30秒でわかるまとめ
- パートの看護師の1時間当たりは、平均1,933円です短時間で働く看護師の1時間当たり所定内給与額で、2025年6月分です。クリニックに限った数字ではありません。
- 10〜99人の企業では2,003円、1日5.3時間です規模は企業全体の人数で分けたもので、診療所かどうかとは別です。准看護師の10〜99人は1,590円でした。
- 診療所の看護師は、1人あたり常勤0.74人分でした常勤換算177,361.0人を実人員238,725人で割った編集部試算です。病院の看護師は0.95人分です。
- 診療所で常勤より短い時間の看護師は、25.7%以上います実人員と常勤換算の差を実人員で割った、下限の試算です。非常勤の人数そのものは、公表された表にありません。
※常勤の看護職員の年収はクリニック看護師の年収、フルタイムなどで働く看護師の月給と年収は看護師の平均年収で扱っています。

先に断ります:クリニックのパートの時給は、国の統計で直接は出せません
パートなど短い時間で働く人の賃金を、職種ごとに出している国の統計は、厚生労働省の賃金構造基本統計調査です。職種の区分には「看護師」と「准看護師」があります。調査は、看護師の仕事を次のように説明しています。
「看護師の免許を有し、傷病者・じょく婦・新生児に対する療養上の世話及び診療の補助の仕事に従事するものをいう。」
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」役職及び職種解説 1133 看護師 仕事の概要(原文どおり)
説明にあるのは免許と仕事の中身で、働く場所は書かれていません。含まれる職種の例には、看護師長、派出看護師、訪問看護師が挙がっています。
e-Statに載っている短時間労働者の職種別の表は6つあり、表題はすべて「(産業計)」で終わっています。病院も診療所も、それ以外の産業も合わせた数字です。この6つの中に、年齢階級別の表もありません。
つまり「クリニックのパート看護師の時給」は、国の統計の表から直接は出せません。国の統計で確かめられるのは、次の2つです。
- ①短時間で働く看護師・准看護師の1時間当たりの額(企業規模別まで。クリニックに限らない)
- ②診療所で働く看護師・准看護師の、1人あたりの常勤換算(常勤より短い時間で働く人がどれくらいいるかの手がかり)

ここが本題①:短時間の看護師は、1時間当たり1,933円です
この調査は、働く人を「一般労働者」と「短時間労働者」に分けています。短時間労働者は、1日の所定労働時間が一般の労働者より短い人か、1日の時間は同じでも1週の所定労働日数が少ない人です(調査の概要 3(5))。パートの多くは、こちらに入ります。
| 項目 | 看護師 | 准看護師 |
|---|---|---|
| 1時間当たり所定内給与額 | 1,933円 | 1,624円 |
| 1日当たり所定内実労働時間数 | 6.0時間 | 5.8時間 |
| 実労働日数 | 13.8日 | 14.4日 |
| 年間賞与その他特別給与額 | 110,700円 | 95,100円 |
| 平均年齢 | 50.9歳 | 59.4歳 |
| 平均勤続年数 | 7.2年 | 11.5年 |
| 労働者数 | 277,530人 | 55,810人 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」短時間労働者・職種 第1表/企業規模計(10人以上)/男女計/産業計。労働者数は原表の「十人」単位を人数に換算(編集部)
看護師は1,933円、准看護師は1,624円で、差は309円です。役職者を除いた参考の表(同 第3表)では、看護師は1,920円、准看護師は同じ1,624円でした。
1か月に働く時間の目安を、平均どうしの掛け算で出すと次のとおりです。
編集部試算:看護師 13.8日 × 6.0時間 = 82.8時間、准看護師 14.4日 × 5.8時間 ≒ 83.5時間
平均値どうしを掛けたもので、調査が公表している数字ではありません。1人ひとりの働き方には幅があります。

1,933円に入っているもの、入っていないもの
1,933円は、求人に書かれた時給を集めた数字ではありません。1人ごとに、6月分の所定内給与額を所定内実労働時間数で割り、その平均をとった額です(調査の概要 3(21))。
| 区分 | 1,933円との関係 |
|---|---|
| 基本給、職務手当、精皆勤手当、通勤手当、家族手当など | 入る(所定内給与額) |
| 時間外勤務手当、深夜勤務手当、休日出勤手当、宿日直手当、交替手当 | 入らない(超過労働給与額) |
| 賞与、期末手当など | 入らない(年間賞与その他特別給与額として別に集計。看護師は110,700円) |
出典:同 調査の概要 3 用語の説明(18)(20)(22)。表の整理は編集部
