30秒でわかるまとめ
- ケアマネの平均年収は441.3万円です厚生労働省の令和7年調査で、月給309,100円と年間賞与704,200円から算出した金額です
- 資格を取った直後、月給はいったん下がります所定内給与は経験0年の274,500円から1〜4年で270,100円へ、4,400円下がる珍しい形です
- 女性は年上でも、年収は65.6万円低い水準です女性の平均年齢は男性より5.1歳高いのに、年収は422.3万円で65.6万円低くなっています
- 大きい事業所ほど年収は高い一方、残業も長くなります1,000人以上は年収471.2万円で残業月10時間。10〜99人は421.4万円で残業は月2時間です
※資格そのものの違い(介護福祉士との比較、年齢階級別の差、試験の難易度)は介護福祉士とケアマネの違いは「名称独占」と「必置資格」で扱っています。この記事は年収の内側だけを見ます。

まず全体:441.3万円がどう組み立てられているか
| 項目 | 介護支援専門員(ケアマネジャー) |
|---|---|
| 平均年齢 | 53.1歳 |
| 平均勤続年数 | 12.4年 |
| 所定内実労働時間数 | 161時間/月 |
| 超過実労働時間数 | 4時間/月 |
| きまって支給する現金給与額 | 309,100円 |
| 所定内給与額 | 298,800円 |
| 年間賞与その他特別給与額 | 704,200円 |
| 労働者数 | 94,150人 |
| 推計年収(編集部試算) | 441.3万円 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(職種)第1表/企業規模計(10人以上)/男女計/産業計
推計年収の計算式:309,100円 × 12か月 + 704,200円 = 4,413,400円
正確に書いておきます。この調査は「年収」を直接公表していません。公表されているのは月額の給与と年間賞与で、441.3万円は月額を12倍して賞与を足した編集部の試算です。
残業が月4時間と少ないのは、この職種の特徴です。きまって支給する現金給与額309,100円と所定内給与額298,800円の差は10,300円で、月給のほとんどが所定内の給与だと分かります。残業代で稼ぐ職種ではありません。

真ん中の人は28万9,900円。平均より8,900円低い
賃金構造基本統計調査には、所定内給与額を低い順に並べたときの位置を示す分布特性値があります。
| 位置 | 所定内給与額 | 意味 |
|---|---|---|
| 第1・十分位数 | 228,600円 | 下から10%がこの額以下 |
| 第1・四分位数 | 257,300円 | 下から25%がこの額以下 |
| 中位数(中央値) | 289,900円 | ちょうど真ん中 |
| (参考)平均値 | 298,800円 | 全員の合計を人数で割った額 |
| 第3・四分位数 | 334,500円 | 上から25%がこの額以上 |
| 第9・十分位数 | 379,700円 | 上から10%がこの額以上 |
出典:同調査(職種)第17表 職種(小分類)、所定内給与額階級別労働者数及び所定内給与額の分布特性値/企業規模計(10人以上)/男女計。平均値は第1表の所定内給与額
金額の帯ごとの人数も出しました。
| 所定内給与額 | 人数 | 割合 | 累積 |
|---|---|---|---|
| 20万円未満 | 3,320人 | 3.5% | 3.5% |
| 20万〜21万9,999円 | 3,490人 | 3.7% | 7.2% |
| 22万〜23万9,999円 | 7,130人 | 7.6% | 14.8% |
| 24万〜25万9,999円 | 11,180人 | 11.9% | 26.7% |
| 26万〜27万9,999円 | 12,570人 | 13.4% | 40.0% |
| 28万〜29万9,999円 | 15,230人 | 16.2% | 56.2% |
| 30万〜31万9,999円 | 11,960人 | 12.7% | 68.9% |
| 32万〜33万9,999円 | 7,920人 | 8.4% | 77.3% |
| 34万〜35万9,999円 | 6,720人 | 7.1% | 84.5% |
| 36万〜39万9,999円 | 8,300人 | 8.8% | 93.3% |
| 40万円以上 | 6,340人 | 6.7% | 100.0% |
出典:同調査 第17表より編集部が集計(原単位は「十人」。人数に換算。割合は労働者数94,150人に対する比率)
読み取れることが3つあります。
1. もっとも人数が多いのは28万〜29万9,999円(16.2%)。中位数289,900円がこの帯の中に入ります。ケアマネの「ふつう」は月28万円台後半あたりです。
2. 30万円以上は43.8%。累積で見ると、30万円未満が56.2%です。月給30万円を超えるかどうかが、ちょうど上下を分ける線になっています。
3. 40万円以上が6.7%います。栄養士(3.1%)や保育士と比べると上に伸びる余地はありますが、それでも15人に1人です。逆に20万円未満も3.5%います。

ここが本題:経験1〜4年で、いったん下がります
経験年数別のデータを見ると、この職種にしかない形が出ます。
