30秒でわかるまとめ
- 栄養教諭の給料月額は、公立小学校で318,900円です令和4年9月分の給料(本俸)の平均です。諸手当と調整額は含まず、年収ではありません。
- 教諭より11,300円高く、平均年齢は2.2歳上です公立小学校の教諭は307,600円・40.2歳、栄養教諭は42.4歳です。年齢の差を含んだ比べ方です。
- 中学校では、教諭との差が2,200円まで縮まります公立中学校の栄養教諭は323,100円、教諭は320,900円です。平均年齢の差は1.0歳です。
- 給特法は、栄養教諭にも教職調整額を支給すると定めています率は本則で給料月額の百分の十、令和8年は附則で百分の五です。時間外勤務手当は支給しません。
※免許の取り方は栄養教諭の免許の取り方、学校給食の現場のルールは学校給食の衛生管理基準で扱っています。

まず定義:統計にあるのは「給料月額」で、年収ではありません
栄養教諭の給与を職名別に出している国の統計は、文部科学省の学校教員統計調査です。3年ごとの調査で、最新の確定値は令和4年度調査(令和6年3月27日にe-Statへ掲載)です。
この調査の「給料月額」は、表の注で次のように定義されています。
「給料月額は令和4年9月分の給料(本俸)額である。諸手当及び調整額は含まない。」
出典:文部科学省「令和4年度学校教員統計調査」36 中学校 給料月額別 職名別 教員構成(表の注。原文どおり)
読み方のポイントは3つです。
- 1か月分の本俸です。12を掛けても年収にはなりません。
- 諸手当が入っていません。期末手当・勤勉手当・地域手当などは、この数字の外にあります。
- 調整額も入っていません。後で見る教職調整額は、この数字に上乗せされる側です。
令和7年度調査は、令和8年7月22日に中間報告が公表されました。ただし中間報告の給料月額の表は学校種・設置者ごとの数字で、職名別(栄養教諭)の数字は載っていません。公表資料は、確定値の公表を令和9年3月の予定としています。
管理栄養士・栄養士の年収は、別の統計(賃金構造基本統計調査)で管理栄養士の年収・栄養士の年収が扱っています。対象も金額の定義も違うため、この記事では並べません。

ここが本題:公立小学校の栄養教諭は318,900円、教諭より11,300円高い
公立小学校で、栄養教諭と同じ学校にいる教諭・養護教諭を並べます。
| 職名(公立小学校) | 平均給料月額 | 平均年齢 | 平均勤務年数 | 本務教員数 |
|---|---|---|---|---|
| 栄養教諭 | 318,900円 | 42.4歳 | 16.7年 | 4,431人 |
| 教諭 | 307,600円 | 40.2歳 | 14.4年 | 297,745人 |
| 養護教諭 | 306,000円 | 42.1歳 | 16.9年 | 17,308人 |
出典:文部科学省「令和4年度学校教員統計調査」25 小学校 給料月額別 職名別 教員構成(うち公立)/17 小学校 勤務年数区分別 職名別 教員構成(うち公立)/1 年齢別 職名別 本務教員数(小学校・うち公立)。統計表の単位は千円で、円への換算は編集部
栄養教諭の318,900円は、教諭の307,600円より11,300円高く、養護教諭の306,000円より12,900円高い数字です。
ただし、この差をそのまま「職名の差」と読むことはできません。
- 平均年齢は、栄養教諭が42.4歳、教諭が40.2歳で、2.2歳の差があります。
- 平均勤務年数も、栄養教諭16.7年、教諭14.4年と、栄養教諭のほうが長くなっています。
- この表は職名ごとの平均で、同じ年齢どうしの比較ではありません。年齢をそろえた数字は、この表からは出せません。
「栄養教諭のほうが、年齢も勤務年数も上の集団で、給料月額も高い」というのが、この表から言える範囲です。

中学校では、教諭との差が2,200円です
同じ並べ方を、公立中学校で行います。
| 職名(公立中学校) | 平均給料月額 | 平均年齢 | 平均勤務年数 | 本務教員数 |
|---|---|---|---|---|
| 栄養教諭 | 323,100円 | 42.5歳 | 18.5年 | 1,467人 |
| 教諭 | 320,900円 | 41.5歳 | 15.5年 | 169,376人 |
| 養護教諭 | 325,500円 | 44.0歳 | 18.6年 | 8,334人 |
出典:文部科学省「令和4年度学校教員統計調査」36 中学校 給料月額別 職名別 教員構成(うち公立)/28 中学校 勤務年数区分別 職名別 教員構成(うち公立)/1 年齢別 職名別 本務教員数(中学校・うち公立)。円への換算は編集部
中学校の栄養教諭は323,100円で、教諭の320,900円との差は2,200円です。平均年齢の差も1.0歳と、小学校より小さくなっています。
養護教諭(325,500円・44.0歳)は、中学校では栄養教諭より2,400円高い位置にいます。小学校と中学校で、3つの職名の並び順が入れ替わっています。中学校では、平均年齢の高い順と給料月額の高い順が一致しています。
栄養教諭の人数は、公立の小学校に4,431人、中学校に1,467人です。小学校のほうが約3倍多く、「栄養教諭の給料」を1つの数字で言うなら、小学校の318,900円のほうが多くの人を代表しています。