夜勤のあるパートなら、深夜勤務手当は1,933円の外にあります。反対に、通勤手当などは1,933円の中に入っています。
1時間当たりの額は令和7年(2025年)6月分の給与と労働時間、年間賞与は原則として令和6年(2024年)1月から12月までの1年間の額です(調査の概要 1(5))。
調査の対象は、常用労働者10人以上の事業所(民営の事業所などに限る)と、5人以上9人以下の事業所(民営の事業所であって、5人以上9人以下の企業に属するものに限る)です(調査の概要 1(3)ウ)。働く人が4人以下の事業所は、この並びに入っていません。ごく小さなクリニックで働く人は、集計の外にいることになります。
派遣で働く准看護師の賃金は、この統計とは別に、労働者派遣事業報告書の集計結果が8時間換算で出しています。病院等への派遣が禁じられている仕組みとあわせて准看護師の派遣と時給|病院への派遣は政令で禁止。8時間換算の賃金は14,921円ですで扱っています。
企業規模別:看護師は10〜99人が2,003円、准看護師は10〜99人がいちばん低い
調査の「企業規模」は、事業所1か所の人数ではなく、その企業に雇われている常用労働者全体の数で分けています(調査の概要 3(2))。複数の施設を運営する法人なら、全体の人数で数えます。
| 看護師 | 1時間当たり所定内給与額 | 1日当たり所定内実労働時間数 | 実労働日数 | 年間賞与 | 平均年齢 | 労働者数 | 構成比 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 企業規模計(10人以上) | 1,933円 | 6.0時間 | 13.8日 | 110,700円 | 50.9歳 | 277,530人 | — |
| 1,000人以上 | 1,917円 | 6.7時間 | 15.4日 | 199,100円 | 47.4歳 | 58,480人 | 21.1% |
| 100〜999人 | 1,875円 | 6.3時間 | 14.6日 | 103,500円 | 51.5歳 | 112,790人 | 40.6% |
| 10〜99人 | 2,003円 | 5.3時間 | 11.9日 | 69,700円 | 52.3歳 | 106,260人 | 38.3% |
| 准看護師 | 1時間当たり所定内給与額 | 1日当たり所定内実労働時間数 | 実労働日数 | 年間賞与 | 平均年齢 | 労働者数 | 構成比 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 企業規模計(10人以上) | 1,624円 | 5.8時間 | 14.4日 | 95,100円 | 59.4歳 | 55,810人 | — |
| 1,000人以上 | 1,674円 | 6.2時間 | 15.7日 | 70,200円 | 61.3歳 | 5,400人 | 9.7% |
| 100〜999人 | 1,651円 | 6.0時間 | 13.9日 | 91,200円 | 58.2歳 | 23,930人 | 42.9% |
| 10〜99人 | 1,590円 | 5.5時間 | 14.6日 | 103,700円 | 60.2歳 | 26,480人 | 47.4% |
出典:同調査 短時間労働者・職種 第1表/男女計。構成比は企業規模計の労働者数に対する比率で編集部算出
- 看護師は10〜99人の2,003円がいちばん高く、いちばん低い100〜999人の1,875円より128円高くなっています。
- 看護師の10〜99人は、1日5.3時間、実労働日数11.9日で、3つの規模の中でどちらもいちばん短く、少ない数字です。
- 准看護師は反対の並びです。10〜99人の1,590円がいちばん低く、1,000人以上の1,674円との差は84円です。
- 役職者を除いた参考の表(同 第3表)では、看護師の10〜99人は1,971円で、2,003円より32円低くなります。
企業規模は、診療所かどうかを表していません。10〜99人の企業には、診療所のほか、小さな病院や、介護・訪問看護の事業所なども入りえます。表は産業計なので、これらを分けることはできません。2,003円を「クリニックの時給」と読み替えることはできません。
この表は企業規模10人以上の集計です。5〜9人の企業は別の表で、短時間労働者の看護師は1時間当たり所定内給与額1,858円、1日当たり所定内実労働時間数4.4時間、30,740人、准看護師は1,828円、4.0時間、6,460人です(同調査 短時間労働者・企業規模5〜9人 第4表)。推計の区分が違うため、10人以上の数字と合算していません。
ここが本題②:診療所の看護師は、1人あたり常勤0.74人分です
もう1つの手がかりは、厚生労働省の医療施設調査です。病院・診療所の従事者の数を、3年ごとに行う静態調査で詳しく集計しています。2026年10月7日時点で結果が出ている最新の静態調査は令和5年(2023年10月1日現在)で、令和8年の静態調査は、厚生労働省が協力を呼びかけている段階です。