| 経験年数 | 所定内給与額 | 年間賞与 | 前の階級からの差 | 労働者数 |
|---|---|---|---|---|
| 0年 | 274,500円 | 307,800円 | — | 3,390人 |
| 1〜4年 | 270,100円 | 557,400円 | −4,400円 | 11,500人 |
| 5〜9年 | 280,300円 | 620,200円 | +10,200円 | 12,420人 |
| 10〜14年 | 289,400円 | 731,700円 | +9,100円 | 15,440人 |
| 15年以上 | 314,200円 | 775,200円 | +24,800円 | 51,400人 |
出典:同調査(職種)第14表 職種(小分類)、性、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額/企業規模計(10人以上)/男女計
経験0年が274,500円、1〜4年が270,100円。4,400円下がっています。ふつう、経験年数が増えれば給与は上がります。ここで下がるのは珍しい形です。
なぜかを断定できる材料は、この統計にはありません。ただケアマネは他の資格を持つ人が転向してくる職種だという事実は、この記事でも押さえておく価値があります。受験には通算5年以上の実務経験が要りますから、経験0年のケアマネは「社会人歴0年」ではありません。前職での給与水準を引き継いでいる人が含まれている可能性はありますが、これは推測であり、統計で確かめたわけではありません。
賞与の動きは別です。0年の307,800円から1〜4年で557,400円へと、249,600円増えています。初年度は賞与の算定期間が満たないため低く出るのが自然で、月給が下がっても年額としては1〜4年のほうが上になります。
その後は素直に伸びます。5〜9年で+10,200円、10〜14年で+9,100円、15年以上で+24,800円。0年から15年以上までの伸びは39,700円(14.5%)で、伸び幅そのものは大きくありません。
施設の介護職員では、所定内給与額は経験1〜4年の239,600円から15年以上の286,800円まで、階級ごとに上がっています。介護職員の経験年数別の数字は 介護職の年収の平均は388.0万円|35〜54歳は413.9万〜416.4万円で、ほぼ横ばいですで扱っています。
男女で65.6万円。しかも年上の側が低い
この職種で見逃せないのが男女差です。
| 項目 | 男 | 女 | 差 |
|---|---|---|---|
| 平均年齢 | 49.5歳 | 54.6歳 | 女が5.1歳高い |
| 平均勤続年数 | 12.9年 | 12.3年 | 男が0.6年長い |
| 所定内実労働時間数 | 162時間/月 | 161時間/月 | 1時間 |
| 超過実労働時間数 | 4時間/月 | 4時間/月 | — |
| きまって支給する現金給与額 | 336,700円 | 297,800円 | 38,900円 |
| 年間賞与その他特別給与額 | 838,800円 | 649,300円 | 189,500円 |
| 労働者数 | 27,250人 | 66,900人(71.1%) | — |
| 推計年収(編集部試算) | 487.9万円 | 422.3万円 | 65.6万円 |
出典:同調査 第1表/企業規模計(10人以上)/産業計。推計年収は同じ式で試算
年齢は女性のほうが5.1歳高く、勤続年数もほぼ同じ。それでも年収は65.6万円低い。労働時間もほとんど変わりません(所定内で1時間差、残業は同じ4時間)。
差の内訳を見ると、月給で38,900円、年間賞与で189,500円。年間の差65.6万円のうち、およそ3割が賞与の差です(編集部算出)。
この統計だけで理由を説明することはできません。役職の有無、勤務先の種別、雇用形態の違いなどが混ざっている可能性がありますが、それらを分けたデータはこの調査にはありません。ここで言えるのは「同じ職種で、年齢と勤続がほぼ同じでも、65.6万円の差が実在する」という事実までです。
事業所の規模で49.8万円。ただし残業時間も変わります
| 企業規模 | 所定内給与額 | 年間賞与 | 超過実労働時間 | 労働者数 | 推計年収 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1,000人以上 | 318,100円 | 612,300円 | 10時間/月 | 12,110人 | 471.2万円 |
| 100〜999人 | 297,400円 | 787,500円 | 4時間/月 | 48,420人 | 447.8万円 |
| 10〜99人 | 293,900円 | 617,200円 | 2時間/月 | 33,620人 | 421.4万円 |
出典:同調査 第1表/男女計/産業計。推計年収は同じ式で試算
規模による差は49.8万円(471.2万円 − 421.4万円)。ただし単純に「大きいほど良い」とは読めません。
1,000人以上の残業は月10時間で、10〜99人(2時間)の5倍です。年収が最も高い層は、残業時間も最も長い。一方で年間賞与がいちばん多いのは100〜999人の787,500円で、1,000人以上(612,300円)を175,200円上回ります。
