児童発達支援管理責任者の年収|単独の統計はなく、サービス管理責任者等と合算で月額405,480円です

目次

30秒でわかるまとめ

  • 児童発達支援管理責任者だけの給与統計はありません国の調査は、サービス管理責任者・サービス提供責任者と1つの職種区分にまとめて集計しています。
  • 合算した区分の平均給与額は、月額405,480円です処遇改善加算を届け出た事業所の、常勤の者の数字です。一時金を含む月額で、年収ではありません。
  • 保育士の343,600円より、61,880円高い水準です差の内訳は基本給41,660円、手当14,090円、一時金6,130円。平均年齢も11.3歳違います。
  • サービス種類別の数字は、職員の側にしか出ていません福祉・介護職員は児童発達支援293,940円、放課後等デイサービス286,110円です。

※職場の種類と置かれる職種は児童発達支援とは、放課後等デイの1日の組み立ては放課後等デイの仕事内容と1日で扱っています。

粘土をこねる手元(児童発達支援放デイ)

先に断ります:児童発達支援管理責任者だけの数字はありません

職種別の年収を調べるときに最初に当たる賃金構造基本統計調査(令和7年、職種別の第1表)には、児童発達支援管理責任者の区分も、サービス管理責任者の区分もありません。

児童発達支援管理責任者の給与を名指しで集計している全国調査は、厚生労働省の障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査です。本記事では、公表されている最新の令和6年度調査を使います。ただし、この調査も児童発達支援管理責任者を単独では集計していません。調査票の記入要領に、職種の選択肢がこう書かれています。

「ここでいう管理職とは、「職種」の選択肢1に該当する者(サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者・サービス提供責任者)及び、施設・事業所における管理者としての役職にある者(施設長、部門長、看護師長、事務長等)を指します。」

出典:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査 調査結果報告書」記入要領(職位の説明)(原文どおり)

職種の選択肢1は、3つの職種で1つです。統計表ではこれが「サービス管理責任者等」という1行になります。児童発達支援管理責任者のほかに、障害者向けのサービスのサービス管理責任者と、居宅介護などのサービス提供責任者が同じ行に入っています。

もう1つ、兼任の扱いも決まっています。

「複数の職種を兼任している場合は、主として従事している職種1つを選んでください。」

出典:同 記入要領(職種の説明)(原文どおり)

管理者と兼ねている児童発達支援管理責任者が、どちらの職種で回答されたかは、公表資料からはわかりません。

お金の話をする二人

ここが本題:合算した区分の平均給与額は、月額405,480円です

「平均給与額」の定義は、概要に次のように書かれています。

「平均給与額は基本給(月額)+手当+一時金(4~9月支給金額の1/6)」

出典:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果の概要」p14 注2(原文どおり)

集計の条件は次のとおりです。

  • 福祉・介護職員等処遇改善加算の届出をしている事業所の職員
  • 常勤の者。常勤は「施設・事業所で定めた勤務時間(所定労働時間)のすべてを勤務している者」で、正規・非正規の別ではありません
  • 令和5年9月と令和6年9月の両方に在籍している者

この条件で、サービス管理責任者等はこうなっています。

項目令和6年9月令和5年9月差
平均給与額405,480円385,120円+20,360円
平均基本給等318,460円303,380円+15,080円

出典:同 概要p13・p14(統計表第86表・第88表)。平均基本給等は、基本給(月額)+毎月決まって支払われる手当(通勤手当、扶養手当、超過労働給与額等は含まない)

集計された人数は3,726人、平均年齢は48.9歳、平均勤続年数は11.8年です(報告書 第86表)。

なお、概要の表では、この行は「サービス管理責任者」とだけ書かれています。報告書の統計表では「サービス管理責任者等」です。同じ数字で、中身は3職種の合算です。

ブロックで遊ぶ男の子

405,480円の内訳:基本給は250,510円です

報告書の第88表は、平均給与額を基本給・手当・一時金に分けています。

内訳令和6年9月
基本給250,510円
手当91,940円
 うち決まって毎月支給される手当67,950円
一時金63,030円
平均給与額(基本給+手当+一時金)405,480円

出典:同 報告書 第88表(常勤)。合計は編集部が検算し、一致を確認

基本給250,510円に、決まって毎月支給される手当67,950円を足すと318,460円です。これが前の節の平均基本給等と一致します。

手当には、職務手当、処遇改善手当、通勤手当、家族手当のほか、時間外手当も入ります。405,480円のうち、基本給は約6割です。求人票の金額と比べるときは、どこまでを含んだ額かを先にそろえる必要があります。

