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30秒でわかるまとめ
- 介護の改定案で、グループホームの夜勤2人体制が広がります厚生労働省が10月9日の分科会で示しました。見守り機器の活用などを条件に、3ユニットで2人体制にできる範囲を広げます。
- 3ユニットの77.3%は、ユニットが同じ階にありません案は、別の階にユニットがある場合や、同じ階でも隣り合っていない場合にも2人体制を認めるものです。
- 夜勤のシフトに苦慮する事業所は、3ユニットで58.8%です夜勤をできる職員が限られるという声は57.5%です。ユニットが多いほど苦慮する割合が高くなっています。
- 1ユニットの事業所のケアマネ配置も見直す案です人材の確保が難しく経営も厳しい1ユニットの事業所について、計画作成担当者の配置要件を見直すとしています。
厚生労働省は10月9日、社会保障審議会の介護給付費分科会で、2027年度の介護報酬改定に向けて認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)の論点と対応案を示した。夜勤の人員配置と計画作成担当者の配置について、条件付きで柔軟にする案が並んだ。グループホームで夜勤を担う介護職、これから職場を選ぶ人に向けて、案の中身と背景の数字を整理する。
3ユニットの夜勤2人体制を広げる案
グループホームの夜間の人員配置は、ユニットごとに1人が基本である。3ユニットの事業所では原則3人以上の夜勤職員が必要で、一定の要件を満たす場合に限り、例外的に2人以上の配置が認められている。資料は、この例外の活用実績は限定的だとした。3ユニットで夜勤職員を2人以上とした場合の減算の算定は、件数ベースで0.2%にとどまる。
対応案は、夜間の利用者の安全確保を前提に、見守り機器などを使って継続的に状態を把握し、迅速に対応できる体制があることを要件として、次の場合にも夜間の2人体制を可能にするというものだ。
- 2ユニットが同じ階で隣り合い、別の階の1ユニットと一体的に運営されている場合
- 同じ階で隣り合っていない3ユニットの場合
3ユニットでも、夜は2人で見る形が広がるんですね。
見守り機器などで状態を把握できる体制が要件だったね。
人が減る分を、機器と体制でどう補うかが大事そうです。
3ユニットの77.3%は同じ階にない
資料が引いた日本認知症グループホーム協会の調査では、3ユニットの事業所119か所のうち、ユニットが「同一階にはない」が77.3%で最も多かった。「3ユニットが同一階に隣接している」は16.0%、「3ユニットとも同一階にあるが、隣接はしていない」は6.7%だった。
| 3ユニットの構造 | 割合 |
|---|---|
| 同一階にはない | 77.3% |
| 3ユニットが同一階に隣接している | 16.0% |
| 3ユニットとも同一階にあるが、隣接はしていない | 6.7% |
出典:厚生労働省 第269回社会保障審議会介護給付費分科会 資料4(日本認知症グループホーム協会「認知症対応型共同生活介護における安定的なサービス提供のあり方に関する調査研究事業」、3ユニットの119事業所)
今回の案が、別の階にユニットがある場合や、同じ階でも隣り合っていない場合を対象に加えているのは、こうした建物の構造を踏まえたものといえる。
夜勤のシフトに苦慮、3ユニットで58.8%
同じ調査で、夜勤のシフト調整に苦慮している(介護従業者の人数に余裕がない)と答えた事業所は、1ユニットで43.8%、2ユニットで50.9%、3ユニットで58.8%だった。ユニットが多いほど割合が高い。
| 夜勤職員の確保・シフト調整の課題(複数回答) | 割合 |
|---|---|
| 夜勤のシフト調整に苦慮(夜勤をできる介護従業者が限られている) | 57.5% |
| 夜勤のシフト調整に苦慮(介護従業者の人数に余裕がない) | 49.6% |
| 夜勤職員の確保ができない(夜勤可能な職員の応募がない) | 37.8% |
| 夜勤のシフトが調整できず、管理者が穴埋めをすることが度々ある | 35.7% |
| 夜勤職員確保のために、人材紹介会社・人材派遣会社に多額の費用を支払っている | 18.1% |
出典:厚生労働省 第269回社会保障審議会介護給付費分科会 資料4(同調査、1,239事業所)
