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30秒でわかるまとめ
- 2025年度に交付された栄養士免許は、1万1,085人です前年度は1万5,749人でした。厚生労働省が10月27日に公表した衛生行政報告例の結果に載っています。
- 都道府県によって減り方に大きな差があります神奈川は1,122人から575人に、北海道は566人から536人になりました。統計には、減った理由の説明がありません。
- 特定給食施設の管理栄養士は5万7,820人に増えました栄養士は4万465人で、前年度の4万906人を下回りました。施設の数は5万593施設に減っています。
- 病院は管理栄養士、児童福祉施設は栄養士が多い職場です特定給食施設の病院には管理栄養士が2万6,241人、児童福祉施設には栄養士が1万2,362人います。
厚生労働省は10月27日、「令和7(2025)年度衛生行政報告例」の結果を公表した。都道府県・指定都市・中核市からの報告を集計した統計で、栄養の分野では栄養士免許の交付数や、給食施設で働く管理栄養士・栄養士の人数がわかる。2025年度に交付された栄養士免許は1万1,085人で、前年度の1万5,749人を大きく下回った。栄養士の職場がどう変わっているかを、数字で整理する。
栄養士免許の交付は1万1,085人だった
栄養士の免許は、国が指定した養成施設で2年以上学んだ人に、都道府県知事が与える(栄養士法第2条)。免許を受けたい人は、申請書を住所地の都道府県知事に出す(栄養士法施行令第1条)。衛生行政報告例の「栄養士免許交付数」は、この免許が年度の中で交付された数だ。
過去5年度の全国の数は次のとおり。2024年度まではゆるやかに減っていたが、2025年度は前年度より4,664人少ない。
| 年度 | 栄養士免許の交付数 |
|---|---|
| 2021年度 | 1万6,771人 |
| 2022年度 | 1万6,654人 |
| 2023年度 | 1万6,344人 |
| 2024年度 | 1万5,749人 |
| 2025年度 | 1万1,085人 |
出典:厚生労働省「衛生行政報告例」各年度の第1表「栄養士免許交付数,都道府県別」(全国の行)をもとに編集部作成
1年で4,000人以上も減ったんですか。栄養士になる人が急に減ったんでしょうか。
この数字は、その年度に交付された免許の数なんだ。卒業した人の数そのものではないよ。
じゃあ、減った理由はまだわからないんですね。
減り方は都道府県で大きく違う
都道府県別に見ると、減り方にばらつきがある。2024年度の交付数が多い8都府県に、北海道を加えて並べた。
| 都道府県 | 2024年度 | 2025年度 |
|---|---|---|
| 北海道 | 566人 | 536人 |
| 埼玉 | 1,104人 | 747人 |
| 千葉 | 664人 | 492人 |
| 東京 | 1,331人 | 952人 |
| 神奈川 | 1,122人 | 575人 |
| 愛知 | 1,050人 | 866人 |
| 大阪 | 1,169人 | 952人 |
| 兵庫 | 753人 | 600人 |
| 福岡 | 873人 | 338人 |
| 全国 | 1万5,749人 | 1万1,085人 |
出典:厚生労働省「衛生行政報告例」令和6年度・令和7年度の第1表をもとに編集部作成
神奈川は前年度のほぼ半分になり、福岡は半分を下回った。一方、北海道はほぼ前年度並みだった。表にない県では、栃木が328人から94人に減った。富山(93人→97人)と鳥取(47人→50人)は増えている。
公表された概況にも統計表にも、交付数が減った理由は書かれていない。免許は本人の申請を受けて交付されるので、交付数は卒業した年と同じ年度に数えられるとは限らない。この数字だけで、栄養士になる人がそれだけ減ったとは読めない。
養成施設の卒業者は2016年から半減
養成施設の側の数字は、厚生労働省が7月21日の第1回栄養・食生活に関する専門委員会に出した資料にある。全国栄養士養成施設協会の就職実態調査をもとに、「栄養士養成施設の卒業者数、栄養士関係業務への就職者数は、平成28年から令和7年にかけて半減している」と書いている。
グラフの数字では、栄養士養成施設(管理栄養士養成施設を除く)の卒業者は2016年の9,248人から2025年の5,291人に、栄養士の仕事に就いた人は6,658人から3,814人になった。資料は、栄養士の確保に向けて社会人が学びやすくなるよう、栄養士養成施設に夜間部の設置を認める方向を示し、2028年度から設置できるようにすることを目指すとしている。
ただし、管理栄養士養成施設の卒業生も栄養士免許を受けるため、この卒業者数と免許の交付数は対象がそろわない。今回の交付数の落ち込みを、卒業者の減少だけで説明することはできない。
特定給食施設は3年続けて減った
働く場所の数も見ておく。2025年度末の給食施設は9万4,792施設で、2024年度末の9万4,987施設から減った。このうち特定給食施設は5万593施設で、2022年度末の5万1,214施設から3年続けて減っている。
特定給食施設は、健康増進法で決められた、特定かつ多数の人に継続して1回100食以上か1日250食以上の食事を出す施設をいう。種類別では学校が1万5,204施設(30.1%)でいちばん多く、児童福祉施設1万4,322施設(28.3%)、病院5,440施設(10.8%)が続く。
管理栄養士は増え、栄養士は減った
施設が減るなかで、特定給食施設で働く管理栄養士は増えている。栄養士は2025年度末に前年度を下回った。
| 年度末 | 管理栄養士 | 栄養士 |
|---|---|---|