同じ職場の職種と比べると:保育士より61,880円高い

同じ第86表から、児童発達支援・放課後等デイサービスで働くことの多い職種を並べます。いずれも障害福祉サービス全体の数字で、児童発達支援・放課後等デイだけの数字ではありません。

職種平均給与額平均年齢平均勤続年数
サービス管理責任者等405,480円48.9歳11.8年
保育士343,600円37.6歳7.0年
児童指導員319,690円40.4歳6.5年
福祉・介護職員(全体)327,720円44.9歳7.9年
看護職員(保健師、看護師、准看護師)421,390円49.5歳9.4年

出典:同 報告書 第86表(常勤・令和6年9月)。保育士・児童指導員は福祉・介護職員の内訳

比較平均給与額の差
サービス管理責任者等 - 保育士61,880円
サービス管理責任者等 - 福祉・介護職員77,760円
サービス管理責任者等 - 児童指導員85,790円

出典:同 第86表より編集部が算出

平均年齢は保育士より11.3歳、児童指導員より8.5歳高くなっています。この差には、職種の違いだけでなく、年齢や勤続年数の違いも混ざっています。調査は年齢をそろえた比較を出していないため、本記事では「職種が変わればこれだけ上がる」とは読みません。

差はどこから来るか:基本給が大半です

第88表で、保育士・児童指導員の内訳と並べます。

内訳サービス管理責任者等保育士児童指導員
基本給250,510円208,850円202,190円
手当91,940円77,850円69,280円
一時金63,030円56,900円48,230円

出典:同 報告書 第88表(常勤・令和6年9月)

  • 保育士との差61,880円=基本給41,660円+手当14,090円+一時金6,130円
  • 児童指導員との差=基本給48,320円+手当22,660円+一時金14,800円(合計85,780円。第86表どうしの差85,790円と10円ずれるのは、10円未満を四捨五入しているためです)

出典:同 第88表より編集部が算出

保育士との差のうち、3分の2は基本給の差です。一時金の差は6,130円で、それほど開いていません。

児童発達支援・放課後等デイ別の数字は、職員の側にしかありません

この調査は、サービスの種類別の平均給与額も出しています。ただし、サービス種類別に出ているのは福祉・介護職員だけです。サービス管理責任者等をサービス別に分けた表は、公表されていません。

サービス令和6年9月令和5年9月差
全体327,720円307,750円+19,970円
児童発達支援293,940円273,760円+20,180円
放課後等デイサービス286,110円266,600円+19,510円

出典:同 概要p16(統計表第90表)。福祉・介護職員(常勤の者)の数字で、児童発達支援管理責任者は含まれません

児童発達支援と放課後等デイサービスの福祉・介護職員は、全体の平均より低い位置にあります。だからといって、この2つのサービスの児童発達支援管理責任者も405,480円より低い、とは言えません。その数字は公表されていないからです。本記事では推測しません。

処遇改善加算は、児童発達支援管理責任者にも配分されています

加算を配分した職員の範囲について、報告書はこう書いています。

「新加算の届出をした施設・事業所に、加算を配分した職員の範囲を聞いたところ、「福祉・介護職員」の割合が97.0%と最も高く、福祉・介護職員以外では、「サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者・サービス提供責任者」が80.5%となっている。」

出典:同 報告書 p33(原文どおり)

サービス別の表(第21表)では、この割合は次のとおりです。

サービス回答した施設・事業所数サービス管理責任者等に配分
全体5,69580.5%
児童発達支援27785.6%
放課後等デイサービス28384.1%

出典:同 報告書 第21表(複数回答)

児童発達支援と放課後等デイサービスでは、8割を超える事業所が児童発達支援管理責任者等にも加算を配分しています。裏返せば、配分していない事業所もあります。処遇改善手当があるかどうかは、事業所ごとに聞く必要があります。

集計の範囲を変えると、数字も動きます

405,480円は「加算を届け出た事業所」「2時点とも在籍」という条件つきの数字です。同じ報告書は、条件を変えた表も出しています。

集計の範囲(常勤・令和6年9月)人数平均給与額
加算届出あり・2時点とも在籍(本記事の基本)3,726人405,480円
加算届出あり・勤続1年未満の者を含む4,044人400,520円
加算の届出をしていない事業所を含む4,129人407,090円