今回示されたのは対応案で、要件の細かな中身や実施の時期は、これからの議論で決まる。
見守り機器の加算、算定なしは73.8%
見守り機器などのテクノロジーを使った取り組みを評価する生産性向上推進体制加算について、同じ調査では「加算(Ⅰ)(Ⅱ)のいずれも算定していない」が73.8%だった。算定している325事業所に効果を聞くと、「業務の効率化につながった」が73.5%、「残業時間の減少や有給休暇取得の促進につながった」が40.6%だった。
夜勤のできる人が限られている事業所が多いんですね。
57.5%の事業所が、そう答えていたね。
見守り機器の加算は、73.8%が算定していなかったよ。
2人体制にするなら、機器がそろっている職場かが分かれ目ですね。
1ユニットのケアマネ配置も見直し
グループホームでは、介護計画を作る計画作成担当者を事業所ごとに1人以上置き、最低1人は介護支援専門員(ケアマネジャー)でなければならない。対応案は、人材の確保が困難で経営状況が厳しい1ユニットの事業所について、ケアの質の確保を前提に、計画作成担当者(介護支援専門員)の配置要件の見直しを検討するとした。
資料が示した調査(速報値)では、計画作成担当者が「充足している」事業所は全体で69.6%、「やや不足している」が25.2%、「とても不足している」が4.3%だった。地域別では、中山間地域等で「充足している」が65.5%と、ほかの地域より低かった。
地域の拠点としての取り組みを評価へ
もう1つの論点は、グループホームを地域の認知症ケアの拠点として位置づけることだ。対応案は、本人の能力や強みを生かしたボランティア参加への支援、若年性認知症の人への就労支援、入居者の本人発信・社会参加活動の推進など、認知症の人が主体的に暮らし続けられるまちづくりにつながる事業所の取り組みを評価するとした。グループホームは全国に1万4,233事業所あり、サービス受給者は22.0万人である(2025年4月審査分)。
夜勤の負担だけでなく、地域とのかかわりも評価されそうです。
夜勤の体制は、職場ごとの差が大きくなるかもしれませんね。
迷ったらここ
夜勤の体制を見学で聞く
グループホームの夜勤は、ユニットの数や建物の構造、機器の入り方で負担が大きく変わります。応募先では次の点を聞いておくと比べやすくなります。
- 夜勤は何人で何ユニットを見るか、ユニットは同じ階か
- 見守り機器やインカムなどが入っているか
- 月の夜勤回数と夜勤手当の額
- 急変や人手が足りないときの応援の体制
編集部の見方:配置の緩和は職場の差になる
ここからは編集部の見方である。今回の案は、夜勤の人手不足に対して「人を増やす」のではなく「少ない人数で回せる条件を広げる」方向を示している。見守り機器などの要件を満たせば、3ユニットを2人で見る夜勤が、いまより多くの事業所で可能になる。
働く側にとっては、夜勤の回数が減る職場もあれば、1人が見る範囲が広がる職場もありうる。どちらになるかは、機器の入り方や応援の体制で決まる。見守り機器の加算を算定していない事業所が7割を超えるいま、同じグループホームでも夜勤の中身の差は大きくなりうる。夜勤と見守り機器の関係は夜勤と見守り機器の記事で、改定の全体の方向は介護報酬改定の視点案の記事で整理している。
出典
一次資料
- 厚生労働省「第269回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料」(2026年10月9日、2026年10月16日参照)。資料4「認知症対応型共同生活介護」
編集部メモ
- 今回の資料は「対応案」で、分科会での議論を経て変わることがあります。要件の細かな中身や実施時期は示されていません。
- 3ユニットの構造、夜勤の課題、生産性向上推進体制加算の算定状況は、資料が引いている日本認知症グループホーム協会の調査(令和7年度老人保健健康増進等事業)の数字です。計画作成担当者の充足状況は、別の調査(令和8年度老人保健健康増進等事業)の速報値です。
- 「3ユニットで夜勤職員を2人以上とした場合の減算」の算定率0.2%は、2025年11月審査分の件数ベースの数字です。
- いまの例外的な2人体制がどのような建物の構造に限られているかは、今回の資料の本文には書かれていないため、本文では触れていません。