この調査は、看護師の数を「実人員」と「常勤換算」の2通りで出しています。常勤換算は、次のように定義されています。
「従事者について、その職務に従事した1週間の勤務時間(残業は除く)を、当該医療施設の通常の1週間の勤務時間で除した数である。」
出典:厚生労働省「令和5年医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」調査の概要 4 用語の説明(9)(原文どおり)
常勤の人は1人が1.0、常勤の半分の時間で働く人は0.5と数えます。実人員は人数そのものです。常勤換算を実人員で割ると、1人あたり常勤何人分の時間で働いているかの平均になります。
| 区分 | 実人員 | 常勤換算 | 1人あたり(編集部試算) |
|---|---|---|---|
| 一般診療所の看護師 | 238,725人 | 177,361.0人 | 0.74 |
| うち無床の診療所の看護師 | 210,874人 | 154,561.8人 | 0.73 |
| うち有床の診療所の看護師 | 27,851人 | 22,799.2人 | 0.82 |
| 病院の看護師 | 875,309人 | 828,480.4人 | 0.95 |
| 一般診療所の准看護師 | 94,015人 | 74,826.7人 | 0.80 |
| 病院の准看護師 | 81,039人 | 71,536.7人 | 0.88 |
出典:厚生労働省「令和5年医療施設調査」全国編 第173表(一般診療所)・第129表(病院。従事者数不詳を除く)。1人あたりは常勤換算÷実人員で編集部算出(小数第3位を四捨五入)
編集部試算:一般診療所の看護師 177,361.0 ÷ 238,725 ≒ 0.74、病院の看護師 828,480.4 ÷ 875,309 ≒ 0.95
診療所の看護師は、平均すると常勤の4分の3ほどの時間で働いている計算です。ベッドのない無床の診療所は0.73、ベッドのある有床の診療所は0.82で、無床のほうが低くなっています。准看護師も、診療所の0.80に対して病院は0.88です。
一般診療所の年次の表(同 第48表)では、実人員の欄は令和5年にしかありません。1人あたりの常勤換算を、前の回と比べることはできません。
常勤より短い時間で働く看護師は、診療所で25.7%以上
病院と一般診療所の従事者の表は、常勤・非常勤の別を医師と歯科医師にしか付けていません。看護師の非常勤の人数そのものは、表にありません。
そこで、実人員と常勤換算の差を使います。定義から、1人の常勤換算は常勤なら1.0、常勤より短い時間なら1.0未満です。1人が1.0を超えないとすれば、実人員から常勤換算を引いた差は「常勤に足りない時間」の合計で、その分だけ常勤より短い時間の人がいることになります。1人の不足は多くても1人分なので、常勤より短い時間の人は、少なくとも差の人数以上います。
編集部試算:(238,725 − 177,361.0)÷ 238,725 × 100 ≒ 25.7%
| 区分 | 実人員 − 常勤換算 | 実人員に対する割合(下限) |
|---|---|---|
| 一般診療所の看護師 | 61,364.0人分 | 25.7% |
| うち無床の診療所の看護師 | 56,312.2人分 | 26.7% |
| うち有床の診療所の看護師 | 5,051.8人分 | 18.1% |
| 病院の看護師 | 46,828.6人分 | 5.3% |
| 一般診療所の准看護師 | 19,188.3人分 | 20.4% |
| 病院の准看護師 | 9,502.3人分 | 11.7% |
出典:同 第173表・第129表から編集部算出
- 診療所の看護師は、4人に1人以上が常勤より短い時間で働いている計算です。病院の看護師の下限は5.3%です。
- 一般診療所の看護師の実人員は、病院の27.3%です。それでも「常勤に足りない時間」の合計は、診療所の61,364.0人分のほうが、病院の46,828.6人分より多くなっています。
これは下限で、実際の割合はこれより高い可能性があります。差がどんな働き方から生まれているか(パート、日数の少ない勤務など)の内訳は、表にありません。
2つの数字をつなげるときの注意
ここまでの①と②は、別々の調査の数字です。並べて読むときは、次の違いがあります。
| 違い | ①1時間当たりの額 | ②1人あたりの常勤換算 |
|---|---|---|
| 時点 | 2025年6月分 | 2023年10月1日現在 |
| 範囲 | 常用労働者5人以上の事業所に雇われる人。産業計 | 病院・診療所に在籍する従事者 |
| 「短い時間」の物差し | 所定労働時間・日数が一般の労働者より短いか少ない | 1週間の勤務時間を、施設の常勤の勤務時間で割る |