| 2023年度 | 5万6,392人 | 4万648人 |
| 2024年度 | 5万7,435人 | 4万906人 |
| 2025年度 | 5万7,820人 | 4万465人 |
出典:厚生労働省「衛生行政報告例」各年度の第3表-1(特定給食施設の行)をもとに編集部作成
特定給食施設以外も含めた給食施設全体でも、管理栄養士は7万7,723人から7万8,240人に増え、栄養士は6万4,006人から6万3,529人に減った。管理栄養士が栄養士を置き換えているのか、別の理由かは、この統計からはわからない。
施設は減っているのに、管理栄養士は増えているんですね。
特定給食施設では、2025年度末に385人増えたよ。栄養士のほうは441人減っているんだ。
ただ、常勤か非常勤か、施設が直接雇っているか委託先の社員かは、この表では分かれていないんだ。
人数だけでは、働き方まではわからないんですね。
病院は管理栄養士、児童福祉施設は栄養士
どの職場にどちらが多いかは、施設の種類でくっきり分かれる。特定給食施設の主な種類を並べた。
| 施設 | 施設数 | 管理栄養士 | 栄養士 |
|---|---|---|---|
| 病院 | 5,440 | 2万6,241人 | 1万482人 |
| 学校 | 1万5,204 | 9,286人 | 7,251人 |
| 老人福祉 | 5,153 | 7,906人 | 4,227人 |
| 老健 | 2,789 | 5,344人 | 2,561人 |
| 児童福祉 | 1万4,322 | 5,018人 | 1万2,362人 |
| 事業所 | 4,784 | 1,876人 | 1,581人 |
出典:厚生労働省「衛生行政報告例(令和7年度)」第3表-1(特定給食施設、2025年度末)。老人福祉は老人福祉施設、老健は介護老人保健施設、児童福祉は児童福祉施設
病院は施設数が5,440なのに管理栄養士が2万6,241人いて、平均すると1施設に複数いる計算になる。逆に児童福祉施設は、栄養士1万2,362人が管理栄養士5,018人を大きく上回る。栄養士だけがいる児童福祉施設は6,162施設あった。
一方、特定給食施設のうち管理栄養士も栄養士もいない施設が1万1,878施設ある。学校4,419施設、児童福祉施設4,082施設、事業所2,458施設が多く、病院は4施設だった。給食の現場で管理栄養士がどこにいるかは、管理栄養士の資格が活かせる仕事で2024年度の数字をもとに整理している。
同じ給食の仕事でも、職場によって一人で任されるか、チームで動くかが違いそうです。
応募先に、管理栄養士と栄養士が何人ずついるかを聞くと、自分の役割が見えてくるよ。
迷ったらここ
配置の人数を職場に聞く
栄養士の働き方は、施設の種類と管理栄養士・栄養士の配置で大きく変わります。応募先では次の点を聞いておくと、入ってからの役割が見えてきます。
- 管理栄養士と栄養士が、それぞれ何人いるか
- 1日に何食を出しているか
- 給食を直営で作っているか、委託しているか
- 献立づくりと調理の仕事を、誰がどう分けているか
編集部の見方:免許の数より職場の配置を見る
ここからは編集部の見方である。2025年度の栄養士免許の交付数は1万1,085人と、前年度から大きく減った。ただ、理由は公表資料に書かれておらず、都道府県による差も大きい。この1年の数字だけで、栄養士の人手がどれだけ減るかを判断するのは早い。次の年度の交付数で、落ち込みが続くかを確かめたい。
はっきりしているのは、職場の側の変化だ。特定給食施設は3年続けて減り、その中で管理栄養士は増え、栄養士は前年度を下回った。病院は管理栄養士が中心で、児童福祉施設は栄養士だけで回す施設も多い。転職先を選ぶときは、施設の種類に加えて、管理栄養士と栄養士が何人いて、自分がどの役割を担うのかを確かめると、仕事の中身が具体的に見えてくる。
出典
一次資料
- 厚生労働省「令和7(2025)年度衛生行政報告例の概況」(2026年10月27日公表、2026年10月28日参照)。報道発表資料、結果の概要「栄養関係」、用語の定義
- 厚生労働省「衛生行政報告例」令和7年度・令和6年度・令和5年度の年度報 第1表「栄養士免許交付数,都道府県別」、第3表-1「給食施設数・管理栄養士数・栄養士数・調理師数,特定給食施設-その他の給食施設・施設の種類別」、令和4年度・令和3年度の第1表(政府統計の総合窓口 e-Stat、2026年10月28日参照)
- 厚生労働省「栄養士養成に係る現状と課題について」(第1回栄養・食生活に関する専門委員会 資料1、2026年7月21日、2026年10月28日参照)
- 栄養士法 第2条、栄養士法施行令 第1条(e-Gov法令検索、2026年10月28日参照)
編集部メモ
- 栄養士免許の交付数が2025年度に大きく減った理由は、公表資料に書かれていません。この記事では理由を推測していません。前年度との差(4,664人)、特定給食施設での増減(管理栄養士385人増、栄養士441人減)は、統計表の数字から編集部が計算しました。
- 第3表-1の管理栄養士数・栄養士数は、常勤・非常勤の別や、施設が直接雇っているか委託先の社員かを分けていません。令和6年度の第3表-1は2026年9月28日に訂正が出ており、訂正後の数字を使っています。
- 養成施設の卒業者数は、全国栄養士養成施設協会の就職実態調査をもとに厚生労働省が作ったグラフの数字です。栄養士養成施設(管理栄養士養成施設を除く)の数字で、免許の交付数とは対象がそろいません。
- 夜間部の設置は、7月の専門委員会に示された今後の対応(案)で、決まったものではありません。
- 報道各社の記事は参照していません。数値も記述も、すべて原典から取っています。