出典:同 報告書 第86表・第110表・第114表

勤続1年未満の人を含めると、405,480円より4,960円下がります。転職してすぐの時点の給与は、405,480円の集計には入っていないということです。

月額を年収に直さない理由

405,480円は月額です。一時金は「4~9月支給金額の1/6」で月に割り振られていて、10月〜3月に支給された分は数字に入っていません。

単純に12を掛けると486.6万円(405,480円×12=4,865,760円)になります。これは4〜9月と10〜3月に同じ額の一時金が出ると仮定した場合の、編集部試算の目安です。調査はこの計算をしていません。本記事では、この486.6万円を「児童発達支援管理責任者の平均年収」として扱いません。3職種の合算であることも変わりません。

この記事が扱っていないこと

  • 児童発達支援管理責任者だけの平均給与額。公表資料に単独の区分がなく、取得していません。
  • 児童発達支援・放課後等デイサービスに限った、サービス管理責任者等の平均給与額。サービス別の表は福祉・介護職員だけで、取得していません。
  • 児童発達支援管理責任者になるための要件。別の記事で扱う予定のため、本記事では書いていません。
  • 地域別・法人の種類別の、サービス管理責任者等の給与。取得していません。
  • 令和7年度以降の調査結果。本記事の執筆時点で、厚生労働省の掲載ページに令和6年度より新しい結果は見当たりませんでした。

求人を見るときに確認できること

  • 提示額が基本給か、手当込みか。統計上の目安は、基本給250,510円、平均基本給等318,460円、一時金を含む平均給与額405,480円です。
  • 賞与の支給月と回数。405,480円に入っているのは4〜9月に支給された一時金だけです。年額に直すには、事業所の支給実績を聞く必要があります。
  • 処遇改善加算を配分しているか。児童発達支援・放課後等デイサービスでは8割を超える事業所が配分していますが、全部ではありません。
  • 管理者と兼ねるか。兼任の有無で、役職の手当や仕事の範囲が変わります。

よくある質問

Q. 児童発達支援管理責任者の平均年収はいくらですか。
A. 公的統計に「児童発達支援管理責任者の平均年収」はありません。障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査にあるのは、サービス管理責任者・サービス提供責任者と合算した月額の平均給与額405,480円(令和6年9月・常勤の者)です。12を掛けた486.6万円は、一時金についての仮定を置いた編集部試算です。

Q. 保育士から児童発達支援管理責任者になると、どれくらい上がりますか。
A. 同じ調査の常勤の平均給与額で、サービス管理責任者等は保育士より61,880円高くなっています。ただし平均年齢は11.3歳、平均勤続年数は4.8年違い、年齢をそろえた比較ではありません。1人の給与がこの額だけ上がるという意味ではありません。

Q. 児童発達支援と放課後等デイサービスで、児童発達支援管理責任者の給与は違いますか。
A. 公表資料からはわかりません。サービス別の平均給与額は福祉・介護職員についてだけ出ていて、児童発達支援293,940円、放課後等デイサービス286,110円です。

Q. 405,480円に残業代は入っていますか。
A. 平均給与額の「手当」には時間外手当も含まれる、と報告書に書かれています。基本給と毎月決まって支払われる手当だけを見たい場合は、平均基本給等318,460円が近い数字です。

迷ったらここ

提示額を基本給・手当・賞与に分けて比べる

児童発達支援管理責任者だけの給与統計はなく、サービス管理責任者等と合算した区分で常勤の平均給与額は月額405,480円です。内訳は基本給250,510円、手当91,940円、一時金63,030円です。

  • 提示額は基本給か、手当込みか(統計上の基本給は250,510円)
  • 賞与の支給月と回数、前年度の支給実績
  • 処遇改善加算を児童発達支援管理責任者にも配分しているか
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まとめ

児童発達支援管理責任者だけの給与統計は、国の資料にありません。賃金構造基本統計調査には区分がなく、障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査ではサービス管理責任者・サービス提供責任者と1つの職種区分です。

その合算区分の平均給与額は月額405,480円(令和6年9月・常勤の者・加算届出事業所)で、内訳は基本給250,510円、手当91,940円、一時金63,030円です。年収ではありません。

保育士より61,880円高く、差の3分の2は基本給です。ただし平均年齢が11.3歳違います。児童発達支援・放課後等デイ別の数字は福祉・介護職員についてしかなく、求人を見るときは提示額の中身と、賞与・処遇改善加算の配分を事業所に確かめるのが近道です。

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この記事を書いた人

医療・福祉・保育の人材紹介の現場で求職者の相談を受けてきた編集者が担当しています。キャリアアドバイザー歴8年、転職相談・紹介の対応実績1,500人以上(自社実績/2026年8月時点)。介護・看護師・保育士・栄養士の4分野を担当。記事の数値には必ず出典と公表時点を添えています。

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