働く人がいちばん多いのは100〜999人の48,420人(全体の51.4%)。年収447.8万円・賞与787,500円・残業4時間というこの層が、ケアマネの標準的な姿に近いと言えます。
なお、同じ施設で働く生活相談員には、この賃金統計に職種区分がありません。別の調査の月額しか手がかりがないという事情は生活相談員の年収に全国統計はありません|あるのは月額353,950円という1つの数字ですで扱っています。
そもそも受けられるかどうかを先に確かめたい場合は、条文を読むのが早道です。介護保険法施行規則 第113条の2が挙げる資格と、数え方の考え方はケアマネの受験資格|省令が挙げる22資格と、通算5年の中身ですで扱っています。
この数字を求人選びにどう使うか
1. 基準は「28万9,900円」に置く
平均の441.3万円ではなく、所定内給与額の中位数289,900円と提示額を比べてください。上回れば上位半分、下回れば下位半分です。257,300円を下回るなら下位25%、334,500円を上回るなら上位25%の水準にあたります。
2. 未経験で入るなら、年額で確認する
経験1〜4年の所定内給与は270,100円で、0年(274,500円)を下回ります。月給の提示だけを見て「上がらない」と判断しないでください。賞与は0年307,800円から1〜4年557,400円へ249,600円増えます。月給×12+賞与で計算し直すことが、この職種ではとくに重要です。
3. 残業時間を規模とセットで聞く
1,000人以上の事業所は年収が高い代わりに残業が月10時間です。提示された年収が、どれだけの残業を前提にしているかを確認してください。10〜99人なら統計上の残業は月2時間です。
4. 賞与の月数を確認する
年間賞与704,200円を所定内給与額298,800円で割ると2.36か月分(編集部算出)。100〜999人の事業所なら787,500円 ÷ 297,400円で2.65か月分です。求人票の「賞与あり」が何か月分なのかを、必ず数字で確認してください。
5. 資格を取る前なら、受験要件から逆算する
介護支援専門員実務研修受講試験には通算5年以上の実務経験が必要です。受験する都道府県の要項で日数要件も確認してください。資格そのものの位置づけは介護福祉士とケアマネの違いで、訪問介護の現場から目指す場合の道筋はホームヘルパーとは|正式名称は「訪問介護員」で扱っています。
よくある質問
Q. ケアマネになると年収は上がりますか?
A. 全体平均で見れば介護職員(388.0万円)より53.3万円高い水準です。ただしこの記事で見たとおり、経験0年から1〜4年にかけて所定内給与は4,400円下がります。また年齢階級を揃えると35〜39歳では逆転する階級もあります(詳しくは介護福祉士とケアマネの違い)。「取れば上がる」と単純化できる形ではありません。
Q. 男女で65.6万円も違うのはなぜですか?
A. この統計から理由を特定することはできません。役職の有無、勤務先の種別、雇用形態などが影響している可能性はありますが、それらを分けて集計したデータは公表されていません。確かなのは、平均年齢は女性のほうが5.1歳高く、勤続年数と労働時間はほぼ同じで、それでも65.6万円の差があるという事実です。
Q. 大きい法人に移れば年収は上がりますか?
A. 統計上、1,000人以上の事業所は471.2万円で、10〜99人(421.4万円)より49.8万円高くなっています。ただし残業時間が月10時間対2時間と5倍で、年間賞与はむしろ100〜999人の事業所(787,500円)がいちばん多い。金額だけでなく、時間と賞与の3点を並べて判断してください。
迷ったらここ
月給ではなく「月給×12+賞与」に直してから求人を並べる
経験0年の274,500円に対し1〜4年は270,100円で、月給はいったん下がります。一方で賞与は249,600円増えるため、月額だけを見比べると判断を誤ります。
- 提示された基本給は中位数289,900円を上回るか(上回れば上位半分)
- 賞与は所定内給与の何か月分か(統計値は2.36か月分)
- 残業は月何時間の想定か(1,000人以上の事業所は月10時間、10〜99人は月2時間)
まとめ
- 平均年収441.3万円。ただし所定内給与額の中位数は289,900円で、平均298,800円より8,900円低い
- 最頻の帯は28万〜29万9,999円(16.2%)。30万円以上は43.8%で、30万円が上下を分ける線
- 経験0年274,500円 → 1〜4年270,100円で4,400円下がる。他職種に見られない形。ただし賞与は249,600円増える
- 0年から15年以上までの伸びは39,700円(14.5%)と大きくない
- 男女差は65.6万円。女性のほうが平均年齢は5.1歳高いのに低い。働く人の71.1%が女性
- 規模差は49.8万円。ただし1,000人以上は残業月10時間、賞与が最多なのは100〜999人の787,500円
- 残業は全体で月4時間。残業代で稼ぐ職種ではない
ケアマネの求人を見るときは、月給ではなく「月給×12+賞与」で並べてください。この職種は月給がいったん下がる局面があり、賞与の動きがそれを打ち消す構造になっています。月額だけを比べると、判断を間違えます。

