく、サービス管理責任者等と合算で月額405,480円ですで扱っています。
よくある質問
Q. 児童指導員に試験はありますか。
A. 第43条は試験を挙げていません。号のいずれかに該当する者、という書き方です。
Q. 保育士の資格があれば児童指導員になれますか。
A. 第43条の11の号に、保育士という文字はありません。放課後等デイサービスの人員の基準では、児童指導員と保育士が並べて書かれています。
Q. 教員免許を持っていれば当てはまりますか。
A. 第9号は、教諭の免許状を有する者であって、都道府県知事が適当と認めたもの、としています。
Q. 経営学部を卒業しましたが、当てはまりますか。
A. 第4号〜第7号が挙げる学問は社会福祉学・心理学・教育学・社会学の4つです。それ以外の学科は、これらの号には書かれていません。
Q. 高卒でもなれますか。
A. 第8号は、高等学校等を卒業した者等であって、2年以上児童福祉事業に従事したもの、としています。
Q. 「任用資格」と「資格」は違いますか。
A. 条文にあるのは「児童指導員の資格」という見出しです。任用資格という語は、本記事で確認した2つの省令には出てきません。
迷ったらここ
自分が第43条のどの号かを、先に決める
児童指導員の資格は11の号に分かれています。資格・学歴・実務のどれで当てはまるかで、用意する書類が変わります。
- 社会福祉士などの資格か、大学での専攻か、実務の年数か
- 知事の認定が要る号(教諭の免許状・3年以上の実務)か
- 応募先が児童養護施設か、放課後等デイサービスか
まとめ
「任用資格」という言葉は条文にありません。児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第43条「児童指導員の資格」が、児童指導員になれる人を号で並べています。
道は11。社会福祉士・精神保健福祉士・こども家庭ソーシャルワーカーの資格、社会福祉学・心理学・教育学・社会学の専修、高卒等+児童福祉事業2年以上、教諭の免許状+知事の認定、児童福祉事業3年以上+知事の認定などです。
第43条は児童養護施設の章に置かれています。放課後等デイサービスの基準は、児童指導員を第21条第6項(児童の生活指導を行う者)を参照する形で引いています。