給料月額の分布:35万円以上40万円未満の層が一番厚い
平均だけでなく、金額の帯ごとの割合も出ています。公立小学校の栄養教諭と教諭を並べます。
| 給料月額の帯 | 栄養教諭 | 教諭 |
|---|---|---|
| 10万円未満 | 7.0% | 6.0% |
| 10万円以上15万円未満 | - | 0.1% |
| 15万円以上20万円未満 | - | 0.6% |
| 20万円以上25万円未満 | 10.9% | 16.0% |
| 25万円以上30万円未満 | 13.5% | 19.5% |
| 30万円以上35万円未満 | 18.3% | 15.4% |
| 35万円以上40万円未満 | 27.7% | 21.9% |
| 40万円以上45万円未満 | 22.6% | 20.2% |
| 45万円以上 | - | 0.2% |
出典:文部科学省「令和4年度学校教員統計調査」25 小学校 給料月額別 職名別 教員構成(うち公立)。「-」は統計表の表記のまま
栄養教諭で一番多いのは「35万円以上40万円未満」の27.7%です。教諭は20万円台の2つの帯に合わせて3割を超える人がいますが、栄養教諭はこの2つの帯が教諭より少なく、30万円以上の帯が多くなっています。平均年齢が高いことと、同じ向きの形です。
「10万円未満」にも栄養教諭の7.0%が入っています。この帯にどういう人が入るのかは、統計表に書かれていません。本記事では理由を推測しません。
給特法:栄養教諭は「教育職員」に入っています
公立学校の栄養教諭の給与には、一般の地方公務員とは別の特例法があります。公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(給特法)です。まず、対象になる「教育職員」の定義です。
「この法律において、「教育職員」とは、義務教育諸学校等の校長(園長を含む。次条第一項において同じ。)、副校長(副園長を含む。同項において同じ。)、教頭、主幹教諭、指導教諭、主務教諭、教諭、養護教諭、栄養教諭、助教諭、養護助教諭、講師(常時勤務の者及び地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二十二条の四第一項に規定する短時間勤務の職を占める者に限る。)、実習助手及び寄宿舎指導員をいう。」
出典:公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(e-Gov法令API 法令ID 346AC0000000077)第2条第2項(原文どおり)
栄養教諭は、この列挙に名前で入っています。「義務教育諸学校等」は、同条第1項で公立の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校又は幼稚園とされています。
教職調整額は給料月額の百分の十。令和8年は附則で百分の五です
給特法 第3条第1項です。
「教育職員(校長、副校長及び教頭並びに指導改善研修被認定者(教育公務員特例法(昭和二十四年法律第一号)第二十五条第一項の規定による認定を受けた者であって、当該認定の日から同条第四項の認定の日までの間にあるものをいう。第五条及び第六条第一項において同じ。)を除く。以下この項及び次項において同じ。)には、その者の給料月額の百分の十(幼稚園の教育職員にあっては、百分の四)に相当する額を基準として、条例で定めるところにより、教職調整額を支給しなければならない。」
出典:給特法 第3条第1項(原文どおり)
除かれているのは校長・副校長・教頭と指導改善研修被認定者で、栄養教諭は教職調整額を支給される側です。金額は「給料月額の百分の十に相当する額を基準として、条例で定める」とされています。
ただし、この「百分の十」は本則の率です。附則第2項が、年ごとの読み替えを置いています。本記事は附則を使っているので、そのことを明記します。
| 期間 | 第3条第1項の「百分の十」の読み替え |
|---|---|
| 令和八年一月一日から同年十二月三十一日まで | 百分の五 |
| 令和九年一月一日から同年十二月三十一日まで | 百分の六 |
| 令和十年一月一日から同年十二月三十一日まで | 百分の七 |
| 令和十一年一月一日から同年十二月三十一日まで | 百分の八 |
| 令和十二年一月一日から同年十二月三十一日まで | 百分の九 |
出典:給特法 附則第2項(表の字句は原文どおり)
令和8年(2026年)の率は百分の五で、1年ごとに百分の一ずつ上がり、表に書かれていない令和13年以降は本則の百分の十になる組み立てです。
目安として、編集部が仮の計算をします。公立小学校の栄養教諭の平均給料月額318,900円に当てはめると、次のとおりです。
- 百分の五の場合:318,900円 × 5 ÷ 100 = 15,945円
- 百分の十の場合:318,900円 × 10 ÷ 100 = 31,890円
これは令和4年9月の給料月額に、令和8年以降の率を当てはめた仮の計算です。実際の額は条例で定まり、給料月額そのものもその後変わっています。本記事は、令和4年9月当時に適用されていた率の条文を取得していないため、当時の率は書いていません。