出典:賃金構造基本統計調査 調査の概要 1(3)(5)(2025年6月分)、医療施設調査 調査の概要 4 用語の説明(8)(9)。表の整理は編集部
②から言えるのは「診療所には常勤より短い時間で働く看護師が、病院より多い割合でいる」ことまでです。その人たちの時給が1,933円に近いかどうかは、どちらの表からも分かりません。クリニックのパートが働きやすいかどうかも、この2つの数字からは決まりません。
この記事が扱っていないこと
- クリニック(診療所)に限ったパートの看護師の時給。国の表に区分が見つからず、取得していません。
- 診療科別・都道府県別の、短時間の看護師の1時間当たりの額。本記事は取得していません。
- 短時間の看護師の年齢階級別の数字と分布(中位数など)。確認した短時間労働者の職種の6つの表に、年齢階級別の表はなく、分布の表も取得していません。
- 診療所で働く看護師の、常勤・非常勤それぞれの人数。公表された表にありません。本記事の25.7%は下限の試算です。
- 一般労働者(フルタイムなど)の看護師・准看護師の月給と年収。看護師の平均年収と准看護師の年収で扱っています。
- パートの有給休暇の日数、社会保険の加入条件。本記事は取得していません。有給休暇の取り方はクリニック看護師は有給を取れるかで扱っています。
- 手取りの額。税や社会保険料を引いた額は取得していません。
クリニックのパート看護師の求人を見るときに確認できること
- 時給が基本給だけの額か、手当を含んだ額か。統計の1,933円は、通勤手当なども含んだ所定内給与額を時間で割った額です。
- 1日・1週に何時間、何日の勤務か。統計の短時間の看護師は1日6.0時間、月13.8日で、10〜99人の企業では1日5.3時間でした。
- 夜勤や休日の勤務があるか、その手当はいくらか。深夜勤務手当などは1,933円の外にあります。
- 賞与や一時金があるか。統計の年間賞与は110,700円で、企業規模で69,700円から199,100円まで違います。
- 有床か無床か。診療所の看護師の1人あたり常勤換算は、無床0.73、有床0.82でした。
よくある質問
Q. クリニックのパート看護師の時給の相場はいくらですか。
A. 国の統計に診療所だけの区分はありません。近い数字は、賃金構造基本統計調査の短時間労働者の看護師の1時間当たり所定内給与額1,933円(2025年6月分、企業規模10人以上、産業計)です。病院などで働く人も含んだ平均で、手当を含み、賞与と時間外などの手当は含みません。
Q. 小さい企業のほうが時給は高いのですか。
A. 看護師は10〜99人の企業が2,003円でいちばん高い一方、准看護師は10〜99人が1,590円でいちばん低い並びです。企業規模は企業全体の人数で分けたもので、診療所かどうかは表していません。
Q. クリニックはパートで働く看護師が多いのですか。
A. 非常勤の人数は公表された表にありません。医療施設調査では、一般診療所の看護師の1人あたり常勤換算は0.74で、病院の0.95より低い数字です。実人員と常勤換算の差から、常勤より短い時間の人は診療所の看護師の25.7%以上と試算できます(編集部試算)。
Q. 統計の1,933円に夜勤手当は入っていますか。
A. 入っていません。深夜勤務手当は超過労働給与額に含まれ、1時間当たり所定内給与額の計算には使われません。
Q. 准看護師のパートの数字はありますか。
A. 短時間労働者の准看護師は1時間当たり1,624円、1日5.8時間です。医療施設調査では、一般診療所の准看護師の1人あたり常勤換算は0.80で、病院は0.88でした。
迷ったらここ
クリニックのパートは2つの数字で見る
国の統計に診療所だけの時給はありません。短時間で働く看護師の1時間当たり所定内給与額は1,933円(産業計)で、診療所の看護師は1人あたり常勤0.74人分の時間で働いている計算です。
- 時給が基本給だけの額か、手当を含んだ額か
- 1日・1週に何時間、何日の勤務か(統計では1日6.0時間、月13.8日)
- 夜勤や休日の勤務・賞与の有無と、その手当の払われ方
まとめ
- クリニックのパート看護師の時給は、国の統計で直接は出せない(職種の表は産業計で、診療所の区分がない)
- 言えるのは、短時間の看護師の1時間当たり所定内給与額1,933円(准看護師1,624円、2025年6月分)
- 企業規模別では看護師は10〜99人の2,003円がいちばん高く、准看護師は10〜99人がいちばん低い。規模は診療所かどうかを表さない
- 診療所の看護師は1人あたり常勤0.74人分で、病院の0.95より低い(令和5年、編集部試算)
- 常勤より短い時間の看護師は、診療所で25.7%以上、病院で5.3%以上(下限の試算)
統計からは、クリニックのパートの時給そのものは分かりません。求人を比べるときは、時給に何が含まれるか、1日・1週の時間、夜勤や賞与の有無を先に確かめてください。そのうえで、1,933円を物差しの1つに使えます。