時間外勤務手当は支給されず、期末手当の計算には教職調整額が入ります
第3条第2項は、短い1文です。
「教育職員については、時間外勤務手当及び休日勤務手当は、支給しない。」
出典:給特法 第3条第2項(原文どおり)
そのかわり、第3条第3項第1号は、地域手当、特地勤務手当(これに準ずる手当を含む。)、期末手当、勤勉手当、定時制通信教育手当、産業教育手当又は退職手当について、給料をその算定の基礎とする場合には、給料の額に教職調整額の額を加えた額を算定の基礎とすることを、条例で定めるものとしています。
出典:給特法 第3条第3項第1号
さらに第4条は、地方公務員等共済組合法などの一定の法律の適用について、教職調整額を給料とみなすと定めています。
出典:給特法 第4条
条文から読める組み立ては、給料月額と教職調整額が土台になり、期末手当・勤勉手当などを給料を基礎に計算するときは、その土台が基礎になる、という形です。学校教員統計調査の給料月額は、このうち「給料」の部分だけを示しています。
この記事が扱っていないこと
- 栄養教諭の年収の金額。本記事が使った学校教員統計調査の表は給料月額(本俸)で、手当・賞与を含む年収ではありません。年収を出している一次資料は取得していません。
- 期末手当・勤勉手当・地域手当の支給割合。自治体の条例で定まる部分で、本記事は取得していません。
- 都道府県・市町村ごとの栄養教諭の給料月額。本記事は全国の表だけを使い、地域別の数字は取得していません。
- 学校栄養職員(栄養教諭でない職員)の給与。本記事は取得していません。
- 義務教育学校・特別支援学校などの栄養教諭の数字。本記事は小学校・中学校の公立の表だけを使っています。
- 令和4年9月当時の教職調整額の率を定めた条文。本記事は現行の条文だけを取得しています。
- 栄養教諭の採用試験。本記事は扱っていません。
栄養教諭の求人・募集を見るときに確認できること
- 提示額が給料月額(本俸)か、手当込みか。統計の318,900円・323,100円は本俸だけの数字です。手当込みの額と並べると、比べ方を誤ります。
- 教職調整額の扱い。給特法は給料月額の一定割合を基準に条例で定めるとしています。募集する自治体の条例でどう定めているかを確認できます。
- 時間外勤務の扱い。第3条第2項により、時間外勤務手当・休日勤務手当は支給されません。
- 期末手当・勤勉手当の算定の基礎。第3条第3項第1号により、給料に教職調整額を加えた額が基礎になります。
- 自分の年齢・経験年数との対応。統計の平均は、平均年齢42歳台の集団の数字です。自分と同じ年齢の人の額ではありません。
よくある質問
Q. 栄養教諭の平均年収はいくらですか。
A. 職名別に給与を出している学校教員統計調査は、年収ではなく給料月額(本俸)を出しています。公立小学校の栄養教諭は318,900円、公立中学校は323,100円(令和4年9月分)です。諸手当と調整額は含まれていません。
Q. 栄養教諭は教諭より給料が高いのですか。
A. 公立小学校では栄養教諭が11,300円高く、公立中学校では2,200円高くなっています。ただし栄養教諭のほうが平均年齢が高く(小学校で2.2歳、中学校で1.0歳)、年齢をそろえた比較ではありません。
Q. 栄養教諭に残業代は出ますか。
A. 給特法 第3条第2項は、教育職員について時間外勤務手当及び休日勤務手当は支給しないとしています。栄養教諭は同法 第2条第2項の教育職員に入っています。かわりに、第3条第1項の教職調整額が支給されます。
Q. 教職調整額は何%ですか。
A. 第3条第1項の本則は給料月額の百分の十を基準とし、附則第2項により令和8年は百分の五、令和9年は百分の六と、令和12年の百分の九まで段階的に読み替えられます。実際の額は条例で定めます。
Q. 最新の統計はいつ出ますか。
A. 令和7年度調査は中間報告が令和8年7月22日に公表されましたが、職名別の給料月額は載っていません。確定値の公表は令和9年3月の予定とされています。
迷ったらここ
提示額が本俸か手当込みかを分ける
統計にある栄養教諭の給料月額(公立小学校318,900円)は本俸だけの数字です。教職調整額や期末手当は、この外にあります。
- 提示額が給料月額(本俸)か、手当込みか
- 教職調整額を条例でどう定めているか
- 期末手当・勤勉手当の算定の基礎
まとめ
栄養教諭の給与を職名別に出している学校教員統計調査は、年収ではなく給料月額(本俸)を出しています。令和4年9月分で、公立小学校の栄養教諭は318,900円、公立中学校は323,100円です。諸手当と調整額は含みません。
公立小学校では教諭より11,300円高いものの、栄養教諭のほうが平均年齢が2.2歳高く、中学校では差が2,200円まで縮みます。職名の差というより、年齢と勤務年数の差を含んだ数字として読むのが安全です。
栄養教諭は給特法の「教育職員」に入っており、時間外勤務手当のかわりに教職調整額が支給されます。率は本則で給料月額の百分の十、附則第2項により令和8年は百分の五で、期末手当・勤勉手当などは給料に教職調整額を加えた額を基礎に計算されます。

